あらすじ
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。
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Posted by ブクログ
あの頃を思い出す青春小説。
卒業を控えた高校生たちが、年に一度の学校行事「歩行祭」で夜通し歩き続けるだけの話。その時には気付かなかったけど、ただ夜通しみんなで一緒に歩くことがどんなに貴重なことか、振り返ってみればずっとこの時のことを思い出すんだろうなあ
進学してしまえば二度とこんなことはないし、クラスもなくなって集団行動なんてすることも無くなる。それが少し寂しくて、時に高校時代を思い出して帰りたくなるけど、思い出のままだから美しいことがあるのかも。。
貴子と美和子、融と忍、それぞれずっと仲良いままいて欲しいなと思ってしまう。高校の頃からお互いのことを大事に思って、それを言葉に出来ることはとても凄いことだから。そして、複雑な関係からお互いを避けていた2人が、杏奈のおまじないのおかげもあって、歩み寄ることができた。
この物語は大きな課題を解決し、この先待ち受ける人生へ彼らを送り出した。不安定な高校生たち、二度と戻れないあの時期、好きだ〜
Posted by ブクログ
本屋に行けば、必ず目につく場所に置かれている「青春小説」の金字塔。普段ミステリーを好んでいる自分でも、コレは傑作。また歳を重ねた時に読み返したい。歩行祭というただ高校生が歩く行事という内容なのに、温かみのある登場人物が加わるだけでこんなにも素敵になるのかと感動した。記載されていた中で印象的だったのは、人の日常というのはスケジュールを細かく分解し、雑念が入らないようにしている。この歩行祭は、それを一本の川にして、ノイズも含めて耳を傾けるというもの。28歳から目覚めた読書という趣味は、今の時代では正に思考を一本の川にし、寄り道をするタイパの悪い趣味かもしれない。でも、これからも息抜きがてら、ノイズを楽しむ人生にしたい。
Posted by ブクログ
もどかしかった融と貴子が距離を縮める終盤のたたみかけは気持ちよく、成長していく学生達の姿が眩しく、読後感は爽やか。
学生達と実際に一緒に夜に歩いているような非日常と青春を味わえたのも良かった。
読み終えた後、表紙の絵にグッとくる。
Posted by ブクログ
高校生の解像度が高くて、何気ないシーンでも既視感があり、読者も青春時代を思い出しながら感傷に浸れる良作。
言葉にすることができなかった感情を、分かりやすく言語化してくれていて、過去の自分に教えてあげたい気持ちになった。
高校生活が残り少なくなってから、使い方を間違えていたことに気づくというのがリアルで、コロナ禍とかぶって見事に青春コンプレックスがある私には刺さった。
これからがスタートだと感じさせられる終わり方で、節目節目で読みたくなる本だと思う。
融も貴子も友人に恵まれていて羨ましい。
そして高見くんにMVPをあげたい。友達にひとりはいて欲しいタイプ。
Posted by ブクログ
夜通し長距離を歩き通すという、とある高校の学校行事の中で描かれるお話。決して劇的なドラマが発生するわけではありませんでした。でも、それがいい。たった一晩の中で、主人公たちの心の…成長、と言っていいのか、心の進展が見えたのがとても救われました。
青春小説は恋や愛にひっぱられがちだが、この話では絶妙な距離をキープしていて安易にそちらがわに行かなかったのが個人的には評価高かったです。
序盤〜中盤、けっこう淡々と進んでいく上、登場人物もいっきに5・6人ほど登場するのではじめはかなり捉えにくい話だと感じながら読みました。
夜通し歩き通す学校行事、体験したことがないのに読んでいて不思議に「懐かしさ」を感じて読後感の良い素晴らしいお話でした。