あらすじ
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。
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Posted by ブクログ
もう一回読み直したいと思える素敵な本だった。
メイン2人のストーリー、上手くサイドストーリーを入れていて終始ワクワクが止まらず読み進められた。
恩田陸の本は、青春時代の煌めきや葛藤を湿度のある表現で書くのが上手い。もうアラサーだが当時の葛藤をあたかも自分に投影したようだった。
終わり方も綺麗で、ハッピーエンドだった。私の気持ちもハッピーエンド
Posted by ブクログ
大人になりたてだった文庫刊行時に「高校生の話か」と手が伸びなかった本作。
まだ記憶に新しいからこそ「子どもっぽいもの」として距離を置きたくなったり、少し冷めた目線で見てしまってた。
自分が大人になろうと背伸びしている最中だからこそ、少し下の世代を軽視してしまってたのだと思う。
40歳手前になった今、本屋大賞受賞作品全制覇への一環として、秋が舞台の本作のページをようやく開いた。
結果、「今」読むことができて良かったと心から思える、最高の読書体験になった。
主人公の1人の融に、友達の忍が読書を例にして「タイミングを逃すな」と説教するシーンは、読書好きとして深く共感したけれど、読み終えた今ならわかる。
そんなの読まない言い訳にならないほどに良い。
読むのに遅すぎることなんて、絶対にない。
タイミングを逃して後悔すること、逃してしまったこともすっかり忘れて後悔すらできないこともある。
そんな経験をしてきた大人の今だからこそ、響くものもあった。
主人公2人の和解というメインストーリーだが、周辺人物とのエピソードも絶妙。
お互いを大事に思い合う友人たちの視点や関わりがあるからこそ、2人の輪郭がより立体的になり、変化していく様が深く腑に落ちる。
夜の空気感、道中の景色、そして足の疲労。
五感に訴えかける丁寧な描写が、語られる内容と見事にシンクロし、まるで自分も一緒に80キロを歩いているかのような感覚に陥った。
そうして拗らせていた複雑な感情を、夜を徹して歩き、自身と相手と対話することで、シンプルで素直なものに変えていく。
あの夜明けとともに訪れる解放感と爽快感は、まさにこの作品にしか出せない青春の輝き。
悲しいからでもなく感動したからでもなく、胸がいっぱいになって泣けるという経験を、この作品で初めて知った。
大人の今だからこそ出会えてよかった、間違いなく最高の青春小説。
Posted by ブクログ
「歩行祭」という学校行事を通して等身大の高校生を描く青春群像ドラマ。
それだけかなりリアルな描写なのだけど、やはりというか、この「歩行祭」という行事が実際にあるモデルとなった高校があるようです。
さらに著者の恩田陸も実際に参加したことがあるとか、?
なるほど実体験がベースにあるなら、時間とともに移り行く風景や、生徒の様子などさもありなんという描き方に納得した。
若者たちの圧倒的な瑞々しさに打ちのめされる。
恩田作品は登場人物の造形が整いすぎていて漫画的なんだけど、それでも嘘くさくなくすっと受け入れられてしまう。
伊坂さんの砂漠が分かりやすい太陽カンカン照りの砂漠のような青春小説なら、こちらは題名通り、夜のピクニック。 ささやかだけどしっかりと重たく芯のある作品でした。
みんな懸命に生きていてどれも紛れもなく青春だけど、その時その当事者はそうは感じず、周りを羨ましく思ってしまう。
読後感が、余韻が本当に素晴らしい。
夜が明けるように世界が開けていく爽快感が特に。
「歩く」ことの効用を想ったが、そこは主題ではない。
誰も傷つくことなく、明るい未来を予見する。
青春とはかくあるべき、と思わせてくれる爽やかな読後感がある。
読み手の痒いところに手の届く描写が巧みで、親切な作家さんなんだとつくづく思う。
忍くんがかっこいいし、高見くんも良い人で好き。
作中、こんな言葉が出てきます。
「だけどさ、雑音だって、おまえを作ってるんだよ。雑音はうるさいけど、やっぱ聞いておかなきゃなんない時だってあるんだよ。おまえにはノイズにしか聞こえないだろうけど、このノイズが聞こえるのって、今だけだから。あとからテープを巻き戻して聞こうと思った時にはもう聞こえない。おまえ、いつか絶対、あの時聞いておけばよかったって後悔する日が来ると思う。」
こんな素晴らしいことを友達に言い切る高校生いる…?
