あらすじ
万次と喜八は、浅草界隈を牛耳っている香具師・丑蔵の子分。親分の信頼も篤いふたりが、理由あって、やくざ稼業から足抜けをすべく、集金した銭を持って江戸から逃げることに。だが、丑蔵が放った刺客たちに追い詰められ、ふたりは高輪の大親分・禄兵衛の元に決死の思いで逃げ込んだ。禄兵衛は、銭さえ払えば必ず逃がしてくれる男を紹介すると言うが──涙あり、笑いあり、手に汗を握るシーンあり、大きく深い感動ありのノンストップエンターテインメント時代小説、ここに開幕!(解説 吉田伸子)
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例えば羽州ぼろ鳶組や童の神、てらこや青義堂~師匠、走る~ 、じんかん等、翔吾先生の作品は「チームワーク」が実に鮮やかに描かれている。
相手方に、蟻の子一匹逃げられない状況を作られた「チームくらまし屋」は果たしてどんな作戦で依頼者をくらませるのか?
そのからくりを知った時の爽快感ったらもう...✨「そうきたか!」っつって。
読むのが遅いわたしでも、面白くてスラスラと読むことが出来ました
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今村翔吾さんの人気シリーズ「羽州ぼろ鳶組」を読み終え、もうひとつのシリーズもの「くらまし屋稼業」を手にとりました。
ぼろ鳶組が分かりやすい善と悪の構図であるのに対し、くらまし屋は全てが裏社会での物語なのでひと味違った感覚で読めました。
本作もキャラのたつ面々がいて永く楽しめそうな雰囲気をかもしだしています。
また、謎に包まれた主人公平九郎の素性も今後明らかになっていくと思うと、やはり次の作品を読みたくてたまらなくさせます。
今村翔吾さんの作品にハズレなしですね。
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2023/12/28
ぼろ鳶があんまりおもしろくて逆にほかのシリーズに手を出すの怖くなってたけど出してみたら杞憂であった。
こちらもハラハラドキドキおもしろい。
キャラも立っててすぐ好きになった。
過去の因縁とか悪の組織っぽいのがまだまだ隠されてる。
続きも楽しみ。
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めちゃくちゃ好き!
登場人物が魅力的で、スピード感あり、かっこいい!
かなり好みでこのシリーズ大切に読み進めたいと思います。
今村翔吾さん、読み漁りたいです。
面白いシリーズを見つけました
何か、面白い本はないかな?
と探していた所、新聞に紹介文が掲載されていました。機会をみて、購入し読み始めましたら、引き込まれてしまいました。今回も、一気によんでしまいました。
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逃げたい人々を、あの手この手でくらましていく裏稼業を描いた物語。
シリーズ第一作として、主要メンバーそれぞれの個性が光り、これからの展開に期待がふくらむ。
新たな名シリーズの始まりを予感させる一冊となりました。
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ぼろ鳶を全巻読み終わり、源吾ロスをしてる所に新たなシリーズ物を。くらましやシリーズ1作目。
江戸を出たい人間を大胆かつ緻密にくらましてしまう3人組。次作も楽しみ。
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金さえ積めば如何なる者も神隠しのごとく晦ませてくれる3人組、「くらまし屋」にある2人組が依頼をするところから始まる物語。くらまし屋の3人がそれぞれの能力を活かして依頼を遂行していくノンストップな展開に一気に惹き込まれた。まるで時代劇を観ているような気分になって楽しめる。『必殺仕事人』みたいな雰囲気のある作品。
「くらまし屋稼業」を読んで
堤平九郎は浅草雷門近くに飴細工の露店を出している。飴の商いは仮のものでありもう一つの別の稼業が「くらまし屋」といって、この江戸を逃れてよそ地で暮らしたいという者の望みを叶えるという商売である。 浅草界隈のヤクザの元締め、丑蔵の第一、第二の子分、万次と喜八は、予てよりヤクザの暮らしに嫌気が差して抜け出したいと願っていた。 万次には、日本橋の飲み屋で手伝いをするお利根という女がいる。万次はヤクザ家業の足を洗い大阪で店を出し、お利根と二人で暮らす願いがある。 喜八は故郷、小諸に病いの妻と娘がいる。その治療代を稼ぐために江戸に出て治療代を送っていたのだった。そして更に娘が流行病に罹り、せめて家に戻って欲しいとの妻からの連絡があった。 いよいよ江戸脱出の日、月末に親分の信頼が厚い二人が集金して廻って集めた二日分の金を持って決行する。 しかし、異変に気付いた丑蔵は手下など多数の人数を出して各街道筋を見張らせ、万次と喜八はやむを得ず高輪の香具師禄兵衛親分の下で匿って貰った。
