小説・文芸の高評価レビュー
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リーマンショックの頃、私は小学生だったので言葉は聞いたあるし、様々な株のチャートが凹んでいるのは見たことがあるが深く理解できたのはこの本が初めてだった。
人類が生み出した資本や株式市場などの虚構の世界で正気とは思えない錬金術を考え、さらに多くの人は疑うこと・考えることを諦めた。
いつになるか分からないが必ずまた市場がパニックになる時が来ると考える。それはリーマンショックよりも前から起きている負の連鎖として。
人間の過ちは、大きな軌道修正をしないとまた同じ軌道に戻ってしまうのが、常であると思う。2026年の中東情勢も振り返れば9.11や湾岸戦争、イラン・イラク戦争が背景にあり反省をしてこな -
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ネタバレ正直、自分に重ねながら読んでいた。ウェルテルの感情の大枠には共感できたが、ウェルテルの行動や細かな感情には自己陶酔を感じると言わざるを得ない。ウェルテルはとても感情的な人間で、だが賢かった。作品の根幹となる自死というものについて、理論的な人間であるアルベルトと話し合う場面もあった。その場面では、ウェルテルはアルベルトとは根本的に異なり、相容れないだろうという感情が先行し、これが後々の蟠りに繋がったのであろうと感じた。思い込みが激しく、それに違和感を感じる事ができるほど賢いが、改善には繋がらないような人間臭さがあった。その人間臭さがロッテへの執着につながった。ロッテの性格を考えると、アルベルトと
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ネタバレ清霞が美世に優しいのは変わらないけど
それに加えて美世に甘えてるような
ちょっとデレてるような感じがあるし
美世は清霞の身体を案じて一緒に山籠りしたり
ちゃんと気持ちを伝えるようになって
美世も清霞もいい意味で変わったよなぁー。
でも
そんな中で伝承や美世の夢見の力で
土蜘蛛の居場所を掴んだ清霞と佳斗は
最終局面のよんな緊張感があって
誰かが命を落とすんじゃないかって不安になる。
伝承が真実であるならば
土蜘蛛の元は1人の女性であって
美世の夢見の力が効果があることを期待したいけど
清霞からしたら美世が心配だろうね。
それでも美世を信頼して
一緒に戦おうとするから凄い。
これからどん -
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小川洋子さんの記憶の消滅に関する小説。
『博士の愛した数式』でも80分しか記憶を持たない数学者がおり、今回の小説と「記憶」というテーマで共通するところがある。
儚く自然と涙がこぼれるような物語。
モノが人々の記憶から消滅していくということは、モノに宿る人々の想いさえも無くしてしまうことなのかもしれないと感じた。
私自身も数々の記憶を忘れてしまっているのだろう。
ただ、今回小説を読んだことで、その時の想いや感情などできる限り日記に留めておきたいと感じた。
それが記憶、その時の感情・情景を思い出すことに繋がると思うから。
解説で、記憶しているがゆえに、迫害され、粛清される。そこで、ユダヤ人差 -
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ホテルマンとそのホテルの筆耕士として登録された書道家との物語です。
全く見ず知らずだった2人が知り合い、実直なホテルマンが自由奔放な書道家に振り回されながらも、少しずつ関係を深めていく過程に、「三浦しをん」さんのコミカルな文章も相まって、すっかり引き込まれてしまいました。
『舟を編む』もそうだったけれど、「三浦しをん」さんの紡ぎ出す文章そして作品はとても読みやすく、何だか優しさが伝わってきて、登場人物は皆んな人間的にも魅力的です。普段ほとんど関わることのない特殊な仕事をしている人たちなのに、こんなに彼らに親しみを感じるのは、間違いなく「三浦しをん」さんの文筆力に負うところが大きいので -
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全体を通して大きな事件は起こらず、穏やかな気持ちで読める作品だった。
主人公やその周りの人々の心の揺らぎ、そして季節の移ろいの繊細な描写が素晴らしい。
これからの桜の開花が楽しみになった。ヤマザクラを探してみたくもなった。
秋が来て喜ぶ主人公に、母が「秋の物悲しさや悲哀はまだわからないでしょう」と話すシーンより。(p.111)
わたしは主人公と同年代くらいだけれど、秋の悲哀も好きだ。
そして、わたしの人生の季節は今どこだろうと考えた。
初々しい春が過ぎ、華やかな夏を越え、出産を間近に控えた今、
わたしは実りの秋を迎えようとしているのかもしれない。
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完璧だった家族がゆっくりと起き上がるような物語。
長男の劇的な死をきっかけに家族がちょっとづつ崩れていく。母親の飲酒によりゆっくりと。残された子供たちも、それぞれのネガティブな感情を抱えてしまうことになる。長女は親しい人が急にいなくなってしまうことへの恐怖を、次男は母親からの関心が返ってこないことの寂しさを、次女は長男の影響力に対しての怒りを。
長男が唐突に死んでしまうことはファンタジーっぽかったが、家族にじわじわと広がるネガティブな空気感は現実的で苦しい。それなのに読後は爽やかさを感じるから面白い。
これは物語後の妄想。
父親と子供たちは長男の死を受け止められるが、母親は受け止められな -
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Posted by ブクログ
日高愛子というアイドル目線から描かれ、アイドルとは、アイドルファンとは何か、そして人生をどう取捨選択するかを考えさせられた。
純度100%で幼い頃からアイドルを夢見ていた愛子が、その夢を叶えアイドルとなり、武道館を目指す中で芽生える揺らぎや葛藤、そしてその残酷さが非常に高い解像度で描かれていた。
思春期の女の子をこんな丁寧に描ける朝井リョウまじですごい。
歌って踊るのが好きな自分と幼馴染の男子が好きな自分はどちらも紛れもなく自分自身なのにそれが成り立たない葛藤と苦悩の中で、愛子が自分にとってほんとうのことを探し、人生を選択し、その選択を自分で引き受ける姿にエールをもらったような気持ちである
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