あらすじ
第20回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞作!
「連発される密室トリックの中ではドミノの密室がイチ推し。本格ミステリ刊行ラッシュの中に割って入るだけの力はありそうだ」大森 望(翻訳家・書評家)
「密室殺人づくしの趣向が楽しい。主役の二人をはじめキャラ設定もいかにもマニアックかつ軽快」香山二三郎(コラムニスト)
「これでもかというくらい密室ネタを盛り込んで、遊び心たっぷり。探偵役となる少女も謎めいていて魅力的だ」瀧井朝世(ライター)
「密室の不解証明は、現場の不在証明と同等の価値がある」との判例により、現場が密室である限りは無罪であることが担保された日本では、密室殺人事件が激増していた。
そんななか著名なミステリー作家が遺したホテル「雪白館」で、密室殺人が起きた。館に通じる唯一の橋が落とされ、孤立した状況で凶行が繰り返される。
現場はいずれも密室、死体の傍らには奇妙なトランプが残されていて――。
(著者プロフィール)
1985年、山口県宇部市生まれ。東京理科大学理工学部卒業。現在はシステム開発会社に勤務。
第20回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリを受賞し、本作でデビュー。
感情タグBEST3
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純度の高い密室もので、小さい頃に
古典密室ミステリーを読んでいた時の頃を
思い出して懐かしくなった。
とはいえ、作者の密室愛に対して
読み手が付いてこれるか、置いてけぼりをくわないかが難しいところ。
ライトな文体で軽さがあるの救いで
そこはバランスとったのかなと思います。
1つ1つの密室をしっかり味わえないまま
次、次、と行く感じがあったので、
もう少し図があったり、密室を丁寧に検討する描写があるといいのかなと思いました。
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これは読みやすい 東川篤哉先生の本を読んだことがある人なら、絶対ハマる。随所で笑えるシーンはあるし、密室殺人について考えさせる内容になってた。
今回も、犯人外しまくりで切ない。
Posted by ブクログ
鴨崎暖炉のデビュー作。初読の作家。既刊3巻となったので、まずは一作目から。
最高裁の判例により密室が明かされない限り、無罪となる世界。過去にミステリ作家が実際に密室を作ったという、山奥のホテルを訪れた葛白と夜月は、密室殺人に巻き込まれる。また葛白はホテルで懐かしい同級生と再会し…
これでもかというほど密室トリックが堪能できる作品。若干のバカミス感があるトリックもあるが、ラストのトリックはなかなかの物。軽いタッチなのと、説明がわかりやすいため非常に読みやすい。
惜しいのは、一緒に訪れた年上の幼馴染。ストーリー上、巻き込まれるきっかけとなる存在が必要なのはわかるが、正直いなくても…と思うくらい途中から影が薄かった。2作目以降に期待。
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プロローグの時点で、文句なしの星5!
今まで読んだ本の中でもトップレベルに面白い導入である。名前が覚えやすいのも良かった。
解説にもある通り、遊びたっぷりの作品。エンタメ性、ゲーム性に軸足を置いた振り切った設定という言葉もまさにその通り。
イメージするのに体力は使うけれど、実際の現場を思い浮かべながら謎解明の描写を読んでいき、すとんと腑に落ちる瞬間が気持ちよくて癖になる。
ただ本当に、エンタメ性とゲーム性に振り切ったが故のライトノベル感のノリだけがどうしても残念に感じた…。でも、それを含めても面白かったので星5。
続編もあるから楽しみ〜!
Posted by ブクログ
小説として読ませる、というよりもなんかメディアミックスを前提にした感じがしなくもない。悪い意味ではなく。そのあたりにラノベ感があるのかもと思う。設定自体はぶっ飛んでるのかもしれないけど、作中においてその設定自体はむしろ論理的でさえある。そしてそれは密室にとことんこだわるためのものなわけで、徹頭徹尾論理性のみを追求したと言えそう。
その分、なのかはわかんないけど、時々出てくる「私、気になります」などのおちゃらけがより際立つのかもしれない。
トリックとしての完成度がどうかという専門的な判断は下せないけど、それでもなるほどなるほどと感じ入った。ただ、例えば料理において作り方にこだわれば美味しくなるとも限らないということと同じで、ミステリーも所作やトリックの美しさだけですべてが決まるわけではないのだろうと思う。特に僕のようなただの素人は「読み物」としての全体性とか統合性のようなところにも目がいくわけで。そう考えたとき、この作品の評価にはちょっと悩むところもある。動機というか、ミッシングリンクがけっこうあっさりしてたから。なんかもったいない気がするんだけど、多分それも意図的なんだろうなぁ。密室の不解証明だもんな(笑)
そして、やはり隣室Aは存在するのかどうかは、私、気になります。
密室トリックのデパート
密室トリックが目白押し!
