ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 続 遠慮深いうたた寝

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    小説は『博士の~』しか読んだことがないが、4年前のエッセイ『遠慮深いうたた寝』がとてもよかったので続編にも大いに期待していた。思ったとおり心に染み入る内容だった。小さなことを丁寧に言葉ですくいあげるような。いろんな作家さんのエッセイを読んできたけれど、どんな風に本と向き合ってきたかということを語るときが特にそれぞれの著者の内面が立ち上がってくるように感じる。
    p176(引用)本は決して、読み手を否定しない。どんな読み方をされても、黙って受け止める。移り変わっていく読み手に、辛抱強くより添ってくれる。そういう本が、私にとっても名著だ。(引用終わり)

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    2026年10月01日
  • しろいろの街の、その骨の体温の

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    凄い憂鬱だった。いい気持ちにはならない。清々しいハッピーエンドじゃないし、地獄に叩きつけられるようなバッドエンドでもない。だけど物凄い面白かった。

    クライマックスのシーンは上手く呼吸ができなかった、主人公と伊吹の発する言葉一つ一つが私の中に刻まれた気がする。

    二度と読みたくないけど、もう一度読みたいし、これからもずっと大好きな作品になるだろう。

    村田沙耶香、貴方はすごいです

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    2026年10月01日
  • タイム・アフター・タイム

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    ネタバレ

    【序盤】
    登場人物が覚えられないな
    【中盤】
    オッソーの状況しんどすぎるよ、めちゃめちゃいい人なのに。頼むから幸せになってくれよ・・・
    【終盤】
    …人生、間違ってなかったよね。オッソーも久遠も自分の人生も抱きしめてあげたい。自分が歩んできた人生をもう少し慈しんであげてもいいのかもしれない。

    久遠の言う、「あの頃の自分になんて絶対に会えないから、だからいいんじゃないかな」 絶対に戻れないから贅沢なのだ、という捉え方がスーッと心に沁みました。
    そして、オッソーが人生を振り返ったときの「頑張った」の一言にさまざまな想いと重みが詰まっていたところにもグッと来ました。本当によく頑張ったよ!

    切なくて、やり直せなくて、忘れられない。でも、自分で選んだ人生は間違っていなかったと信じて今を生きる。そんなことを思わせてくれる大人の小説でした。
    また何年後かに読み直したい。

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    2026年10月01日
  • ハウスメイド2 死を招く秘密

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    前作に引き続き面白い!
    前作を読みミリーを知っているからこそ予想しながら読んでしまい、事の顛末になるほどーとなりました。ミリー同様利用されてましたが、その上をいくミリーさすが。面白かったです。

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    2026年10月01日
  • はじまりのスープ、夏ゼリー

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    瀬尾まいこさんの本が大好きで今回のお話もとても楽しみにしていました。
    題名を見ただけでワクワク、そして案の定、期待を裏切らず一気読み。誰かのことを思いながら心を込めて作る料理は美味しい。人との繋がりが温かい、優しいお話でした。

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    2026年10月01日
  • たんぽぽの日々 ~俵万智の子育て歌集~

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    親となってから明らかにすべてが違って見える。
    この詩のひとつひとつも、なんと美しく見えるのだろうか。

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    2026年10月01日
  • 新・平家物語(十)

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    義仲が倒れた。
    義経の源氏が残った。
    後白河法皇が恐れるのは、平家がふたたび
    都へ帰って来て、自分の神通力が剥ぎ取られること。

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    2026年10月01日
  • トーニオ・クレーガー 他一篇

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    序盤の耽美で拗らせた感じの雰囲気がとても好き。文学に関する小説でもあるんだけど、人生に対する深い洞察が詰まってる。
    マーリオの方はシンプルに楽しめたし、一人称小説の模範のように思えた。

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    2026年10月01日
  • 今日未明

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    素晴らしい!至極の短編集。ニュースの切り取り記事で見る文章の裏に潜む、残酷な真実。冒頭で結末は分かっているのにも関わらず、どの作品もラストに思わず唸ってしまう程、鮮やかなどんでん返し。特に「マンション女児転落死」は、読後しばらく頭を抱えて放心したほど。辻堂ゆめさんの他作品も読みたくなった。

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    2026年10月01日
  • 鹿の王 1

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    面白いよー!!! ヴァンとホッサル、追われるもの追うものの視点に、はらはらが止まらない。ヴァンの安寧を祈る一方で、ホッサルを応援する気持ちもある。心が二つあるよー! 飛鹿やトナカイとの暮らし、国ごとに異なる文化、世界の奥行きに胸が高鳴る。ユナちゃ、かぁわいいねぇ…!

