あらすじ
読めばハマる有吉佐和子。幻の名作長篇
無名の陶芸家が生んだ青磁の壺が売られ贈られ盗まれ、十余年後に作者と再会した時。人生の数奇な断面を描き出す名作、復刊!
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Posted by ブクログ
青い壺が、色んな人の手に渡っていくのが、上手く描かれていて、評判通り、大変おもしろかった。
またこの時代の話を、久しぶりに読んだ気がして、懐かしい感じもした。
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古い作品だけど、感動的な話だった。
去年で45刷の重版の作品で、自分が生まれる年に発行された作品だったが、本屋で紹介されていたのをきっかけに読んでみた。
わらしべ長者ではないが、青い壺が主人公の如く、持主から手を離れて、盗まれたり、贈られたり、海外までいって、最終的には、十余年の果てに壺が色合いを増して(成長)して、持主と生き別れの肉親の如く再会を果たす13編からなる短編作品で、基本的に、各話の登場人物に壺を引き継ぐ形で話が紡がれていく。
個人的な意見だけど、敢えて持主に戻るという14編がないのは、作者の読者の想像に任せるという意図も感じて、終わり方まで想像力に富んだ古典の名作だった。
Posted by ブクログ
13の物語の中の人間模様に思いを馳せながら、ある陶芸家(省造)が生み出した青い壺がどんな旅をし、どこにいきつくのか想像しながら、興味深く読みました。心地よい文章でした。
子供から親への本音、嫁の姑への本音、女同士のあけすけな物言い、定年後の夫に対する妻の本音..... 実際口に出すのは憚られることも、ポンポン出てきて小気味いいというか、おもしろいというか...... そんな話と対照的に、じんわりとくるものもありました。
最後の物語を読んだとき、ちょっと肩透かしをくらったような“本質を見抜ける人は、肩書きなんかじゃない。そんなのに騙されちゃいけない。”そんな気持ちになりました。
青い壺は、様々な人の手に渡りどんな気持ちだったでしょうか。もし、青い壺が話すことができたら。人間の愚かさまで見透かしているようで、何となく怖いです。
家政婦は見た!じゃないけれど、青い壺が見た真実とは⁈
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さすが有吉佐和子!面白い!
「悪女について」のように、この話はいったいなんなんだ?と思わせる語り口からいつのまにか「青い壺」が登場する…の繰り返し。繰り返すごとに紆余曲折、時代の変遷があり、最後はもう「青い壺」は独自に動いていく…。なんとまあ壮大で小さい話なんだろう。さすが!
Posted by ブクログ
慎ましくも逞しく生きていく女性達。時代は昭和だけど現代にも通じる心情に共感しました。
その情景がぱっと頭に浮かび、すらすらと読める文書にストレスなく一気に読み進めます。
いい本に出会えました。
Posted by ブクログ
祖母や母が生きてきた時代の想いと香が13の章で数珠繋ぎ。これは読む人の年代で味わい方が変わりそうで私はタップリ愉しめた。陶芸家も手放したくなかった会心の一作「青い壺」は人々を惹きつけるし想いも作り出す。
私にとってこの本の感じは何て言うのかなぁと考えてたらシンフォニー(交響曲)と思いついたけど、もっと深く大きい言い方無いかなと話題のCGPTを使ってみたら「オラトリオ」と出てきた。
オーケストラ+独唱+合唱なんだって。
そうね、各章が重なり合って交響曲となっていき、独唱する義母と、話を聞いている嫁が違う感情の合唱とかあったし。ふふふ
