ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 物語じゃないただの傷

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    乗り越えるために過去や目の前の出来事を物語化して飲み込んでいく。それをただの傷として、蓋をせず、向き合ったまま静かに受け入れる。
    向き合い続けることは痛みを伴うけど、蓋をし続け日常を蝕むよりもずっと健全。
    そういうことを思い出させてくれる。
    物語化するのと同列に、感情をラベル化することで整理しやすくなるけど、実際には100%当てはまるものではないから、やっぱり口に出して、人に話していくしかないよなぁ。
    ぬいぐるみ〜と同じで、今すぐどうにか出来るものじゃないけど、人と対話することを諦めないでいきたいという希望があっていい。
    たまに読み返したい。

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    2026年08月06日
  • この闇と光

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    ネタバレ

    なんとも気持ち悪くて大好きな話だった。
    父はレイアに対してどんな思いを持ってたのか気になるし、レイアも父に対してどんな思いを持っていたのか気になる。お互いに親愛なのか恋愛なのか。レイアには永遠に美しいものに囲まれて愛されて生きていってほしい。

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    2026年08月06日
  • 白色光の影を浚う

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    シリーズ3作目。6年前の事故と麗一の父親など様々な人間関係が絡み合う。麗一の過去があまりに辛くて、感情移入させられた。自分自身が真実と向き合う大切さを感じたし、些細な嘘から人を傷つけたりすることを改めて思い知った。本作だけでも十分楽しめるが、シリーズで読み進めるとより深く入り込めると思う。

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    2026年08月06日
  • 余命一週間の探偵として

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    ネタバレ

    余命一週間の探偵として
    「ジェットならどうする」
    それまで「あとで」を口癖にさまざまなことを中途半端ににしてきたけれど、ジェットは命が残りわずかとなったときに覚悟が決まったみたいだった。(それでもすごい優秀な気がするけど)
    仮に私が同じ窮地に立たされたらすぐ覚悟が決まるのだろうか?たぶん答えはNoな気がする、あたふたしてたまに忘れてふとした時に「死にたくない気持ち」が込み上げて慌てるのが目に浮かぶ。そういう意味では彼女はとてもキマってる人間だった、「あとで」ができなくなった彼女はすごいパワフルだったし何より活き活きしていたと思う、特に最後はやりきって終われたんじゃないかと思う。あのハロウィンの

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    2026年08月06日
  • 夜ふけと梅の花 山椒魚

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    井伏鱒二の最初の短篇創作集(昭和5年・新潮社刊)を文庫化した本(ただし「鯉」は含まれず、「山椒魚」ほか5作品は著者が加筆・訂正した全集版を底本としている)。

    まず、物議をかもした自選全集版「山椒魚」(昭和60年、新潮社刊)について。作者はこの版で、あろうことか作品の結末部分16行をバッサリと削除してしまった。この部分は作品にとってキモとなる箇所であり、心にしみわたる文学的な感動を多くの人に惹き起こしたクライマックスでもあったから、当然賛否両論が沸き起こった。

    私としても、あの「今でもべつにお前のことをおこってはいないんだ」という蛙のセリフに続く余韻が何とも言えず最高!と思っていたから、改訂

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    2026年08月06日
  • 怪物(新潮文庫)

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     小説家が自ら創り出した虚構の世界と現実との境目が不分明になり、虚構世界の側に取り込まれてしまう、という自己言及的展開自体はそれほど珍しいわけではない。しかし、本書の眼目は、それが冷戦期=1950年代末から60年代初めの日本と台湾と中国の歴史の暗部とかかわっている点にある。語りが焦点化する作家・柏山康平(台湾名は王立仁)は、自ら命を絶った叔父の王康平の体験をもとにしながら、「怪物」という小説を書いた。その物語は、叔父が台湾空軍のスパイ中隊のパイロットだったとき、任務中に人民解放軍によって撃墜されたものの一命を取り留め、中国の農村に潜伏して台湾に逃げ戻ってくる、というものだった。柏山はその小説の

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    2026年08月06日
  • ようやくカナダに行きまして

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    全部読めてないんだけど、さすが芸人さんだなと思う文筆で数ページ読んだだけでも面白いと感じる本でした。私は今カナダに興味がないので、数ページ読んでまた今度読もうと思ってたらいつの間にか貸出期限が迫ってきてたので返却しますが、カナダに行きたい!と思った時は真っ先に光浦靖子さんの本を思い出して読みたいと思います。

    カナダは高校生の時までめちゃくちゃ行きたくて調べまくっていたのでほんと人生タイミングだなと思います。
    光浦靖子さんの日本のどこでもいいので、どこかの旅編とかあったら読みたいです!
    私は今国内が気になってます笑笑
    光浦靖子さんの文筆にすごく惹かれました!

