【感想・ネタバレ】夏の戻り船 くらまし屋稼業のレビュー

あらすじ

「皐月十五日に、船で陸奥に晦ましていただきたい」──かつて採薬使の役目に就いていた阿部将翁は、幕府の監視下に置かれていた。しかし、己の余命が僅かだと悟っている彼には、最後にどうしても果たしたい遠い日の約束があった。平九郎に仕事を依頼した将翁だが、幕府の隠し薬園がある高尾山へ秘密裏に連れて行かれる。山に集結した薬園奉行、道中奉行、御庭番、謎の者……平九郎たち「くらまし屋」は、将翁の切なる想いを叶えられるのか!?続々重版中の大人気時代エンターテインメント、堂々のシリーズ第三弾。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

1巻、2巻のように今回もその「晦まし方」を楽しみに読み進め、予定通りに楽しませて貰い、感想も「晦まし方」についてを語ろうと思っていたのに、最後に「恋」で全て持っていかれた。泣かされた。そうくるか、と。
蒼い海、蒼い空、蒼い頃... 蒼い頃...か。

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

 お江戸の闇に紛れて依頼人を『くらます』裏稼業、くらまし屋シリーズの第三弾。手に汗握るアクションが連続する時代小説です。

 今回の依頼人は病を患い、余命いくばくもない希代の本草家、阿部将翁。薬草にも毒にも通じ、お上の生死すらその手にすることができるほどの知識を修めた将翁は、その知識の流出を恐れた幕府によって厳しい管理の下におかれていた。己の命が残り少ないことを理解し、遠き日に交わした約束を死ぬ前にどうしても果たしたいと願った彼は、『くらまし屋』に依頼をかける。しかし、望んだ期日を前に、幕府は彼を高尾山へと監禁してしまう。『くらまし屋』は無事彼の望みを叶えることができるのか。

 今作では、平九郎がなぜ『くらまし屋』をすることになったのか、その動機にも触れらる場面がありました。年の功というのか、死が迫った者の持つどこか透明に物事を見通す力というのか、今回の依頼人阿部将翁という人生の酸いも甘いも味わってきた登場人物を通して『くらまし屋』たちの姿が深く見えてきた気がします。
 高尾山での攻防は読み応えのあるアクションで、だんだん情が移ってきてしまったあの登場人物やその登場人物も死んでしまうのではないだろうか、とドキドキしながら読みました。天然の要塞のような姿をした高尾山を想像すると、今回の策の大胆さに度肝を抜かれます。大変に面白かったです。

 平面だけではなく、表面だけでもなく、物語自体の深みも登場人物たちの心の動きもシリーズが進むごとにより鮮やかになっていくようで、続編を読むのが楽しみです。
 できたら季節を合わせて、もう少し秋らしくなってから続編に手を出そうかと思います。

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2025年08月22日

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平九郎の過去が徐々に明らかになるシリーズ第3作。
今回も一気読みできる面白さでしたが、過去2作より明らかに物語の組み立て、様々な伏線の張り方が秀逸で感心しました。
前作に続き「羽州ぼろ鳶組」ファンの心をくすぐるシーンが所々に放り込まれていて今村翔吾さんのいやらしさ(褒め言葉)に拍手!

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2024年07月05日

Posted by ブクログ

とんでもなく上手いわー

ウィッキーさんによると本作が出されたとき今村翔吾さんまだデビュー2年目とかですよ
とんでもなく上手いわー(2回目)

もう最初から結末は分かっていて読み始めるわけですよね
くらまし屋の3人は必ず成功するわけですから
今後そこを裏切ってくるというパターンもあるかもですが
さすがにシリーズ3作目でそれはないでしょうからね
しかも今回は表紙で虚の若き天才剣士榊惣一郎との対決があることもバラしてしまっているし
まあおそらく引き分けになるであろうことも読めるわけです

その分かってる結末に向かって緊張感をだんだんに高めていく過程がもう
とんでもなく上手いわー(3回目)

くらましの方法をちょっとづつ明らかにしてくとことか
最初にくらまし屋に敵対する勢力を全て明かした上でそれぞれの思惑を待ち構える側である道中同心の篠崎瀬兵衛を通してちょっとづつ明らかにしてくとことか
そうして読者は瀬兵衛と一緒に緊張感を高めていくわけです
瀬兵衛と読者のドキドキがMAXになったところで…!