平九郎に、万次と喜八を江戸から逃すという仕事が入った。平九郎は、丑蔵に負けじと大掛かりな手立てを考え、仲間の七瀬と赤也を手伝わせて、八十丁の駕籠を用意させ、二人を中山道の板橋から逃がす事に成功した。
時は江戸時代中頃の宝暦、地方では不作が続き、飢饉や一揆が多く出た時代だった。 物語は読み始めからゾクゾクさせれる。あるいは異質な世界の物語でもあり、凄みがあって、読んでいる自分も最後は殺されるのではと思うほどの恐怖心を抱いた。太平の世が続いてはいるが、つまる所、二本差しの侍が社会の中心を為している。未だどこかに事件が起こっては血生臭さがしばしば漂う江戸市中が舞台だ。 万次と喜八は、いずれにせよ無事に板橋宿から江戸を抜けて浦和、蕨宿に至る中山道を逃げた。
しかし、ここでもう一波乱ある。 中山道は喜八の郷里まで真直ぐ1本道である。万次が甲州街道を逃げるのをわざわざそれに付き合うのだが、喜八は平九郎の懐の大金目当てについて来たのである。平九郎は、止む無く喜八を斬り殺す。平九郎にとって悔やまれる事態になり商売は失敗だった。喜八は平九郎との面談では嘘をついていないが・・・武士の傲慢あるいは身勝手さだろうか。或いは喜八の理性を狂わせてしまったのは、邪心に似た惑いが生じたからかもしれない。
物語はもう一波乱あるが、それは省いても非常に読み応えのある。
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銭次第でどんな人でも逃してくれるというくらまし屋。
テンポの良い展開で、一気に読み終えました。
過去に何かを抱えていそうな平九郎をはじめ、赤也、七瀬など登場人物が魅力的で読んでいて楽しかったです。
ラストに現れた、惣一郎の存在にもワクワクします。平九郎たちと、惣一郎が出会えばどうなるんだろう、、。
次作が気になります!
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近年時代小説は佐伯泰英さんばかりでしたが、姪っ子に勧められて手に取ってみました。悪人も含めて登場人物はしっかり地に足が着いた強者揃いで清々しささえ感じました。初めて知ったくらまし屋という仕事を生業にする元武士のこれからの活躍が楽しみな作品でした。
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「くらまし屋」の稼業は、依頼を受け、依頼人の姿を「くらます」こと。
今ある自分を捨てて生まれ変わり、一から人生をやり直したい依頼人の願いを叶えるため、「くらまし屋」の平九郎、七瀬、赤也が奮闘する。
この3人はそれぞれに優れた技や頭脳を持っているので、悪人を懲らしめる描写は痛快だ。
それぞれの表と裏の稼業のギャップも面白い。
今の所、全8巻出ているようだが、テンポ良く話が進んでいくので、読み手を飽きさせないし、次が気になる作品だ。
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「羽州ぼろ鳶組」シリーズ第1弾をベタ褒めしておいて、第2弾じゃなくこっちにくるんかーい! と叱られそう‥。だって、積読してたんだもん(-_-;) 第2弾まだ手元にないもん( ̄3 ̄) ←言い訳‥
自分を「好奇心旺盛」と言うのも憚られますが、あっちゃこっちゃ節操のない読書で、特定作家さんを制覇!とかシリーズコンプ!とはならないんです( ; ; ) 実は、シリーズ1で止まっている作品が他にもあって‥反省。
さて本作です。こっちも面白い! レコードでいう「ぼろ鳶」がA面なら「くらまし屋」がB面、それもゴールドディスク! A,Bは優劣ではなく、表と裏です。火消は華々しい「表」の人間で、くらまし屋稼業が「裏」社会の人間と言えるでしょう。
読みどころは、何といってもプロの「くらまし屋」集団の人物造形と「くらまし」の手口です。
くらまし屋メンバーは、表稼業でカムフラージュし、率いる凄腕の元武士、頭脳明晰で作戦参謀の女子、変装名人の美形男子と、徹底したプロの集団でした。ちょっと意味深な過去も見え隠れします。
くらましの手口も見せ場(明かせませんが)で、くらまし屋視点で"してやったり"というより、追う側視点で"やられたー"という感覚が読み手と重なり、どきどきハラハラしながら読み進められます。
裏世界ならではの哀愁も漂い、その先にあるささやかな幸せが訪れたかと思いきや、途切れない(?)不穏な空気、不気味な存在の気配が‥と、こうしてシリーズが続くのですね。これまた次の展開が気になります。こちらは現在第8弾まであるのですね。今村さん多作だなあ‥。
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いつも気になりながらなかなか読めていなかった作家さん。
さて何から読もうか?
