小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
自分は子供が一人でよかったなと思っている。比較対象する相手がいないから。昔常にされて嫌だったからだ。同じように、自分とも比較しないのは大事だなと思った。
第1話 ゆで卵作ったら湯の中で爆発してた。水がゆで卵の中に入り込んでてマズイ。渚は力尽きて夕飯は実家に帰る。郵便局の本社に勤めて、まだ新人。食堂の料理長が倒れていてAEDを取りに走る。心拍と意識があったので、救急車で運ばれていった。母からお惣菜セットが届く。
第2話 職員食堂が閉鎖になった。料理しようと思う。水澤さんに、レシピをよく読んで、ゴールのイメージをして手順どおりにやれば必ずできると力づけられる。とりあえずハンバーグを作ってみる。隕石のような肉団子ができた。
考えた末に自動調理器を買う。
第3話 支店の社員食堂にいって夕飯を食べる。あやうく実家に帰るとこだった。そこで週末のバーベキューに誘われる。そこで焼け具合を見るということを学ぶ。ついでに失敗しないゆで卵のやり方も教わる。
第4話 オムライスを作ろうと思い立って、焼き鳥を購入。自分で米を炊く。炒めて薄焼き玉を乗せて食べておいしくて感激する。停電になってリゾットを作る。
第5話 リゾットに対抗してか、母がパエリアを作って、あんなちゃんとしてないものじゃ心配とか言い出す。悔しくて眠れない。
第6話 黒豆と錦玉子を作ってリベンジ。 -
Posted by ブクログ
すごい。
ドキュメンタリーがあれば小説は不要なんじゃないか。そう思うことがしばしばあった。イジメを題材にした書籍はまさにそうで、取材した事実に個人の想像がかなうわけがないと思っていた。
しかし本書でその思い込みは打ち破られた。閉じられた王国での王族たちの無邪気なゲームに付き合わされる庶民たち。そんな構図を思い出し、不快な気分が蘇る。いじられる登場人物の内面描写の精度が高く、ほんとうに不快だ。この不快さはドキュメンタリーでは感じることがない。
これが仮想体験なのか。。
不快だが、同じ気持ちで子供時代を過ごした仲間がいるのだと知れて救われた気持ちになる。
小説って、こういうものなのだなと。
外形的な事実ではなく、同じ気持ちの人間がいたのだと伝える媒体が小説なのだと。 -
Posted by ブクログ
色んな社会問題に視点を当ていながらも、どれも浅い綺麗事で終わらず善悪つけられないから難しいく複雑な現代社会をそれぞれの立場になって考えさせられた。
暁海たちの人生はドラマなんかじゃなくて、そのあともずっと続いていくもので変化していくものなのだと気づくことができてよかった。確かにフィクションの中の登場人物だけど、キリのいいところで人生は終わったりしないし、幸も不幸も一点で留まったりしない、ということを感じることができとてもいい続編だった。
人間関係は血や戸籍だけでは成立しないし、それぞれの関係性を他者が完全に理解することもできない。きっと血よりも濃い関係なんてこの世の中いくらでもある。他人への干渉は程よいところにして、各々が幸せに暮らせればいいなと思う。
「汝、星のごとく」とはまた違った広くて深い物語だなと思った。 -
Posted by ブクログ
最高です!!とてもとても良かった。
著書のなかでも特別大好きな1冊になりました。
「瀬尾さん × 食べ物小説」
読む前から、もうおもしろい予感しかない。
子供の頃に両親が離婚し、呑んだくれの父親と暮らすことになったリリー。人付き合いが苦手でバイトを転々としながら暮らしている。
リリーの作るご飯がとにかく美味しそうで、食欲を刺激されっぱなしでした!
どれもこれも人の心に寄り添う料理。文字を追っているだけで、優しい気持ちに満たされる。
やっぱり美味しいものって幸せな気分にしてくれます。
人と人の繋がりを描いた温もりにもほっとする。
食堂「あらき」の大将と過ごす時間は、温かくて幸せな空気が満ちてた。
大家のばあさんとの掛け合いシーンも好き。清々しいほどポンポン言い合いながらも、そこに愛情を感じてグッときた。
ここまで頑張ってきたリリーをハグしたくなりました。
みんなの幸せを祈りたくなるラスト。
温かな読後感でおすすめです!! -
Posted by ブクログ
脳汁がドバドバ出て脳が痺れた。何かを表現したことがある人、何かに狂ったことがある人には、間違いなく突き刺さる凄まじい傑作。
【あらすじ】
主人公のツグミは、かつて少年漫画誌での連載が1年足らずで打ち切りになった苦い過去を持つ漫画家。
その後、ヤケクソでネットに投稿した作品に「いいね」がたくさんついたことをきっかけに、現在は大衆受けするようなばかりを描くサブカル漫画家となっている。自分のマンガを見失っている彼女は、「自分の描く漫画が大嫌い」と自嘲し、アンチの罵倒にすら共感するほど魂が摩耗していた。
漫画だけでは食べられず、人気漫画家・蛇川のアシスタントをすることでなんとか生活費を稼いでいる。
そんなある日、蛇川の紹介で、ベテラン編集者の野分と出会う。「面白い漫画とは、売れる漫画のことだ」と言い切る野分は、ヒットを運任せにせず、「再現性のある徹底したロジック」でベストセラーを構築する男だった。
漫画に対する姿勢を、野分からボロクソに酷評されたツグミだったが、意外にもネームは見てくれるという。提出するとダメ出しはすべてが具体的で、ツグミの中で腑に落ち、ロジックの凄さを思い知る。
プライドをへし折られたツグミだったが、彼女の心には、絶望ではなく「売れてやる」という強烈なやる気が満ちていくのだった。
【感想】
とにかく後半の、ツグミと野分が居酒屋の席でガチでぶつかり合うシーンからがエグい。
編集者ではなく、人間・野分とはじめて対峙し、いろいろと気づいていくことで、自分の書きたい漫画が確立していくシーンに感動を覚える。完全に主人公の気持ちと同化しながら読まされた。
それと同時に、感情の階段を一段ずつ登り、ツグミが自分の本心を悟ることで、狂気の深淵まで連れて行ってくれた。ラストもお見事。自分も創作物を整理しているエクセルのヘッダーに『狂え!!』と書いているのが嬉しく、誇らしくなったよ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレめっちゃ面白かったぁ!いけないⅠは個人的な読解力不足?で写真見ても理解できないのが多かったけど、今回はあらかた理解できた!