とんでもなく上手いわー(4回目)

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2022年08月18日

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シリーズ第3弾。依頼人は本草家のおじいちゃん。
別のシリーズとリンクしてるんですか!気になるぅ。
虚の人たちも割と好き。

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2022年02月19日

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余命わずかな老人の最後の願いを叶えるため、壮大な仕掛けでもって人をくらます物語。
戦闘シーンの迫力は後の「イクサガミ」シリーズを思わせる。
時代小説でありながら、少年漫画のような疾走感と爽快さを併せ持つ一冊でした。

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2025年11月01日

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死ぬ前に約束を果たしたい老人をくらませる今回のお話。またもや初谷が出てきてドキドキした。
そしてなんと子供時代の武蔵が登場!ぼろ鳶とリンクしてるのがやばすぎる。。

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2025年07月21日

Posted by ブクログ

死ぬ前にどうしても果たしたい約束がある老人を眩ませるのが今回のミッション。採薬使として活躍したこの老人を巡り薬園奉行、道中奉行、御庭番、謎の者「虚」達が高尾山で交錯していく様子は手に汗握った。くらまし屋が高尾山で取った作戦がエンタメに富んでいて、これまでに難しい「幕府の監視下」からくらますという難題をクリアし依頼を遂行する過程は読んでいて楽しかった。

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2025年06月24日

購入済み

晦まし屋稼業三人、高尾山の奮闘

くらまし屋、堤平九郎が今回仕事を受けた相手は、幕府に召し抱えられていた本草家、阿部将翁という八十八歳の老人である。この老人、幕府に採薬使として仕えてきて十年前に御役引退の願いを出して許可された。だが、気の毒なことに自由な行動を制限されていた。
本草家は、主に植物を採取し薬の抽出を役目とする。薬草を探して山野を歩き回るのだが、植物のちょっとした変化で土や岩の特徴が見分けられる。いわく、鉱脈を見つけることもたまにあった。釜石の磁鉄鉱脈は将翁の発見とも言われる。
また、朝鮮人参を種から育てることに成功して、安価にして世間に出した人物でもある。優秀な人物ゆえ、悪人たちからも狙われたし、やたら外出して話し回れては幕府は困るのである。将翁宅には薬園奉行与力、住岡仙太郎他数名が常に警護として就いていた。
将翁は、老体ゆえ病弱になり残り僅かな命の時を、故郷盛岡藩閉伊通豊間根村で過ごしたいと強く願っていた。
平九郎はこの老人の願いを三つの条件全て飲み込み、八十両で受けたー旅程は船であること。皐月15日に村に着くこと等。
平九郎は、晦まし稼業仲間の赤也、七瀬と馴染みの波積屋で綿密に打ち合わせを行った。
赤也の調べで、将翁は自宅から小石川養生所に移され、やがて幕府の命で死亡した人と扱われた。しかし将翁は高尾山の幕府の隠れ薬園に幽閉されていた。そこでは、薬園奉行与力、住岡他役人五十余名が警護に当たっていた。また薬園奉行の極秘の命令で道中奉行与力の篠崎瀬兵衛他十人の同心が助っ人として高尾山に入るのだった。さらに、赤也の調べによると御庭番が2名が紛れ込んでいた。
赤也は、将翁が自宅にいる時からひたすら近くで見張りに徹して、高尾山でも薬園を観察しその全体像を掴み、地図に描いた。やがて赤也が平九郎、七瀬と共に高尾山近辺の旅籠に逗留した時、赤也が近隣の農民十名を使い、高尾山の将翁の住居に続く登山道に別の脇道を作たり、呼子を吹いて相手を攪乱し、相手の人数を少しずつ削ぐのだった。勢力は平九郎側に分が悪かったが、赤也の働きが際立っていたのである。
将翁の救出は夜間決行され、平九郎が警護の役人を当て身と峰打ちで無力にし、将翁を担いで下山。麓で待っていた七瀬が、用意した馬で将翁を江戸の街に運び入れた。その後も手際良く、平九郎が江戸湊から将翁を船に乗せ豊間根村まで無事送り届けた。
三人の奮闘ぶりがとても頼もしく感じた。

