あらすじ
読めばハマる有吉佐和子。幻の名作長篇
無名の陶芸家が生んだ青磁の壺が売られ贈られ盗まれ、十余年後に作者と再会した時。人生の数奇な断面を描き出す名作、復刊!
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今年最初の作品として手にとったのは、時代を超えて話題になった『青い壺』。
古き良き昭和の風情だったり、家父長制の名残りが色濃く残る時代背景は、どこか懐かしさを感じさせる。幼少期の記憶が蘇ってきて感慨深い。
物語は、無名の陶芸家が作った青磁の壺が、十余年の歳月を経て人から人へと巡り、作者と再会するまでの軌跡を描いたもの。
この壺に関わる人物たちの複雑な人間関係や繊細な感情が深く掘り下げられていて、上質で深い読み味を残す作品だった。
壺と共に不思議な縁が織りなす、紆余曲折の旅路。
そこで出会う人物のそれぞれの苦悩や喜びなど、様々な人生の一部に触れることができた。そして、壺がその時々の持ち主たちにとって、人生を照らす希望の存在のように思えた。
壺の作者の省造は、最後どんな気持ちだったのだろうか。複雑な感情であったはずなのに、達観した境地になるのは、我が子の無事に安堵した親の気持ちのような感情か。いろいろと考えを巡らせていると、不思議と穏やかな気分になる読後感だった。
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ひとりの陶芸家が焼き上げた美しい「青い壺」をめぐる連作短編集でした。
半世紀も前に書かれたのに、そこに描かれている人間模様や人生の悲哀・裏表などが、今の時代にも当てはまることばかり(いわゆる「あるある!」)で、全然古臭さ感じさせない小説でした。今でも広く読みつがれていることに納得です。
この美しい青い壺は、人間世界の様々なドラマを目の当たりにし、登場人物たちのささやかな幸福に寄り添って、何を感じていたのかなあと思わずにはいられなかったです。
有吉佐和子さんの作品に出会えて感謝しています。他の作品も読みたいです。
牧田がデパートに売りわたした壺と骨董品鑑定家園田の邸で再会したのが1977年1月、巳年だった。
第12.話は前年、1976年終わり頃、園田は入院中、同じ病院のやはり特別室に第9話の京都旅行の主人公弓香が入院していた。
第9話の京都旅行は1974年または1975年、
9月の弘法市で弓香さんが壺を3000円で買って
新米栄養士の孫娘に、
そして孫娘の上司の修道女がスペインに一時帰国するときの餞別として贈られる。
海を渡った青い壺はどういう経緯でスペインの
骨董品店に並ぶのか?
また、第8話で空き巣に盗まれた壺が京都の弘法市に並ぶまでの経緯も興味がある、
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テンポよくするすると読めてしまった。
美しすぎるものが目の前にある時、畏れを抱いたり距離を取ろうとしたりするかんじがリアルだった。
主張せずとも人の才能は誰にも盗られることがないことを小説の最後の一文で表現されていて、素敵だなぁと思った。
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ひとりの陶芸家が焼き上げた、青い壺をめぐる13の連作短編集。
デパートの美術コーナーで購入した定年退職した夫婦に始まり、様々な人の手に渡ってゆく。陶芸家の自信作にもかかわず、疎まれて人手に渡る時もあれば、治療費の代償の贈り物になり、酒場に置き忘れられたり、露天で三千円という安価売られていたり…青い壺がたどる運命は華やかではなく、現実的で容赦ない。
美しさに一定の基準がないからこそ見る者、扱う者に価値を委ねられるほかないということなのかなぁ…そういう現実を突きつけられていて読み応えがあった。
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私が子供の頃にまだ残っていた「戦争の後」という空気感を思い出した。社会の空気は変わったけど、人間関係の悩みなど変わっていない部分もあった。一番面白かったのは、第九話。高齢の女性たちがわちゃわちゃしているのが楽しかった。この本、うちの母が読んだらもっと面白いんだろうなぁ。贈ってみようかな〜
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とても読みやすく、面白かった。評判になるわけだなぁ。
有吉佐和子さん。劇作家、演出家でもあるようで。会話部分が多いので、短編ひとつひとつがドラマのように脳内で再生された。
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青い壺が巡り巡って異国の地で見つかった価値のある美術品に。
各短編で描かれている人間模様が正に、価値観なんて人それぞれ、自分が満足出来ていれば幸せなんだ。
そんな風に纏めたくなるお話であり、共感出来る面白い小説でした。
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有吉佐和子さんの本は初めてでした。
なんでもない話のようで、何だかやめられない本。壺が主役で、色んな人の手に渡っていく。壺からしたら、色んな人間模様が見られ、さぞかし有意義だったでしょう。
面白かったです。
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ある一つのアイテムを介して物語が紡がれていく系の中でも崇高な気配がする作品。
青い壺にまつわる短編のそこかしこで青磁の魅力を常に感じる。
その魅力は青い壺がどんな時を過ごすかを切り取ることによりさらに増していくし、青い壺が過ごすその時間が物語をぐっと深めている。
古き良き時代に生きる人たちの強さ、逞しさ、大切にしている考えを青い壺が紡いでいく。
この作者は初めて読んだけど、NHKで話題になったのも納得。
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青い壺がめぐる十三の連作短編集。それぞれの話は短いからサクッと読めると思ったが、そうならなかった。それぞれの話に出てくるそれぞれの人の人生の片鱗のようなものが重く感じられ一気読みできず、途中で休みを入れないと読めなかった。
最後の省造の話は省造にとって辛い面が強いと思った。でも、解説の「さいごに省造が思いいたる心境に、人間の執念や美意識にたいする救いがもたらされる」を読み、タクシー運転手の唐突な語りの意味がわかった。辛さを越える心境に至れ、「喜ぶべき」となれたのだろう。
帯の爆笑問題 太田コメント「信じられないくらいに面白い!」は感じられなかったけれど、後からじわじわ来そう。
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青い壺を巡る13の物語りで、“有吉文学の傑作”。