本の帯に原田ひ香さんが「こんな小説を書くのが私の夢です」とあった。なるほど
ー長い長い数珠つなぎを忘れない為に(ネタバレ)ー
定年退職を迎えた男のしっかりとしているが認知症を思わせる行動のうら寂しさ。
壺は花活けするには難しい気品で、それに挑む婦人の悲喜交々。
その夫婦が死んだ時の算段を娘から直にされて辟易。
兄夫婦と同居していた眼の悪い母と暮らす事になった千代子。眼の手術のお礼にと壺が渡される。
酒場に忘れられた壺。リアルに思いのある戦中派と戦後派の意見がぶつかり合う。
昔の栄華だった暮らしぶりを繰り返し話す義母。
その話を嫌と言う程聞かされた息子が母を看取った慰労にと妻をディナーに誘う。帰宅後泥棒に壺を取られていた。
70代になって参加した泊まりがけの同窓会。準備からのすったもんだ。最後に東寺の縁日であの壺を手に入れる。
その孫はミッションスクールの栄養士。故郷スペインへ帰省するシスター・マグダレナに壺を贈る。このネームは有吉佐和子のクリスチャンネームだとあとがきにあった。
一変して病院の掃除婦の話となるが、今までの話と違い本当の幸せを対比しているようだ。
壺はスペインから日本に戻る。そのすったもんだも面白いが、壺の作者が巡り合うシーンはとても惹きつけられた。美術評論家が鑑定を誤る程の自分の作品。東京から京都に戻る間に陶芸家は「往時の陶工が決して作品に自分の名を彫らなかったように、自分もこれからは作品に刻印するのはやめておこう」と決意した。
うーん、この結末は名声ではなく作品を尊重したってことかな。未熟なわたしはそんな風に解釈しました。
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1つの青い壺をめぐる短編集。
どの物語も面白く、青い壺がメインでなくても存在感があり、なくてはならないものという感じ。
70代おばあちゃんのクラス旅行がツッコミどころ多々あり印象的。
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色んな人の人生を覗いて体験した気持ち!その場に居合わせているみたいな臨場感!すごい。
主婦が主役の話が多く、みんなああ嫌だ嫌だと悩みながらも(姑嫁、老い、戦争など)生活に追われてない明るい感じがいいなぁ。防空壕でのディナー、同窓会へ行く心配性老婆、病院の掃除婦が作るバラの花弁の枕が特に自分と違う世界で、わくわくしながら読んだ。
それと話の終わり方がどれもすごく良い!お気に入りはバラ枕の
「極楽だな」シメは呟き、間もなく健康な寝息を立てていた。シメは寝入りばなに鼾をかく。
のところ!シメがいびきをかく幸せな光景が目に浮かぶ。すごい。寝息を立てていた。で終わるならわかるけど、その後にこの文章持ってくるのがすごい。良いなー。他の文章も本当に味わい深くて良かった。
Posted by ブクログ
連作短編集。全てのお話のオチに青い壺が人々の生活にそっと佇む。 人の心情は時代が変わっても共通であると感じる。 共感も多いが戦争後の配慮、気配りや修道女などの話は普段過ごしているだけでは分からないことなので勉強になった。 非常に上品な作品で現役の作家の方が目標にするのは間違いない。
牧田がデパートに売りわたした壺と骨董品鑑定家園田の邸で再会したのが1977年1月、巳年だった。
第12.話は前年、1976年終わり頃、園田は入院中、同じ病院のやはり特別室に第9話の京都旅行の主人公弓香が入院していた。
第9話の京都旅行は1974年または1975年、
9月の弘法市で弓香さんが壺を3000円で買って
新米栄養士の孫娘に、
そして孫娘の上司の修道女がスペインに一時帰国するときの餞別として贈られる。
海を渡った青い壺はどういう経緯でスペインの
骨董品店に並ぶのか?
