あらすじ
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。
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Posted by ブクログ
再読。
青春の一片なんだけど、ただ『過去の点』じゃなくて
大人になった今へ地続きで繋がってるんだと思わせられた。
というのは、大人になって読み返しても高校時代と同じ文章が刺さったから。
『雑音だって、おまえを作ってるんだよ。雑音はうるさいけど、やっぱ聞いておかなきゃなんない時だってあるんだよ。おまえにはノイズにしか聞こえないだろうけど、このノイズが聞こえるのって、今だけだから、あとからテープを巻き戻して聞こうと思った時にはもう聞こえない。おまえ、いつか絶対、あの時聞いておけばよかったって後悔する日が来ると思う』
この文章、当時は「わかってるんだけど、とはいえ鬱陶しいが勝つな〜」と思った記憶があり
大人になった今読むと、「本当にちゃんと真剣に聞いておけば良かった」と思っている。
ただ高校時代、それはそれで
未熟な自分を紛れさせるのに必死で
達観してる同級生に嫉妬して
雑音を聞く余裕がなかった。
もっともっと周りの人と世界に関心を持って
見聞きすればよかった
社会に出た時、あまりにも世間知らずで人見知りだったと後悔した。
「日々、友人たちとバランスを取り合い、居心地は悪くないけれどつい「流して」しまうのがかったるくなった時、祐一のきちんと考え抜かれた話を聞くのはホッとした。」
私にとっては、この祐一にあたる存在が「本」だった。
「流して」しまうことに疲れて辛くなった時に、本を底なしに読み耽りたくなる。
Posted by ブクログ
久しぶりに読んだ青春小説。多分、私はこれからもずっとこの本を愛すと思う。 「みんなで、夜歩く。ただそれだけのことがどうしてこんなに特別なんだろう」 「近づきたがってる、理解しあいたがってる。そんな気がしたんだ」
Posted by ブクログ
運動嫌いな私としては、12時間以上歩き続けるイベントなんて絶対に参加したくないので、文句を言いつつ歩き続ける登場人物たちに拍手を送りたいです。
読む前はただ歩き続けるだけの話がなぜこんなに評価されているのか不思議でした。
しかし、歩くという誰もが日常でしている動作を度を超えて行うことで非日常になり、日常ではひた隠しにしていたことが明かされていく過程が面白かったです。
主人公2人の秘密はすぐに判明しますが、その秘密がどう彼女たちに終止符を打たせるのか、また、長すぎる歩行祭を完走する時は感動しました。
Posted by ブクログ
まるで自分にも同じような出来事があったのでは、と錯覚してしまうような物語。
学生時代の、胸がぎゅっと苦しくなるような、それでいて幸せで尊い時間を思い出した。
Posted by ブクログ
あの頃を思い出す青春小説。
卒業を控えた高校生たちが、年に一度の学校行事「歩行祭」で夜通し歩き続けるだけの話。その時には気付かなかったけど、ただ夜通しみんなで一緒に歩くことがどんなに貴重なことか、振り返ってみればずっとこの時のことを思い出すんだろうなあ
進学してしまえば二度とこんなことはないし、クラスもなくなって集団行動なんてすることも無くなる。それが少し寂しくて、時に高校時代を思い出して帰りたくなるけど、思い出のままだから美しいことがあるのかも。。
貴子と美和子、融と忍、それぞれずっと仲良いままいて欲しいなと思ってしまう。高校の頃からお互いのことを大事に思って、それを言葉に出来ることはとても凄いことだから。そして、複雑な関係からお互いを避けていた2人が、杏奈のおまじないのおかげもあって、歩み寄ることができた。
この物語は大きな課題を解決し、この先待ち受ける人生へ彼らを送り出した。不安定な高校生たち、二度と戻れないあの時期、好きだ〜
Posted by ブクログ
青春ならではの空気感、華やかなようで危うさもあるその煌めきがまるで星空のように瞬いているそんな印象を受けた小説でした。
特に、貴子と融の視点の書き分けがかなり丁寧だなと思いました。視点が混同せず、貴子視点の話を書ききったら融の視点に移るなどどちらの視点で物語を進めていくかがはっきりとした作品だと思いました。そのため、最終に近づくにつれて視点がくっついていく、各視点が短くなっていく部分も文章に旨みが出て素敵でした。
また、2日間という短い時間をこれだけの文章量で書いたという点に置いても優れている作品だと感じました。普通、2日間の物語をこれだけの文章量で書いてしまうとどこか長々と文章を綴っていると感じ飽きてしまうのですが、最後まで飽きずに読めたという点においては作者の文章力の高さに感動しました。
