ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 渇愛 ~頂き女子りりちゃん~

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    ページを進めるほどりりちゃんはつかみどころがなくなっていく。そんな感じがする。

    りりちゃんはめちゃくちゃ優秀な子だと思う。マニュアルは接客や営業の勘所をおさえていて詐欺ではなくビジネスに適用しても上手くいっただろうし、人の感情の機微を捉える天性の上手さもある。冒頭、不覚にも彼女を魅力的な人物と捉えてしまう。ただ読み進めていく中で、罪の意識の薄さや被害者への罪悪感のなさが明らかになるにつれ、彼女のことがよく分からなくなる。りりちゃんを演じているようでもあり、脊髄反射的なコミュニケーションをしているだけのようでもある。

    詐欺は悪いことだし、事件自体は孤独や疎外感を持った人たちの不運な出会いによ

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    2025年12月02日
  • そして、バトンは渡された

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    幼い頃に母を亡くし、父とは海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。
    血の繋がらない親の間をリレーされながら
    どの親からも沢山愛されて成長していく。
    優子が結婚する時はジーンときました。

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    2025年12月02日
  • 流浪の月

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    友人に勧められて驚いた本。
    読書週間のなかった私が、ものの1週間弱で読み切ってしまった。隙あらば本とばかりに、会社の休憩時間にまで読んでいた記憶。
    凪良さんの描写が好きすぎる。こんなの経験した人にしか分からんやん…という言葉がこれでもかと詰まっている。
    『正欲』も似ているが、人の恋愛事情に軽々しく首をつっこむことの暴力性を再確認しました。

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    2025年12月02日
  • 消滅世界

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    人工授精が主流になり、セックスが古いと言われる時代。
    むしろセックスをすること自体が忌避の対象ともとられるような価値観。
    更には出産ですら男性が行ってもよいもの
    とまで価値観が違う世界。

    いつか訪れるかもしれない未来を想像してしまった。

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    2025年12月02日
  • 続 窓ぎわのトットちゃん

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    続窓ぎわのトットちゃんの話の中で好きなエピソードは『本はともだち』で、入院していた頃のトットちゃんにとって本が何よりの薬になっていた事に気が付きました。

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    2025年12月02日
  • 車輪の下

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    ハンスが希望を持って神学校に入学したのに、その後の挫折は現実社会でありがちなこと。優秀な人間は、いくらだっていて、その中で挫折せずに成長できるのはほんのわずか。挫折を糧にして前へ進んで欲しいのは願望。
    私にはハンスも父親の気持ちもよく分かった気持ちになった。

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    2025年12月02日
  • 実感・女性論

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    購入済み

    面白い

    幸か不幸か小職に伴侶はいませんが、
    こりゃあ面白いですね。
    夕方から酒でも飲みながらのどやかに読んでますが、笑いが止まらねえ。
    ドフトエフスキーさんの引用とかもあって、積読してるから読むかねとか思いました。
    ゆるゆる楽しみたいと思います。
    お好みで。

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    2025年12月02日
  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)

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    第169回直木賞受賞作。

    木挽町のあだ討ち。
    木挽町で起こったあだ討ちの場面を、
    堅物の武士が、どうやら聞き込みをしている。
    聞き込みの相手は芝居小屋を仕事場とする面々。
    それぞれの視点から、事の顛末を聞き届ける。
    そして、それぞれに暮らしてきたこれまでがある。
    人生と人生が寄って縒れたところ。
    選りにも縁っての芝居小屋。
    これぞ直木賞受賞作という作品だった。

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    2025年12月02日
  • 塀の中の美容室

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    刑務所内にある一般人も利用できる美容室での話。服役囚という一般的には恐れられる存在が様々な人物の視点から語られる。

    美容師となった女性は、
    付き合っていた相手が既婚者で、さらに流産した事で自我が不安定に。追い討ちをかける様に恋人から

    ー「どうせ産めなかったんだから、これでいいだろ」ー

    の言葉でついに相手を刺してしまう。
    どんな理由であれ刑務所にいることは恐怖の対象となり、その対象を巡る6名の女性とその周囲の人々ための短編集。

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    2025年12月02日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    “静かな革命”みたいな言葉が似合う小説だなと思った。主人公の少年は自分の大切なものと平穏を守るために、残酷な現実と向き合い、時には対峙し、時には逃げ出す。その現実の残酷さにすら気がついていない時もあり、意味がわからないまま大人の世界に翻弄されてしまうけれど、実際生きていてもそんなことは起こりうる。少年の優しさと信念は、自分を変化させながら、時には変化しないことを目標にしながら、ゆるやかに人生を包み込んでいく。小川洋子さん初読みだけど、すっごいわ。

    とにかく序盤から話がどう転がっていくか全く予想できない。先に背表紙を見ていたからチェスの話と知っていて読んだけれど、少年とチェスとの出会いの前にも

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    2025年12月02日
  • ファーストキス 1ST KISS

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    何度も見返してしまう程大好きな作品。
    映画を思い出しながらシナリオを眺めては浸っての繰り返し。
    松たか子さんの寄稿文もとても素敵だった。
    ずっとわたしの本棚に置いておきたい。

    この映画に出逢ってはじめて結婚したいと思えた。
    わたしもいつかわたしの硯駈に出逢えますように、、

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    2025年12月02日
  • ナイルパーチの女子会

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    「両思い確定だけど、まだ恋人になってないワクワクキラキラキュンキュン状態」が女子の友情の特定の期間にはあると思うのですよ。自転車の2ケツシーンが正にそれで、エモすぎてこれ以上読み進めるのが勿体無い!と一旦本を閉じてエモさを噛み締めました。
    が、その後の展開が辛すぎて…。。あぁ、そうだった、私たちはそんなに一筋縄ではいかないのよね。わかるーーーー!!