また、第8話で空き巣に盗まれた壺が京都の弘法市に並ぶまでの経緯も興味がある、
Posted by ブクログ
有吉佐和子さんの短編は初めて読んだ。どの話もごくごく短いものだが流石に読ませる。
昭和の作品なので時代背景が各所に窺える。派手さはない。描かれているのは登場人物達の日常とそれにともなう細やかな喜怒哀楽である。そしてそこに青い壺がある。
第一話で生み出された壺が様々な人の手を経て最後の第十三話で生み出した省造のもとに戻ってくる。「いつの間にあんなにいい古色がついたのであろう」と省造は思う。キレイな終わりかただと思う。
個人的には第九話の高齢女性達の同窓会の話が好きだった。高齢女性の心理描写とか登場人物に言わせる言葉とか有吉さんは本当にウマイ。その場面が目に浮かぶようだった。
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一年ぐらい前?に丸善で平積みをみかけた昭和の小説。いわゆる戦後から高度経済成長の時代の市井の人々の暮しを壺を中心に描いたもの。
子供の頃にみたドラマを思い出した。
今のスピードや刺激に疲れて
こんな時代が懐かしくなりリバイバルされたのかなと思う。
Posted by ブクログ
青い壺が色々な時代を経て色々な人の手に渡り、最終的に作った物の所へ戻ってきたのが印象的だった。定年退職した夫婦や遺産相続に悩まされる女や視力を失って娘の世話になる老女や70代になって行われるクラス会など、色んな価値観を持っている人のエピソードが13個あって面白かった。
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オーディブルで聴いた。
面白かった!時代小説というほど昔ではないけど、戦後の時代に生きたいろいろな人の話が面白かった。おばあちゃんが主人公の話は、おばあちゃん目線での気持ちなどが書かれていて、面白かった。
人の人生を書いてる小説が好きなのかも。
しかも前の章で出てきた人が次の章では主人公になっている連作短編集なので、それぞれの視点から、青い壺にまつわるエピソードが聞けるのも面白い。
もっとそれぞれの話がもっと長くても良いのにと思った。
Posted by ブクログ
「美しさとは、確かな基準がないものであって
その価値は人それぞれに委ねられる」
これは間違いなく理に叶っていることとは思うが、なんだかぞわっとさせられた、、、
普段読まないジャンルの小説だったので、個人的には祖母や母と感想を語り合えるのが嬉しいところ。
Posted by ブクログ
うつくしいものは、望もうと望むまいと、ひとの真実を露わにする
青い壺が描きだすのは、うつくしいものがみずから背負った宿命、意図しない残酷、または世の理のすがた
青磁の色・・・なるほど
Posted by ブクログ
面白かった。
ある陶芸家が作った青磁が転々と人々の手を渡ってゆき、その様々な人間模様が描かれていく。
何か大きな事件が起こるわけではないが、普通の人々の普通の生活の中のちょっとした寂しさだったり幸福だったりが感じられて面白かった。
50年前の作品がなぜ今話題になっているのかは不明だが、人間関係が希薄な現代だからこそこういった人間ドラマが沁みるのかもしれない。
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50年近く前の本がなぜ今頃?と思ってました。
有吉佐和子さんが没後40年になること
原田ひ香さんが、こんな小説を書くことが夢ですと帯コメントをしたことが火をつけたようですね。
50年近く前でも現代と同じ様な風景を感じられ
自分と重なる事で共感をよぶのでしょう
13章ありましたが忘れてるよ章があり再度読んで確かめたい なぜ自分の作品に名前を彫るのを止めておこうと思ったのか…
壺を持つ人によって価値観や思いが変わっていく
物の価値って名前やブランド値段ではないってことですかね…
Posted by ブクログ
昭和52年、約50年前という私が生まれるより前の本が今、流行ってるというので読んでみた。(流行りのきっかけは何なんだろう?)
古いベストセラーを読んだり古い映画を見て思うことは、ほとんどが面白くない。やっぱりその時代の雰囲気だとかを知ってないと面白くないものなのかなと思ってた。
今回も期待せず読み始めたが、するする読めて悪い意味での古さは感じず、話も面白かった。
青い壺が色んな人の手に渡る話。
良い意味の古さはあって、知らない言葉や言い回しがたくさん出てきて面白かった。
あと、私が子どもの頃はこういう雰囲気だったなというのを本当に久しぶりに感じた。
世間体とか、贈答品についてとか、年輩の方に対してとか、祖母を思い出す感じ。
時代の雰囲気って言葉で説明されてもわからないんだよね。いつの間にか何十年も経って祖母も亡くなって久しいけど、絶対に戻れないあの頃にちょっと戻ったような、それが味わえるという意味でもとても良かった。
Posted by ブクログ
近所の古書店で見つけ、今評判なのを知っていてつい購入。
有吉佐和子さんの作品は初めてです。(読書歴は短いですが)
2011年が初版の小説ですが、昭和チックな家族観だと思いました。
大変読みやすく、すぐに読み終えました。
7話のキレッキレのお母さんが良かったです。
さぞかし、頭がよく活動的な方だったのだろうなと思います。
そして息子に容赦がないw。
7話と8話は同じ家族の話ですが、素晴らしい家族だなと思いました。
9話のおばあさん達もよかった。
すごく楽しそうに描かれていました。
会話の多い内容でしたが、その人柄ごとに書き分けられ、とてもよかったと思います。
こういうのはやはり日本語の良さかなと思います。
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初詣の帰り、本屋さん寄る?と珍しく友達から誘われて(笑)
2人してこの本を買った。まあ、私は違う本も2冊買ったけど。時代が古いけど、そんなん関係なく、や、や、や、面白いやん。
青い壺の持ち主が繋いでゆく小説。
時代が昭和40~50年。
その中でも旅行に荷物を詰めているとこから、着物なに着ていくのを悩んでるとこから70歳の祖母が同窓会の京都旅行が無茶苦茶面白い。質素な夕御飯とか、名所を回るのに疲れる同級生達。青い壺は、戦中戦後の厳しい中を生き抜いてきた人たちの人間模様を見守る。10年間怪我もせず割れもせず、様々人生ともに古色がつき名作となる。それに満足する作者。なんかいい。
早く友達と感想を分かち合いたい
Posted by ブクログ
半世紀前の作品がなぜ話題になっているの?