私事ですが、高校の修学旅行をコロナウイルスにより経験出来なかったためあの独特の夜の雰囲気、且つ高校生という大人になりかけの未熟な状態で経験したかったなとこの本を読んでいて思いました。
また、行事に関してもコロナウイルスによって短縮で行われていたため、友達と語り合う時間も乏しかったので羨ましいと思いながら読んでいました。
また、読み返したいです。
Posted by ブクログ
本屋に行けば、必ず目につく場所に置かれている「青春小説」の金字塔。普段ミステリーを好んでいる自分でも、コレは傑作。また歳を重ねた時に読み返したい。歩行祭というただ高校生が歩く行事という内容なのに、温かみのある登場人物が加わるだけでこんなにも素敵になるのかと感動した。記載されていた中で印象的だったのは、人の日常というのはスケジュールを細かく分解し、雑念が入らないようにしている。この歩行祭は、それを一本の川にして、ノイズも含めて耳を傾けるというもの。28歳から目覚めた読書という趣味は、今の時代では正に思考を一本の川にし、寄り道をするタイパの悪い趣味かもしれない。でも、これからも息抜きがてら、ノイズを楽しむ人生にしたい。
Posted by ブクログ
青春っていいなって思える一冊。
一年時に歩行祭に対して嫌だなって思っていても三年生になって名残惜しくなるような経験が恋しくなった。
今まで付き合ってきた友人やこれから出逢う人たちに対して、人生という限られた時間の中でいつかくる別れを名残惜しく感じられるように接したいと思う心温まる一冊でした。
Posted by ブクログ
2022/01/31
夜に歩くことに意味があるのか、長い時間を共にすることに意味があるのか、共に体力の消耗と励ましを共有することに意味があるのか、わからんけど、夜のピクニックにはすごい力があるように思った。
甲田貴子と西脇融は異母兄弟でお互いそれを知っていたけど、周りには言ってなくて、お互いがお互いに嫌われていると思っていたからずっと話すこともなかった。だけど、夜のピクニックで話すことができて一瞬にしてわだかまりみたいなのがなくなった。
印象としては、曇りから日がだんだん差してきて暖かい、みんなが好きな太陽に照らされた2人になった感じ。融は貴子の家に行くことになったし、2人の間に笑顔とたわいのない会話が生まれてよかったな。
ちょうど一昨日話してたけど、並んで歩くって普通にしていたら相手の顔見えへんし、相手の顔は横を見ればすぐに見れる。相手の顔を見ずに話せるから結構踏み込んだ話とか、今までは黙ってたけど実は、、、みたいな話ができるのかなと。
そう考えると、やっぱり夜歩くことに意味があるってことになるな。(私の見解やけど。)
わたしは頭の中で映像にしてしまうタイプやけど、ちゃんと1日目の昼と2日目の午前中は同じ晴れでも違う晴れを映像化できた。夕方から夜にかけても、真夜中もしっかり映像化できたのは恩田陸の文章の書き方なのかな。
Posted by ブクログ
あまりにも青春。
母校に歩行祭みたいな行事があったら、あれもこれも話せたのかなと妄想が膨らんだ。
自分も貴子や融たちと一緒に歩いてる気分になって、すごく楽しかったです。
仲間っていいなぁ!
Posted by ブクログ
歩いていると自分の中で会話があったり、頭を空っぽにしたり、発見があったり、思い浮かんだり。
そんな時間が大切でかけがえがなくていつまでも覚えていたりして
人それぞれ思いがあって秘密があって
Posted by ブクログ
名作。高校の「歩行祭」という、生徒が徹夜で長距離を歩き続けるだけという行事を描いた物語。
登場人物同士の関係には序盤からどこかぎこちなさがあり、読みながら少しもどかしさも感じたが、周囲の友人たちの存在も温かく、全体を通して優しい雰囲気に包まれている。
読後はすっきりとした心地よい余韻と、静かな幸福感が残る一冊。
いつかまた読み返したいと思える、素晴らしい青春物語でした。
匿名
みんなで、夜歩く。たったそれだけのことなのにね。
高校最後の行事。二日間で約80キロを全校生徒で歩く歩行祭。クラスメイトと、親友と、時に他愛ない雑談をしながら、時に黙々とただ歩くだけ。
実際近くにこんな高校があっても、たとえどんなに制服が可愛かろうと雰囲気が良かろうと、そんな行事がある時点で志望校にすら入れないと思いますが、読んでいると、どうしてうちの高校にはこんな、絶対に思い出に残る行事が無かったのかしらと思ってしまいます。
匿名
青春
はるか昔の高校時代の葛藤、切なさ、もやもやした気持、そして友情を喚起させてくれた。
風景描写もリアルで、自分が登場人物達と過ごしているかのようだった。
久しぶりに読み直し!!
