あらすじ
「葉月十二日、巳の刻。湯島天神内宮地芝居の舞台に、瀬川菊之丞を連れてきて欲しいのです」――濱村屋の年若い主人・吉次からこう切り出された平九郎は、驚きのあまり絶句した。希代の女形であった菊之丞は、吉次の義父で、五年前すでに亡くなっていた。そして実は、吉次は赤也の義弟であったのだ……。赤也の隠されたもうひとつの人生に渦まく陰謀。平九郎たちが仲間のため命を賭して闘う天下無敵の時代エンターテインメント。三十万部突破の書き下ろし大人気シリーズ、第七弾。
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今回の主役は赤也で、赤也の過去など、なぜくらましや一味になったか諸々が明かされる。おもしろくて一気に読んだしまった。ますます赤也推しになった。
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いわゆる「エピソードゼロ」で、くらまし屋の「技」担当、赤也の過去が明かされる。
とは言え、完全な前日譚ではなく、現在と過去が関連づけて描かれており、本編のストーリーも進むので、一粒で二度と美味しい構成になっている。
だらしない面が描かれがちで、さほど好きではなかった赤也が漢を見せてくれたので、次巻以降は感情移入できそうだ。
「知恵」担当の七瀬の前日譚が描かれるのも楽しみ。
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完璧な時代エンターテイメント!
シリーズ7作目はいくつもの思惑が入り乱れ、それが今作の主役「赤也」一点に集まる。
とても複雑な構図だけれどもスッと、それもサクサク読めるのだから今村翔吾さんの腕の凄さをこれでもかと見せつけられた感じでした。
読後は、スッキリ爽やか、そして青春のような甘酸っぱさや切なさも混ざったなかなか体験できない想いに包まれました。
とても面白かった。
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赤也のストーリー。くらまし屋、御庭番、篠崎瀬兵衛、虚と、だんだんと登場人物が増えて絡みも増えてきたし、それぞれの関係性も毎回変化を見せる。阿久多が仕事を断り、舞台を観て涙していたというエピソードがじんときた。
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7作目、いやあどんどん面白くなってゆく。今回は赤也だね。かっこええわ。そして篠崎や阿久多も魅力的なんだよな。さて、どうやって九鬼を倒すのだろうか。先が楽しみ
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遂にくらまし屋シリーズも追いついてしまいました
ちょびっと悲しいw
それにしてもどんどん面白くなっていくなー
今回は赤也が自分の過去にケリをつける回
そしてぼろ鳶ちょい見せ(今回は秋仁)と表紙でちょいネタバレも健在w
虚の3人の達人で最後の1人、九鬼も登場
井蛙流の奥義もめちゃめちゃかっこいい技名と共に炸裂
しかしながら3人の達人や炙り屋との闘いに不安を感じた平九郎は遂に師匠の磯江虎市を探す決意をする
という赤也の想いや3人の絆にいや茂吉とお春を加えた5人の絆にほろりとさせつつ、今後の四つ巴の闘いに向けて風呂敷を広げまくった今作でした
んー次作へのつなぎ方がとんでもなく上手いのが今村翔吾さんなんだよなー
楽しみすぎ!
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裏表紙のあらすじで本作を天下無敵の時代エンターテイメントとめちゃくちゃハードルを上げてきよるが大丈夫か、と思っていたら余裕で越えてきたのがすごい。
くらまし屋一味の絆の強さが見れたのも良かった。
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くらまし屋の仲間・赤也の秘められた過去に渦巻く陰謀。平九郎たちは、仲間のために命を賭して戦う。くらまし屋稼業シリーズ第7弾。
今回は、仲間の赤也の過去を軸に敵味方が入り乱れての物語が展開し、ページをめくる手が止まりませんでした。
敵には、凄腕の奉行とともに、新たな最強の刺客も登場し、クライマックスに向けいやが応にも盛り上がる展開でした。
仲間のために命を懸けて闘う姿に心を打たれ、新たな技を研究する姿にあこがれを感じてしまいました。
強敵が次々と登場し、物語もさらにスケールが大きくなっていくようで、まだまだ楽しむことができそうです。
くらまし屋たちの今後をしっかりと見届けていきたいです。
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くらまし屋シリーズ第七弾は湯島天神芝居小屋が舞台。なんと赤也が役者として育った濱村屋の若き主人二代目吉次(赤也の義弟)が依頼主で平九郎は悩む。
天王寺屋と濱村屋が娘道成寺対決をすることになったことが発端だがその裏には老中の政治的思惑も働いていてなかなか複雑。
赤也は最後の舞台に立つのだが、その時の一節「ーこれにて。赤也が心の中でそっと別れを告げたのは、舞台であったか、それとも亡き父であったか。いや、歩むかもしれなかった、もう一つの人生かもしれない。」拍手喝采の舞台でやっと自分を完全にくらましたんだな、と感動した。
世の中映画「国宝」が大評判だがここにも女形をテーマにした感動作があるよ、と言いたい。