やはりシリーズものが間違いないだろうと。
「くらまし屋」とは?
事件がらみ、恋愛がらみ、借金取りから逃れるため、理由は何であれ、お金を出せば、今いるここから逃がす人。
今回の話は、やくざ稼業に嫌気がさして、足抜けをしたい二人をくらます話。
普段は飴細工の屋台を引いている平九郎、一膳めしやでお運びをしている七瀬、良く素性がわからない赤也。
依頼を受けると、たちまち裏の顔になり、あの手この手で任務を果たす。
流石に少年時代から、時代物、歴史ものを読んでこられた今村さん、細かい描写、何気ない運び方、どっぷり時代につかれます。これから楽しみです。
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とある約束ごとを守ることを条件に、その人を今生きる人生から『くらます』、お江戸のくらまし屋。シリーズの第一作です。
元々、シリーズものだと思わずに読んでいたので、最後まで読み終わって、この物語はこの後どうなるのだろう、続きはあるのだろうか、とわくわくするような気持ちになりました。シリーズ続刊も何冊か出ているようなので、続きを読むのが楽しみです。
シリーズの一作目という性格もあるため、さり気なく主要な登場人物の紹介がされていきます。表では飴売り、裏ではくらまし屋。変装の達人。希代の切れ者。そしてそこに相対する形になるだろう、謎めいた裏の世界の組織。どのキャラクターもよく立っていて、くせ者具合が今後の展開を期待させてくれます。
今作で『くらまし』を依頼するのは、足抜けしたいやくざ者。
畳みかけるようにどんどんと転がり進んでいくストーリー展開と、なかったはずの情が生じたり、あったはずの義がふいに消えてしまったりと、思いも寄らない結末に向かうのに笑ってしまったり切なくなってしまったり。
人には表の顔と裏の顔がある。誰でも、悪だけの顔はなく、誰かや何かに対しては善の顔も持っている。逆に、どんな善人でも、修羅に堕ちることもある。
そんなことを感じさせる、人情味のあるお話でした。
最後まで読み終わってから改めて表紙を見て、なるほど、と思ってしまいました。装画のこだわり、お見事です。
次巻も楽しみに読み進めていきたいと思います。
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フィクション要素の強い時代小説。確かな金銭とルールを遵守する者なら悪人だろうと確実に逃がす晦まし屋という裏家業が題材。
時代物ってとっつきにくいんでしょ、のイメージが100%払拭されるほどの読みやすさと、シーンを可視化できるようなわかりやすい描写で一気見しました。
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今村さんの小説を読んでみたくて買った。まぁまぁ面白かった。時代小説は苦手なはずだったけど、これは読めた。
まだまだわからないことだらけの平九郎だからシリーズでも読みたい。
喜八が死んだのが残念。
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初めて読んだ今村翔吾さんの小説。
夢中になって読めるシリーズ物がないか探していた時におすすめされたのがこの本。
確かに、読み始めたら一晩で読んでしまった。
たくさんの見張りの中、依頼人をどのように逃がすのか、その方法を知った時は「なるほどね」と思ったり、意外な裏切りに切なくなったり、ラストは平九郎の無双ぶりに笑ってしまったエンターテインメント小説です。
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今村翔吾の長篇時代小説『くらまし屋稼業』を読みました。
ここのところ、時代小説が続いています。
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万次と喜八は、浅草界隈を牛耳っている香具師・丑蔵の子分。
親分の信頼も篤いふたりが、理由あって、やくざ稼業から足抜けをすべく、集金した銭を持って江戸から逃げることに。
だが、丑蔵が放った刺客たちに追い詰められ、ふたりは高輪の大親分・禄兵衛の元に決死の思いで逃げ込んだ。
禄兵衛は、銭さえ払えば必ず逃がしてくれる男を紹介すると言うが──涙あり、笑いあり、手に汗を握るシーンあり、大きく深い感動ありのノンストップエンターテインメント時代小説、ここに開幕!