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    2026年08月06日
  • 喫茶おじさん

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    やっぱり原田さんの本はどれも美味しそう…♡
    普段喫茶店に行かないのですが行きたくなりますし、コーヒー飲めないですが飲みたくなります!
    それにしても純一郎、コーヒー飲み過ぎではないか?と途中から心配し始めたくらいです笑

    自分のやりたいことを実現するのって素敵ですね。

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    2026年08月06日
  • 咲良は上手に説明したい!

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    自分自身、説明下手なので改善するためのヒントが何かあるかな?と思い読んだが、ためになるし、話も面白かった。
    自分でも使えそうな事をメモしたり、言語化のトレーニングを始めてみるか…と新しい事をチャレンジしようと思えた。

    説明書って知識だけじゃなく、ユーザー目線、機転など色々なものが詰まったものなんだな…と。
    トイドローンの話は読んでいて涙ぐんでしまった。
    ドローンの歴史ってよく知らなかったから戦争に使われていたことに驚いたし、その歴史があったからこそ子供達には同じ思いをしてほしくない、と言う開発者の想いが伝わってくる話だった。

    …咲良と浅倉の「浅倉さん低い」「おまえが高い」のやり取りが好きw

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    2026年08月06日
  • フォー・ディア・ライフ

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    山内練が気になるという理由で読み始めた花咲慎一郎シリーズ。
    2015年にドラマ化してるようで、キャスティングがなんとも…なのもあり、あまり期待していなかったんですが、キャラクターセンスは相変わらずだし、ストーリーも登場人物の多い割にスラッと読めます。

    元マル暴が新宿で24時間営業の無認可保育園の園長。
    保育園の経営費を補填するため私立探偵をして事件に巻き込まれる。
    今までの柴田よしき作品よりもライトです。
    子供の無戸籍問題やジェンダー、正当防衛や差別など、ライトとは言ってもさすがな所をつついてくるな、と。
    人情ってのが強く出てるぶん、どうやらハートフルに感じられたように思います


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    2026年08月06日
  • 別冊NHK100分de名著 フィクションの超越者 筒井康隆

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    筒井康隆をこれから読もうと思っている人も、いくつか読んでみて興味を持った人も、ずっと愛読してきているファンも、それぞれこの本を読んで得るところがあると思う。遠藤周作や北杜夫など、本人も認めている"書き飛ばした小説"があるが、筒井にはほぼそういうものがない。どの小説/小説集も固有のテーマと個性があるので、ここで取り上げられている本がすべてを代表しているわけではないのは自明だし、同意できない人もいるだろう。それ故に、これからの人にはとっかかりとして、愛読者にはその同意できなさを読み直しに、利用できると思う。

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    2026年08月06日
  • お探し物は図書室まで

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    最初は章ごとに主人公が変わる短編ものに対して少しガッカリした。しかし、前の章に出てくる主人公以外の人があとの章で重要な役回りをしていて、全ての短編がぶつ切りてはなく、ひとつの図書室をめぐり繋がっている構成に読んでいてとてもわくわくした。思えば街の小さな図書室なんだから出てくる人物同士に関わりがあるのは何も不思議じゃないのだが、無理やりに関係性を作るのではなく日常の些細な出来事の中で緩やかに繋がっている人間関係がとても心地よかった。

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    2026年08月06日
  • 狂気の山脈にて―クトゥルー神話傑作選―(新潮文庫)

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    ラヴクラフトの文章、語り口は読みにくい。それは、おそるべき恐怖を味わった語り手が自らの体験を逡巡しながら語るという構造になっているから、と(恐らく)ラヴクラフトの文体のせいかと思う。なのでなかなかまどろこしくも感じるのだが、一旦真相が明らかになりはじめると、そのおもしろいことおもしろいこと。なんという想像力、世界構築力! 「古きものら(古のもの)」「ショゴス」「大いなる種族」「先住種族」広大な石造都市。よくぞここまで微に入り細を穿って構想し、描写してみせるものよと驚嘆する。昔栗本薫氏が『魔界水滸伝』で書いていたのだが、本当はクトゥルー神話はラヴクラフトの創造ではなく、すべて事実(真実)で、ラヴ

