小説・文芸の高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
ネタバレ冒頭から買うジャンルを間違えたかと思って少し焦った恋愛系?ミステリ
先入観からくる叙述トリックに綺麗にはまり、気持ちの良い読書体験だった。
実際、ところどころ「古臭い思想だな」と違和感はあった。
にも関わらず騙されたのは、発行から時間が経っての初読だったことと、男性作家の作品は自分からすると思想、とくに男女観がちょっとどうかしている...感じることが多いため、その類だと思い込んでいたから。
少し前の作品だけど、今出会ったからこその良さがあったかもしれない。
令和の今でも、昭和の価値観が残る小説は(減ったとはいえ)まだ新刊で出ているが、思想の自由や表現の自由は保障されるべきものだから、 -
Posted by ブクログ
結婚して分かったことだが 妻と僕とはそれぞれ生まれ育った環境も生活習慣・様式、そして物の言い方=表現のしかた、捉え方も違う。言うなれば 文化・習俗習慣・言語、なにひとつ共有しない「異民族」なのだった。この数十年 僕ら夫婦の歩みはすなわち異民族どうしの邂逅と 民族紛争、そして融和=和解という激動の歴史であった。夫婦でさえもこんな有様だ。人は誰かと仲良くなるとうれしくて ついつい 自分たちは多くの価値観を共有していると思い込みがちだ。けれどある日ある時 その違いに気づいて 戸惑い傷つき悩み苦しむことにもなる。本当の人間関係はそこから始まるのだ。「あれ?なんかちがう」のその先をどう歩むか、どう生きる
-
Posted by ブクログ
ネタバレ物語の中心にいるのは、未来を知り、人間の言葉を話すカカシの優午だ。未来が見えるはずの優午は、なぜ殺されなければならなかったのか。そして、未来を知っていながら、なぜそれを人々に伝えなかったのか。
カカシの死の謎だけでなく、島に足りないもの、住民たちの不可解な行動など、一見するとばらばらに見える要素が、物語が進むにつれて一つの結末へと向かっていく。伊坂さん特有の気の利いた会話やテンポのいい語り口によって、伏線や物語のパーツが自然に散りばめられている。そして最後には、それらがぴたりとはまっていく。この感覚がとても気持ちよかった。
特に印象に残ったのはラストシーンだ。優午が本当に聞きたかったものを -
Posted by ブクログ
作中で 「なぜ傍観するのか?」という切実な問いかけに対して 淡々と そして非情に語られる「無関心の理由 無関心でいることの正当性」は 一見 荒唐無稽で支離滅裂であるように感じられ、不快感を煽られるが、よくよく考えてみれば そこで語られるのは 彼らを取り巻く大人の社会 =私たちの生きる現実社会において 有形無形の暴力がはびこる理由、そして それらの暴力が糾弾されず むしろ容認され続ける理由にも聞こえてくる。そこに おぞましさがある。ハッピーエンドとはならず決して 後味のいい小説と言えないが 心にずっしりと残る、そしてそのずっしりをいつまでも留めておきたいと感じる作品。
-
Posted by ブクログ
社会で起こるいろんな出来事に対して 僕は僕なりに 心を動かされ ときには 違和感や憤りや絶望を感じたりもするけれど、残念ながら僕にはそれを言葉で人に伝える力量っていうかスキルが絶対的に欠けている。だからこういう作品を読むと、まずは 「僕が もやもや思っていて言葉に出来ずにいたことを よくぞ書いて下さいました。ありがとうございました」と作者にお礼を言いたい気持ちになる。僕がこの小説に出てくる登場人物から感じるのは ある種の ほとんど物悲しいまでの 軽薄さ である。自分は 学歴もスキルもない人間で、社会の底辺をこれからも甘受しようと思うが 自分の頭でものを考え 自分の心で人と向き合っていきたい。
-
Posted by ブクログ
誰とでも 対等な関係で接し、誰に対しても先入観を持つことなくフェアに付き合いたい、と思っているけれど、どこへ行っても 派閥みたいなグループが存在し、その中で周りに合わせるように立ち回らないと 結局 浮き上がり、孤立する。「対等」だの「フェア」だのというのは ほどほどにしとかないと 大変なことになるのだ。さて。都市生活における息の詰まるような人間関係の困難さが描かれ、ゆえにある意味 怖い小説である。けれど、どうしてだろ?僕はこの小説に出てくる全ての タワマンママが 人として好きである。一方、共感できるかと言われると 登場人物で共感できる人物は一人もいない。共感はできないけれど 好き、という距離感
-
Posted by ブクログ
映像を撮る上での考え方も、卒業後の進路も真逆な2人の主人公をはじめとして、様々な対比が出てくる作品だった。
私も趣味ではあるが作品を生み出している。作り手として何を大切にしていくのか、時代の流れや変化にどう対応していくのか、反対に何を切り捨てていくのか…を常に考えさせられた。
私の幼い頃は皆同じ番組を見ていて学校では前日の番組の内容でよく盛り上がったが、今はYouTubeなどの配信サービスも増え、地上波をそもそも見ない人も多い。好きな歌手や有名人を挙げても名前すら相手が知らないことも当たり前になった。どちらも20年前には考えられなかったが、そんな今だからこそ読みたい、深みのある1冊だった。
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。