ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 杉森くんを殺すには

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    ネタバレ

    タイトルには驚かされた。
    そうか、殺すってそういう意味か。
    すごい話だ。
    なかなか正面切って取り組める問題ではないが・・・
    主人公は高校1年生か、文章的にはもっと小さい子でも大丈夫だが、中身はやっぱり高校生だなあ。
    いい話だった。
    モーニングワーク、グリーフケア
    ぎりぎりのところで生きている人たちの助けになればと思う。

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    2026年02月06日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    恵まれすぎもしない悲惨すぎもしない、最大公約数的な韓国人女性の物語。日本人女性にも通じるものがあり、そして描かれ方がより私たちに諦念を感じさせるものだった。
    私は幸いに仕事でジェンダー差別を受けたことは無いが、日常生活の中で他人事とは思えない要素がたくさんあって胸が苦しくなった。
    この作品の中で抱いた諦念をそのまま現実に定着させないために、ひとりひとりが男や女であるよりも前に人間であるということを多くの人がこの作品を通して感じると良いなと思った。

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    2026年02月06日
  • 丸の内魔法少女ミラクリーナ

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    ネタバレ

    村田沙耶香の作品に共通するテーマは、セクシャル及びジェンダーの常識や定説に対する忌避感であると思う。女性が被る男性性からの抑圧や差別、性行為で直面する男性優位。著者はそのような状態からの脱却を試みる。
     
    しかも、完全にないものにするのではなく、無味無臭で高尚な営みへと変換するのだ。登場人物や設定が提示する身体性からの脱却と再結合に読者は不信感を抱く。その不信感を持つこと自体、常識やイデオロギーに覆われているということを読者は自ずと認識し立場を危うくする。

    そういった観点から「無性教室」をおすすめする。
    舞台となる学校は「性別」が禁止される。真っ白な校舎はその中性的な空間の象徴であろう。

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    2026年02月05日
  • HHH インド人、ジャパンの競馬をHelpします!

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    競馬の世界にいない河野氏によるノンフィクションルポ。HHHはヒンディー・ホッカイドウ・ホースマンの略称(造語)だが、登場人物はヒンディーに限られず、イスラム教徒もいるし、出身地もインドに限らずベトナム・南アメリカ・ジンバブエなど幅広い。また、取材地も北海道が中心だが、千葉に行った人を追いかけたりもしている。

    北海道ではインド人が多数いることや、マレーシア人のエージェントがいることはなんとなく噂では聞いていたし、地方競馬場では日本人ぽくないルックスの方が馬を引いているのをよく見るようになった。
    そのあたりの事情が非常によく分かる。

    浦河町では2015年に13人のインド人が初めて住民登録をし、

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    2026年02月05日
  • 雪夢往来

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    越後塩沢の縮や質屋で生計をたてている鈴木儀三治は、父の跡をとって商業を生業としている。ある時江戸に滞在し、雪の話をしたが江戸者には何の話をしているか伝わらず、嘘をついているとさえ思われてしまう。越後のことを江戸の者に知ってほしいと越後の話を書き溜めた。

    せっかく書いたものなので、出版までいかなくとも何かにして欲しいと人を介して山東京伝にお願いしたところ、手直しする形で出版できるかもという話になったが、出版元が見つからない。耕書堂も鶴屋さんも西村屋さんも二代目。板木代50両払うならという出版元を見つけたが、やはりそこまでの額は出せない。次に大阪の方での出版を試みるが、結局こちらもダメ。
    山東京

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    2026年02月05日
  • 赤く染まる木々

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    もう一度読み返すとしたらどの部分かと聞かれたら、どこも当てはまらないと思います。それだけ衝撃的で残酷な物語でした。アメリカに強く根付く黒人差別を扱った殺人事件でした。モヤモヤが残る作品でもありました。私ひとりで抱え込むのは無理な内容です。事実は受け止めたいです。

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    2026年02月05日
  • バートラム・ホテルにて

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    ブラウンズホテルに行ったので、あぁあの素敵な空間はずっと昔からあったのね。という感じ。ミステリー読まないけどこれは好き。

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    2026年02月05日
  • 迷路館の殺人〈新装改訂版〉

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    ネタバレ

    作中作の仕込みが丁寧で見た目にもおもしろい。
    そして最後にまたどんでん返しされて仰天。トリックとか気がつけるところもありつつ、最後は想像もできなかったしいろんなところでしてやられた!恐ろしい話だけど面白かった!