    全体的にデフォルメ感があるので、「いや、そんなんありえんやろ」な展開に現実に引き戻される事もありつつも(まおちゃんの指令とかね)、結局は家庭環境に端を発していることなどは頷きすぎて首がもげそうでした。

    子育てが若干落ち着いて、ようやく女子の友情

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    2025年12月02日
  • 兇人邸の殺人

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    シリーズ3作目。
    もはや、特殊設定✖️本格ミステリといえば、今村先生を思い浮かべるほど。

    今回も他のミステリでは見たことのないような特殊なクローズドサークルが構成されており、館を徘徊する巨人(見つかると殺される)とともに閉じ込められた人達の間で起こる殺人事件がテーマとなっている。

    特に印象的だったのは、本シリーズの名探偵役である剣崎が、好きで名探偵をやっているのではなく、そのような状況下で自分が生き残るために最善の方法を取ることに一貫している点であった。
    シリーズ1作目、2作目は犯人を探し出すことが、ある意味生き残るために必要であったことに対し、本作では違ったアプローチを見せている。

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    2025年12月02日
  • エピクロスの処方箋

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    シリーズ2作目。
    マチ先生の考え方が本当に好き。
    ゴッドハンドでありながら、医療の力の及ばないことがあることをわかっているところ。
    治すことだけが全てではない。死と向き合う人に対しても、医師としてしっかりとケアするところ。
    相手の地位、立場によって態度を変えないところ。
    好きなところを挙げるときりがない位。
    こんな医師に診てもらいたいというのはもちろんだけど、命について語り合いたいと思える人。
    エピクロスのいう幸福は、死の恐怖から解放され、質素な生活を通じて感じられるものらしい。
    過去や未来に幸福を探すのではなく、「今」の幸福を感じ取れるように…と改めて思った。

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    2025年12月02日
  • 国宝 上 青春篇

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    映画が良かったので、ぜひ原作を、と思って読みました。頭の中に情景が浮かび、登場人物たちの息づかいを感じました。期待どおり、おもしろかったです。

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    2025年12月02日
  • 体育館の殺人

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    これは、面白かったです。謎解きまで読み直したけど、犯人を論理的に解き明かすことはできませんでした。
    また、最後の最後のエピローグが、良かったです。ただの学園ものだけでなく、推理に深みが出ました。
    青崎さんのはまだまだ読みたいです。

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    2025年12月02日
  • 舞台

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    妙に刺さって一気読みしてしまった。
    読み始めて共感性羞恥の一種なのか、ヴーーーと唸り声をあげそうになった。若い頃ならそのまま本を閉じていたかもしれない…
    でも歳をとると言うのは悪いことではないようで、自分は今はもうその痛さの先に居て昔より格段に生きやすくなったな、なんて素直に喜びながら読んだりしていたのだけど。
    半分過ぎたあたりから少し様変わりしてきて真顔になっちゃったよね…

    自分らしく生きるって結局なんなんだろ。
    理想を演じていれば真実になると信じて知らない間にガチガチに固めちゃってた鎧を少しずつ脱いでいくのは途方もなくて勇気のいる作業だけど、柔らかい部分を剥き出しのままでいられるような

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    2025年12月02日
  • 母

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    最初から最後まで泣き通しでした。

    明治初頭の秋田の寒村でうまれ、13歳で結婚、小樽へ渡り病弱の夫を支え、6人の子供を育てたセキ。

    セキの大きな愛情と、明るさ、そして子供を信じるという、親としては至極当たり前のようなことだけれど、自分の子育てを振り返り振り返りしては、その懐の深さと、優しさと強さに感動した。

    私にとって、とても大切な作品になりました。

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    2025年12月02日
  • 三浦綾子 電子全集 母

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    最初から最後まで泣き通しでした。

    明治初頭の秋田の寒村でうまれ、13歳で結婚、小樽へ渡り病弱の夫を支え、6人の子供を育てたセキ。

    セキの大きな愛情と、明るさ、そして子供を信じるという、親としては至極当たり前のようなことだけれど、自分の子育てを振り返り振り返りしては、その懐の深さと、優しさと強さに感動した。

    私にとって、とても大切な作品になりました。

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    2025年12月02日
  • とどけチャイコフスキー

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    岬洋介シリーズ、大好き!最高!
    音楽、演奏の描写も細部にわたり丁寧であり、岬洋介の人柄もかわらず、というか今回はさっぱりした作品だったのでそこまでスポットライトが当たらなかった印象。戦争、政治、そちらの要素がどうしても強かったし捜査の乱暴さも不快だった。それでなきゃチャイコフスキーが語れないのもまた事実なんだろうなと、悩ましかった。岬洋介の血筋の話は感動したー。次は何が来るのか、ドキドキ、ワクワク。

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    2025年12月02日