小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
短編集だと知らずに手に取ったので、期せずして短編集というものに初挑戦となりました。読みやすさは皆さんが言うとおり。隙間時間に読み進めましたが、1週間ほどで読みきれて満足度が高かったです。学生さんの朝読書なんかに良いのではないでしょうか。
個人的に笑えて楽しかったのは【彼氏がサバ缶になった】と【食べログ1.8のラーメン屋】でした。他がほとんど感動するか考えさせられる話なので、何も考えずに楽しく読めるのはこの2本。
終わり方が美しかったのは【おはよう、ジョン・レノン】ですね。すごく綺麗な気持ちになるというか…。
シュールと恐怖の共存が好きな方は【世界がそれを望んでいる】や【出産拒否】がハマりそう。 -
Posted by ブクログ
シラミ一匹を殺して、大勢の人間を救えるなら、殺人は正当化できるのではないか。
というラスコーリニコフの殺人の動機は、いかにも愚かで。まるで、コロナ禍でパチンコやる人のこと弾圧してる人間の論理と一緒のような気がしました。
殺人を犯したあの日から何も感じないように、そうやって自分自身までも殺して生きていくんですけど、その内面と向き合わなければ、苦しくて苦しくて生きていけない。
ソーニャの父親の事故によって、ソーニャと再会し、「善行」を施し、ソーニャの兄弟から感謝されることによって、ラスコーリニコフは、罪と善行の均衡がとれたような、そんな気がしたんだろうかな。そのとき、死刑の直前に恩赦を受けた気 -
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最初に、太陽を維持するために人間の心臓を捧げる儀式が出てきて、佐藤究さんの『テスカトリポカ』を思い出した。テスカトリポカはアステカ神話、ジャガーワールドはマヤ文明、どちらもメキシコを含むメソアメリカ。
帯にある通り、滅びゆく国の物語なのだけど、人間の物語とも言える。
今、世界が平和じゃないから余計に心に響いた。
とてもとても興味深くて、ぐんぐん読めた。
そして、たくさんたくさん考えた。
フォスト・ザマとカザム・サク、神官同士の論戦部分は特に考えさせられた。
国を為すのは難しい。
本を読むたびに思うことだけど、政治家はこういう〈人間について書かれた歴史小説〉を読むべきだと思う。
色々な人 -
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主人公は小学4年生の二人の女の子。
クミの母は一級建築士として働き充実していたが、夫の転勤で仕事を辞めて転勤生活になることをきっかけにうつ状態になったのか部屋で引きこもり生活を送っている。
癒知は新興宗教の「降り子」として、教祖のような役割をさせられている。
そんな二人が出会って・・という話。
湊かなえの「暁星」も宗教2世のことをテーマとする話題作だったが、この小説も宗教に巻き込まれる子どもたちという視点では「暁星」にも劣らない小説だったのではないか。
文体はやさしいが、臨場感に富み、ラストシーンはハラハラした。
「(大人は)つよいくせに。なんでも持っているくせに。いざとなれば、自分の足 -
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"【儀礼殺人(ぎれい・さつじん)】ある儀式にのっとって、人体の一部を得るために行われる殺人。"
著者は、ボツワナで女性初の最高裁判事となったユニティ・ダウ
そんなお堅そうな人がなぜこんな手に汗握るサスペンス小説を書けるんだろう!
フィクションの体は取っているけど、今でも呪術薬の材料にする目的で殺害される少女たちがいる事実、超階級社会の男たちの醜悪な姿、そしてライオンやゾウがいる環境が実際にそこにあるから、日本人からしたら現実離れしすぎている現実に打ちのめされた
"「文化」というものは、固定されたものではありません。本当の意味で「自分たちの文化を存続させ、繁栄 -
Posted by ブクログ
大正から現代に及ぶ百年の時の流れを、ピアノと音楽を軸にして描いた壮大な人間ドラマです。様々な感情を呼び起こす上質の音楽を聴き終えたような余韻を生みます。
物言わぬ一台のグランドピアノが全てを知っている。愛と憎悪、生と死、光と影…、ピアノの白と黒の鍵盤が紡ぐ音楽のように、時代のうねりの中で人生の喪失と再生をつないでいくストーリー構成が、実に巧いなと感じました。
運命に翻弄される華族の女性、ピアニスト、そして見届ける調律師。人物造形も秀逸ですが、歴史的な背景と繊細な心理や葛藤の描写、さらに数奇な運命を見届けるグランドピアノの存在が重なり合い、切なさを助長します。
人は、絶望の中に見つ