小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
途中まで、文と更紗が恋愛感情で惹かれていくんだと思っていたし、そういう感情にならないことの意味がわからなかった。
でも、終盤になるにつれ、2人にしか分からない真実だけが彼らを包み込んでいく。
事実だけを見ている人達はおかしいと言い続けるが、真実を知る彼らにとって、真実だけが彼らを支えていく。
私も人に頼ってしまうが、それは依存に近い。でも彼らはそんな言葉に収まるような関係でもない。
言い表すことのできない世界観を生きているような気がした。
そして、外野にいた梨花が肯定してくれた。2人にとってそれはとても意味のある事だったようにも感じた。
何度も泣いたけれど、きっとずっと真実側の気持ちは理解できないような気もした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ泣ける一冊と評判を聞き、タイミングよく文庫化、ドラマ化を知り思わず手に取った結果噂通りしっかり泣けました。
特に下巻のレースが始まってからは本当に読む手が止まらずあっという間に読み終わりました。
もぅ色んなシーンでずーっとウルウルして外では読めないなーと思った。
復路の展開はとにかく胸が熱くなった。
最後主人公の隼人にどんな展開でタスキが繋がるのかワクワクしながらページをめくりました。
そして隼人が走る10区、諸矢監督がテレビを見ながら隼人への想いを告げるシーンはマジで泣けた。
自分もここまで読んできてチームのために奮闘してきた隼人にすっかり感情移入していたため、諸矢監督の想いに共感してしまった。
個人的にもっと甲斐のことを知りたかったなと感じました。
一体この話がどんな風に映像化されるのかドラマが本当に楽しみです! -
Posted by ブクログ
ネタバレ切なくもあり、暖かくもあり、読み終わったあとのこの感情を表す言葉が見つからない。
お互いのことを唯一無二で愛していて、それは単なる恋愛や友愛という枠に当てはめてはいけないと思った。
果遠の大胆で強気なところが彼女自身を力強く見せてしまうけれど、本当は寂しくて弱い自分を守るためにそう振る舞っているだけだと感じた。それと反対に、結珠は我慢強くて、弱気は印象があるけど、果遠を全力で受けとめようとするくらい力強い存在だった。そんな結珠が果遠にとって希望であり、真っ暗な夜を照らす灯台のような存在だったと思う。
最後に、結珠が果遠を諦めないでいて本当によかった。結末はどうなのか分からないけど、2人が幸せになる未来が見えて涙がでた。きっと、結珠は瀬々と藤野のことも見捨てない。ちゃんと自分なりの向き合い方を見つける。
それが全員にとって正解ではないかもしれないけど。
人物の感情を明確に言語化してはいなかったけれど、本当に心にしみる本だった。
今まで読んだ本のなかで、いちばん「小説」を読んだ気がした。 -
Posted by ブクログ
東日本大震災で大きな被害を受けた「国道6号線」、いやゆる浜通り沿いの町々で、人は何を食べて暮らしているのか。
話を聞き、映像に残していったそう。
映画にもなっている。
「避難っていうのは、自分のアイデンティティから強制的に離れてしまうことだと思うんです。でも、多くの人が、土地を離れたあとも、なんらかの方法で自分のアイデンティティを大切にしてきた。それを知って、なんというか、感動しました」というインドから来て双葉町で暮らすスワスティカさん。
大熊町で、小学校の特別聴講生として学び、手紙を書き続けている中国出身の大竹さん。
大熊町で「読書屋 息つぎ」という本屋を営む武内さん。
などなどなど。
「人類が光を求め続けた先にあったのが、この暗闇の地だ。」
「闇が深い分、小さな光でも見える。遠くの星を見るためには、私たちは灯りを消さなければならない」
私たちは、震災や戦争やジェノサイドにあっている人たちを見て、悶えているばかりだ。
「悶えてなりとも加勢(かせ)せんば」(石牟礼道子) -
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やっぱりアッコさんシリーズ好き。
自分で無意識に作りあげた制限された世界を、少し視野を広げて飛び出してみれば、新鮮で充実感と幸せに満ちた気持ちを感じられる経験が出来るかも。
たとえ小さな一歩でも世界は変わる、そう思わせてくれる4編。
たとえば、1.2.4話の主人公は、自分の勤めるビルの決まったフロアから上に行ったことがない。
私もすごくわかる。
同じビルでも未知の世界なのだ。
ちょっと尻込みしてしまうのだ。
この本の主人公はみんな、つまらなくてやりきれない思いを抱えながら生きていた。
それが唐突に関わることになった人によって、半ば強制的に未知の世界へ押し出される。
そこで感じる新鮮さ、心躍り、安らぐ懐かしさ、喜びから、今度は自らの足で新たな世界へ踏み出して行く。
環境をガラッと変える訳でも、新たな人間関係の中へ飛び込む訳でもない。
ただ、同じ環境、同じ人間関係の中で、自ら変わり新たな世界を作っていくのだ。
きっかけは他人が作ってくれたかもしれない。
それでも、そこから自分の意思で人生を進み始めた主人公や、自分を認めてまた歩き始めた主人公には尊敬しかない。