初出は昭和51年。文庫新装版は平成23年で今年(令和7)第42刷で上半期文庫ランキング第1位とのこと。爆笑問題 太田光さんの「信じられないくらいに面白い!」ほどではないが、“小説の醍醐味”を感じた。今の時代に支持されているのは、メディアの影響もあるんだろうが、各話に登場する人物に美しい昭和を感じられるからかもしれないと思った。
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とても良質な文章を読ませていただいた気分です
人と人とのあり方が丁寧だった時代に生きる人々の人生観を学ばせてもらいました
親の老い、自分自身の老いが現実味を帯びている私には少し虚しさを覚えてしまう作品でした。でも、それはきっと私の読み方が下手くそだったせいだと思います
むしろきっと生きる素晴らしさを見出せる作品なのだと思います
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ある青い壺に関わる短編集 少し古い時代のお話(昭和後期)だが、詳細にそれぞれの人の感情、動きが描写される。帯で黒柳徹子さんが、感情が手に取るようにわかる、と記載してあったが確かにそう
面白いかというとそこまでのめり込むほどではないが、なぜか読み続けられるかと思う
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ひとつの壺が数奇な運命をたどって見つめる様々な人間模様。
半世紀ほど前が舞台だと思われるが壺を手にした人たちの生活、人生が生き生きと描かれている。本筋ではないが今読むとその時代のジェンダー差別や生き方が普通であることに驚かされ、そんな時代に生きなくてよかったなぁと思った。
短編集のようでラストはきれいにつながり見事な作品なのだろうと思った。個人的には時代背景が昔すぎて途中退屈に感じられた。
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少しずつ重なる登場人物、その度に持ち主が代わる青い壺をめぐる短編で構成されている物語です。
ちょっと期待しすぎたかな〜
短編の中では、京都旅行編が好きでした。旅行は金銭感覚、食事に対する思い入れが一緒の穏やかな友人としか行かない!再確認できました。
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なんで半世紀たってブームになったかは分からんけど、内容的には全然古臭くない。まあ、これが書かれた頃は私は学生時代で、その頃には読み切れなかったかも。今だから読めるわ
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壺が色んな人の手に渡り、人生を垣間見る話。
可もなく不可もなくといったお話でしたが、登場人物が想像しやすく読みやすかったです。
短編集といった感じでした。
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話題になっていたので読んでみた。有吉文学の傑作との評判だが「和宮様御留」「華岡青洲の妻」「複合汚染」などの作品に比べると重厚感が足りず物足りなさを感じた。
無名の陶芸家が生み出した美しい青磁の壺が10年の時を経て作者の前に現れる。それまで壺はさまざまな持ち主の手に渡る。その壺のいく先々の出来事は昭和の生活を垣間見ることができてそういう意味でノスタルジックな風合いを楽しむことができた。
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有吉佐和子さん。子供のとき、リアタイで「笑っていいとも」出演見ました。なんて迷惑なオバハンとしか記憶なかったが。改めて代表作は全部、読みます。本作、おすすめします。
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一つの壺を巡った13の連作短編集。
価値観が一緒の人なんて一人もいないのだと、
改めて気付かされた。
それは家族であっても同然。
みんな何かしら我慢して、
毎日を送ってるんだろうな。
自分だったら、
青い壺にどのような値をつけるだろうか。
そんなことを読後に考えていました。
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話題作だか自分に合わなかった…かな。
著者にはもっとすごい作品がある。
ので、あれれ?と少々期待外れな感じ。
ページをめくる手が止まらない!というほど引き込まれるものがなく、読み終わるのにだいぶ時間がかかってしまった。
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原田ひ香さんのおすすめとあり読んでみました。
文章も上手く物語も良くて楽しめました。
昭和の夫婦と現在の夫婦は全然違うなと思いながら読みました。
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青い壺の誕生から始まり、その後、さまざまな人の手に渡っていく。
関連した人々の日常が描かれており、壺そのものが物語の中心というよりは、生活の中にふと姿を見せる存在として扱われている。
13の連作短編を通して、高齢者の在り方や、高齢者と子ども、孫世代、兄嫁といった家族の関係性が一つのテーマになっているように感じた。
どの話も淡々と日常が進んでいくが、そのなかで家族の摩擦や、本音を飲み込んだ距離感、年齢を重ねることへの諦めや執着が静かに浮かび上がってくる。
壺が、登場人物それぞれの心情や関係性の揺らぎを照らし出すきっかけになっているのが印象的だった。
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人を魅了する美しい青色の壺。いろんなひとの手に渡り手にした人の生活を垣間見る。13の短編。
壺は物語の中心にあるわけではないけれどいいアクセントとなっているのが面白い。
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昭和51年から52年にかけて発表された作品。時代背景は昭和の後半。時々戦時中の思い出話も混じる。家族のあり方や夫婦の会話に古さを感じ、なぜこの作品が今読まれるのか不思議であった。が、最後まで読むと、タイトルでもある青い壺に関わった人々の人生を覗き見たような、登場人物たちの価値観を突きつけられたような感覚が起こった。人の評価と自分自身の評価は一致せず、思いもかけない出来事が起こることもあれば、ささやかな毎日が幸せをつれてくることもある。でも、生きていると、心の中にコブや穴をつくり、それを削ったり埋めたりしていくんだなあと思った。なにで埋めるかはその人次第、削るかさらに増やすかも。割り切れない、そんなところを描き出すのは、やっぱりすごい。
この作品は、読み始めたら最後まで読んで欲しい。