小説・文芸の高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
若いときの苦難を乗り越えて下巻を読み進み、いつまで経っても喜久雄が嬉しそうにする場面に辿り着かない。ずっと喜久雄とその周辺の人物たちの人生を追ってきた読者が待ち望む、喜久雄のこれまでの人生が報われるような、喜久雄が大喜びしているような場面。
振り返ると、きくちゃんが喜びを表に出している描写が少ない、歳を取ればとるほど減っていく。“愛想笑い一つできない”という喜久雄の人物像が際立っていく所以でもある。
きっと喜久雄の喜びとか感情は、舞台を観ている観客の表情や歓声が代弁しているのかと。
ラスト舞台、涙出ました。
あと軽く再読したら、俊ぼんの『隅田川』の舞台にもまた泣いた。舟に乗せてくれ -
Posted by ブクログ
ネタバレ「成瀬は都を駆け抜ける」に出ていたので。
大変楽しい感じだった。
奇妙で不思議で幻想的な世界が、
現実(と思われる)の世界からするすると拡がっていく。
だが、舞台が、千年の都、神々と妖の人間の躍動を掻き立てる
京都および京都大学のためか、
めくるめく場面展開の疾走感のためか、
違和感も嫌悪感もない。
良い意味でアニメ化されるための作品と言うべきか。
(されてるけど)
と言っても、キラキラした二次元的な妄想の描写ではなく、
洒脱な文章がかき立てる内なる世界の視覚化なのだが。
予定調和的な展開、と言っては語弊があるが、
着地点がど真ん中なのもむしろ心地よい。
さてアニメを見るべきか、見ざる -
Posted by ブクログ
前作の『時をかけるゆとり』が面白すぎて、すぐに続編を読み始めた。こちらもめちゃくちゃ面白かったし、第3部の「肛門記」は電車内で読んでなくて本当に良かったと思った(笑)
クセの強い眼科医再登場から始まり、インスタでも見た作家の柚木麻子さんと踊る話、バレーボールやビーチバレーの話、中学時代のホームステイ、スティーブ・ジョブズみたいな服装などなど。
最後の「肛門記」は、フォントの種類や大きさから工夫されていて、まさかこんな大きさであの言葉が印字されてるとは思わず爆笑してしまった(笑)そして1日あたりの排便回数がアスリートすぎてそこでも笑った。
続編をまだ購入してないけど、早く買いに行かないとと -
Posted by ブクログ
どの短編も時間は、ほぼ午前一時の出来事。
深夜に起きる出来事は、いつもの吉田篤弘さんの世界だなと思い、楽しみながらの読書でした。
タクシー会社〈ブラックバード〉の松井が乗せたミツキの探し物から、どんどん人が繋がっていきました。
読者の私が好きなのは、古道具屋〈イバラギ〉の店主。品物の名前の付け方で、物の見方が変わるというのが面白かったです。
あとがきによると、連作短編のようでいて、実は吉田さんの頭のなかにある10冊の本が交差点のように交わったもの、だそうです。読めば読むほど全体が繋がってきて、最後にはいい方向に皆が向かっている感じがしてきました。
日常から離れて、この本の世界に入り込む -
Posted by ブクログ
著者の学生時代から新社会人1年目までの期間に焦点を当てたエッセイ。初めから終わりまでめちゃくちゃ面白かった〜笑
著者とは出身大学が同じなので、100キロハイクとかオープン科目とか、共通する体験が多いけれど、「こんな面白い展開になる!?」と思いながら読みました。
文庫本の冒頭についてる年表も面白い(笑)センスの塊だと思う。
過去に書いて媒体に掲載されたエッセイに、自分で添削したりツッコミ入れたりするのも、どうやったらこんな発想が出てくるんだろう(笑)
あと全体を通して、著者がいろんな人になりすまそうとすることが多くて、本人も自覚してるけど、そういう「いろんな人の人生を体験したい」からこそ小説 -
Posted by ブクログ
ロンドン警視庁の刑事ケイトの父親が自宅で無惨に惨殺されたことをきっかけに連続殺人がおこる
実はケイトの父親も元刑事で優秀な伝説的な名警部だった
物語はこの事件を追うスカボロー署の刑事たちの物語と
脚本家のクレイン一家が、仕事から距離を置くため人里離れた別荘にこもるも、そこで大変な事態に巻き込まれてしまう物語とか並行に進んでいく!
とにかくずっと不穏な空気に包まれている
なぜ、信頼の厚い優秀な刑事が無惨に殺されたのか?
犯人が誰なのか?
全くわからない
終盤、急に犯人がわかるのだが、それは想定のしようもなく…(笑)
でもそんなことはどうでもよく、犯人の動機にプロローグが急によみがえり、胸が苦しく -
Posted by ブクログ
人情の厚さを感じた。登場人物みながバックボーンを詳細に話してくれる。人の温かさ、非情さ、人間味が溢れる内容で時に泣きながらページをめくった。なぜ話を進める主導者は2年も前の出来事を聞き回っているのか、また芝居小屋にいる人たちはどういう人なのかどういう経験をしたのかをなぜこんなにも詳細に聞くのかが全く分からず、どう終わるのかずっとモヤモヤしながら読み進めていたが、最後に全てが分かりその理由にも心打たれるものがあった。
江戸時代頃の話のため、昔の言葉が難しく読み進めにくいのかなと想像していたが、話が面白いためどんどん読み進めることができる。
もう一度読みたいと思った。
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。