小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
「私の身体」を「生きる」とは何だろう。いや、「私の身体」とは何だろう。そもそも、「私」とは何だろう。
各作家たちの切り口は様々だが、みな共通しているのが、己という存在を不可欠に構築するこの肉体というものの生物的な役割にも社会からの眼差しにもかなり戸惑い、苦しみ、受け入れたり受け入れられなかったりしながらどうにか生きている点で、強く連帯感を持ちながら読んだ。
痛ましさを感じたのが、執筆陣の女性たちはほぼほぼみな性被害の経験がある点。私にもあるし、私の友人たちもほとんどあると思う(学生の頃、痴漢が話題になったとき、その場にいた10人ぐらいのなかで痴漢に遭ったことがない子は1人しかいなかったことを -
Posted by ブクログ
身に覚えのない場所で目覚める主人公たち。壮大な自然を舞台に、狡猾に仕組まれたデスゲームに巻き込まれる。
文庫本のダブルカバーを飾るちょっと安直とも思われるポップ…
『こわい、コワイ、怖い、でもでもでもでも超超超面白い!!!』
『絶対絶命!死の鬼ごっこ!』
『アドレナリン全開のバトルロワイヤル!』
…でもホントその通りだった(汗)
めっちゃ怖いんだけど、殺るか殺られるかの痺れる心理戦とか、駆け引きが超超超面白かったw
追跡劇は息が詰まりそうな展開で心臓バクバク。
こんな緊迫した状況のなか、サバイバル生活での食糧事情がエグい。最初はお馴染みのバランス栄養食が与えられるが、それが尽きたら自給自 -
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Posted by ブクログ
上下700ページ超の単行本でなかなか手が出せていなかったがあっという間に読めてしまった。
下では1〜10区のレースがに描かれていて様々な情景が浮かんでくる。
確かに関東学生連合はオープン参加で参考記録しか残らない。順位もつかない。でも記録が全てではなく、みんながひとつの目標に向かって努力するということが大事なんだと再認識することができた。当たり前で出来そうなことだけれどかなり難しいことなんだと思った。
辛島アナの関東学生連合チームへの取材力が凄まじく、特に実況の場面では、いち視聴者の気持ちで読むことができた。
没入感もすごく、所々胸が熱くなって涙腺が緩んだ。
制作側の臨場感もとても伝わってきて -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分自身働きながらも本は読めてる方だと思ってたからスマホに時間を使われて本を選好する人が少ないというのがメインで書かれているのかと思っていたが、年代ごとの勤労者と読書の関係が細かく書かれていて納得がいく内容だった。特に現代は情報を効率よく取ることが重視され、効率が悪いことは冷笑される雰囲気があるかつ、目に入りやすいのも読書が遠ざけられる原因になってるようにも思う。効率化するところはする一方で、非効率を楽しむという点も重視されるようになればいいなと思う。
半身で働くのは大賛成。定時がそもそも長いと思うから一旦1時間縮めて八分身で働くことから始めれるといいなぁ。 -
Posted by ブクログ
『神』…一気読みしてしまいました。
双葉のことを『ハンデでしかない』って
前の感想で書いてしまったこと、
ああ、恥ずかしい!と、悔やんでいます。
貴女がいたからこの物語は成り立っていたのにね。
いや、あれほど弱いキャラだからこその役目があるんだろうと思っていたけれど…。
『香月双葉は多くの人を変え続け、蠱毒を崩壊させるほどの力を持っていたのだと。』(本文引用)
こんなに最後まで夢中に読めた本は久しぶり。
この巻では、涙がこぼれて仕方ない箇所も…。
本当に面白かったです。
最後に心に残る一文を…
『人は誰と出逢うのかが、如何に生きるかが、一生を決めるのだ。』(愁二郎)
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Posted by ブクログ
嫌いなら呼ぶなよで良い感じの毒と爽快っぷりの世界観にハマってしまい、
そこからの、またしても気になるタイトル。
彼氏の家に元カノが同棲するっていうとんでもない話から始まるんだけど、主人公は同棲が嫌なら別れるまで言われる。
そこまでか!?と主人公側が思うことからもやもや悩むけど、またそこで2人は海外に住んでいた経験やら、文化の違い?とか、まさかの火垂るの墓のいじわるなおばさんの話まで出てきたら、確かにな…って思えてきちゃってる自分もいて、でも、最後はもう本当にありがとう!ってこっちも気持ちすっきりした。
もう1つの作品はとにかく美人な友達と引き立て役としてずっと過ごしてきた2人の話なんだけど