小説・文芸の高評価レビュー
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オウム真理教をモデルにした長編。
カルトに狂っていく人の怖さと、それに取り巻いて甘い汁を吸おうとする警察や国会議員達がみんな愚かでなかなかの大作だった。
乱暴にも感じる文章がより物語を荒々しく感じさせて、映画を見ているような感覚に…
高学歴で賢いはずの人々が、なぜ教祖を慕い狂っていくのか。以前森達也監督のオウム真理教のドキュメンタリー「A」「A2」を見たけど、松本サリン事件で容疑者とされた方へオウム幹部が会いにいく場面で、ぐだぐだとして謝罪もできずその方を苛々させるところを思い出した。上手く立ち回ることができない詰めの甘い行動が多く、社会で生き辛いから余計宗教にのめり込んでいったんじゃないかと -
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毎日、大熊町と広野町を往復する。ロッコク(国道6号)を通っている。
この道で困ることは、食べるところがないことだ。2011年以前にはあったのだと思うが、現在はあまりにも食べるところがない。なぜか、コンビニばかりが目立つ。
テレビでも報道されたことがある、夜だけの本屋さん。その撮影が、実にいいなぁと思ったら、この本が、ネタ元なんだね。いい企画だ。
故郷を追われ、そして、故郷を想い、そして故郷に戻る。しかし、故郷は記憶の中でしかない。自分の故郷は、消されてしまった。そして、再び故郷をつくる。それを淡々と、ありのままに伝える。
故郷を、食で綴り、食の記憶を思い出しながら、おばあちゃんの味 -
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以前から話題になっていて文庫化されていたので購入。
2018年に起きた、滋賀医科大学生母親殺害事件。
司法記者出身の著者が綴ったノンフィクション。
母による長年の教育虐待
9浪した娘が母を殺害。
母とのLINEのやり取り、実際に言われた言葉や暴力
これを読んでるだけでも辛いのに実際、娘のあかりの辛さはどれほどのものだったんだろう
父親もいるがほぼ内容には出て来ず、妻(あかりの母親)
から同じく暴言吐かれる感じなので助けを求められなかったか、、
自立しようにも家出しようにも引き戻され
就職の内定を母に取り消され、教師にも助けを求めてもダメで
結果的に 母か娘、どちらか死ぬしか逃れる -
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男性看護師を目指す男の子の物語。
この設定が現役看護師の藤岡陽子さんならではだなと思う。
この世界では、珍しく男性が差別的な扱いを受けることも。クラス40人の中で男子はたったの5人。
「白うさぎの中に黒うさぎがいるようなもの」という例えが、同じ事をやっても悪目立ちしてしまう様子をリアルに想像させる。
講義、実習の大変さもさることながら、主人公の成道はいわゆるヤングケアラーで、自分の青春を捨てて家事や弟の介護を担ってきた葛藤もある。そんな状況で夢に向かって頑張る姿には、こちらが励まされてしまう。
なんとなく男性看護師には抵抗感があるけれど、結局は性別ではなくて「人」なんだよなと思った。
後半は、 -
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読みやすいので、普段あまり本を読まない人にも手に取りやすい本かと思う。表紙のイラストが出水ぽすか先生なのも素敵すぎる。
主人公はパン屋ノスティモでアルバイトをする大学生の市倉小春。全部で5つの話が収録されているが、どれも小春とそのバイト先であるノスティモが舞台。事件というほどではないが日常の小さな謎を小春が鋭い視点で紐解いていく。一緒にライブビューイングを見に行こうと誘ってくれた友人が突然のキャンセル。なぜ?とか、ヘルプで入った同僚(系列のケーキ屋のバイト)が他のことは何でも上手くできるのにパンに切り込みが入れられないのは何故か、高校生男女がこぼしたコーヒーの理由、ひったくり犯が子どもの財布 -
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短編形式で、1作1作は短いが彼らの人生を感じるようなリアルな1冊。渇きが、ある。
気温が高く、人との関わりも濃い、薬をキメれば熱は増幅し、世界は膨張する。その退廃感、情熱。しかし冷たい。熱を帯びた銃を冷蔵庫で冷やすかのような温度をもつ物語。口語の自由さは、細部の違和感を押し流し、乱雑な世界への没入を強める。
ヤクがなくなればリオデジャネイロは止まる、ヤク中の女は歯が無いのでフェラがうまい、体制の悪夢は死を恐れない、こちらからすれば有り得ない日常を突きつけられ、自分が小さくみえる。もっとおおきく物事を捉えても良いのかもしれない。海外作品に触れる醍醐味を鮮やかに感じられる1冊。
限りなく透明に -
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ネタバレめちゃくちゃいい。。。解説もショートストーリーも全部含めて愛に溢れている。泣ける。
都会で凄惨な生活、修羅場を潜ってきた貴瑚(キナコ)は大分にある田舎に1人で引っ越してくる。
そこで出会うムシと呼ばれる男の子との出会いから始まる愛の物語。
52ヘルツのクジラというのは同じクジラの仲間にも聞こえない周波数で鳴くクジラのことで、その声は届かない。そんな境遇に重なるキナコと愛の話。
キナコは愛と出会うまでに、本当に壮絶な人生を送ってきた。虐待、介護、呪いと言ってもいい生活を強いられていたところにアンさんが現れる。美晴(キナコの高校の同級生)の職場の同僚であったアンさんは、キナコの聞こえない悲鳴を -
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ネタバレ
人生で1番の本に出会えたと思います。
全ての文章が名台詞みたいな本でした。
上で起きた問題がそれぞれ優しく解決していって。
ドンの家庭の不和がなんとかなりそうなのが個人的に1番嬉しかったです。彼が自分のために怒ること、彼の母が家族のために泣くことを諭した陽平の教師として、人としてのあり方があまりにも素晴らし過ぎて、じんわり涙が込み上げました。
その他にも、相手の美味しい顔を思い浮かべて作る料理も大切ということや、正しいけれど優しくないこともあったり、家族のためは実は自分のための言い訳だったりするし、大人になっても友情は大切だで、自分の「核」がなんなのか自覚することの重要さに気付いたり。
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