(解説・吉田伸子)
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2018年(平成30年)に刊行された、くらまし屋稼業シリーズの第1作です。
■序章
■第一章 足抜け
■第二章 隠れ家
■第三章 江戸の裏
■第四章 道中同心
■第五章 別れ宿
■終章
■解説 吉田伸子
江戸の街で、大金さえ払えば、神隠しのように姿を消してくれる奴等… 失踪を手助けする「くらまし屋稼業」をテーマにしたシリーズです、、、
表では、子ども相手の飴細工屋をしている元武家で剣の達人・堤平九郎をリーダーに、日本橋堀江町二丁目にある居酒屋・波積屋を拠点にし、波積屋で働く美人で知恵者の七瀬と、波積屋の常連で博打好きの美男子で変装の名人・赤也が、それぞれ特技を生かしてくらましを手伝う… そして、裏の裏は平九郎の数多の流派が宿る井蛙(せいあ)流の剣技を使った正面突破と、なかなか熱い展開です。
浅草界隈を仕切っている香具師・丑蔵のもとから足抜けする万次と喜八をくらますための手段が印象的… 80挺の駕籠を使った奇策や、宿場を通り抜けるための変装等のアイデアも愉しめました、、、
「くらまし屋七箇条」というのもイイですね、
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一、依頼は必ず面通しの上、嘘は一切申さぬこと。
二、こちらが示す金を全て先に納めしこと。
三、勾引かしの類でなく、当人が消ゆることを願っていること。
四、決して他言せぬこと。
五、依頼の後、そちらから会おうとせぬこと。
六、我に害をなさぬこと。
七、捨てた一生を取り戻そうとせぬこと。
七箇条の約定を守るならば、今の暮らしからくらまし候。
約定破られし時は、人の溢れるこの浮世から、必ずやくらまし候。
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このあたりの設定も巧いと思います… 終盤で登場した、牢問役人で拷問を愉しむサディスト・初谷男吏(はつがやだんり)や、陽気だけど冷酷な剣の遣い手・榊惣一郎が、次作以降で強烈な敵役として登場しそうな予感。
次は続篇を読みますよ… 愉しみです。
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今村翔吾氏の歴史小説に比べるとこの時代小説はかなり読みやすい。
裏稼業として「くらまし屋」をやっているのだがどうも事情がありそう。この作品ではそれは明らかにされておらず、シリーズを読み進めていく中で徐々に明らかになっていくのだろうと思うと次巻を読むのが楽しみ。
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くらまし屋―江戸で訳あって姿をくらましたい人からの依頼で、見事にその存在を消してしまう仕事である。代金は法外だが腕は確かで、どんなにたくさんの人から追われていても、お上や裏稼業の人々から狙われていても、ちゃんと姿をくらましてしまう。
平九郎は飴細工屋で、普段は江戸の様々な街に出店をして飴を売り歩いている。そこに干支の飴細工を依頼してきて平九郎が断って「獏」の依頼をさらにすると、くらまし屋の出番となる。何だかシティーハンターのようだ笑 元武士の平九郎は剣術に長けており、そこに変装の名人・赤也や脱出の戦略を考える七瀬といった仲間たちが集う。
物語としては依頼を達成するも、それだけでは終わらないのが今村翔吾作品。今後に繋がる敵役?の登場人物が出てきて、主人公たちに秘められた謎も垣間見えるなど、続編シリーズも読みたいという気持ちにさせられる。
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「羽州ぼろ鳶組」シリーズを既刊分を読み終え、呆然とする日々が続いていた訳だが、遂に本シリーズに手を出す。
ずっと気になっていたものの、手を出していいものか、迷っていたのだ。何故なら。本シリーズも読み終えた日には、呆然とするしか他ないからだ。
しかし、不覚にもメルカリさんで7巻セットで購入してしまい、手元にある以上、読まずにはいられない。
で、だ。
シリーズ第1作目。
1作目なので、時代背景や設定の説明、キャラクター紹介等が主だが、これからどんどん面白くなる予感しかしない。
今村翔吾、無敵だな。高田郁と今村翔吾は時代小説書かせたら無敵だ。
星は3つ。だが、これからが非常に楽しみ。3.6としておく。
Posted by ブクログ
平九郞が強すぎる。強過ぎてハラハラドキドキしないで戦いを見守れた。
それに加えて変装のプロ赤也と頭脳派の七瀬という強めのキャラが活躍する。
大掛かりなくらまし作戦といい、ドラマやアニメを見ているような印象だった。
ここからの物語の展開に期待。
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分かりやすいあらすじで、安心して読める時代小説。1巻目ということもあり、各キャラクターの紹介エピソードという印象だった。これからの活躍を期待する。
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江戸時代の夜逃げ屋のプロ集団の話。
シリーズ1作目です。
江戸時代らしく、人情味あふれるストーリーでした。
今村翔吾さんの時代小説は、とても読みやすいです。
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今村さんの別シリーズの1作目。最初からシリーズ化する前提なので、とりあえずの人物紹介的な面が強い。でも、まあ面白い。こんな商売を取り上げるなんてすごいね