あらすじ
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。
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Posted by ブクログ
実は私が読書好きになった、きっかけの一冊なんです。
マンガしか読んだことがなかった私に、友人が勧めてくれたのがこの「夜のピクニック」でした。
学生以来20年ぶりに読みましたが、、、、やっぱり素晴らしい作品でした!
小説を読んでこんなに爽やかな気持ちになるなんて、恩田陸さんは魔法使いだと思います。
読み終えた後も、ずっとずっとこの物語が続いてほしいと、寂しくなりました。
ただ、こんなに大人な考えをもっている高校生はいるのか?(笑)と思います。
Posted by ブクログ
学校行事で歩く1日の事なのに、どうしてこんなに面白
く書くことができるのだろう。
一年前に参加していた、誰も知らない生徒の話が出て来
た時は、ホラーか?と思ったくらい、予備知識なしで読
み始めたけど、情景描写、会話、話の中心の貴子と融の
心の内、全てが興味深くて退屈しなかった。
高校生の恋愛観だったりなのに、共感できたり、理解で
きることが多くて、そういう点では年齢を感じなかった。
貴子と融、お互いに対する微妙な感情描写も良かった。
夜のピクニックというタイトルも良い。
恩田さんの本は過去にも何冊か読んでるけど、他も読ん
でみたくなった。
Posted by ブクログ
ただひたすら歩いて、語らって、物思いに耽るだけ。
それだけの小説なのに、グイグイとストーリーに引き込まれた。
なんとなーくノスタルジックな情景描写と、ダイレクトかつ細やかな心理描写は、癖もなくとても読みやすい。
高校生活最後の行事である歩行祭を通じ、異母きょうだい、融と貴子の二人は和解できるのか。
小説の中でも記述があるが、単純作業は思考の整理に大変貢献する、と私自身も考えている。
この地獄の長距離歩行の中でこそ、凍り付いた二人の関係を氷解させる気持ちの変化が起こり得たのだろうな、と舞台設定の面白さに感心した。
二人の心情は本当にゆっくりと変化していく。
夜から朝、徐々に白んでいく空、少しずつ色がつく景色、ゆっくりと目覚めていく町。
その情景の移ろいこそ二人の心情を映す鏡であり、また、この舞台設定の妙でもある。
とても美しい対比だった。
融も貴子もよい友達に囲まれて本当に幸せだと思う。
特に忍と美和子は良き理解者で、彼らとの語らいがあったからこそ、融と貴子は気持ちの整理がついたのだろうな、と理解者達の功績を思った。
「雑音だって、おまえを作ってるんだよ」なんて高校時代に考えたこともなかった。彼、年齢を偽ってる可能性、ない?
Posted by ブクログ
歩行祭という不思議な行事を通して、様々な人間関係が描き出されていて、人間関係の複雑さを実感させられた。
1日かけて何十キロも歩く過酷さは想像もつかない。その過酷な環境の中で、それぞれの誰かに対する思いが複雑に絡みあって面白かった。
自分の高校時代の青春を思い出し、自分もいろんな関係がからんで色々な出来事があったなとなつかしく思った。
Posted by ブクログ
多分、これを前回読んだ時は、高校生だったかな。
ふんわり、こんなこと、私の人生にはないだろうな、こんなイベントないだろうなと思ってたのを覚えている。
あの頃は、日常がひどく日常で、刺激に飢えていた。内向型なのに、刺激に飢えるなんて、ちょっと私らしい。
なんとなくまた読みたくなって大人になっての再読。
ー日常生活は、意外に細々としたスケジュールに区切られていて、雑念が入らないようになっている。チャイムが鳴り、移動する。バスに乗り、降りる。歯を磨く。食事をする。どれも慣れてしまえば、深く考えることなく反射的にできる。むしろ、長時間連続して思考し続ける機会を、意識的に排除するようになっているのだろう。そうでないと、己の生活に疑問を感じてしまうし、いったん疑問を感じたら人は前に進めない。
ーみんな、ギラギラしてるからね。僕たちは、内心ビクビクしながらもギラギラしてる。これから世界のものを手に入れなきゃいけない一方で、自分の持ってるものを取られたくない。だから、怯えつつも獰猛になってる。
ー好きという感情には、答がない。何が解決策なのか、誰も教えてくれないし、自分でもなかなか見つけられない。自分の中で後世大事に抱えてうろうろするしかないのだ。
ーだが、正しいのは彼らだった。脇目もふらず、誰よりも早く走って大人になるつもりだった自分が、1番のガキだったことを思い知らされたのだ。そして自分のよりずっと寛大だった。1人で強がっていたのに、彼らは自分のことを愛してくれていた。いつも離れずそばについていてくれたのだ。
あっという間に読んだ。
沼や高校への坂を母校の描写だと思ってしまうほどには、自分の物語だと思ったし、当時も思ってたことを思い出した。
貴子は内向型の女の子だった。感情がいつも遅い、という描写。融くんも内向型だ。大人なんだな2人とも。友達も素敵だった。アメリカから友達の問題を解決しようとした杏奈ちゃん。側にいて、才色兼備なみわこちゃん。寛大さってなんだろう。夜になると何か心の底を話したくなるのはなんでだろう。