密室、密室、密室、密室、密室、密室。
密室好きにはたまらない密室ミステリィ!
多彩な密室のオンパレードで、最後まで飽きさせないとは、なんとも贅沢な一品です。
密室トリックの可能性について、前向きな姿勢が随所から感じられ、前途有望な作家さんとして今後の活躍に期待が持てます。
登場人物のミステリィに対する思いが、これまた魅力的で、キャラクターの掛け合いが楽しい。西尾維新先生の物語シリーズなどのノリが楽しめる人には刺さるはず。
ふと、駄洒落で人物名を憶える夜月を見て、剣崎比留子がパッと浮かび、『屍人荘の殺人』がお好きな作家さんなのかな? と思っておりましたら、解説にて好きなミステリィとして挙がっており、ああやっぱり! と膝を打ちました次第。
それにつけてもミステリィは密室。(おやつはカールの呼吸)
密室トリックが見破られなければ、無罪! とは。
このなんとも思い切った斬新な世界設定は、清涼院流水先生が生み出したJDCシリーズにも通じる面白さがありますが、これって、ちゃんと読者が推理できる本格ミステリィとして楽しめる作品なの? と言う疑問も浮かびはしましたが、心配は全くの杞憂に終わりました。
島田荘司先生が本格ミステリー宣言で掲げた「幻想的な謎が論理的に解決すればそれは本格ミステリだ」と言う条件を十分に満たしています。
綾辻行人先生のように超常現象、西澤保彦先生のように超能力、森博嗣先生のようにSF、今村昌弘先生のようにゾンビ、辻村深月先生のようにファンタジィ、と言ったミステリーとは異なるジャンルの設定を、謎を紐解くための手掛かりとして組み込んでいるわけでは無いため、所謂、そう言うたぐいの特殊設定ミステリではありませんが、間違いなく特殊な設定の本格ミステリィ小説であることは確かです。
密室にこだわった、こだわりの密室ミステリィ。
次回作は、本当の意味での特殊設定ミステリが執筆されるのでしょうか?
わたし、気になります。笑
Posted by ブクログ
トリックを紹介したいから話を作ったような小説、登場人物もこじつけたような名前でメインは密室トリックなんだと改めて思った。それにしても液体窒素好きだな。
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ー 三年前に蜜村が使ったトリックと、同じトリックが使われた密室に。かつて彼女が文芸部の部室で語った『究極のトリック』が使われた密室に。「私がお父さんを殺したの」―
一年前の夏の日に、彼女が僕に語った言葉。夏の茜色に染まった路地で、彼女から聞かされた言葉。そして僕はあの日から、彼女の残した密室の謎に執着した。まるで恋に落ちたように。あの日から僕の生活は、彼女の密室を中心に回り始めた。
思春期の男子が、中二病のラノベにハマるように。お気に入りのアイドルグループに執着するように。あるいは気鋭のミュージシャンに憧れ、ファッションや口調を真似るように。僕にとってはそれが、蜜村漆璃の密室だった。 すべての熱量を持ってそれに挑んだ。まるで世界から彼女の密室以外の、すべてがなくなってしまったかのように。 ー
密室ものが大好きな人の為の密室&ラブストリー。
ボーイ・ミーツ・ガール&密室殺人。
素敵な構成。そして、密室の為の密室。
密室を無駄な装飾ではなく、必然にさせる世界観。
とても素敵な世界観だ(@ ̄ρ ̄@)
密室はミステリーの無駄な装飾なんかじゃない!
