小説・文芸の高評価レビュー
-
-
Posted by ブクログ
久々の重松清さんの作品
走馬灯の絵師たち?のお話。走馬灯とは死の直前に見るという自身の記憶。そもそも走馬灯とは影絵の細工が施された筒状の紙灯籠のこと。
それを生前に内容を確認して作り直す事ができる人を走馬灯の絵師という、というのが本作品ての設定になっている。
主人公のはるちゃん、その母親のふうちゃん 本当に親子かと思うくらい性格が違っているように感じた。はるちゃんもナンユウくんも優しくて良いなあと思った。
同じ時間をともに過ごした家族でも、各個人によって思い出、なつかしく思うもの、そして記憶に残っているものは違う、確かにそう思う。でも、それはそれでイイ。個人の価値観なので。
さて、自分の走馬灯 -
Posted by ブクログ
ネタバレ満願という言葉、普段使わないなーと思って調べたら「満願成就」て言葉がありますよね。あーなんかそういう願いが叶うような感動的な物語かな!と読む前に思っていた私を見事にボコボコにしてきました(笑)青春系米澤ワールドではなく、ブラック&ビターの方でしたね。願いというか欲望というか……人の願いとは、行き着くところは欲望なのでしょうか?生きているから願いがあるのか、願いがあるから生きているのか?人間の本質に踏み込んでいくような作品でした。面白い!!
「柘榴」は雰囲気ちょっと湊かなえさんっぽいなーと思いました。月子の傷が深いのは何故だろうと思ってたら……そういうことね!と。全てが繋がりましたね。
-
Posted by ブクログ
1作目の内容を全然覚えていなくて、冒頭ちょっと戸惑った。事件の本筋に入ってからはのめり込む様に読んで、読み終わって感慨に浸ってる。興味を引く事件、飽きさせず進んでいく展開、それから心に残る結末。一気読みした。
ビップは優れた探偵役だけど、ヒーローじゃない。悩んで苦しみながら、事件をおいかける、一人の少女だ。彼女がもがく、等身大の様子に心奪われる。
「事件」には綺麗な解決や終わりなんてない。物語としては幕を閉じても、誰かの心、その人生に爪痕を残す。それは時に悪意の輪となることもあれば、何か導きの様に人生を繋いでいくこともあるのだろう。ビップはこの先、どう消化して立ち向かっていくのかな。
続編も読 -
Posted by ブクログ
表題のように「愛書狂」
ビブリオマニアの小説を集めたもの
あとがきにはこんなことが‥
『恋の病にはさまざまな治療法が考えられる。
肉体の衰えという自然治癒への期待すら。
それにひきかえ、書物狂の疾患には、
誰もが口を揃えて言うように、快癒の
見込みが完全に絶たれている。
年齢もまたかかわりない』
確かにこれは相当な不治の病!
世界に一冊であったり
初版本
サイン本
内容よりもそのたたずまい
装丁の美しさ
その本のためなら
なんでもしてしまう
すべてをつぎこんで‥‥
フランスにおいてはことに
その病が流行していたようです
登場人物たちのどうにもならない
物欲!怖いけれど
なんか、わかってしまう