高校生にしては達観した登場人物の言葉に感銘を受けました。
Posted by ブクログ
異母兄弟である貴子と融。
それぞれの気持ちの変化や感じ方が、友達や家族とのやりとりや過去の記憶も入り混じりながら、丁寧に描写されていて、青春時代に感じた様々な感情が蘇ってきた。
社会人になってからはなかなか感じることのないあの頃の気持ち。
一体感や高揚感を感じたり、突然寂しくなったり不安になったり。
一喜一憂気持ちの変化が忙しい時期だったなぁ。
何だか懐かしくて、懐かしさを感じることに歳を重ねたことを感じつつ、もうあの頃には戻れないことがちょっと切ない。
今を大事にしたいと思える作品。
忍の言葉が胸に響いた。願わくば高1の頃に読んでおきたかったなぁ。
Posted by ブクログ
舞台はただただ丸一日かけて歩かされるというあんまりにも現実離れした行事。(とある高校で本当に実施されているらしいが…)
友人たちと体力と気力の限界を破り歩みを進めつつ、自分自身と向き合ったり、普段は口にできない本音を語り合ったりする姿がとても美しかった。
一生の中に、このような時間はどれだけあるのだろう。特に学生生活を終えると日々の多忙さに追われ、色々と諦めてしまう。
私も誰かと一緒に歩き、語り合いたい。
そんな風に勇気をもらった。
Posted by ブクログ
実は私が読書好きになった、きっかけの一冊なんです。
マンガしか読んだことがなかった私に、友人が勧めてくれたのがこの「夜のピクニック」でした。
学生以来20年ぶりに読みましたが、、、、やっぱり素晴らしい作品でした!
小説を読んでこんなに爽やかな気持ちになるなんて、恩田陸さんは魔法使いだと思います。
読み終えた後も、ずっとずっとこの物語が続いてほしいと、寂しくなりました。
ただ、こんなに大人な考えをもっている高校生はいるのか?(笑)と思います。
Posted by ブクログ
一晩の歩行祭についての話。
爽やかな朝から始まり、太陽が照り付ける昼間を経て、真夜中をただ淡々と歩くだけ。そしてまた朝が来て、ゴールを目指す。
一見するとストレートな青春小説。ただし、読み手の年代によって感じ方が変わるかと思います。
歩行祭自体が長い人生を表現しているように見えました。
登場人物である高校生たちが「この一瞬はもう戻らない」と認識していることに感心しました。
Posted by ブクログ
大学生のころ、友達と六甲山全山縦走コースを登山したことがあるんだけどそれを思い出しながら読んでいた。
当時はいつものメンバー4-5人が終電で須磨駅に集まって、24時過ぎから登山を開始。開始直後はみんな興奮してテンションが上がっていることあり各々暗闇で写真を撮ったり、他愛もないおしゃべりしながら進むんだけど、3-4時間ほど経過すると一人一人の距離が空いてきたり口数が少なくなったりして必ず虚無の時間が訪れるんだよな。
一睡もせずに山々を越え、明け方になると少しずつ周りの景色も見えるようになり、太陽の光とともにむくむくと元気が起き上がってくる感覚もあったな。
明け方に一度、ボーッと歩いてると草むらからドデカいのししが飛び出してきて自分の前を横切っていったときはビビったなぁ。(数メートル先歩いてたら巨体にぶつかってどこかしら骨折してたとおもう)
六甲山に到着後は、公式の縦走コースから外れて有馬温泉へ向けて下山を始める。(たしか、公式コースは宝塚までだったような気がする。) 下りのほうが膝に負担がおおきくて痛かったなぁ。
15時頃に有馬温泉に辿り着き、どこかしらの温泉で癒されて帰宅し、疲労を全身で味わいながら泥のように眠る。今となってはいい思い出。
ちなみに、これを7回くらい経験した。
初めて完走?し終わったときは2度と登らないと強く思ったんだけど、時間が経って強く思い出すのは登山開始時のあの興奮とみんなとの楽しい記憶なんだよなぁ。あの瞬間だけが鮮明に切り取られて記憶に張り付いてるから、それを再び味わいたくて狂ったように登ってたな。
今でも友達から誘われるけど、、10年近く前の体力が今の自分にもあるのか不安で断ってしまっている。。