#ドキドキハラハラ #カッコいい #タメになる

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2025年05月15日

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ネタバレ

シリーズ3作目に至って、奉行方に晦ましを見破る人物が好敵手化してきて、さらに面白くなってきた。また、追手の中にも強力で怖い相手も出てきて将来に亘る死闘が予想される。薄めの文庫本は、1つの晦ましを行うのにちょうどよい長さで、さらっと読めて幕間本として満足できる。救いとか人情もののお涙頂戴寄りではないが、今回も幸せの黄色いハンカチではないけど、なんだかいい話でよい感じ。

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2025年04月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2025/2/26
ぼろ鳶とリンクしてる~
こっちの方が過去なんだ。
武蔵若いもん。
過去が明かされて話が進んできたかも。
楽しみね。

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2025年03月09日

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少しずつ登場人物の背景も少し明かされ、敵キャラも実力の一端を見せるなどメインの物語も進み始める。一気読みした。

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2024年09月14日

Posted by ブクログ

シリーズ三巻。
くらまし屋の内情が少しずつ明らかになって来て、登場人物達への思い入れもグッと強くなり、裏組織虚、各流派必殺技の応酬の殺陣、尚且つぼろ鳶組シリーズとの接点も見えて楽しめました。

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2024年04月17日

Posted by ブクログ

今回は主人公以外の同心の心境をかなり読めて、そこが良かったのと依頼主の故郷に帰りたい思いにグッときてしまった。着々と大きな物語は進んでいるので次巻も期待。

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2024年03月29日

Posted by ブクログ

シリーズ3作目。毎回違うパターンで来るんだね。面白い。道中同心の篠崎瀬兵衛がなかなかいいキャラで面白い。そして、新たな敵、「虚」。いや怖い

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2023年09月11日

Posted by ブクログ

全体の物語が進む中で明かされる展開にどんどんと引き込まれてます。
今作は瀬兵衛さん中心に進んでいった感じでした。 善と悪の二元論では語れないものを背負う平さんの過去も少しずつ語られ、今後がますます楽しみに。
虚との立ち合いから故郷へのくらませまで色んな感情が湧き上がった一冊。

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2023年07月09日

Posted by ブクログ

今村翔吾の長篇時代小説『夏の戻り船 くらまし屋稼業』を読みました。
『くらまし屋稼業』、『春はまだか くらまし屋稼業』に続き、今村翔吾の作品です。

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「皐月十五日に、船で陸奥に晦ましていただきたい」──かつて採薬使の役目に就いていた阿部将翁は、幕府の監視下に置かれていた。
しかし、己の余命が僅かだと悟っている彼には、最後にどうしても果たしたい遠い日の約束があった。
平九郎に仕事を依頼した将翁だが、幕府の隠し薬園がある高尾山へ秘密裏に連れて行かれる。
山に集結した薬園奉行、道中奉行、御庭番、謎の者……平九郎たち「くらまし屋」は、将翁の切なる想いを叶えられるのか!?
続々重版中の大人気時代エンターテインメント、堂々のシリーズ第三弾。
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2018年(平成30年)に刊行された、くらまし屋稼業シリーズの第3作です。

 ■序章
 ■1章 一生の忘れ物
 ■2章 天しゅんの牢獄
 ■3章 其は何者
 ■4章 修羅の集う山
 ■5章 蒼の頃へ
 ■終章

江戸の街で、大金さえ払えば、神隠しのように姿を消してくれる奴等… 失踪を手助けする「くらまし屋稼業」をテーマにしたシリーズです、、、

本作では、高尾山の隠し薬園に幕府の監視下で軟禁されている、元幕府の採薬使で年老いた本草屋・阿部将翁を晦ますという困難なお勤めを果たす中で、将翁を護る側として第1作~第2作にも登場して平九郎たちと因縁のある道中同心の篠崎瀬兵衛との絡みや、将翁を攫おうとする「虚」の鎖飛輪の使い手・漣月との死闘、さらには同じく「虚」の陽気だけど冷酷な剣の遣い手・榊惣一郎との初めての直接対決… 等々、読みどころ満載で、アクションも激しく、ハラハラドキドキの展開が愉しめました。