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    2026年02月05日
  • 四畳半神話大系

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    ネタバレ

    硬派で古風な文体と語り手の知性的で捻くれた語り口調が、京都の風情と相まって、贅沢なモラトリアムと趣を感じられる。森見先生の独特な文体が本当に魅力的でした。
    『脱出の可能性が見えないため、私の希望と絶望に影響されて、千円札の値打ちは乱高下した。』←四畳半から出られない絶望を表しただけの一文だけど、お気に入り

    他キャラも独特かつ魅力的。

    絶対的な自分軸をもつ樋口師匠
    『可能性という言葉を無限定に使ってはいけない。我々という存在を規定するのは、我々がもつ可能性ではなく、我々がもつ不可能性である』

    小津との掛け合いは捻くれの中にクスッと笑ってしまうような、いじらしさとあいらしさ
    『我々は運命の黒

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    2026年02月05日
  • 世界地図の下書き

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    子供視点で話が進むので?読みやすかったです!

    辛いシーンがいくつもあるんだけど、力強くて、素敵な仲間がいるってところで、自分は救われました。

    乾燥描かなきゃと思って色々かんがえていたら、生きてく上では読んだ方が良い内容なんじゃないかと思ってきた。登場人物たちと比べると自分の悩み事は小さいことだけど、この先どうしたら良いかを考える上では必要なこと。

    未来はわからないから、きっと大丈夫。って思わないと人は進んでいけない。
    視野が狭くなると今あるところがこの世の全てだって思いがちだけどそんなことはなくて、一歩踏み出すことで変わる。
    何かに近づくし何かに遠ざかる、遠かったら近づけば良い。当たり前

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    2026年02月05日
  • チームⅣ

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    ネタバレ

    結末が気になり、どんどんページをめくると同時に、シリーズが終わってしまうというさびしさもあり

    最後の言葉に心がじんわり
    「一緒に走ろう。俺たちはチームだから」

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    2026年02月05日
  • 白鯨 中

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    ネタバレ

    読者が期待するエイハブ船長と白鯨との死闘にはまだこの物語は突入しないようだ。衒学趣味で鯨に関する博覧強記の解説と哲学的考察が続く。しかし、鯨という実在の物体、具体的な生き物を通してしか哲学的考察を深めるに至らない、すなわち、哲学的考察そのものを目的とすることに照れがあるように感じさせるのは、罪とは罰とは、と問うていくドイツ文学やロシア文学とは異なるアメリカのプラグマティズムのゆえに、なのだろう。下巻も楽しみだ。

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    2026年02月05日
  • 蜜蜂と遠雷(下)

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    おもしろかった!
    環境の違う天才たちが音楽に一生懸命向き合って楽しんでいる様子がこっちまで楽しくなる。
    コンテスト出場者もだけど、審査員の心も描かれていておもしろい。
    苦しいこともあるだろうけど、前面に出過ぎてないから読んでてツラくない。
    音をこんなに美しい文章で表現できるんだーとびっくり。
    出てきた曲をYouTubeで聴きながらじっくり読んでみた。ポップスもいいけど、やっぱりクラシックも好きだなって思った。

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    2026年02月05日
  • きみは赤ちゃん

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    妊婦から出産、育児のあれこれを川上さんの言葉で等身大に綴ったエッセイ。
    最近出産した身としては共感しかなくて終始にやけるか泣くかしながら読み進めた…
    世の中の母親はみんな命懸けで覚悟があって、強くてみんな偉い!と改めて自分が母になって思う。
    街で困ってるお母さんいたら迷惑かもだけどさらっと声かけれる人になりたいな。

    夫に感じてるモヤモヤも川上さんが言語化してくれてて、(育児家事を超積極的にしてくれる夫でも感じてるモヤモヤという点ですごく川上さんの夫と重なる部分があった)特に夫に赤ちゃんが泣いた時の対応とかおむつ替えをしてもらってるときに「ごめん、ありがとう」ということが多くって、この「ごめん

