あらすじ
小学6年生の十和は、家族の幸せの形がわからない。楽しい母、やさしい父、かわいい妹。それなのに、どうして心がこんなに荒(すさ)むのか。中学受験に挑む娘と父の姿を通して、家族の成長を描く感動作。人気シリーズ「店長がバカすぎて」の山本猛店長も登場!!
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「受かった。ココに行くことにする。」
「受かったのか…。母さんは反対しているぞ」
40年以上前、大学受験の合格発表を東京まで見に行き、兵庫県の自宅に電話した僕。そして、それに対する父からの反応だ。
表面的には大きく揉めることなく僕の希望が通った。ただ、スッキリした「おめでとう」を聞いていないような気もする。(僕の知らないところで両親および親戚などでいろいろ議論があたったことは後々聞いた)
そんな「あの日」のことを何度も思い出した。当時の選択に対して後悔はないつもりだ。ただ、「もっとよい決着の仕方があったのではないか」と、この物語を読んだことで少し考えた。
(塾通いは未経験。高校進学まで特に何も考えない…。そんな昭和時代の地方暮らしだった。なので、受験らしい受験は大学受験が初体験だったのです)
この物語は、主人公の中学受験を通して、主人公および家族全員の「問題」に対して揺れる気持ちを丁寧に描いている。
小学生がココまで?と驚くことは少し置いておいて…登場人物それぞれの思い、ふるまいから目が離せない。
改めて「家族の幸せの形」について考えた。
と、言いたいのだが、僕自身は「一人暮らし歴40年以上の身」。「考えた」レベルは恐らく非常に限定的だ。
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おもしろかった。予想と違う展開が多くて、やめられなくて一気に読んだ。出てくる人がみんな一生懸命なのも、気持ちいい。
最近は、章ごとに視点が変わる本に当たることが多かったのだけれど、この本は、最初から最後までずっと主人公の視点で書かれている。お話が途切れなくて、感情がよく伝わってきて、やっぱりいいなと思った。
中学受験をした主人公と違って、ぼくは、高校受験が初めての受験になるのだけれど、ぼくの受験も、こんなふうになるといい。行きたい高校が見つかって、そのために家族にプレゼンをしたり、集中して勉強したり、大変だけど、やりたいことのためにがんばる。
残念だったのは、『店長がバカすぎて』の武蔵野書店が出てくること。ちょっとネタバレがあったから、先にそっちを読みたかった。(中2)
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「中学受験」の過酷さに触れ、友だちとの関係にザワザワしたり、受験、結果発表のシーンでは、家族の一員になったような気持ちで、一緒にハラハラしたりしながら読み耽りました。
父と娘、母と娘、姉と妹、祖母と母 それぞれが葛藤しながらも支え合う。中学受験は、その先の家族の新たな形に出会うための通過点になり得るのか
『店長がバカ過ぎる』を一読してから、本作を読むと更に楽しめます。
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中学受験と家族の絆を描いたお話です。
後半は主人公達と一緒に感動して泣きそうになりました。
主人公がかたくなに家族から距離を置いている理由も後半に分かります。
「店長がバカすぎて」のネタバレが最後のほうに出てくるので、未読の方は先にそちらを読んでからがいいと思います。
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久しぶりに読みながらウルウルと涙腺が崩壊しかけました、、、笑
早見和真さんのお話はとても暖かく読み終わったあとに幸せな気持ちに浸れます。
そして、、、店長たち!笑
今回もいい味出してました✨
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「目標」があること、「目標」に向かって頑張れること、頑張り続けられること、その頑張りの成果を感じられること、周りが応援してくれること、喜んでくれること…すべてが眩しくてうらやましい。私の人生で、主人公やその家族と同じくらい一生懸命頑張ったことあったかなあ…ない気がする。
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四人の小学生が中学受験を目指す物語。
明確な意思を持って目指す者、親の期待に応えたい者、仕方なく塾に通っている者など。
主人公の十和は、最近ギクシャクしている父との距離を置くために塾へ通い始めた。最初は成績も良かったが、受験が近づくにつれ成績も落ちていく。塾へ通い始めた目的が逃げであったために目指す中学も決まらず、また仲の良かった友人とも距離が開いていく。
私個人としては中学受験の経験もなく、小学生が自由な時間を削ってまでそんなに自分を追い込む必要があるのかと疑問に思った。だがそれは父親のヨシくんが払拭した。
勉強であれ運動であれ、まだ自分という人間が決定づけられていない時期に遮二無二努力すること、不満を抱えながらもそれを打破して努力すること、そんな経験が出来た人間は間違いなく強くなる。
中学受験で人生を決めるのではない。むしろその後の人生を広げる、かけがえのない成長の記録である。
何かを我武者羅に頑張る子供たちを応援したい、自分もまた背中を見せたいと思える一冊だった。
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『アルプス席の母をも凌ぐ最高傑作!』
中学受験と反抗期をテーマにした家族の絆の物語。2025年の本屋大賞で2位にランクインした「アルプス席の母」の勢いそのままに、今作も親子の関係を絶妙な匙加減で描いた感動作品である。