そう叫んでも良い世界の物語。
Posted by ブクログ
密室のハウダニットの趣向をこれでもかと詰め込んだ作品。三つの棺の密室講義さながら、ロジカルに密室の定義が検証されていく過程が鮮やか。作者さんは「なぜ犯人は現場を密室にしたのか」のホワイダニットから本作のネタを考えたとのことで、「密室の不解証明は、現場の不在証明と同等の価値がある」という判例が担保された日本、という設定の思い切りのよさが振り切っていて面白い。
Posted by ブクログ
たとえ犯人がわかっていても、密室殺人の場合、そのトリックが解明できないと無罪になる判決がでて3年。殺人事件の3割が密室殺人になったという設定がおもしろかった。
登場人物に特に魅力があるわけでなく、進行役といった感じで、トリックの解明を楽しむ本でした。
普段、あまりミステリーを読まないので、ノックスの十戒とモーセの十戒、法務省の密室の定義、知れて良かったです。
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密室黄金時代に雪の館で起こる六つのトリックのお話(?)。
密室殺人は無罪とされる時代、これでもかこれでもかと密室殺人が起こり、さらに追加の密室殺人が起こり、過去の密室殺人も関係し、館でのトリックは五つかもね?。
コミカルな人物像と関係性、わかりやすく覚えやすい登場人物名、十戒、読者への挑戦状的な叙述(?)、ポップで楽しく先が気になる展開で一気読み。ラストもまたなかなかステキな終わりかたでしたなぁ。
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一言で言ってしまえば、ひたすらロジックの積み上げで密室を崩して行く参考書みたいな一冊だった。
破綻はなく、登場人物も程よくキャラクターがはっきりしてて、読みやすかった。若干液化窒素が繰り返し出てきたところが残念だったけど、相対的にはバラエティに富んでいて楽しかった。
Posted by ブクログ
鴨崎暖炉さんの作品、初読みです。2025年初作家、26人目です。
密室てんこ盛りな作品です。本格ミステリ好きですが、トリックとか見破るの苦手で最初っから諦めてます。
密室の説明も上手くって、えっ、どういうこと?っていうのがなかったです。
Posted by ブクログ
いかなる殺人も現場が密室の場合は無罪となることが判例により担保された日本。密室による犯行が急増し、密室完全犯罪も起きるようになっていた。そんな中、著名なミステリー作者が遺したホテル「雪白館」で殺人事件が起きる。現場は何れも密室、遺体の側に残されたトランプが示す意味とは。
密室をこよなく愛し、密室と正面から向き合う作者。あらゆる密室とそのトリックが存分に盛り込まれた一冊。ライトノベル調で入り込みやすく、普段は本格推理小説を敬遠する人にぜひ手に取ってほしいと思う小説でした。
Posted by ブクログ
密室殺人のてんこ盛り!
わたしの頭では想像力が追いつきません。
誰か映画でもドラマでもアニメでもいいので
映像で密室トリックを解説して!
アリバイがあれば
容疑者から外れるように
完璧な密室殺人ならば
無罪になる設定
次から次へとでてくる密室
もう考えている余裕もない
作中でてくる十戒に納得し
次から読むミステリーでも当てはめそう
気軽に読めるけど密室重たい一冊
続編もあるとのことですね。
機会があれば手に取る予感大です。
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密室を推理するのが楽しい作品、密室だと無罪と言う設定が好き
そこはかとないライトノベル感あるキャラだなーっと思ってたらあとがきみてやっぱりってなった。
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密室トリックが6つも出てくる豪華さ。
しかも4つは惜しげなくあっさりと解答が提示されてしまうのに、そもそも密室が解明されなければ無罪というキッカケの大ネタが、最後の最後まで分からないのもとてもいい。
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論理的に系統立てて密室にとことん挑む態度は潔し。キャラクターにはいまいち愛着湧かず。
とことん密室尽くしだけど、すっと納得いく説明ではなく、どういうことだろうと何度も読み返したが納得いかないものもあり。実験的な試みは功を奏している。
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クローズド・サークルの中で起きる密室殺人の嵐!
1つの作品の中にこんなにも密室トリックを詰めれるの!?と驚きを覚える作品でした!