将翁を無事に故郷に送り届けた際のロマンティックで切ないシーンも良かった… 平九郎の妻子が3年前に姿を消して何者かに連れ去られたと思われることも明らかになり、次作も読みたくなる展開でしたね、、、

でも、残念ながら本シリーズの在庫は読み切っちゃいました… 第4作以降も古書店で探してみようと思います。

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2023年05月07日

Posted by ブクログ

年老いて、余命わずかな採薬使・阿部将翁に晦まして欲しいと依頼されるが、稀代の本草家で、その気になれば将軍さえも毒殺し得る知識を有しているため、幕府に軟禁され、裏稼業の者には攫うため「虚」を差し向けられたりと、今作はかなりハラハラさせられた。でも、最後には将翁の依頼の理由が明かされ、ロマンティックな話でうるっとさせられました。

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2023年01月30日

Posted by ブクログ

終盤で登場する船乗りの「櫂五郎」って、同著者作品の「羽州ぼろ鳶組 夜哭烏」に登場する船乗りの「櫂五郎」ですよね???

繋がった瞬間、思わずにやけてしまいました。
他にも作品を超えた繋がりがあるのか、楽しみ。

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2023年01月18日

Posted by ブクログ

今回くらますのは高齢の、余命わずかな採薬使。
どうやって連れて行くんだろうと言う心配もよそに、
展開は意外にもスピーディー。
思いもよらない七瀬のアイデアがおもしろかった。

でも今回の一番のワクワクは道中同心瀬兵衛の存在。
赤也の得意とする変装の上を行く観察眼を持つ男は
めちゃくちゃ人のことをよく見て、覚えていて、
いつ3人の正体がばれるかとハラハラした。

平九郎の過去も大方明かされ、この先どんなふうに宿願が果たされるのか、見ものだ。

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2022年12月24日

Posted by ブクログ

今回は何とも大掛かりなくらましでした。
「虚」はいわゆる悪の集団ですが、くらまし屋の存在も見方によっては法を無視した悪とも捉えられるので、お上との奇妙な三角関係の構図がユニークです。
敵が強ければ強いほど物語は盛り上がるので、虚のとんでもない強さは悪役としての存在感が抜群です。
武蔵が一瞬顔を出したので、思わずニヤリ。

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2022年11月10日

Posted by ブクログ

今回のくらましの仕掛けはちょっとスケールダウンのトリックだったが、それに代わって新たな敵の発生。御庭番や薬園奉行所、道中奉行所の多勢が守る中、それを一人で殲滅する勢いの敵。過去2回の因縁ある道中奉行所の同心を何故かくらまし屋は助ける。
一段落後に、新たな敵襲来。妻と娘の消息の手掛かりが微かに判明。謎が深まりつつ次に期待。

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2022年03月20日

Posted by ブクログ

内容(「BOOK」データベースより)
「皐月十五日に、船で陸奥に晦ましていただきたい」―かつて採薬使の役目に就いていた阿部将翁は、幕府の監視下に置かれていた。しかし、己の余命が僅かだと悟っている彼には、最後にどうしても果たしたい遠い日の約束があった。平九郎に仕事を依頼した将翁だが、幕府の隠し薬園がある高尾山へ秘密裏に連れて行かれる。山に集結した薬園奉行、道中奉行、御庭番、謎の者…平九郎たち「くらまし屋」は、将翁の切なる想いを叶えられるのか!?続々重版中の大人気時代エンターテインメント、堂々のシリーズ第三弾。

