【感想・ネタバレ】押絵と旅する男~江戸川乱歩全集第5巻~のレビュー

あらすじ

魚津から帰りの車中、見知らぬ老人の口から蜃気楼より不思議な物語が語られる……幻想文学史上に輝く表題作「押絵と旅する男」に加え、乱歩と明智小五郎の人気を不動にした傑作娯楽長編「蜘蛛男」、猟奇の頂点をきわめた「蟲」、他1編を収録。乱歩ワールドの真髄がこの一巻で堪能される。【この電子版は、註釈と「私と乱歩」を割愛しています】

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Posted by ブクログ

数年ぶりに「押絵と旅する男」が読みたくなり借りた。が、蟲も収録されており久しぶりにこんな気持ち悪い小説を読んだ。
蟲は伏字が多いが、期待を裏切らぬ気持ち悪さ。乱歩の世界を堪能した

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2012年07月20日

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江戸川乱歩の中でも好きな話の一つ「押絵と旅する男」が収録された5巻。
乱歩の話は読んでいると悪い白昼夢のような、熱に浮かされるような感覚になるけど、この「押絵と旅する男」は特にそれが強い。

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2011年05月29日

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怖かったです。
エログロ満載です。
短い話なので、すぐに読み終わるのですが、どの作品も頭に残ります。
怖かったです。

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2013年02月03日

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ネタバレ

『押し絵と旅する男』
魚沼から上野に向かう汽車の中で出会った男。年老いた男と美しい娘が描かれた押し絵を持つ男。男が語る押し絵を巡る兄の物語。若い頃、外出を繰り返すようになった兄を尾行した男。凌雲閣から浅草を双眼鏡で眺める兄。凌雲閣から見かけた少女に恋をし、その少女を探す兄。押し絵に描かれた少女に恋をしていた兄。双眼鏡を逆さにして絵を見つめた瞬間起きた出来事。

『蟲』
人嫌いな柾木愛造。唯一の友人・池内光太郎に誘われて舞台を見に行く。舞台で紹介された女優・木下芙蓉。小学生の頃に木下宛のラブレターの代筆をした愛造。池内光太郎と木下芙蓉の関係。狂おしいほどに芙蓉に恋する愛造。彼女を永遠に手に入れる為にタクシーの運転手に変装して殺害する。死体と暮らす愛造の狂気。

『蜘蛛男』
明智小五郎シリーズ

稲垣と名乗る人物に拉致された里見芳枝。姉である絹枝の依頼で捜査に当たる素人探偵・畔柳博士。畔柳博士によって発見された芳枝の遺体。石膏像に入れられた遺体。次なる標的になった富士洋子の警護。一度は誘拐されるが畔柳博士の助手・野崎により救出。「蜘蛛男」の協力者・平田青年。海外からの明智小五郎の帰国。暴かれた「蜘蛛男」の正体。再び狙われる洋子。「蜘蛛男」と洋子の心中。49人の美女の死を企画する「蜘蛛男」。

『盲獣』
盲目の殺人淫楽者による殺人事件。レビュー団女優・水木蘭子、彼女をモデルにした彫刻を怪しく触る盲人。盲人による蘭子誘拐事件。地下のアトリエに監禁される蘭子。蘭子の変貌と死。真珠夫人と呼ばれる未亡人の誘拐と死。未亡人クラブのマダム・大内麗子、ゴムの人形で盲人に対するが・・・。漁村の海女の死。バラバラにされた被害者たち。死後の盲人が美術評論家に送った手紙。

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2015年03月07日

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江戸川乱歩の中でも大好きなお話がぎゅっとつまっています。
押し絵と旅する男は最高の幻想小説ではないでしょうか。
蜘蛛男は一番好きな長編です。

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2009年10月04日

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【この話が私の夢か私の一時的狂気の幻でなかったら、あの押絵と旅していた男こそ狂人であったに違いない。】

この冒頭が好きだ。何度も読んだ「押絵と旅する男」。主人公と押絵の男との不思議な列車の旅に、引き込まれて離れることが出来ない。

魚津へ蜃気楼を見に出掛けた「私」は、その帰りの汽車の中で、風呂敷に絵の額のようなものを包み大事そうに抱える男に出会った。老人ともいえるその男の荷物は、「奇妙」な程巧緻を極めた押絵だったのである。男の口から明かされる、その押絵に秘められたエピソード…。