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    2026年10月01日
  • いい子のあくび

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    決められたルールを守り周囲に配慮して誰かの迷惑にならないようできるだけきちんと生きていても、正しく報われているという実感が得られることはめったにない(解説)
    分かるな〜あるあるだな〜とか思いながら読める自分がいて怖い

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    2026年10月01日
  • 一緒に生きる 親子の風景

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    歌人の東直子さんが紡ぐ17音
    引用にて、時代を超えた過去の母たる歌人も子育てを詩にしていた。ありきたりなことが美しく。
    暑苦しい抱っこ、全身の反抗、小さな服
    大人になったら、触れることの少なくなる手
    手を離れた子のいる大人は、みんな言う
    「あの時」
    わが子をぎゅっと抱きしめたくなる本

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    2026年10月01日
  • うさぎパン

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    可愛くて面白かった!!2個目の大学院の研究室での話が好き。

    第1話 優子が高校に入ってすぐ、成績が悪かったので、継母のみどりさんは美和ちゃんという家庭教師を雇った。

    第2話 桐子はシュウが行ってしまってから、ご飯が喉を通らない。

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    2026年10月01日
  • 新世界より(上)

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    面白すぎて上、中、下全て一気読みしてしまいました。
    最初の方はSFに読み慣れていないからか、なかなか読むのが進みませんでしたが、話の世界に入り込んだら続きが気になって仕方ありませんでした。
    本当によくこんなお話が思いつくなとしか言えない内容で、ハラハラしっぱなしでした。
    すごく面白かったです!!

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    2026年10月01日
  • 湯気を食べる

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    「自炊は調律」すきだったー。
    「渡したいわたし」とか、くどうれいんさんのエッセイを読んでいると人に会いたくなる。
    ご飯ももっと味わって食べたくなる。
    食を楽しみたくなる。
    こちらの好奇心も奮い立たせてくれたり、刺激をくれるエッセイだなと思う。
    自炊して、「今」食べたいものを食べようと思う。

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    2026年10月01日
  • チャックの数奇な人生 イフ・イット・ブリーズ

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    ハリガンさんの方は、もし土葬された死者が携帯電話を持ったまま埋葬されたら、そしてそこに電話をかけたらどうなる?っていう現代なら一度は誰もが思ったことあるであろうモチーフの話。

    チャックの方は映画とはラストシーンが違っているので要注意。一章でチャックの死が描かれており、そこから若き日にダンスを謳歌するチャックへと遡り、さらに幼少期の記憶、そして禁断の屋根裏で、自分の未来の姿…すなわち死の淵にいる自分を見るチャック。そして全てを受け入れるチャック。自暴自棄になるでもなく残りの人生を全力で楽しむチャック、命を謳歌する姿はすでに描かれている通り。死でさえその人の生きる一部。人生の晩年を生きているキングからの無言のメッセージなのかなぁと思いながら読みました。

    最大のネタバラシは、あの世界の出来事が全てチャック一人の頭の中…脳腫瘍で分からなくなっていく頭の中で起きている出来事だということ。

    ホラー作家の仕掛けここにありといった感じ。

    味わい深かった。

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    2026年10月01日
  • 女二人のニューギニア

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    2026年、いやここ10年でのNo.1かもしれないくらいに面白かった。
    未開の地ニューギニア(当時)に友人に誘われてうっかり行ってしまった著者が、足の爪が取れるくらい山を登ったり飲み水がいつも泥水だったり虫に刺されてすぐ化膿したりで、つらいつらいと零しながら生活するという実録だが、読んでいて「これは無理!」という経験ばかりなのに、いつの間にかなんだか羨ましくなってくる不思議。
    日本にいたり普通の海外旅行ではまず絶対できない体験を、読むだけで経験したような気持ちにしてくれる、正に読書の醍醐味でした。
    そしてこの本、出版されたのがなんと1969年。著者がニューギニアに行ったのはその一年前の昭和43年というから驚いた。そんな遥か昔に書かれたのに、読んでいて少しも古臭く感じないのもまた驚きだ。
    おそらく舞台が文明がほとんど発達していない場所であることと、著者の考え方が現代的であるからだと思う。
    だから今の感覚で読んでいたら、出てくる日本の男性のほとんどが戦争体験者だったり、まだ戦争のにおいが今と比べて濃く残っていることで、急に「今」とは違うことに愕然とする。
    そういえば、子供の頃に学級文庫で読んでいた本には当たり前のように戦争のにおいが残っていた。
    主人公の周りの大人たちや著者の後書きから、まだまだ戦争が地続きということが子供心に感じられたことを、この「女二人のニューギニア」を読んでいて、思い出したのだった。

