あらすじ
読めばハマる有吉佐和子。幻の名作長篇
無名の陶芸家が生んだ青磁の壺が売られ贈られ盗まれ、十余年後に作者と再会した時。人生の数奇な断面を描き出す名作、復刊!
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ものごとはどのレイヤから見るかによって全く違って見える。人も物も。
青い壺も高価なものと見られたり、\3,000と見られたり。
個人的には、第二話が絶品と感じた。
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青い壺をめぐる色んな人たちの話、最終的に終点があってスッキリした。壺のなかに物語がつまっている、青い壺2度目の完成!!
物語一つ一つも平凡なものだけれど、その優しさが温かい。青い壺もそりゃきれいになるよ。
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青磁の経管が作り手の手元を離れ、様々な人の手に行き来する。壺の持ち主を通じて読者は、他者との交流の中で、共感したり反発したり、必ずしも綺麗ではない真実が露わになる様を目の当たりにする。劇的なドラマがあるわけではない。それでも、青い壺のような美術品が時を経て残り続けるように、今ここに在る人がここまで生きてこれたということは奇跡であると思わせてくれる。
真実であることと美しいことは独立である。どんな人にも出来事にも光と影がある。修道院でのエピソードは、人と人が喋ることで「やさしさ」や「思いやり」が表出する場合もあれば、知らなくてよかった「分かりあえなさ」に気づいてしまうことも露わにする。
このような真実の美しさと醜さが横糸だとすると、「人間万事塞翁が馬」のような時間の流れに対する無常観が縦糸かもしれない。青い壺は始まりから奇跡だった。作り手の想定外の美しさ。他方、同時に焼き上がった2点は気に入られず叩き割られる。戦争や疫病や偶然によって家族や友人が亡くなったり、家が途絶えたり、文化が失われたりする。その中で残った者たちの遺伝的・文化的系譜によって社会が構成される。あるものは失ったものを嘆き、あるものは「足るを知る」。残ったもの一部には「美しさ」が含まれるし、知らなくてよかったことも含まれる。
会話の中に「教養」や「礼儀」といった種類の「美しさ」が失われつつことへの著者の危機感を随所に散りばめているようにも見える。それは翻って、痴呆性になった夫が会社に赴くこと、旅行時に髪の毛を整える様子、シスターの服装の変化についての描写に表れる、「老いの醜さ」を世間へ見せることへの抵抗感にも通じる。
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・実は原が結構ひどい。
・マグダレナは壺を売ったってことですよね。
・省造の刻印が消えたのが自分事のように悔しい。
・たらい回しにされる過程で壺にいい感じの古色がついたという壮大な皮肉。
とても面白かった。
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なんて面白い本なんだー!と思いながらするりと読んだ。
ひとつの青い壺が生まれ、人から人へと渡っていき、携わる人たちの生き様が豊かに描かれる。普段は「生き様」という字面が好きではないのだけれど、何故か使ってみたくなった。壺と一緒に覗き見ているよう。
10年で青い壺に古色がつく。箱にしまわれ忘れ去られることなく、あんなに様々な家や国を渡り歩けば古色もつくはずだ。
青い壺をどう評価するか、人生で何を最上とするか、皆それぞれ。そんな当たり前のことが話が移るごとに鮮やかに展開されていき本当に素晴らしい。
ラスト、焼き物に銘を入れぬ決心とは。
一度手を離れれば何らかの評価の対象となってしまうことが虚しくなったからか。
自分の虚栄心を手放す勇気が湧いたからか。
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青い壺を巡り、様々な家庭の有り様がドラマを観ているようだった。 (p327)省造のあの壺がスペインまで行ったことが判明 古美術鑑定呪う人は800年前の物だと言っているあたり、最後に減刑というくだりでオチがついている漢字も凄い
2話の寅三の行動に、自分の中にある将来の '老い'への不安をし撃された
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五十年も前の作品だが全然古臭くない。登場人物の心情がよく分かる。そうだよねえと共感したり、それは災難と同情したり。スキマ時間に読むのにとても良いです。
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面白かった。かなり前の話のはずなのに、全く読みづらくなく、人間の感情の普遍性を思い知らされた。
青い壺がバトンのように様々な人生の物語に入り込んだ短編の連なりが、1冊の本に重厚感をもたらしていて、読後の満足度が高かった。
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有吉さんといえば中学生の頃、笑っていいとも!の有名なコーナーをジャックした強烈な思い出が笑
(皆さんわかりますかね?)