愛することは、狂うことなのかもしれない。泉鏡花の「外科室」貴船伯爵夫人のように、江国香織の「神様のボート」葉子のように。実際、押絵の中の「兄」は明らかに狂っていた。愛して、愛して、どうしようもない程愛して…そして狂っていく。

「狂気」と「異界」の観念が遺憾なく描かれた傑作です。

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2009年10月04日

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ネタバレ

※蟲を青空文庫で読みました。その感想です↓

人が恐い、でも人に興味あるところとか、話してる時相手が興味なさそうなのを察するともう話す気が無くなっちゃう厄介な繊細さとか、あー分かる〜と思ったけど思った以上にめちゃくちゃ行動力ある人だった。



主人公は二十代男性、性格は陰気。
でも親は金持ちだし服もオシャレだし、両親亡くなった後は家も土地も売って散歩中に見つけた場所に引っ越して、ばあやを雇って住むとか。エネルギッシュかよ。相続とか片付けとかホント大変なんだから。

住んでるとこは土蔵。

親友のつてで小さいころ好きだった可愛い子と再会して、その子は女優になってた。3人でご飯食べて、色々あってその子を殺すことにした。

そのために免許取りに行って車も買って改造して、井戸にいれる土ももらってきた。やっぱり行動力あるしお金もある。

陰でその女優が、話はできるけど虫酸が走る人って言うところとか、数少ない主人公のセリフが気持ち悪かったり、ああこの人ずっと独りなんだなーって思う。人と関われない人。やってることも気持ち悪いけどたまに俺はここまで堕落したのか、、って自己嫌悪してたりする。
噂話として何してるか気になる人って感じだった。それで結局最後まですぐ読んでしまった。

最後殺してから、あ、このままだと腐るなって気づいてからなんとかしようとやっきになるところの描写がとても細かい。伏せ字もあったけどあってちょうど良かった。動脈にホルマリンいれるあたりとかそうだミイラにしよってなった辺りはもう怖いからサッとしか読んでない。

書かれたのが昭和4年らしいから、工事現場の土いる人は言ってねっていう張り紙とか、敷地に普通に枯れ井戸あるとか、壁に火箸でこっそり穴開けるとかいうところは面白かった。

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2024年10月16日

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視覚と触覚の描写がえげつなくて、特に蟲と盲獣では途中で何度も手を洗いたくなる程。
乱歩の作品はあまり読んでいないけれど、どのタイトルも何かと心に引っかかります。

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2013年01月27日

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5巻
今までの5冊の中でこれが一番エログロ変態性が全開だった

『押し絵と旅する男』は不思議な雰囲気でエログロ要素もなく皆に勧めたい面白さ
『蟲』『蜘蛛男』『盲獣』はエログロが結構キツイので免疫ない人には読ませたくないかな
蟲の伏せ字の多さにびっくり
最後のほうがエグい
虫嫌いの私はご飯前に読まなくて良かった

蜘蛛男は明智小五郎も出てきてミステリ感が強めだけどやはり容易にわかる犯人
そしてエログロ

盲獣…エログロ…


乱歩感があって好きなんだけど食前食中には読みたくない感じ
場面を想像して胃がむかむかするってのはそれはそれで文章の上手さなんだろうけどな

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2013年01月13日

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たまたま電車に乗り合わせた男と、男が持っている押絵について話を聞く内容。
一時間程度で読み切れる短編でしたが、丁寧な状況描写で、ミステリー感を楽しめました。

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2012年11月18日

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「押絵と旅する男」「蟲」「蜘蛛男」「盲獣」の短編・長編併せた4作品を収録。

どの作品も、江戸川乱歩の性格というか性癖とも言うべき、エログロさ、サディスティック、偏狂で幻想的な要素が渾然一体となっている。

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2012年08月27日

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何だか、どの作品も愚かな男の哀しい愛というか、そうゆうものが描かれていた、そんな気がする。
やっぱり乱歩の作品は、破綻だとかそんなのがどうでもよくなるくらい、べらぼうに面白いのだ。

