小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ青山美智子さんの作品の中でもトップクラスで面白かった。
この本は、小さな図書室を舞台に、人それぞれの悩みに寄り添いながら前に進むきっかけを与えてくれる作品である。小町さゆりさんのキャラクター性が本当に良かった。5章すべての話がそれぞれ面白くて、一気に読み切ってしまった。
各章で印象的だった部分を記録しておく。
ページ数
→ 40,111,138,162,166,194,206
1つ目は、桐山くんの、
「何が起きるかわからない世の中で、今の自分にできることを今やってるんだ」
という言葉である。将来のことを完璧に決めることはできないし、自分の気持ちは変わる中で、まずは目の前のことにひたむきに取 -
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〈乙女の本棚シリーズ〉
森鷗外+げみ
罪人を乗せ京都の高瀬川を上下する高瀬舟。
その高瀬舟に乗せられ、弟殺しの罪人だという喜助と一緒に乗り込んだ同心の庄兵衛は、喜助が島へ往くのを悲しがっていない態度を不思議に思う。
彼の話を聞いてみると…。
働けど暮らしは楽になるわけもなく、もらった給料も右から左で、島へ往くについて二百文を戴いて手にしたことで、どんな為事ができるかわからないが本手にしようと考えていると。
喜助の慎ましい態度に人をあやめた理由を聞くと…。
それはなんとも言いようもなく…
腑に落ちないまま、ただ無言になる。
高瀬舟での長い話のはずが、全く長いと思わないのは喜助の正直な -
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ネタバレ・ワルキューレ
かなり早い段階で疑念を抱いていた。現場を逸見に見られ、屋上から何者かに鉢を落とされる。D機関のスパイにしてはあまりに軽率すぎる。彼は佐久間のように軍人上がりの人間なのか、飛崎のようにD機関の人間でありながらD機関に馴染めない人間(かつ落ちこぼれ)なのかと。その疑念は話が進む程大きくなり、新進気鋭の映画監督であるランゲを個人的な事情で見逃す、逸見との派手な逃走劇でMAXまで膨らんだ。もはや彼はD機関の人間ではない。作中そうであっても私が認めない。そう思った頃、彼は海軍のスパイであるという唐突なネタバラシ。膨らんだ疑念は強烈なカタルシスを生んだ。私は作中の無能な軍人のように鮮やかに -
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『生きる言葉』というタイトルの、歌人俵万智氏の新書。この本に何が書かれているのか、何を言いたかったのか、要約は難しい。万智さんが日本語について感じたこと、考えたことを書かれていて、はっ!としたり、そうそう!と思ったりはしたものの、つまるところ何?と言われたら、万智さんご自身も、おわりに に寄せて、「大好きな日本語と息子」の話だったようにも思う とまとめている。ざっくり笑
ただ、読んでいる間、私の心は大いに揺れた。新書に泣かされたことなんてあっただろうか?
「もう本を読むなんて、絶対無理でしょ」どんな背景があって、どんな気持ちで言ったのか。
シャルドネの味を教えてくれたひと今も私はシャルド -
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これはやさしい本当の物語。─これはやさしい偽りの記録。
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アンドロイドは電気羊の夢を見るかを想起させる要素が散りばめられながらも、その実、対極な作品であった。どちらかというと、日本のSF(少し不思議)の要素を色濃く受け継いだ作品である。そもそも本作に登場するサイエンスフィクションとしての要素は希薄である。科学技術が発達したことによる虚構は「you」のみであり、それ以外はファンタジーとしての虚構となる。つまり、物語の構造としてもアンドロイドは電機羊の夢を見るかとは全くの対極という立ち位置となる。
また、感じさせるテーマも別物であろう。「アンドロイドは電機羊の夢をみるか」は機械生命体であ -
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第59回谷崎潤一郎賞、2024年本屋大賞第2位!話のテンポが早くて読みやすい。おもしろかった!
理佐と律は10歳歳の離れた姉妹。理佐は今年大学に進む予定だったが、母が入学金を払い込んでいなかった。理由は恋人の増村さんのために使ったとかで、しょっちゅう増村さんを家にあげている。律を追い出してまで一緒にいたいらしくて、理佐は律を連れて家を出た。水車小屋のあるお蕎麦屋さんで住み込みつきのところに就職した。
洗濯機とテレビはもらえたけど、冷蔵庫がない。他にもいろいろ足りない。
理佐は婦人会に誘われて出てみる。コーラス隊の衣装についてケープで統一感を出したらどうかと提案する。コーラスは無事終了。寛実 -
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ネタバレなぜ「継承」は断絶するのか
――バブル崩壊後に失われたものと、再結集という選択
ブームは終わる。
問題は、その後に何が残るかだ。
ことのはに収められた、
森川智之・高木渉の同期対談、そして高山みなみとの対話は、
バブル崩壊の“後”を静かに照らし出す。
そこで語られるのは成功譚ではない。
むしろ
「何が失われたのか」
という欠落の記録である。
失われたものは三つある。
第一に、現場知の連続性。
第二に、判断の基準。
第三に、距離の取り方だ。
ここに第一の逆理がある。
本来、ブームは裾野を広げるはずだが、
崩壊のあとには
広がったはずの知が、断片化して残る。
継承は量ではなく、 -
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ネタバレ三部構成になっているけれど、自分の中で整理ができないまま読み終わってしまった。でも分からないなりに面白かった。
悪い夢を見ているようで何が起きるかまったく分からないし、結末も想像できなかった。悪いことばかり起きるのに不思議と深刻さはなく、独特な形容で、おとぎ話のように美しく印象的な場面がときおり訪れる。
第一部は、穴を降りていった先で裁判をするシーンがあることも手伝って、どこか「不思議の国のアリス」を思い出させた。デタラメな裁判。
人間にはなんらかの罪があるようだし、バベルの塔やノアの方舟やアダムとイヴ、生命や世界の創造まで話はおよぶ。そうやって創世記が絡めてあるので、原初の話をしているのがよ -
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2026年4月現在に読むジョージ・オーウェルの『動物農場』こわすぎ
なんで今のことが書いてあるんだよ~~~…とめしょめしょしながら読んでいた。もう有名作品すぎるけれども、本編はもちろんだけれど、巻末に収録されていたオーウェルの序文がかなりよかった
当時の社会情勢(ソヴィエトなど)のことを批判しているが、2026年現在にもバチバチにハマっている。
正義や平等に関心を持たない動物たちがなんの抵抗もしないまま従順を受け入れることで、指導者が暴走してそのコミュニティごと破滅へ向かっていく。リアルタイムで起こっていることすぎて、読んでいてみぞおちあたりが重くなった。
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