それから約40年後!に初めて作品に触れました
数年前に一度読みかけたのですが、退屈な昼ドラを見ているようで気持ちが入り込めず、2回目の挑戦でしたが、今回はすんなりと作品の世界に入り込む事ができました
今に比べると遥かに終戦から時間が経っていない時代背景を感じた点や、今と大して変わっていない感情の移り変わりの対比が面白かった
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デパートの発注を堅実にこなす陶芸家が
3つだけ作った一点物。
そのうちのひとつが、たまたまの環境から素晴らしい発色をする。
その美に人が触れるときに生まれるあれやこれや。
立場。欲。生活。節目。
美が人生を反射して生まれるプリズムが物語になる。
これは本筋とは全く関係ないのだけれど、
昭和51年に上梓されている本作中で
すでに「爆笑」が「一人で大笑いする様子」に使われているのが興味深かった。
牧田がデパートに売りわたした壺と骨董品鑑定家園田の邸で再会したのが1977年1月、巳年だった。
第12.話は前年、1976年終わり頃、園田は入院中、同じ病院のやはり特別室に第9話の京都旅行の主人公弓香が入院していた。
第9話の京都旅行は1974年または1975年、
9月の弘法市で弓香さんが壺を3000円で買って
新米栄養士の孫娘に、
そして孫娘の上司の修道女がスペインに一時帰国するときの餞別として贈られる。
海を渡った青い壺はどういう経緯でスペインの
骨董品店に並ぶのか?
また、第8話で空き巣に盗まれた壺が京都の弘法市に並ぶまでの経緯も興味がある、
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有吉佐和子さんの短編は初めて。どの話もごくごく短いものだが流石に読ませる。
昭和の作品なので時代背景が各所に窺える。派手さはない。描かれているのは登場人物達の日常とそれにともなう細やかな喜怒哀楽。そしてそこに青い壺がある。
第一話で生み出された壺が様々な人の手を経て最後の第十三話で生み出した省造のもとに戻ってくる。「いつの間にあんなにいい古色がついたのであろう」と省造は思う。素敵な終わりかただと思う。
個人的には第九話の高齢女性達の同窓会の話が好きだった。高齢女性の心理描写とか登場人物に言わせる言葉とか有吉さんは本当にウマイ。その場面が目に浮かぶようだった。
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8/30は有吉佐和子さんの命日、有吉忌。
『青い壺』は昭和51年(1976年)1月号から昭和52年(1977年)2月号まで、『文藝春秋』に連載された全13話の連作短編集。
単行本となり、文庫化され、2011年に新装版となり、私が購入したものは2025年の新装版、44刷。
半世紀前に書かれた、見事な連作短編集です。
今でこそ多種多様な連作短編が創作されていますが、一つの青い壺が、さまざまな家庭を巡りながら、それぞれの人間関係に緊張感を加えていくという仕掛けが鮮やかです。
雑誌連載ですから、各話限られたページ数の中に、それぞれの家庭の事情、家族の心情、そしてその時代の日本の世情までが収められています。
どの一話をとっても、それだけで一作品になりそうなほどの潤沢さ。それを13話。
そして、ラストとなる第13話での
青い壺を生み出した陶芸家の言葉、〜作品への刻印は、やめよう〜 には 作家・有吉佐和子さん自身が 創作への何かしらの思いがあったのではないかと思ってしまいます。
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面白かった。時代も話の運び方も好き。
青い壺が手を離れて違う形で自分の元に戻ってくる、でももう手の届かない形を変えることができないエンディングは、自分が話した噂が全く意図しない話になって帰ってきて、修整したくてもできない状態のようにも思えた。
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サクッと読める。短編だけど繋がっていくのがワクワクした。主人公の夫婦が防空壕から引っ張り出した食器や銀食器を使い、ジャガイモとサツマイモだけで「架空のフレンチのフルコース」を優雅に味わうストーリーが印象に残っている。
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半世紀前に書かれたとは思えない読みやすさ。美しい壺が様々な人の手に渡り、その人たちの壺を手に入れた時の人生の一瞬を知ることができる。ものすごく劇的な出来事があるわけではなく、リアルな哀愁漂う人生が多くて、なんとも切ないような気持ちになった。
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美しい壺を巡って、13の話が展開される。
壺は美し過ぎるがゆえに、いろいろな人の手に渡り、様々な日常を映し出していく。登場人物の心理描写も深く、はっとさせられる。戦後間もない人々の暮らしが書かれているのも興味深い。
短編を数珠のように繋げたような構成になっていて、文体も平易で読みやすい。
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名もなき陶芸家が作った青い壺。
その壺が巡っていった人々のお話。
どのお話もとても味がある。
書かれたのが1970年代。まだ戦争の名残が残っている時代。そんな所もとても新鮮に感じた。
個人的には70歳すぎた人たちの同窓会での京都旅行。三恵子の様な我が強い、お節介。身近にいたらちょっと引いてしまう。それにしても自分の入歯を洗剤に浸している所に三恵子が自分の入歯を入れたのはちょっと笑ってしまった。
皆んなが高評価なのか納得!