1つ目が章ごとに実は大槻と桃花で時系列が違うっていう結構ハードル高いミスリードでヒント見てやっと理解。それ以外はしっかりストーリー追えてれば解説なくてもいけた。
小澤家も千木家も真も、ある意味かわいそうでどれもイヤミス。
最後の章で各章の結末もしっかり回収してるからスッキリ読めた。
一通り読み終わって思ったけど、「箕氷」の昔の呼び名、「身凍り」って書いてあったけど、ストーリー的には「身代わり」では…なんなら「箕氷市」なら「身代わり 死」なのでは…
最後の最後でブルブルしてしまった… -
Posted by ブクログ
かなり実験的な短編集。
とにかく表題作『原始人』と、2作目の『アノミー都市』が凄まじい。対になっている2作品の並びは、狂気的で鋭利な思考実験だった。読み終わった瞬間、「人間って何なんだ……?」と足元が揺らぐような心地よい眩暈がした。これこそ読書から得られる栄養だな、とも思う。
まず、表題作の『原始人』。 舞台はタイトル通り、太古の地球で、原始人が暮らしている。ほとんど文明が発達していないので、彼らには知能も言葉も存在しない。そこにあるのは生きるための捕食と、原始的な恐怖、欲望、理由なき残虐さだ。まさに弱肉強食の世界だけれど、確かに人間にもそんな時代があったんだと、思い起こさせてくれる。凄いのは、原始世界を感動的な歴史ロマンや美しい自然描写として描くのではなく、徹底して、生き物の観察として描写し切っている点にある。善悪も道徳もない世界での暴力や死は、凄惨でありながらどこか純粋さを感じた。ただただ圧倒される。
そして、その余韻も冷めぬまま『アノミー都市』へ。
舞台は一転して遥か未来の超高度文明社会。生産も流通も自動化され、人間は働く必要すらなくなっている。そこは法律や道徳といった社会を縛る規範が完全に消滅し、無規範——つまり「アノミー」状態にある都市だった。
暴力も賭博も許され、唯一の禁忌は「他人に自分の価値観を強制すること」だけ。満たされきった人々が、退屈を紛らわすために本能と欲望のままに蠢いている。
太古の野蛮と、洗練された未来。一見真逆の世界を並べることで恐ろしい事実を突きつけてくる。「人間は、規範がなければ、太古の原始社会であっても未来の超高度都市であっても、全く同じように残虐で愚かな存在に行き着く」ということ。テクノロジーや知性がどれだけ発達しようが、言葉や世界の理解が未熟な世界であろうが、人間の根底にある狂気や無慈悲さは何一つ変わらない。
普段自分が頼っている「道徳」や「理性」、「法律」までもがいかに脆いものかを思い知らされる、刺激的な読書体験だった。
お笑いの劇場やネタ作りの現場でも、コンプライアンスやらポリコレやら、社会のルールや規範に縛られてモヤモヤすることはよくあるけれど、文明の先に現在辿り着いている「規範」をすべて剥ぎ取ったら、自由すぎて、面白いことが減ると思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ一気読み。さすが名作、冒頭以降は古典を感じさせなかった。冷凍睡眠直前の「あれ?」の欠片たちが終盤で一気に回収されていくのが爽快。ミステリ畑とは別の読み心地の伏線回収。
ヘイルメアリーのグレースといい、SFの主人公は人間らしくて共感が持てるのに強烈に頭が良い。ここは頭脳と共に人間性もちょっと人と外れている探偵等とは違うと感じた。
ラスト女児を嫁にするのはちょっと倫理観どうかな、とは思ったが、まぁ婚約者と友人に裏切られて猫も失ってた(取り戻したが)状況で、心の拠り所はもうリッキーしかいない状況で半年頑張っていたからな…ちょっと仕方ないかな、という気持ちも。
あとピートがずっと格好いいにゃんこ。
「未来は、いずれにしろ過去にまさる。誰がなんといおうと、世界は日に日に良くなりつつあるのだ」
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