懐かしい!!
夜中のピクニック、そういう話だったな~、
そんであの幽霊とか騒がれてたやつはあいつだったな~~~、、、、とか笑
学生らしいみんなの発言や会話や行動がすごく懐かしくてあったかい気持ちなった。
青春
読んでいると、自分までそこに混じって歩いているような気持ちになれました。
懐かしい気持ちとか新鮮な気持ちとかを自分の中に感じれて、とても楽しく読めました。
匿名
夜のピクニック
タイトルに惹かれ購入。学校行事として夜道を全校生徒が歩く。学生時代は夜に友達に会うだけで特別な世界だったのを思い出す。そこにいろいろなことが起こるのだからおもしろくないわけがない。
爽やかな青春を満喫
以前から気になっていて、やっと読みました!
恋愛ものと思っていたけど友情だったり、青春真っ只中の複雑な気持ちだったり、どれも興味がわいて続きが気になりあっという間に読んでしまいました。
ただ、登場人物ひとりひとりが素晴らしい人間で、輝いていて…現実はそううまくいかないぞとも思いましたね。素晴らしい友達に囲まれ、青春時代を過ごしている貴子は幸せですね。
Posted by ブクログ
学生の頃に1度読んでいたが、内容がうろ覚えなので大人になって再読
この本を読んでる時は、わたしも一緒になって歩いているようだった。
歩くだけの行事だけど、修学旅行に劣らないぐらい本当に素敵な行事だと思った。
わたしの中学も長距離歩行の行事があったことを思い出した。
貴子も言って通り、振り返ってみると一瞬だったけど、歩いてる最中はとてつもなく長く感じていた。
楽しかったけど、もっともっと楽しめばよかった。
ここの登場人物みんな頭良すぎ!
貴子も千秋もりかも私立文系に転ぶって言ってるけど、早稲田とか慶応だし、杏奈もスタンフォードだし!!すごすぎ。次元が違う笑
結局西高の女子が子供を堕ろしたとあったが、その父親は見つかったのかな?
貴子も融もたったひとりのきょうだいなのだから、助け合っていってほしい。
仲直り(?)できて、お互いの勘違いが分かって良かった。
お互いの家に行くのも楽しみ。
お母さんたちきっとびっくりすると思う。
お母さん同士もぜひ仲良くなって欲しいと思った。
Posted by ブクログ
一面に広がるススキの光景とか、水平線の向こうにまだ太陽の明るさが滲んでる光景とか、風景描写がノスタルジックで好き。
高校生とは思えないほど、他者をよく見て理解できてるなと感じた。2人の関係がバレたときの周りや本人達の反応が見たくて読み進めたけど、28歳の自分より精神年齢高くて青春物語とは読めなかった。
あまりにリアルな友達との会話、心の声、風景描写、だったから自分がその場に入り込んでしまったのかも。でも、私の精神年齢じゃ貴子達や戸田君、融には相手にされなそう。
Posted by ブクログ
高校生の約24時間のイベント そこにギュギュギュッと青春(手っ取り早い例えだけれど…)をまとめた1冊
2人の視点で文章がきり替わる
24Hだけなのに展開に対して奥深いストーリーが繋がっていて完読した時の満足感が大きい
Posted by ブクログ
この話の要素は大きく、24時間歩き通すという高校の変わったイベントと、異母兄弟がクラスメイトになったという2つのみ。しかも序盤でだいたいの人間関係や場面がわかってしまうから、正直「まだ後4分の3くらいあるけど話持つの…?」と疑問だった。そして回想シーンなどもほぼ無い。ただただ高校生が歩きながら話すのだ。
それでも飽きずに読めてしまうのは、恩田陸さんの落ち着いた、でも好奇心に溢れた語り口だからなのか。他の人には書けない作品だと思った。
Posted by ブクログ
ただ歩くだけの話なのに、すごく繊細で多幸感いっぱい。自分の青春や人生の思い出がより愛おしく思えてくる。心の宝物にしたくなる本。読んでよかった。
Posted by ブクログ
青春を感じたくなったらこれを読もうと思える本。
ミステリーが好きなので、いつもならこういった日常ものは退屈して途中で読むのをやめてしまうが、これはスイスイ読めた。
細かい心の表現が心当たりあるものが多くて、私もこういうことを感じて今大人になったんだなぁと感じた。
友達って大事だなぁ。
Posted by ブクログ
歩行祭という狂気じみてるけど(大きな出来事が)何も起きない行事だからこそ、言葉で表される感情の機微や率直にぶつかり合う学生の青春がよく表現されていて綺麗だった。
Posted by ブクログ
少し文章が冗長に感じられたけど、読み終わった今はじーんとした余韻に満たされてます。
人間本来の優しさや暖かさがじんわりと心に沁みる、優しい本でした。
Posted by ブクログ
もどかしかった融と貴子が距離を縮める終盤のたたみかけは気持ちよく、成長していく学生達の姿が眩しく、読後感は爽やか。
学生達と実際に一緒に夜に歩いているような非日常と青春を味わえたのも良かった。
読み終えた後、表紙の絵にグッとくる。
Posted by ブクログ
歩行祭という卓越した設定。
魅力的な登場人物。
自分が経験した青春時代の、ちっぽけな切なさに不思議と関連づけて想いを巡らせてしまう力のある作品。
高校生活をやり直したくなります。
登場人物像の男子が、少し作り物めいたように思える言動がある点や、みなリア充的な点は、若い男性読者には、違和感があるかもしれません。
Posted by ブクログ
思春期の葛藤を逞しくやさしく描いた作品。
夜通し歩く中で絡み解けていく人間関係もさながら、段々体にのしかかってくる身体的な負荷の表現も相まって最後まで楽しんで読めた。
ところで、結局犯人探しの結末は…???