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    2026年08月06日
  • ノモンハンの夏

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    ネタバレ

    旧日本陸軍の参謀本部や関東軍のエリート達は、ただ頭が良いだけの無能な軍人の吹き溜まりに過ぎなかったことが分かる一冊(その上に立つ高級将校も然り)。
    プライドだけは無駄に高く、自分が全て正しいと勘違いしているため、一部の軍人達による暴走(統帥権の悪用)によって、ノモンハン事件は起こってしまった。
    バカな将校や参謀(エリート)を持っていたことが、旧日本軍最大の不幸。
    成績だけを官僚のモノサシとするのは、今も昔も我が国の欠点ではないだろうか。

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    2026年08月06日
  • 山の上の家事学校

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    家事の定義とは、
    やらなければ生活の質が下がったり、健康状態や社会生活にすこしづつ問題が出たりするのに、賃金が発生しない仕事、すべてのこと。
    多くが自分自身や、家族が快適で健康に生きるための手助けをすること、しかし、賃金の発生する労働と比べて、軽視されやすい傾向がある。

    よくぞきちんと文章にしてくれたと、拍手をおくります。

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    2026年08月06日
  • 一九八四年[新訳版]

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    ネタバレ

    ずいぶん前に買ったんですが内容が怖すぎて途中で積んでいた 今読むと余計怖かった
    ディストピア物を読んでいるとこういう世界に生きてなくてよかったなと思うことがあるんですけど、一九八四年や侍女の物語ってそう思えないのが恐ろしい 現実が寄って行っている
    昔はテレスクリーンとか人がモニターで逐一監視してるのかな、さすがディストピアは狂気的にマメだな〜とか思ってたけど今ならAIで出来てしまうだろうし…
    こういう話に架空の歴史研究文書みたいなのがついてると嬉しいので巻末のニュースピークの部分があって良かった 米国の読書クラブから削るように要請された経緯があったそうで、オーウェルの反対によって残ったそう

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    2026年08月06日
  • GOAT Winter 2026

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    このお値段にこのクオリティ。
    た、たまんねー!!!!
    出版社さん、ありがとう。
    中でもルリいろのハねがあまりにも良すぎて、何度も何度も読み返してしまった。
    1番大好きな話。
    短編でここまで心揺さぶられたのも初めてである。

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    2026年08月06日
  • 派遣者たち

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    キム・チョヨプの長編。めちゃくちゃ面白かった。
    氾濫体と呼ばれる未知の菌類から地上を取り戻さんとする派遣者たちの話。

    前半はどうやって派遣者になるかで、後半は世界の秘密を紐解いていく感じ。間に主人公のテリンの秘密と彼女を育てたイゼフの視点が挟まっている。

    個としての自分を捨てれば、死ぬことはない。
    溶け合い混じり合い永遠になっていく。
    けれど、それは本当に自分だと言えるだろうか。
    そもそも自分とは一体なんなのだろう。

    世界の認識の仕方は様々で一元的には決められない。
    テリンの葛藤が非常にSF的で好き。イゼフとの関係は母娘関係にも似て濃い。

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    2026年08月06日
  • あなたについて知っていること

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    ネタバレ

    「あなたについて」というタイトルが示すように、前半パートは語り手が謎のまま、エジプト人医師ターレクを主人公にして彼の物語が展開していきます。

    序盤こそ訳書あるあるの読みづらさ(笑)と、かなり行間が詰まってる(改行がない)ことも影響し、紙面に圧倒されましたが、ターレクがアリーと出会い関係が深くなってくる頃にはすっかり物語の中に没入することができました。

    学生時代から優秀で、父親のような医師になることを期待され、その期待を当然のことのように受け止め、真っ直ぐな道を歩んできたターレク。

    貧しい家に育ち、性に奔放に生きる(ように見える)アリーに出会い、アリーの母との約束もあり、心も体もアリーに寄

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    2026年08月06日
  • 噛みあわない会話と、ある過去について

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    誰しもが一度は経験したことのある人間らしい泥臭い感情や気まずさの場面。言葉にするのも難しいそれを文字にするのはさすがは辻村深月先生。
    自分が共感できるのはどっちの立場?読むたびに感じるこの気まずさは、正直誰にも共有できないかも。

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    2026年08月06日