結局、自分を救うのも自分を幸せにするのも自分。
他人はそれを手伝うこと以上はできないんだよね。
そしてやっぱりアッコさんは、不思議でいてしっかり人を見ている暖かい人。
私も新しい何かを見つけたい。
面白いものを見過ごさないように、好奇心のアンテナを張っておきたいなと思った。
あと、人脈の大切さに気づかせてもらった。
アッコさんのためなら!そんな風にみんなから言われるアッコさん、やっぱりすごい。 -
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本作品は作者の宮内悠介が現地ウクライナにまでに行って取材した内容を基に作られたとのこと。それだけに、詳細な記述による現場の臨場感がこちらにビシビシと伝わってくる。実際に行った者にしか判らない空気、風景から感じ取れる恐怖と絶望感をこれだけリアルに書き留めるためには相当の危険が伴ったことだろう。戦火は一頃に比べればだいぶ収まったものの、実質的にはまだ戦争が継続中なので、危険極まりない命を懸けた作品であることは間違いない。ここまでして作者が描きたかったことを、現在の我々日本人はどう受け止めるべきなのか。開戦当時、メディアは連日に亘って報道し続けたが、今では膠着状態が続いており、時々ガイキチ大統領とロシア・ウクライナからの一方的な発言を単に垂れ流しているだけ。終戦の兆しはまるで見られない。
内容は、ウクライナの外人部隊に参戦して現地で戦死した日本人の母が、息子の死に際の情報を求めて危険地帯に潜入するお話。行けるところまで行って、現地で少ない情報を得ながらついに戦死した現地に到達する訳だが、あまりにも都合の良い偶然が次々と重なり、遂には目的を達成して帰国するとは・・・ちょっと強引なストーリー展開、まあ小説だから。もしかしたら、この本は賛否が分かれるだろう。私としては、もう少し母の心の叫びがエキセントリックだったら何らかの賞は貰えるのではないかと考えている。ちょっと押し殺し過ぎすぎでは。
一年前に読んだ中山七里の「とどけ チャイコフスキー」でもウクライナ戦争の話が出ていた。ここでは敵と味方に分かれた音楽院の先生と生徒が、戦地で偶然に会い、戦地に放置されていたピアノで連弾をするというありえへん話だった。それに負けず劣らず、息子を亡くした母二人が協力して息子たちの状況・真実を突き止め、その結果お互いの息子は戦地で偶然出会った敵同士だったという設定。ウクライナとロシアは共に旧ソ連の隣国同士て、戦争前は親戚が分かれて住んでいた家族もかなりいたと言う。非常に辛い戦いだ。東京都民と神奈川県民が銃を取って戦争するものだといっても、日本人にはピンと来ないだろう。
ガイキチ大統領は就任後直ぐにウクライナ戦争を終わらせると豪語していたが、終戦どころかイランと新しい戦争を始めてこちらも膠着状態に陥っている。これでは中間選挙で共和党が大敗するだけではなく、残りの2年間でガイキチはどんな愚策を撒き散らし続けるのか、世界中の人々は戦々恐々と日々の生活を送ることになるだろう。 -
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長岡弘樹『白衣の断罪者』角川文庫。
『殺人者の白い檻』を改題し、書き下ろし短編『恋人つなぎ』を加えて文庫化。
『傍え聞き』や『風間公親』シリーズなどちょっと変わったミステリー小説を上梓して来た長岡弘樹が、本作では医療ミステリー小説に挑戦している。しかも、これがまた面白い。何時ものように時折、読者を置いてけぼりにするような、直ぐには理解し難い描写もあるのだが、後で得心してしまうのだから全く不思議だ。
『白衣の断罪者』。思わず唸ってしまうほど非常に巧い医療ミステリー短編であった。途中、様々な罠がミスリードを誘い、最後まで真犯人の正体をぼかし続ける腕前は見事であり、主人公の脳外科医が葛藤の末に下した重い決断を最後のひと言で読者に悟らせてくれるのだ。
S刑務所の隣にある総合病院の脳外科医の尾木敦也は、6年前に自宅を襲った強盗により両親を殺害されてから無気力で酒浸りの日々を送っていた。いよいよ精神的にキツくなった敦也は退職を視野に入れ、ここ1週間ほど休職していた。
ある日、病院の上司から呼び出しを受けた敦也はS刑務所から回された服役囚のクモ膜下出血の緊急手術を依頼される。同じ病院で看護師を努める妹の菜々穂がオペ看を務め、敦也が執刀し、手術は無事成功する。敦也は患者が両親を殺害し、死刑判決を受けた定永宗吾であることを知り、愕然とする。
しかも、定永は一貫して殺人については無実を訴え続けていたという。やり切れない気持ちになった敦也は、妹の菜々穂と事件の真相を追い始めると、少しずつ事件の真相が浮かび上がってきた。
★★★★★
『恋人つなぎ』。『白衣の断罪者』のスピンオフのような掌編。タイトルの『恋人つなぎ』からは想像出来ないほっこりするようなストーリーが展開する。
敦也の勤務する病院の菜々穂の後輩看護師の多田朋美は自分の無力さに退職を考えていた。
★★★★★
本体価格900円
★★★★★
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