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くらまし屋への新しい依頼は「あの世から故人をくらましてくること。赤也の隠されたもうひとつの人生に渦まく陰謀と、幕閣が絡む芝居合戦など、様々な立場の思惑が絡み合っていく展開が面白かった。平九郎たちが仲間のため命を賭して闘う人情も良かったし、赤也が”立つ鳥跡を濁さず"の言葉通りに自分の過去と有り得たはずのもうひとつの人生にケリをつけるラストにもスッキリ。
くらまし屋人の為に再び無賃働き
二人の女方の歌舞伎役者が、煌びやかに華やかに「娘道成寺」を演じて評判を博していた時代だった。一人は浜村屋瀬川菊之丞、もう一人は天王寺屋中村富十郎である。今回、この歌舞伎にまつわる物語だ。
浜村屋は5年前に菊之丞が亡くなると、主役の後継ぎが年端もいかない若者に代わり、未だ芸も未熟であるため、脇役の優秀な役者が浜村屋を去るなどあり、益々浜村屋は落ち目となった。浜村屋の台所を預かる将之介がこれを立て直そうと、米の先物取引に手を出したが、失敗して大損した。家を売り払って損失を埋めたが、浅草の見窄らしい家宅で稼業をかろうじて続ける始末だった。
そんな時に、浜村屋と天王寺屋との湯島天神の宮地芝居合戦の噂が流れた。天王寺屋を応援する豪商越後屋が、贔屓筋を煽って娘道成寺の出来映えに勝敗を付けるということだ。その中には幕府の幕閣、重鎮が含まれる。
くらまし屋の堤平九郎は、目黒の五百羅漢寺の置き手紙に基づき、早速浜村屋の二代目吉次と接触し話しを訊いたが、その内容は死人を現世に戻してくれとの依頼で、まるでおとぎ話ようなものでその場で即、断ったのである。
平九郎はこの依頼の内容や辞退したことを、仲間の赤也と七瀬に伝え、その場では皆了解した。だが、赤也は元々浜村屋の菊之丞の息子であり、親子喧嘩で抜け出たとはいえ、芸事が好きな上に役者に未練が残っていた。しかも、浜村屋の存亡に関わることでもあるため、何とか力になりたいと考えた。赤也等は合戦の中止を求めたが、勢いを止めることは出来なかった。
更に、浜村屋にとって不幸が続く。二代目吉次が、芸の上達祈願に愛宕山を訪れた時、階段から落ちて腕を骨折。役者が出来なくなった。
赤也は代役となり芝居合戦に出演する決心をするのである。
ただ、これにも邪魔が入る。道中奉行同心、篠崎瀬兵衛は、赤也が以前、中山道の蕨宿で鰔党一味の和太郎を殺害した罪でお尋ね者として、赤也を捕らえる構えを見せていた。
また、虚が、幕府にいる上役の命令で芝居合戦を取り締まるため、怪力で巨体、金棒を使う九鬼段蔵を使って赤也を殺す算段を企てた。
しかし、いずれの策謀は七瀬の舞台の細工と平九郎の太刀の腕により阻まれて、赤也は歌舞伎を無事演じて観衆を魅了した。浜村屋を助けたのであった。
物語は回りくどく、とても長い。でも上手く詳細に書かれており、読み応え十分な物語だった。
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しばらく間を空けてしまってからのシリーズ復帰のため色々と思い出しながら読みました。
終盤の畳み掛けが素晴らしく、赤也が濱村屋の皆んなに会ったときは胸が熱くなりました。
赤也を支えようとする二人の姿にも同様。
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今回は赤也の話。くらまし屋は時代劇ヒーローものであるが、個々人には危うげなところもあり、そこをお互いにカバーするチームものとして描かれているあたりが現代っぽい。
赤也がなんだかんだ表の顔である「博徒」のつながりにも助けられるのは、案外に表の顔も重要にある藤枝梅安の面白みのあるオマージュか。
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今回はくらまし屋メンバーの過去が絡む案件だけに、非常に気合の入った骨太の内容でした。
もはや陰の存在ではなくなりつつあるだけに、そろそろシリーズも終盤を迎えるのか、または新たなフェーズに入るのか気になるところです。
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今回はアカヤの過去との関連話でいつもとは違うパターンの展開で面白かった!とはいえ、いつもイメージとして「るろうに剣心」の世界観が出てきてしまうのは私だけだろうか(笑)面白いので問題はないが。どんどん新作を出してほしいシリーズだなぁ。
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いや〜、今回は赤也が主役なだけあって、ドラマティック。
クライマックスの「娘道成寺」の舞台までの流れも良く、
平九郎が仲間を助けるため闘うシーンに涙。
それぞれが相手を思いやり、自分の個性を活かして解決策を見出していくところに
くらまし屋ならではの色が出ていた。
くらまし屋メンバーだけでなく、
一鉄や瀬兵衛、さらに阿久多までもが
良い味出していて笑えた。
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昔、夢枕獏の格闘シーンもすごいと思ったことがあるけれど、今村翔吾さんのそれも息をするのも忘れるぐらい凄い。それから舞台の表現も含めて、なんでこんなん描けるんやろうと思う。赤也の演技観たい!凄すぎてこれは映像化はでけへんのんちゃうやろかと思うけど、映像として観たいわぁ。
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芝居座の濱村屋を救うために死んだ瀬川菊之丞をあの世から連れ戻してほしいという依頼に、くらまし屋そのものへの危機がせまる。芝居はうまくいき危機はざっするが、くらまし屋の実態を講義御庭番や道中奉行配下にも知られ、虚や炙り屋などの競合が取り巻く中で、炙り屋は存続できるのであろうか?