反抗期。特に何かがあったわけではないのに心が荒む。思春期特有の家族から一線を引きたいという感情は、誰もが当事者として経験する苦い思い出だろう。中学受験に挑む小学六年生の主人公・十和(とわ)も、例に漏れず反抗期の渦中にいる。
序盤はまず彼女への“共感”を中心に物語が展開される。学業しかり、友人関係しかり、彼女を取り巻く環境は上手くいかない事ばかり。「あるある」と頷きながら感情移入し、彼女を応援する立場で読み進めることだろう。ところが、十和のある秘密が物語終盤まで意図的に隠されており、この裏切りにも見える描写が共感できないポイントとして読者をヤキモキさせる。この共感と不信感のバランスが、100%彼女を信頼できない矛盾としてスパイスのように後半に効いてくる。
そんな中、読者は彼女に伴奏する家族の思いやりに触れることになる。いつだって親が子を思う気持ちは尊い。自分が子を持つ親になって気持ちがとてもよくわかる。子の気持ちも、親の気持ちもわかるという、子育てを経験した世代の読者にはきっと感じるものがあるだろう。目標に向かって頑張る子の姿はとても眩しい。本書は他愛に満ちた家族の思いやりと子供の成長の物語だ。
本書は作者・早見和真さんの人気シリーズ「店長がバカすぎて」と同じ世界線で描かれる。あの名物店長や書店員も作中に登場する。しかし、決して続編でもスピンオフでもサイドストーリーでもない。まるでYouTubeのコラボ動画のように、お互いの物語が呼応する素敵な仕掛けが施されている。ぜひ「さらば!店長がバカすぎて」と共に読んでいただきたい作品である。
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公開テストや、塾のクラス分け、志望校が決まった瞬間に、すごくやる気になるところとか、進学塾で、それなりに勉強を頑張ってきた私にはすごく共感できました。お友達の「中学高校は、大学に行くまでのただの過程なんじゃなくて、そこでの思い出を作りたい」的な発言も、わかるわかると頷いた。
十和のお父さんいい人すぎるーー
とにかく心に残った作品でした。
Posted by ブクログ
状況が二転三転とする展開に1ページも飽きる瞬間がなく、とても面白い作品だった。
主人公と野口の対比が素晴らしかった。読み終わってから考えると、共通点が多く親友の野口の噂とセットで自分もパパ活をしているという匂わせは、相手が離婚した父親である伏線となっていて驚かされた。
何ページか前で伏線回収をして確信させてからそれを書くというのが新しかった。普通は言わなくてもわかるだろ?と書かないか、伏線を貼らないかのどちらかだ。おそらく小学生が読むか本を読み慣れている大人で評価が星一個変わるのではないだろうか。具体的には上記+初詣での邂逅、主題にもなっている家族の幸せの形を本屋で店員に質問した時に不自然にメモ帳を取り出す→トークショー直前の十和と店員の会話である(本当はもっとあるかもしれない)。
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読みやすいし、あんまり悪い人がいなくてよかった。
でも、中受で希望した学校(しかも最難関含む)に全部合格できる子がどのくらいいるかというと… という点で見ると、あまり現実的ではないというか、出来過ぎなのではないかと思う。
あと、おばあちゃんを近所に住まわせるのも大分強引だなと、孫のわがままなら聞けるんでしょうか…
Posted by ブクログ
良い意味で期待を裏切る、さわやかで読後感の良い話だった。
謎の大人の存在や、父親の積極的な受験への関わりなど、事件や教育虐待などの不穏な出来事を予想しながら読み進めたら、全くそんなことなくて、ほんとにこんなうまくいくケースがあるの?と思うような終わり方だった。
中学受験する小学生ってすごいな〜と、こどもを育てる親として、ただ感心した。
Posted by ブクログ
家族がよく分からなくなって、思春期に入った十和は母に受験をすすめられる。最後でわかる事だがそれは義父との関係をよくするアイデアだった。受験をする事で家族がひとつになり成長していく。この父の十和への努力は並大抵ではない。途中、まさかの書店店長の山本猛店長、谷原さんらが現れた事には笑えたが。勢いのある作品で読み応えありで面白かった。
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著者の過去作も数冊読みましたが、物語の中でのタイトルの回収方法が見事。読み進めていて、一回本を閉じて表紙をしばらく眺めていた時間がありました。様々な形の「家族」を著者の作品を通してみてきました。
物語序盤の思春期特有の不穏な雰囲気、終盤まで明かされない「あの人」の存在。
どんどんと物語に引き込まれていきました。お涙頂戴の感動はありません。信念を貫き通す強さやスイッチが入る場面のカッコよさで震えました。とてもお気に入りの本になりました。気合を入れる時にまた読み返し、主人公に力をもらいたいと思います。
Posted by ブクログ
中学受験の頃を思い出して、いろいろな自分の昔を考えることができた
小説の内容は、思春期の気持ちが上手く表現してあったし、店長がバカすぎるとの絡みも凄く面白かった
Posted by ブクログ
小学6年生の女の子十和と、その家族が臨む中学受験。
中学受験を通して、勉強だけじゃない、
十和の心の成長と家族が一つになれた心温まる物語。
十和は聡くて、世渡り上手。
心の中で思っていることも、大人みたいだなぁ、
と思う反面、
思春期の女の子の、自分でもどうしようも出来ないイライラや、拗ねたようなやる気のない感じだったり、
父親に対する嫌悪感ゆえの乖離した行動や、
そんなことをする自分への葛藤が書かれていて。
なかなか激しい思春期だなぁ。
父親も優しすぎない?