「夜のピクニック」における『歩行祭』は、こんな自分の良き青春の記憶を思い出させてくれる内容だった。
全然本書の感想になってないけど、、自分には沁みる一冊だった。
Posted by ブクログ
数年ぶりに手に取った本書。当時は、何も感じるものがなく、その後敬遠したのだが、改めて読んでいると、その面白さに驚いた。
何かの書物で、「夜は馴れ馴れしく」という言葉があったが、お互いの顔も見づらく、距離感すらも定かではないからこそ話せることがあって、心の距離が近づいていくのに夜はうってつけなのかもしれない。そういう意味では、「歩行祭」はベストな設定のように思えた。
よくこんな設定を思いついたものだと思ったが、作者の母校、水戸一高で実際に行われていたものらしいので、すごく納得した。
Posted by ブクログ
名作だとは聞いていたが、予想以上に素晴らしかった。さすがは第二回本屋大賞。
物語の最初から最後まで描かれるのは、高校の歩行祭の2日間のみ。
突拍子のない出来事も発生せず、ただただ、葛藤、不安、緊張感を漂わせながら、横方向に時間が流れていく。作品中の細かい描写やセリフがフックとなって、今を生きること、人間関係の中で形成される自己認識、プライドなど、作中の主人公たちと同じく、若かりし頃に自分の価値観を形成した大切な記憶が掘り起こされる。恋愛だけが青春だけじゃないんだなと、懐かしさと共に多幸感に包まれながら、登場人物たちと同じくゴールをめざしている気になった。歩行祭がこのまま終わらないまま読んでいたいとすら思えた。
今年の夏の思い出に残る作品だった。若い時に読んでたら感想は違ってたのかも。
Posted by ブクログ
友人と歩くだけのシンプルな行事。
人と人とが会話のなかで知ることがたくさんあると感じました。
会話することがこんなにも特別に感じた作品は、他にないかもと思いました。
匿名
みんなで、夜歩く。たったそれだけのことなのにね。
高校最後の行事。二日間で約80キロを全校生徒で歩く歩行祭。クラスメイトと、親友と、時に他愛ない雑談をしながら、時に黙々とただ歩くだけ。
実際近くにこんな高校があっても、たとえどんなに制服が可愛かろうと雰囲気が良かろうと、そんな行事がある時点で志望校にすら入れないと思いますが、読んでいると、どうしてうちの高校にはこんな、絶対に思い出に残る行事が無かったのかしらと思ってしまいます。
匿名
青春
はるか昔の高校時代の葛藤、切なさ、もやもやした気持、そして友情を喚起させてくれた。
風景描写もリアルで、自分が登場人物達と過ごしているかのようだった。
Posted by ブクログ
高校生の時にこんな経験はしていないはずなのに共感するところも多い。
読み進めていくにつれて歩行祭もゴールに近づいて、時間の経過による情景の変化を感じていくことがなんとも心地良かった...
久しぶりに読み直し!!
懐かしい!!
夜中のピクニック、そういう話だったな~、
そんであの幽霊とか騒がれてたやつはあいつだったな~~~、、、、とか笑
学生らしいみんなの発言や会話や行動がすごく懐かしくてあったかい気持ちなった。
青春
読んでいると、自分までそこに混じって歩いているような気持ちになれました。
懐かしい気持ちとか新鮮な気持ちとかを自分の中に感じれて、とても楽しく読めました。
Posted by ブクログ
良い仲間に恵まれた二人の主人公が羨ましい
読み始めから直ぐに物語の世界に入り込め、時には自分の青春時代を思い出す事も‥
途中、自分もこの集団の中で歩いていると錯覚しそうなくらい臨場感があった
読書とは無縁の娘に勧めてみようかなと思う
青春や思春期真っ最中の世代にお勧めしたい
匿名
夜のピクニック
タイトルに惹かれ購入。学校行事として夜道を全校生徒が歩く。学生時代は夜に友達に会うだけで特別な世界だったのを思い出す。そこにいろいろなことが起こるのだからおもしろくないわけがない。
爽やかな青春を満喫
以前から気になっていて、やっと読みました!