・押絵と旅する男
・蟲
・蜘蛛男
・盲獣

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2011年01月18日

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ネタバレ

・押絵と旅する男
押絵の八百屋お七に恋い焦がれた兄の行く末。浅草凌雲閣が舞台。
・蟲
内気な青年 柾木愛造と、劇場女優の木下芙蓉。伏字の山!
・蜘蛛男
明智モノ。波腰警部も登場。足の悪い民間犯罪学者 畔柳友助博士と、美術商の事務員の求人に応募して来た女性を皮切りに続いて行く事件。
・盲獣
浅草レヴィウ界の女王 水木蘭子を始め、触感の良い女性を襲う盲人。触感や盲人の地下室の表現が見事としか言いようがない。

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2011年08月22日

Posted by ブクログ

いろんな江戸川 乱歩が読める1冊です。
幻想と怪奇から、ヘンタイまで(笑)

でも、これが、乱歩の味なのだと思います。

ところで、この「蜘蛛男」のトリックは、どこかで以前、読んだ覚えがあるのですが?
少年物にリライトされたかな?

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2010年04月10日

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蜘蛛男でも犯人はわかり易かった…
やっぱり人の五感的な部分で気持ち悪さを出してくるのが好きなのかな。そこが乱歩の好きなところでもある。

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2023年06月25日

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蜘蛛男を楽しみに読んだら、最後の盲獣に全部持っていかれました。
こういう話を思いつく乱歩は、本当に狂ってます(褒め言葉)。

読んでいて気持ちのいい話ではないのに、なんとなくクセになる。エログロナンセンスを体現したような作品で非常に面白かった。
光文社文庫の全集の魅力でもある、乱歩自身による解説。ここでも全集に入れたくなかったとか、作者すら吐き気を催したから文章かえたとか、「作者がそれ言っちゃうんだ!」と思うことを赤裸々に書いてくれて、それがまた楽しいんですよね。

人に勧められるか、と言われると難しいですが、エログロの中にある描写の美しさは、読んでいてくどく感じないので、私は大好きです。

次巻も楽しみ。

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2022年09月08日

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押絵、蟲は以前読んだので蜘蛛男、盲獣がはじめてでした。蜘蛛男も盲獣も、展開が似ているので、、なんか犯人は殺人を芸術にしたがるし。バラバラにして見せるのが好きすぎてアレでしたが、別々の時期に読めばきっと気にならないのかな?
押絵と旅する男が一番好き。情景が目に浮かぶし不気味でとてもいいですよね。

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2020年09月17日

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この巻は気持ち悪い話が多くて、誰かにオススメできない。特に『盲獣』は変態すぎて二度と読みたくない。『押絵と旅する男』だけは良かった。

『押絵と旅する男』
これは以前にも読んだことがあり、好きな話。ちょっと怖いけど、ファンタジックな恋愛小説になるのかな。実際にその押絵が見れたらどんなのかなと想像する

『蟲』
犯罪の上に犯罪を重ねている異常者となってしまう。本人はそんなつもりはないとは思うが、いかなる理由でもそこまでやってはいけない。背中がゾワゾワする、気持ち悪い。
伏字と○が多すぎる。

『蜘蛛男』
連続殺人。その見せ方が異常だ。アピールしたがる、俺すごいだろと見せたがる殺人犯。最後の方の光景はもし実際見たらおばけ屋敷みたいじゃないかな。富士洋子、そりゃないよ。

『盲獣』
自作解説で、“ひどい変態もの”と書いているけど、本当にその通り。気持ち悪い話だ。二度と読みたくない。誰かにオススメできない。触覚芸術だとやっぱり見た時と違うのか。

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2014年11月22日

Posted by ブクログ

「蟲」が読みたくて購入。
乱歩は結構昔に探偵団シリーズ以外全部読んでるんだけど、最近観た「乱歩地獄」の「蟲」があまりにもよかったので再読。

短編だとやっぱり「押絵~」が一番好きかな。

他に「蜘蛛男」「盲獣」収録。

この文庫全集、表紙がかっこいい。

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2012年06月19日

Posted by ブクログ

妖しく不気味というよりは、片恋のきれいな話。人間て純情なものである。設定や展開よりも、押絵に表されるような、日本の色彩美を楽しんでいただきたい逸品。

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2011年05月08日

Posted by ブクログ

「押絵と旅する男」は姜尚中が某所で薦めてて気になったので。乱歩ほとんど読んでないけど、エログロの極地のような本。
日本独特の湿度のある雰囲気は好きだけど、いまいちハマりきれなかった。

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2009年10月04日

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