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    2026年10月01日
  • 【TOジュニア文庫】本好きの下剋上 第三部 領主の養女10

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    ローゼマインが眠っていた2年の間に、こんなに色々な事が有ったなんてビックリ。
    皆さんおつかれさまでした。

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    2026年10月01日
  • きみは赤ちゃん

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    つわりの辛さや、阿呆みたいに湧き上がる食欲
    お腹の中でうごめくもごもごした感じ
    予想外の帝王切開、そのあとの激しい痛み、不安、明けない夜に発狂したり、ホルモンに振り回されたり…

    気づけばあっという間に過ぎゆく日々。辛さといとしさは豪雨のように激しく降り続ける。

    本の向こうに自分を投影しながら読みました。

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    2026年10月01日
  • 湿地

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    石垣に囲まれた小さな庭の中に建つ、二階建ての建物の半地下に作られたアパートで一人暮らしをしていた老人が頭から血を流し死んでいた
    側にはべったりと血糊を付けたガラスの灰皿
    汚くて無意味で、足跡や証拠を隠さないこの犯行は典型的で不器用なアイスランドの殺人だと思われた
    唯一不可解なのは、死体の横に添えられた3つの単語からなるメッセージ だが意味は分からない
    読者が最初にわかるのは
    それだけ太字で書かれた「あいつ」の単語のみ
    どちらにせよ、現場で全てを見たエーレンデュルとシグルデュル=オーリですら理解しかねているのだから今は大して重大ではないのだろう
    ......い ま は ね
    ーーーーーーーーー

    【後書き引用 (省略有)】
    物語の舞台、レイキャヴィクの街は
    端から端まで2時間も歩けば終わってしまう
    雨が多く、強風の寒冷地の気候に耐えるべくコンクリートの建物の外壁と屋根に波状のトタン板を貼っている
    赤や緑、黄色にピンクと多彩な建物の色が、陰鬱な空の下に映える
    こんなおとぎの国のような色合いのこじんまりした街並みに、凄惨な殺人事件など起こるのだろうか(中略)
    アイスランド人の話はお天気に始まり、お天気に終わると言われている
    一日中天気が変わる。朝に晴れていても傘とレインコートは手放せない。しかしこの国の人は誰も傘をささない
    傘をさす習慣がないのか、しょっちゅう変わる天気に備えるのが面倒なのか、それとも晴れてほしいとの願望を日々抱いているのか、太陽への憧れはとても強い
    一年にわずかしかない一日中快晴の日には、商店や会社は本日は《快晴につき休業》と張り出して、太陽に顔を向けて外に座っているという
    ーーーーーーーーー

    この舞台となるレイキャビクの背景、事前に知っておきたかったなぁ
    言ってしまえば平穏な田舎町で起きた大事件となる のだが
    前述した通り 雑な現場は雑な物盗りが起こした雑な事件にしか見えない
    だがご安心を
    開始早々お亡くなりのご老人 ホルベルクの素性を追っていく内にアハ体験かの如くいつの間にか大の文字が浮かんでいるはずだ
    並行して、主人公エーデンデュルとその娘エヴァ=リンドの父娘物語も気になる所
    父が娘の名が好きくない理由も...キャラを理解してからだと変に頷けちゃいましたね
    ったく不器用さんめ ツンツン

    そして今更だが
    グロは無いけど皆大好き胸糞は赤保留くらいの期待値で申し分無いかと思われる
    女性陣、心してかかろう
    ーーーーーーーーーーーーー

    全篇45章、約350ページ
    著者のアーナルデュルはアイスランドの伝承文学のサーガ(牛のなめし革に簡潔に書かれたもの 高価なので、小さなメモに最小限に書かなければならならず その結果、短い簡潔な表現となった)に基づき
    コンパクト且つ展開の早さを意識して書いているとの事
    その言葉通り、睡眠を犠牲にせずともサクサク読み進める事が出来た

    ラストは連載打ち切りされたジャンブ漫画を思わせるが、ずっと面白かったから◎ω◎
    なんなら
    残りのページ数で今の展開ならもう畳み掛けるしか無いよな って嫌でも察せるので
    心の準備は脳が勝手に指令出してくれてます



    因果応報
    北海道と四国を合わせた程度の面積しか持たぬアイスランド
    その中の首都レイキャビクは人口14万人(東京都狛江市と同等)という狭い空間で面積は千葉県千葉市程
    この環境による特有のシステムと歴史が無ければ

    ノルデュルミリ(北の湿地)のグレーサーガ(灰色の物語)は産まれなかっただろう

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    2026年10月01日