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06月-26。4.0点。
くらまし屋シリーズ。芝居の若手から、亡くなった先代を舞台に立たせて欲しいとの依頼が。。
赤也の出自に関わる物語。面白い、一気読みした。
ホロッとさせ、しかも鮮やかに逃げ切った。
次作も期待。
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202102/くらまし屋シリーズ第7弾。赤也がメイン。互いの矜持を保ちつつ、今村作品の醍醐味の一つでもある仲間の絆が強まる展開に胸アツ。舞台合戦の練られた仕掛けも、虚・同心たちとの絡みも読みごたえあって今作も非常に楽しめた。
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シリーズ第7作目。
今村翔吾作品を読み終わるのが嫌で次が出るのを待っていた。
続編の発売が決まり、じゃあ、そろそろ読むかと。
本作は赤也の物語。
魅力的なキャラクターがどんどんと現れ、物語と絡み合い定番となり、お話が更に魅力的になる。今村翔吾、天才かよ。
本作も満足のいく一冊だったことは間違いないが、今村翔吾の実力はこんなもんじゃない。次作にも期待。
星は3つだが、星に意味はない。続編は読むのだ。
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今回は、くらまし屋の一員、赤也の過去が明らかになります。
ぼろ鳶でもそうですが、仲間の絆が良いんですよ〜♬阿久田、見直したわ!
今回も、戦いのシーンは凄くて楽しめました。読み終えて、表紙をみてニヤリと、、
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シリーズ第7弾。
今回は赤也の過去と、新たな依頼が繋がっている。
くらまし屋になった経緯も、今回の話も赤也の優しさが描かれている。
阿久多が依頼を断る理由も、それにより新たな虚の仲間が出てくるシーンも良い。
他の虚の仲間より、九鬼はありがちな感じで逆にキャラが弱く感じてしまった(笑)
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くらまし屋の一員である赤也の過去の経緯と繋がったくらましの依頼。吉次の名前が再々出てきて二代と三代など混同してしまう。赤也の失踪経緯が悲しい結末。それにもめげずに立ち向かう赤也が健気。
広い江戸とは言え、これだけ目立ってしまうと、これからの仕事に影響するのではと要らぬ心配をしてしまう。今作では闘いの場面が少なく、相手を倒していない。また、平九郎の妻と娘の話題も出てこないのが寂しい。
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シリーズ第七弾。
今回平九郎に依頼してきたのは、芝居小屋「濱村屋」の若き主人・二代目吉次。
経営が苦しい「濱村屋」は、スター役者・中村富三郎を擁する「天王寺屋」と“芝居合戦”をする羽目になっていて、その合戦の裏には何か黒い思惑が見え隠れ・・。
さらに「濱村屋」は“くらまし屋“メンバー・赤也の古巣だった事が判明します。赤也は己の過去と向き合い、乗り越えていけるのでしょうか・・・。
と、いう事で、今回は赤也メインの巻です。彼の過去と、“くらまし屋”に入った経緯が書かれています。
古巣のピンチを救う為、そして己の過去(父)と決着をつける為、舞台に立つ決意をする赤也。
仲間を慮って、一人で行動しようとするのですが、平九郎と七瀬が放置するわけないですよね。結局赤也を全力バックアップする二人。このチームワークが素敵です。
赤也を“くらまし屋”と見抜いた、切れ者道中同心の篠崎瀬兵衛(本当、この人は敵にしたくないですね。良い人だけに余計そう)に危うく捕縛されそうになったり、「虚」からは怪力・九鬼断蔵がたちはだります。平九郎と九鬼の闘いはもうハラハラもので手に汗握りました。
ラストは赤也が圧巻の舞台を見せてくれて痛快でしたし、此度の件で仲間の絆が深まった気がします。
あと、今回「虚」の刺客の一人・阿久多が芝居好きで自分が好きな芝居役者を害するのを拒んだ下りが意外と彼(彼女?)にも矜持があるのだな。と感心した次第です。炙り屋もそうですが、こういういい意味でのプライドがあると思うと彼らを憎めなくなりますね。
とはいえ、彼らは強敵ですので、平九郎達に戦力の補強があればよいのは勿論です。平九郎のお師匠が見つかって力になってくれればいいのになぁと思った次第です。