舞台設定はありきたりな山荘ですが、発生する殺人事件は全て密室殺人!
主人公と過去の友人の邂逅により始まる推理と犯人探しが読んでて楽しい。
人物もそれぞれしっかり特徴を捉えた紹介をされるので複数人居ても覚えやすかった印象。
一転して個人的には密室トリックは良く考えられていたが、複雑な説明のところは図解があっても何度か読み返す場面があって、全体的に読み進めにくく感じてしまった。
なので、少しストーリー展開していく感覚はサクッと読める感じにはなってなかったかなと感じました!
全体的に細かな説明と考えられたトリックが詰め込まれた密室を解き明かす所はどの事件も楽しく読めて、最後の終わり方も個人的には登場人物に良くあった締め方をしていると感じました。
ノックスの十戒や作品内での密室講義等もミステリー初心者の方には有益な情報かとも思います!
密室を盛りだくさんに感じたい方には是非読んで貰いたいです。
Posted by ブクログ
トリックについて挿絵が入っているのは分かりやすかった。
文章だけだと理解できていなかったと思う。
それにしてもトランプのくだりで偶然が重なりすぎてて…
少し違和感。
Posted by ブクログ
面白そうだと思ったが非常にラノベ感あり。
中学生ぐらいで楽しめそうなレベルだった。
色々な密室があるが、どれもなるほどというよりもああ。そういうことね。という落胆にも近いトリック。
舞台設定や、ストーリー展開は悪くないので勿体無い気がした。
非常にライトに読めるので、本格ミステリを読むには今はちょっと重いという時に軽く読めるものだとは思う。
Posted by ブクログ
たくさんの密室事件が起こり、どんどん解決していくのが新鮮で、とても面白かったです。
主人公を連れてきた幼馴染がなんでイエティを探そうと思ったのかとか、事件以外の要素ももっと掘り下げて欲しかった!
Posted by ブクログ
密室を作ればどんなに怪しくても無罪になるという判決のせいで空前の密室ブームとなった世界。なんと六つの密室殺人が一つの館で起こっていく。密室を突き詰める発想は面白いが、登場人物のラノベ感とそもそも密室というものにそんなにハマれず★3。
Posted by ブクログ
密室がたくさん!
どんどん事件が進んでいくので、読んでいて飽きなかったけど、漆璃がトリックを解く展開は単調さを感じた。
物語としては、終わりが二転三転していく感じがハラハラして楽しかった。でも犯人の動機が薄く感じたのと周りが死に順応しすぎな気がした。
登場人物としては、主人公の香澄が解いていくのかと思いきや、意外とポンコツなのが面白い。
夜月はヒロインなのかと思いきや、後半ほぼ出番無しで、漆璃が代わりにヒロインになっていた。いかにも探偵風の探岡が序盤で脱落するのが意外すぎた。
密室を解いていくのが好きな人はとても良いかも
こんなに密室を考えられるのが純粋にすごいと思った。
Posted by ブクログ
読みたいなと思っていた本が、掃除していたら出てきた。
以前買ったみたいだったけど、読んだ覚えが全く思い出せない状態で、読み始めたけど、最後まで読み終わって、一度読んだ事に気づいた。
Posted by ブクログ
複雑な仕掛けのトリックが多くかなり頭を使いましたが、充足感はあります。密室殺人で父親を殺した少女が密室の謎を次々と解いていくという爽快感がいい。ガッツリミステリーを読むならおすすめ。
Posted by ブクログ
「誰が犯人かなんてどうでもいい」と語られるほど、密室トリックにこだわった一冊
それ以外に読みどころなし
かなり無理のあるトリックもありますね
ちょっとラノベっぽい作品でした
殺人が起こるのに、悲壮感ゼロ
読みやすいので、暇つぶしのどうぞ
Posted by ブクログ
久しぶりの物理!タイトル通り密室がどんどん出てきて結構楽しかった。でもひとつひとつが薄っぺらくて満足感が得られない。カーテンに穴って。持った弾丸が暴発って。天井から脱出って。なんだそりゃ。
とりあえずの十戒で雰囲気を作っても細部が軽すぎて浮いちゃうし、もっとライトに振り切ればいいのに。