恋愛ものと思っていたけど友情だったり、青春真っ只中の複雑な気持ちだったり、どれも興味がわいて続きが気になりあっという間に読んでしまいました。
ただ、登場人物ひとりひとりが素晴らしい人間で、輝いていて…現実はそううまくいかないぞとも思いましたね。素晴らしい友達に囲まれ、青春時代を過ごしている貴子は幸せですね。
Posted by ブクログ
朝の8時から翌朝の8時まで80キロを皆んなで歩くという高校行事。修学旅行の代わりという。私の過ごした高校も修学旅行はなかったが、このような行事はなかったなぁ。もしあったら、盛り上がりが凄そうだと思ってしまう…本当に青春!
並んで歩くというのは、なんと人を素直にするものだろう。私自身も家族で2時間ちょっとかけて家に歩いて帰った事が記憶に新しいが大変だったけれどいい思い出になりそうだ。。。
Posted by ブクログ
読者はじっくりと登場人物の心情を理解して、わかったつもりになれるけど、現実の人間関係はもっとそっけなくて冷たくて(これは私自身が大人になっているからなのか)まだ不完全な高校生たちが人と関わって衝突して理解し合っていく情景が眩しすぎる。
夜の暗闇を歩く、純粋な光の小説だった。
Posted by ブクログ
まるで失いかけていた青春時代を、そっと追体験させられるような一冊でした。
当初は「ただ夜通し歩くだけの物語で面白くなるのだろうか」と懐疑的でしたが、読み終えた後はどこか切なくも満たされる、温かな読後感に包まれました。
本作には、事件らしい事件は起きません。しかし、主人公の西脇融と甲田孝子の心の中では、夜の静けさとは裏腹に感情の大きな荒波が打ち寄せています。緻密な人間描写によって登場人物の思考や感情がくっきりと立ち現れ、彼らの心の動きを克明にイメージできる点こそ、この作品の最大の魅力です。
さらに、進学校の生徒らしい知的な言葉選びや会話が学生時代の空気をリアルに再現しており、まるで自分自身の青春を疑似体験しているような感覚に陥りました。
ただ集団で歩くからこそ生まれる、自分自身との対話。非日常の高揚感があるからこそ明かせる、胸に秘めた会話。大人になると、こうした時間は意識しなければ決して手に入りません。スマートフォンと睨めっこする日常から少し離れ、時には自問自答したり、大切な人と腰を据えて語り合ったりする時間が必要なのかもしれない。そんな気づきと、確かな幸福感を与えてくれる名作でした。
Posted by ブクログ
高校生のとき(今もそうだが)は誰にも言えないような秘密があって、歩行祭という特別な時間の中で一人一人が少しずつ融解して本心を知るという話。ノスタルジックであり、青春物語。だが父親が一緒で同じクラスというのはどうも現実味に欠ける気がする。
Posted by ブクログ
2005年本屋大賞&2004年吉川英治文学新人賞。
ずっと積読となっていた本書。直木賞の『蜜蜂と遠雷』で大ファンとなった恩田陸さん。読む前からワクワク。
高校三年生の学校行事、歩行祭。朝から翌朝まで、休憩と仮眠を挟みながら、80キロ超を歩く。
その間、二人の主人公、融(とおる)と貴子(たかこ)は話をできるだろうか?
たった一日、それだけのテーマで、ここまで面白くできる恩田陸さんに脱帽。
これはロードムービーだ。
高校の同級生とひたすら歩く。会話しかすることがない。噂話もはずむ。
景色は変わる。千二百人もいるので、ともに歩く人、会う人は変わる。景色も変わる。疲労や感傷で、見える世界も気持ちも移り変わる。
年に一度しかなく、三年生はこれが最後。否応なく思考はめぐる。去年のイベントや高校生活を振り返り、後悔や葛藤もする。
最初、融が好きじゃなかったけど、次第に嫌いじゃなくなっていった。貴子は好きでも嫌いでもない→わりと好きになった。仲間たちの忍や美和子、みんないい。
名作ですね。
Posted by ブクログ
学生の時に読んで以来2回目。面白かった記憶はあったのでもう一度読んでみたくなって読みました。
青春だな。良きでした
歩いている時間はただ取り止めもない考えから、深く内省することになる時間になりうると、大人になってネットから離れて散歩してると感じるので、この行事のように長時間もあれば何かしら自分が成長するかもしれない。
そしてその成長は印象的なのでずっと忘れられない思い出になるんだろうな、と感じました。
Posted by ブクログ
積読をようやく。20年以上前の作品のようですが古さも感じさせず、いつの時代も同じようなことで悩んだり、文化や形が変わっても高校生活って同じようなことなんだなと感じた。(こんなにも流行などは変わりゆくのに、子どもの感じることや人間関係の繊細な部分など)
今回は歩行祭がテーマだが、夜通し歩きながらも人間関係が微妙に変化していくところを描いている。
不倫はよく描かれるテーマだが、子ども目線のお話で新鮮だった。高校生活終了に間に合ってよかったね、融と貴子!