Posted by ブクログ
「一刻も早く読むべき」とは言わない、人生はいつでも今がいちばん若い、けれど、
できるならばこの本に興味を持った時期のいちばん早い日に読んでほしい。
高校生が学校行事で夜通し歩く、というシンプルなシチュエーション。でも私はもっと早くこの本に出会いたかったと思っている。
Posted by ブクログ
「歩行祭」という全校生徒が80キロの道のりを朝の8時から翌朝の8時までを夜通しで歩き通す伝統行事のある高校の物語。ある生徒は友と、ある生徒は想いを寄せる人と歩く。融と貴子と言う2人の生徒の視点から描かれる青春小説だ。
「歩行祭」という「果てしない道のりをただひたすらに歩き通す」という、ストレートな人生のメタファーのイベントの魅力こそが、この作品が名作である所以だろう。そのストレートで普遍的な魅力を存分に味わうことができた。
伝統行事なので皆が望んで歩き始めたわけではなく、途方もなく長い距離を歩く。最初は果てしなく思えた道のりが、いつのまにかあっという間に感じる。多くの部分で苦しさが伴うが、振り返れば自分たちの積み重ねて来た道のりを感じて充実感と幸福感を味わうことができる。
「それは、ひょっとするとこの一日だけではないのかもしれない。
濃密であっというまだったこの一年や、ついこのあいだ入ったばかりのような気がする高校生活や、もしかして、この先の一生だって、そんな「信じられない」ことの繰り返しなのかもしれない。
恐らく、何年も先になって、やはり同じように呟くのだ。
なぜ振り返った時には一瞬なのだろう。あの歳月が、本当に同じ一分一秒に、全て連続していたなんて、どうして居じられるのだろうか、と。」
そしてその長い道のりの中で、かけがえのない並走者と出会い、様々な価値観の変化を繰り返しながら歩んでいく。
「並んで一緒に歩く。ただそれだけのことなのに、不思議だね。たったそれだけのととがとんなに難しくて、こんなに凄いことだったなんて。」
「今は今なんだと。今を未来のためだけに使うべきじゃないと。
俺って、結構馬鹿かも。もう高校生活も残り少なくなって、ほんとに残り少なくなってから、こんなことに気が付くなんてね。」
そして、物語(=歩行祭)は終わるが人生は続いていく。
「なるほどね。二人の母親が一緒に迎えに来てて、涙流して仲良くなっちゃってたりして?ドラマはいいところで終わるからな」
融は、ふと真顔になり、遠くを見た。
「でも、現実は、これからだもんなあ」
「何かの終わりは、いつだって何かの始まりなのだ。」
Posted by ブクログ
夜通し長距離を歩き通すという、とある高校の学校行事の中で描かれるお話。決して劇的なドラマが発生するわけではありませんでした。でも、それがいい。たった一晩の中で、主人公たちの心の…成長、と言っていいのか、心の進展が見えたのがとても救われました。
青春小説は恋や愛にひっぱられがちだが、この話では絶妙な距離をキープしていて安易にそちらがわに行かなかったのが個人的には評価高かったです。
序盤〜中盤、けっこう淡々と進んでいく上、登場人物もいっきに5・6人ほど登場するのではじめはかなり捉えにくい話だと感じながら読みました。
夜通し歩き通す学校行事、体験したことがないのに読んでいて不思議に「懐かしさ」を感じて読後感の良い素晴らしいお話でした。