令和2年12月15日~18日

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2020年12月18日

Posted by ブクログ

採薬使阿部将翁を匿いたい幕府とその命を狙う者たち、将翁自身は病に冒され余命幾許もないがなんとしても故郷に帰りたくてくらまし屋に依頼をする。堅牢な守りの中どうやって将翁を晦ますのか、そのトリックが面白かった。くらまし屋の頭脳七瀬のアイデアが冴え渡る。
なぜ命を削ってまで故郷陸奥に帰りたいのか、将翁が語った訳が切なく純愛。

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2025年09月16日

Posted by ブクログ

シリーズ第3作目。

平九郎は剣では無敵かと思っていたが、まさかの惣一郎の強さよ。

これからもまだ「虚」との絡みがあると思うので、目が離せない。
どうなるのよ、全く。気になるよ。次も読むよ。

「羽州ぼろ鳶」シリーズの「武蔵」が出てきた!
完全にぼろ鳶シリーズとリンクしてますやん!
テンション上がりますよ、そりゃ。

平九郎の過去も少しずつ明かされ始め、まだまだ先が気になる。

星は3つ。3.7としておく。

今村翔吾、天才かよ。

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2025年04月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

命あるうちに、行きたい場所までくらませる。

くらましさせることより、後半の剣客バトルが印象に残る。

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2024年05月29日

Posted by ブクログ

シリーズ3作目

平九郎たちくらまし屋は、年老いた彩薬使の阿部翔翁を船で盛岡にくらます。
うまくいくと分かっていても、ハラハラする。

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2023年07月03日

Posted by ブクログ

「くらまし屋稼業」の3冊目。
今度は余命僅かの元採薬使・阿部将翁の願いを叶えるお話。

この将翁、仕事柄から幕府にとって重要な情報を持っており、それ故に闇の組織「虚(ウツロ)」に狙われている。
そこから護らんとする薬園奉行により江戸市中から幕府の隠し薬園がある高尾山に匿われるが、駆り出された道中奉行に御庭番まで入り乱れる中で、平九郎らが将翁を晦ますことが出来るのかが、まずは見所。
子どもを勾引かす賊の正体を知るべく取って返した平九郎が「虚」の面々と切り結ぶ場面もいつもの如くの見所。
見慣れぬ得物を使う賊を斬って捨てては、最初の話に登場した榊惣一郎と丁々発止の立ち回り。巻を重ねるごとにその剣法が凄みを増す。

駆り出された道中奉行を束ねるのが前二作でも登場した篠崎瀬兵衛だが、妻を娶ってからは全てを無難にこなすようにしてきた瀬兵衛が平九郎らの影に気づいたことでかつて「路狼」と呼ばれた頃の血を騒がせだし、見過ごすことが出来ない存在になっていく。
その瀬兵衛とのこれからも続くであろう因縁や、これまでに加えて明らかにされた平九郎の妻や娘の話や平九郎の出自も含め、何巻にも続くこの物語の全貌の一端を垣間見せていく作りが巧み。

将翁の最後は、もう「幸福の黄色いハンカチ」でしたね。分かっていてもウルッと来る。
若き日の櫂五郎と武蔵がチラと登場するのも楽しかった。

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2023年03月24日

Posted by ブクログ

シリーズ第3弾。

少しずつだが、平九郎の過去も解き明かされてきた。
七瀬もチラッと、赤也・茂吉との出会いはまだ語られていない。

「虚」とは何をしようとしているのか。
次巻ではどんな謎が明らかにされていくのか楽しみである。

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2022年04月05日

Posted by ブクログ

シリーズ第三作目。
今回のくらまし屋は犯罪組織 虚と幕府の役人を相手どり本草家の大家 阿部将翁を陸奥へとくらます。
表紙絵の虚の剣の天才サイコパス野郎 榊惣一郎と平九郎の剣劇の場面はとても緊迫感があった。
将翁が陸奥を目指す理由にもホロリときた。

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2022年03月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

陸奥に恋人を残して上方に行く船が遭難清国の船に救われたが日本に戻るために優れた本草家になった老人を故郷に戻す手伝い、うつろ(虚)もその老人を狙っていた!本草家は薬草だけで無くその土地にある鉱物が判るのだって!

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2021年06月23日

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