Posted by ブクログ
次々と持ち主が変わる青い壺にまつわる話。
多少考え方が古臭いなとは思いつつ、読後に50年ほど前の作品だと知り納得。
最終章は予想がついたが、関係なく面白かった。
8話が好きかな。
Posted by ブクログ
時代背景は戦後のお話。
青い壺にまつわる人間模様を描く13話からなる短編。でもつながっている。
戦後の時代の様子もわかりとても面白く最後まで読めました。
Posted by ブクログ
半世紀前の作品の中に書かれている人も、今の人も本質はそう変わらないんだな。
不意に完成した傑作と呼べる様な「青い壺」が何らかの事情で世の中を流転する。その青い壺がある風景をその時の所有者とその周囲にいる人が生き生きと描かれています。
おばあさん達の同窓会は愉快だし、裕福では無くても気持ちが豊かに生きている人もいる。
今の若いものはと相変わらず言っている。
そんな人達を書いた短編が13作書かれています。
無名の傑作とも言えるような「青い壺」。壺は数奇な運命で製作者の目の前に還ってきます。ただ、高名な陶芸評論家には自分の作品とは信じてもらえず。それでも作品の持つ魅力は評価されるし、人を助けるような力もある。
自分の名を売るような事ではなく、そんな作品を作ることができることに満足したのかな。自分の名などなくても、それが持つ力は変わらない。そうであればいい。そんな風な事でしょうか。
そんな潔さを最後に感じました。
この作品や「カフェーの帰り道」など、昭和期、特に第二次世界大戦前後を読める作品が最近目立ちます。
今の時代のなんとなくある閉塞感みたいなものが、あの頃も大変だったとか、その中でも明るく慎ましく生きていたんだとかそんな事を読みたいのかな。そんな事も感じました。
Posted by ブクログ
有吉佐和子の凄まじい洞察力と表現力に驚かされた。
青い壺は、タイトルの通り「青い壺」を中心に物語が進んでいく連作短編である。
壺の持ち主が変わるたびに、その周りにいる人々の日常や人生が語られていく。話の内容や登場人物の会話から、おそらく戦後から昭和40年頃の日本が舞台だと思われるが、まるで自分がその時代を生きていたかのように情景が浮かんできた。
欲、見栄、嫉妬など、誰の中にもある感情を否定せず、「人間らしさ」として自然に受け容れて表現しているところに、この作品の魅力と温かみを感じた。
登場人物の心理描写がとても繊細で、自分こそが青い壺になり、登場人物たちを静かに観察しているような気持ちになった。また、その時代に日本で作られた壺であるのに、別の人の手に渡るたびに、これは唐物だの、大昔に作られたものだの、テキトーなことを言われる壺が滑稽に思えた。人は信じたいものを信じるし、誰しも、ものの見方に偏りがあることを改めて実感させられた。
読み進めるうちに、時代が変わっても変わらない人間の本質が浮かび上がってきた。日本文学に描かれてきた人間の普遍性と通じるものを感じた。
Posted by ブクログ
文章が美しくてサラサラと読める。仕事の昼休憩時間で細切れでも読み進められる短編集。内容はどれも誰にでも起こりうる身近な人生の物語。母方の実家が窯元の私にとっては祖父が思うようにならなかった焼き物は割っていたのを知っているので、読み始めからスムーズに没入。しかし、壺そのものに関しては、他の読者よりも私は厳しく見てしまっているかもしれない。焼いた本人は自分の持ちうる能力からしたら奇跡のような出来映えの青磁の壺のようだが、いけた花の見栄えが決まらなかったりと、どうも壺自体に主張がありすぎるように思えてならなくて不穏。念が入りすぎているのか。そんな壺が、様々な人の人生の転換点を見ていくように手から手へ。老化、介護、相続、嫉妬、貧富・教養の格差など、人はそれぞれ、その人の人生で一つぐらい小説が書けるというが、まさにそのような短編がずらり。私のお気に入りは7話と8話。教養は文化と戦時中でもフルコースのテーブルセッティングでドレスアップして芋のみのディナーコースを楽しんだ夫婦とその後に続く息子夫婦の本当のホロホロ鳥のディナーの話。芋のみののコースは私の父を思い起こさせる、そういう発想の人だったなと。そして、私も父の危篤の知らせを受けた夜中に駆けつけるのにパジャマから着替えたのは1番好きなワンピースで、車中でバッチリメイクして向かったことを思い出した。およそ、知らせを受けて駆けつける出たちではないものの、もし、それが別れなら、父に見せたかったのはその姿だったから。結局、その晩は持ちこたえて、1ヶ月くらいはその後生きてくれた。そんなこんなを思い出しつつ。