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    2026年02月05日
  • 旅をする木

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    星野道夫が神田の古本屋で偶然見たアラスカの写真集、その中の一枚。シシュマレフ村の写真。そこの酋長に手紙を書いた。そこから始まったアラスカの生活。

    「無数の人とすれ違うも知りあうことはない。その根源的な悲しみは、人と出会うことは限りない不思議さに通じる。」

    「人々がどんな選択をしていくのか、自分の目で見てゆきたい。」

    「名残り惜しく過ぎてゆくものに、この世で何度めぐり合えるのか。回数を数えるほど、人の一生の短さを知る。」

    自然の写真を撮影したけれど、人がとことん好きなんだな。

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    2026年02月05日
  • 流浪の月

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    ネタバレ

    読んで良かった。
    世間一般で使われている言葉に安易に寄りかかるのではなく、分からないことを分からないものとして伝えようとする書き方に、とても好感を抱きました。例えば次の言葉です。

    わたしたちは親子ではなく、夫婦でもなく、恋人でもなく、友達というのもなんとなくちがう。わたしたちの間には、言葉にできるようなわかりやすいつながりはなく、なににも守られておらず、それぞれひとりで、けれどそれが互いをとても近く感じさせている。 わたしは、これを、なんと呼べばいいのかわからない

    次の言葉にもはっとさせられました。
    「自分がしてほしくないことは、他人にもしてはいけない」という道徳観は、「自分がされて嫌でな

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    2026年02月05日
  • たとえば孤独という名の噓

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    いやいやいや!いつの間に?って感じです
    ほんともういつのつの間に
    哲ちゃんいつの間にこんなん書けるようになったのよ(馴れ馴れしい)

    作家生活も20年を超えて尚進化しております
    さすがわいの大好きな哲ちゃんです(だから馴れ馴れしいって)

    いわゆる連作短編という形をとっていて、語り手が次々と代わっていくんですな
    で、その語り手が語るあるいは突き止める内容によって、事件の全体像が二転三転していくっていう見事な構成

    誉田哲也さんとしてはかなり斬新な手法をとってるんだけど、なんていうか色はもちろん昔ながらの中華そばじゃなかった誉田哲也の安心感みたいな

    まぁ、相変わらず右傾化もすごいんだけど、今作

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    2026年02月05日
  • 奇想と微笑~太宰治傑作選~

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    編集後期で森見さんが「太宰治にも奇想天外で愉快な作品があるよ、ということを、とくに若い読者に知らせる本である」と書いている。私も中期の明るめ太宰が好きなので、森見さんと同意見!
    『カチカチ山』『畜犬談』あたりは学生時代から好きなので殿堂入りとして、自分をさむらいに例えだす『佐渡』、黄村先生へのツッコミが冴え渡る『黄村先生言行録』が今回特に面白く感じた。
    『新釈諸国噺』からの3編の、読点だけで続けて延々と書く独特のリズムとか、『走れメロス』の激情に任せて書き綴られたような熱い文章もいい。太宰の文章って、こっちを乗せて高揚していくような熱狂があると思う。
    『人間失格』で太宰は好きじゃないわ、と思っ

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    2026年02月05日
  • 秋期限定栗きんとん事件 上

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    登場人物の操る糸が、幾重にも折り重なった蜘蛛の巣のような上巻だった。
    探偵役の小鳩君がどのように紐解いていくのか非常に楽しみである。

    もちろん幾重にも罠を張って、獲物が引っかかるのを待つのは彼女だろう。
    ただもがけばもがくほど、蜘蛛の糸は絡まるもの。
    彼女の忠告が下巻でどのように絡めとるのか、展開を考えている時間が楽しい。

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    2026年02月05日
  • 人間標本

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    どんでん返しの連続で最後の最後まで楽しめる作品でした。人間標本という名前の通り芸術を見せてもらったような読後感です。

    芸術と理性の境界。
    芸術で個の価値観を内から外に放ちたい衝動にかられたとしても、そこには理性やルール、モラルといった境界線があり、何でも許されることではない。
    ましてや殺人を犯してまで表現したい芸術とは何か…。

    ただの「殺人鬼」と一括りにできない、芸術家として人と違う感覚の先を少し垣間見た気がします。

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    2026年02月05日