小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレこんな感情を抱くことになるとは、思いませんでした。
愛とはなにか、その答えのない問いを自分なりに言葉にするためのヒントを与えてくれた気がします。
自分の中に他者が息づいていること、そして他者の中にも自分が息づいていること。そして、その他者と共にいることをこれからも選び続けること。
ラスコーリニコフは、大それたことを成し遂げようとするそのエネルギーも素晴らしいものではあったが(ポルフィーリーが彼に感じていたように)、最終的に、ソーニャとの出会いと時間を通して愛の尊さを、頭ではなく、心で理解したというところが、私の心に深く大きな感情をもたらした理由だと思う。 -
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ネタバレすごく読みやすくて好きな物語だった。読み終わってすぐに2巻目を探して借りた。
内向的で周囲に上手く馴染めなかった主人公が、バイトを始めて違う自分を演じることで、内面に変化が生じ、どんどん成長していった。
私はよく、自分じゃない他の誰かを演じて苦手なことを乗り切っていた。でも、この主人公のように1歩踏み出して挑戦するために、自分を変えるために、新しい世界を見るために前向きに別の自分を演じることは、自分の成長に繋がるかもしれない、とわくわくした。
ただ、主人公は先輩に対して好意に近い憧れの感情を持っていた。街で見かけた先輩を追いかけて親から禁止されてるバイトを始めるくらいには。でも先 -
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ネタバレお前に一つだけ伝えておく。絶対に俺を裏切るな――。父を亡くし、空虚な心を持て余した税理士の栗須栄治はビギナーズラックで当てた馬券を縁に、人材派遣会社「ロイヤルヒューマン」のワンマン社長・山王耕造の秘書として働くことに。競馬に熱中し、〈ロイヤル〉の名を冠した馬の勝利を求める山王と共に有馬記念を目指し……。馬主一家の波瀾に満ちた20年間を描く長編。
「新潮社」内容紹介より
実は今年、人生で初めて競馬場に行って、G1レースを見た.
ものすごい人の波に酔い、走る馬が通り過ぎる迫力に圧倒され、
馬が走る姿に魅了された.
馬たちが塊になってゴール前に近づくとスタンドから地鳴りのような歓声があがる.
鬣 -
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たまたまなのか、合わせて発刊されたのか、ちょうど天安門事件37年目の日から読みはじめた。
果たして中国本国であれば本書は発刊できるのだろうか。
天安門事件と言えば必ずと言っていいほど出てくるあの映像。
民をねじ伏せる力の象徴的な戦車と、それに対峙する一人の勇敢な男。
あの象徴的な場面が何処かで描かれるのか、そこに立つ人物は勇強なのかどうなのか、そう思いながら読み進めた。
…そしてついに。
そう書くか。胸熱じゃないか。
経済の発展と統制と。
矛盾を抱えたまま37年間。
一言で良し悪しを語れない中国の姿を、
それぞれの登場人物を通して感じることができる良作だった。
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相場英雄『心眼』実業之日本社文庫。
見当たり捜査班に配属された若手刑事の苦悩と成長を描いた警察小説。
テレビのドキュメンタリーやドラマなどで見当たり捜査という手法があり、専従する警察官が居ることも知っていた。見当たり捜査とは数百人もの指名手配犯の顔写真や特徴を頭に入れ、街角に立ち、ひたすら指名手配犯を炙り出すという神技のような捜査方法である。
相場英雄はこの見当たり捜査をテーマにしながら、見当たり捜査とは対極にある顔認証技術や防犯カメラによるリレー捜査を描いており、なかなか面白いストーリーになっている。また監視社会の是非についても触れており、興味深い内容となっている。
個人的には人間の -
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二百十日は別で読んだので、野分に関してだけ。
私は漱石が描く物語の面白さやキャラクター性ももちろん好きだが、考え方や言葉の部分に特に惹かれているんだなということを改めて感じることが出来た。
「呑気なものや気楽なものは到底夢にも想像し得られぬ奥の方にこんな事実がある、人間の本体はここにあるのを知らないのかと、世の道楽ものに教えて、おやそうか、おれは、まさか、こんなものとは思っていなかったが、云われてみると成程一言もない、恐れ入ったと頭を下げさせるのが僕の願なんだ。」
「文学は人生その物である。苦痛にあれ、困窮にあれ、窮愁にあれ、凡そ人生の行路にあたるものは即ち文学で、それ等を嘗め得たものが -
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倒叙ミステリといえば、わたしにとっては、まずは福家警部補シリーズ。そして、この城塚翡翠シリーズ…なんだけれども。じつは、倒叙ものとしては本作で2作目。1作目も変化球の倒叙ものと言えなくもないけれど、やはり2作目からが直球の倒叙ミステリだと思う。
そう考えると、たった2作にして倒叙ミステリの代表格に躍り出るという、城塚翡翠の魅力がまぶしい。
本作は過去2作に比べて、より翡翠の人間味、本音の見える作品だった。たとえば、福家警部補シリーズは福家自身の視点では語られない。フルネームさえわからず、あくまで第三者の語りによって、どうい人物かを思い描くしかない。一方で城塚翡翠シリーズは、特に本作は、翡翠の迷 -
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ネタバレ2024年、『十角館の殺人』が実写ドラマ化され、私はその年の年末年始の休みに一気に視聴したわけだが、原作を読んだのは大学時代だっただろうか。少なくとも10年以上は前になるだろう。なんとなく話の流れは覚えていたものの、新鮮な気持ちで楽しく観ることができた。
そして、2026年2月、その続編となる『時計館の殺人』もドラマが配信されるそうな。これは配信が始まる前に原作を読まねば!と勇んで本屋に赴き、『時計館の殺人』上下巻を買い求めた。さすが映像化されるとあって、その本屋では他の作品も含めた映像化原作本コーナーが設えられており、労せずして目的を達することができた私はホクホク顔で帰路についたのであった。
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