Posted by ブクログ
夜通し80キロを歩くという高校の伝統行事。実在するそうですね。すごい(^_^;)
いろんな生徒がいて、いろんな人間関係があって。思春期の不安定な感情がすごくよく表されていました。
疲労で極限状態。嘘をついたり取り繕う気力もなく、本音で会話する登場人物たちの姿がリアルでした。あ〜青春!!
Posted by ブクログ
なんてことない、ただ高校生が夜歩く話。
なのにこんなにも優しくて切なくて、ほわっと心の核の部分があったかくなる。
蜜蜂と遠雷のあとに読んだから若干物足りなく感じたけど
さわやかな小説だったー
Posted by ブクログ
「夜のピクニック」というタイトルを目にした際、その言葉の響きから非日常的で心躍るような印象を受けました。しかし、実際の舞台は「80キロの歩行祭」という高校生活最後の過酷なイベントであり、タイトルから連想される軽やかさとは真逆の苦行が描かれていることに驚きを覚えました。
作中では、登場人物たちがそれぞれ内に悩みを抱えています。昼間の日常では打ち明けられない葛藤も、「夜」という非日常的な時間が彼らの背中を押し、素直な感情を引き出していきます。その過程がとてもリアルで、自分も彼らと一緒に夜道を歩きながら、素直な気持ちを取り戻していくような感覚を味わえました。
また、「ピクニック」には本来、昼間の短い時間で終わる娯楽というイメージがあります。80キロもの道のりは一見すると終わりの見えない試練のようですが、振り返ってみれば、それは高校生活という長い時間の中の「ピクニック」のような、ほんの束の間の出来事にすぎないのかもしれません。タイトルの持つ意味の深さに、強く心を打たれる作品でした。
Posted by ブクログ
こちらは青春をキーワードに前評判を自分が意識しすぎてしまった。波風が大きく立たず進む展開に私的にはあまり没入感がなく読むのに時間がかかった。
最後は斜め読みしてしまったので、もう少し若かったらみなさんと同じような感覚が得られたのかな。
Posted by ブクログ
第2回本屋大賞受賞作品ということもあり、大衆向けで読みやすく、親近感の湧く、共感できる部分の多い小説でした。
高校3年の甲田貴子と西脇融は、年1回の高校の一大行事である「歩行祭」に最後の学年として臨む。
彼らの間の「ある秘密」をめぐり、朝8時から小休憩・仮眠を挟んで翌朝8時まで歩き通す行事と物語は動く。
貴子の友人である遊佐美和子や融の友人である戸田忍、さらにアメリカに渡った榊杏奈とその弟の順弥など、個性豊かなキャラクターたちの存在も魅力的だった。
読む前は『夜のピクニック』という題名から幻想的でなんだか楽しそうな作品だと想像していたが、実際は現実を詰め込み“しんどさ”に溢れた小説だった。
しかし、その“しんどさ”に向き合ったからこそ辿り着くことのできた1つの“こたえ”は、まさしく「もやもやしながらも先に進んでいこうと思えること」であり、確かな前向きさであったように思う。
“こたえ”としての「迷い探し続ける道のり」に気がつき、「歩行祭」を終えた貴子と融の表情は、複雑な感情を踏まえた清々しいものであったであろう。
小説としての完成度の高い面白い作品でした。
Posted by ブクログ
学生時代、読書感想文の題材だったと思う。
大人になって読み返すのはなんだか感慨深かった。
あの時はどんな感想を書いたんだっけ?
どんなことを思ったんだっけ?と思い起こしながら読んだ。
青春のお話だし、学生時代に読んだ時の方が、自分たちに近しくて色々感じることがあったんじゃないかと思う。もっとも今読んでも面白かったけれど、自分の子供に読ませたい一冊だと思う。