と思っていたけれど、
幼少期に両親が離婚して、母親がいまの父親と再婚したステップファミリーだった。
と最後に判明して納得。
十和の勉強のゾーンに入ったところと、
家族でパソコンの前に集まって、合格発表をみていた場面がとても好き。
塾の合格体験記を頼まれて書いた、十和の文を読んで泣きそうになった。
「最後の合格発表を見たとき、家族が一つになりました。家族が一つ、みたいな言い方はずっと苦手でしたが、そうとしか言えない瞬間がありました。
あの瞬間のために勉強をがんばったと思えたことが、私の中学受験だったと思います。」
自分の娘の成長を見守っているような気持ちになれた本だった。
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いいお父さんなのになんでここまで態度悪いんどと主人公を冷めた目で見ていたけどそうだったのね…このへんの違和感に気づいて予想できないあたり私は頭が良くないなと思う。
マックに友達と行ったことのない小中学生時代だったのでだいぶ自由というか大人びた行動だなと差を感じた。
受験勉強って大変なんだな。小学生で行きたい中学決めて勉強する。すごい。圧倒的な差を感じる。「頑張るべき時期に頑張れるのは楽。」という言葉も刺さった。本当そうだよね…
目標ができてからの主人公の変わりっぷりというか覚醒は目を見張るものがあるな。とても眩しい。
Posted by ブクログ
してもしなくても良いことだけど、子供の将来のことを思ってする。それが中学受験だと思う。私も去年までその真っ只中にいた。それゆえに共感できる部分も多かった。
他の受験と違って1つ言えるのは、中学受験は親と子がタッグを組んで1つの目標に向かってすることだ。
いろんなことから、目をそらして、なんとなく塾に通っていた十和。
それぞれの違った家庭の事情がある中で、受験に挑む3人の友達。
家族に居心地の悪さを感じていたけど、がむしゃらに受験勉強する中で、暖かい家族に守られている自分がいることに気づいて行く。
目標をもって我武者羅に頑張ることができた人は強い。
そしてなんと言っても早見作品を代表する「店長がバカすぎて」の山本猛店長が出てくるのも嬉しいところ。
物語全体の構成も絶妙で、ゴールの先にまだ明るい道が続いていくことを感じる余韻がよい。
「店長がバカ過ぎて」も再読してみよう。
Posted by ブクログ
こんな家族もありだよね。って思った。わたしはずっと一緒が家族と思ってないから、他人事のように読んじゃったけど、一緒にがんばれる存在がいるって貴重な財産だと思う。
Posted by ブクログ
始めは思春期の子VS親子みたいな感じかと思っていましたが、個々に出てくる子どもたちの徐々に家族関係の複雑さに涙でした。受験を通して家族の絆にも涙でした。
Posted by ブクログ
自分に近くて感情移入がしやすい作品と、自分の知らない世界の作品。どちらも好きなのだけれど、この作品はどちらでもないような。受験というものをちゃんとしなかったからなのか?家族の幸せの形を考えたことがないからなのか?よくわからない。ちょっとうらやましいのかな?私の家族の幸せの形は?
店長がバカすぎての話がリンクしてくるのは、面白かった。
Posted by ブクログ
田舎出身の自分には未知の、中学受験の解像度があがった。が、ハマれなかった。小学生も親も意識高い。自分の頃の小4?空き地の伐採された枯れ木の山で秘密基地作ってたわ。
中盤までの家族のやり取りに、最後で理由が分かるとしてもイライラしてしまった。お母さんも話し方がきつくてなんか悲しい。
『店長がバカすぎて』のメンバーが相変わらずでホッと安心した。
Posted by ブクログ
問題。
以下の文章を読んで、家族の幸せの形を答えなさい
早見和真さん。
中学受験の本。
○何がダメだったか?
言葉にしておくのは大切。
○目標を持つことの大切さ。
おもしろかった。
小学生なのに、よく頑張ってる。
すごいなー。
中学受験をやる前に、
親子共々、読んだら良いと思う。
家族の形の答え。
それも、また良かった!!
おすすめの本。