Posted by ブクログ
ある陶芸家の至高の一作である青い壺が人から人へ巡っていく中で、その時々の所有者の生活が描かれていく短編連続小説的な物語
一つ一つの短編集としても、ある人の生活を垣間見るような面白さがあったが、1冊を通してモノの価値を考えることができる一作
モノそのものが美しいから価値があるのか、価値を認められた人が作るから価値があるとされるのか、歴史的に珍しいから価値があるのか、大事な人から受け継いだから価値があるのか、所有者が優れているから価値があるとされるのか、高額だから価値があるのか、権威に認められたら価値があるのか
きっとどれでもあるしどれでもない
価値をつけるのが人である以上受動でしかいられない
自分の名前を彫らないという選択は制作者の諦観にも挑戦にも捉えられた
哲学的ですね
Posted by ブクログ
読みやすい書だなとおもいました。
表題と書き出しから、どの章でもこの壺が絡むんだなとは思いましたが、壺が主張するわけではなく、さりげなく周りの人間模様を表現していくところ、
ささっと読み進みますね。
途中の青空市あたりの展開は、いまだったらそうなるかなとは思うものの、ことは壺の話ではないので、それはそっとおいておきましょう。
Posted by ブクログ
多くの人に長く愛されている作品ということで手に取りました。
一つの壺を通してさまざまな人の人生が描かれていく構成は面白いなと思いましたが、私には少し読み進めるのが難しく、最後まで作品の魅力を十分に味わいきることはできませんでした。
いつかまた年齢や経験を重ねた頃に読み返したら、今とは違う感じ方ができるのかもしれないので、その時を楽しみにしたいと思います。
Posted by ブクログ
50年前の作品とのことで、作中の言葉や環境が古いので読み易い訳ではないはずだが、結構スラスラ読める。
馴染みがない言葉もたくさん出てきて、少しだけ教養がついたような…。「お芽出とう」というのは本当にある当て字なのかな…?シスターにも階級があるのか…
ほのかに哀愁が漂っていて、色々な心情を垣間見れる。私は定年退職したはずなのにデスクで仕事し出しちゃうおじいちゃんにギュッとなったなぁ。映画ヤクザと家族で社会から排除されたヤクザのおじいちゃんたちが海で収穫してたときと同じ気持ちになった。
盛者必衰。
Posted by ブクログ
青磁器の周りで起こる様々な人生物語。ひとつひとつはそんなに大きいエピソードがないので、私の人生もささいなことの集まりなんだなと実感。感謝の気持ちをもち、小さなことにくさくさせず生きていこうと決意した。
Posted by ブクログ
五十年も前に描かれた本。
登場人物が喋る少し昔の日本語が心地よかった。今とは価値観も時代の雰囲気も全く違うけど、人の根本は変わらないんだなと思ったり。
短編集なので読みやすい。
Posted by ブクログ
美しい青い壺の持ち主の変遷から伺う人間模様
個人的には、いまいちハマらなくて残念
ちょっとハードル上げすぎてしまったかも。
それぞれの章で出てくる登場人物に乗り切れず、かと言って壺に感情移入する訳にもいかず^^;
ドラマを眺めてるだけで終わってしまった印象
おばあさんの集団が京都で同窓会するお話は好きかな^^
Posted by ブクログ
2026.07.09
さまざまな人の手に渡り数多の人生の移り変わりを見てきた青い壺は、持ち主やその周辺の人々の明るい感情も黒い感情も吸い込んで、その表面に威厳や貫禄を纏っていったのだろうと思う。
人の念はモノに宿るのかもしれない。
最終章で古美術商?に自作の青い壺をこれは年代物だと言い張られた時、省造は困惑しつつも手応えを感じてはいたのではないか。
やはりあの壺は最高の出来だったのだと、プロに箔押しされた気分もあったと思う。
この壺が出来上がった第1章で夫婦で玉露を飲んでるシーンが1番お気に入り。
ただ、各章の年代表記がなく、いったい今は何年ごろなのかと出てくるワードたちで予想するしかなく、最終章でたった十年しか経っていなかったとしり驚愕。もっと経っていたような気がした。
数字をあえて出さずに読書に想像させていたのかもしれない。
教養がもっとあれば時代背景がよくわかってより面白く読めたかもしれない。