と思い、読みました
13話短編が、壺にまつわるお話
昭和が細かく描かれて、人間関係や悩みは令和になってもあまり変わってないのかも…
作品には、刻印しないという終わりかたがいいです
Posted by ブクログ
青磁で出来ている『青い壺』を通じて
家族の在り方、古い同級生同士の在り方等
様々な人間関係から見える見栄やプライド、物の価値観と言った人の想いが伝わってきて
時代を越えても変わらないのが面白さであると感じました。
Posted by ブクログ
50年も前に刊行された作品のようですが、2011年に復刊され、話題作として書店に並べられているのをよく見かけていたので気になっていました。
全13話から構成される連作短編集で、第1話でとある陶芸家が焼き上げた青い壺が全話に登場します。
所有者が変わるごとに全く異なる人生を垣間見ることができ、短い話ながらもそれぞれの苦悩や本音が浮き彫りにされている点が凄いなと思いました。
また、昭和の時代背景を感じるレトロな文体も逆に新鮮でした。
皆を魅了した青磁の壺とは、一体どれほど美しいものだったのか。
頭の中でイメージを膨らませながら読むのは非常に楽しく、良い読書体験でした。
Posted by ブクログ
新刊ではないと後で知る
なぜ人気なのかなーと手に取る。
1977年出版本だったと、今知る。
タイトルの青い壺、に気を取られがちだけれども、
読み終えて一日たって、
これは普通は物語の中心人物にもならないような人たちへの想像を膨らませる仕掛けだったのかなーと、ふと思う。
時代は戦争の記憶がまだ色あせていない戦後、
というのは、今の読者からしたらなのだけれど、
当時の読者にとっては同時代の話であり、特別なことでも何でもない。
陶芸職人に生み出された青い壺を辿って長い年月を経るのかと思ったけれど、
実際は10年ちょっとで、
高度経済成長期、らしい。
フィクションなので実際を書いているわけではないけれど、
まったく庶民とかけ離れた設定にはしないだろうから、
書かれた当時からちょうど50年経った2026年に読むと、史料感も感じる。
読者の世代によって、感想など違いそうだけれど、
当時を生きていない世代にとっては、
70年代もすでに格差とかあるし、
金銭感覚は今より荒かったりすることもあるのかな、とか、
最近はインフレだけれども今まで本当にモノの価格50年ぐらいあまり変わってないんだなーとか、気づく。
職人で壺作って子ども数人育てられる収入になるんだーとか、
なんで急に退職した会社に2万円の壺持っていくかな、とか、
生け花や茶道やら習うこととか、
京都の縁日って盗品売られてるの、とか、
母と娘の会話はなんだか大変なズレがあるなーとか、
青い壺があってもなくてもそういった生活があっただろうし、
当時の読者にとっては、青い壺から人々を覗き見ることで、ちょっと客観視できるというか、そういった効果もあったのかもしれない。
Posted by ブクログ
最近では少なくない連作短編。
この作品が走りなのでしょうか。
それぞれの話の関連のさせ方がそれほど上手くない印象でした。
共感できない登場人物も多かった。
出た頃は斬新だったのでしょうが、こういう作品はいくつも読んでるので、真新しさはなかったですね。
Posted by ブクログ
読み始めの2−3話は、1970年代の小説だけあって古いと言いますか、面白いかもしれないが少し時代がずれている感じがしたのですが、読んでいるうちにだんだんと気にならなくなってきて、いつの間にか小説の中に入り込んでしまいました。