小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
小説は『博士の~』しか読んだことがないが、4年前のエッセイ『遠慮深いうたた寝』がとてもよかったので続編にも大いに期待していた。思ったとおり心に染み入る内容だった。小さなことを丁寧に言葉ですくいあげるような。いろんな作家さんのエッセイを読んできたけれど、どんな風に本と向き合ってきたかということを語るときが特にそれぞれの著者の内面が立ち上がってくるように感じる。
p176(引用)本は決して、読み手を否定しない。どんな読み方をされても、黙って受け止める。移り変わっていく読み手に、辛抱強くより添ってくれる。そういう本が、私にとっても名著だ。(引用終わり) -
Posted by ブクログ
ネタバレ【序盤】
登場人物が覚えられないな
【中盤】
オッソーの状況しんどすぎるよ、めちゃめちゃいい人なのに。頼むから幸せになってくれよ・・・
【終盤】
…人生、間違ってなかったよね。オッソーも久遠も自分の人生も抱きしめてあげたい。自分が歩んできた人生をもう少し慈しんであげてもいいのかもしれない。
久遠の言う、「あの頃の自分になんて絶対に会えないから、だからいいんじゃないかな」 絶対に戻れないから贅沢なのだ、という捉え方がスーッと心に沁みました。
そして、オッソーが人生を振り返ったときの「頑張った」の一言にさまざまな想いと重みが詰まっていたところにもグッと来ました。本当によく頑張ったよ!
切なくて、やり直せなくて、忘れられない。でも、自分で選んだ人生は間違っていなかったと信じて今を生きる。そんなことを思わせてくれる大人の小説でした。
また何年後かに読み直したい。 -
Posted by ブクログ
ハリガンさんの方は、もし土葬された死者が携帯電話を持ったまま埋葬されたら、そしてそこに電話をかけたらどうなる?っていう現代なら一度は誰もが思ったことあるであろうモチーフの話。
チャックの方は映画とはラストシーンが違っているので要注意。一章でチャックの死が描かれており、そこから若き日にダンスを謳歌するチャックへと遡り、さらに幼少期の記憶、そして禁断の屋根裏で、自分の未来の姿…すなわち死の淵にいる自分を見るチャック。そして全てを受け入れるチャック。自暴自棄になるでもなく残りの人生を全力で楽しむチャック、命を謳歌する姿はすでに描かれている通り。死でさえその人の生きる一部。人生の晩年を生きているキングからの無言のメッセージなのかなぁと思いながら読みました。
最大のネタバラシは、あの世界の出来事が全てチャック一人の頭の中…脳腫瘍で分からなくなっていく頭の中で起きている出来事だということ。
ホラー作家の仕掛けここにありといった感じ。
味わい深かった。 -
Posted by ブクログ
2026年、いやここ10年でのNo.1かもしれないくらいに面白かった。
未開の地ニューギニア(当時)に友人に誘われてうっかり行ってしまった著者が、足の爪が取れるくらい山を登ったり飲み水がいつも泥水だったり虫に刺されてすぐ化膿したりで、つらいつらいと零しながら生活するという実録だが、読んでいて「これは無理!」という経験ばかりなのに、いつの間にかなんだか羨ましくなってくる不思議。
日本にいたり普通の海外旅行ではまず絶対できない体験を、読むだけで経験したような気持ちにしてくれる、正に読書の醍醐味でした。
そしてこの本、出版されたのがなんと1969年。著者がニューギニアに行ったのはその一年前の昭和43年というから驚いた。そんな遥か昔に書かれたのに、読んでいて少しも古臭く感じないのもまた驚きだ。
おそらく舞台が文明がほとんど発達していない場所であることと、著者の考え方が現代的であるからだと思う。
だから今の感覚で読んでいたら、出てくる日本の男性のほとんどが戦争体験者だったり、まだ戦争のにおいが今と比べて濃く残っていることで、急に「今」とは違うことに愕然とする。
そういえば、子供の頃に学級文庫で読んでいた本には当たり前のように戦争のにおいが残っていた。
主人公の周りの大人たちや著者の後書きから、まだまだ戦争が地続きということが子供心に感じられたことを、この「女二人のニューギニア」を読んでいて、思い出したのだった。 -
Posted by ブクログ
石垣に囲まれた小さな庭の中に建つ、二階建ての建物の半地下に作られたアパートで一人暮らしをしていた老人が頭から血を流し死んでいた
側にはべったりと血糊を付けたガラスの灰皿
汚くて無意味で、足跡や証拠を隠さないこの犯行は典型的で不器用なアイスランドの殺人だと思われた
唯一不可解なのは、死体の横に添えられた3つの単語からなるメッセージ だが意味は分からない
読者が最初にわかるのは
それだけ太字で書かれた「あいつ」の単語のみ
どちらにせよ、現場で全てを見たエーレンデュルとシグルデュル=オーリですら理解しかねているのだから今は大して重大ではないのだろう
......い ま は ね
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【後書き引用 (省略有)】
物語の舞台、レイキャヴィクの街は
端から端まで2時間も歩けば終わってしまう
雨が多く、強風の寒冷地の気候に耐えるべくコンクリートの建物の外壁と屋根に波状のトタン板を貼っている
赤や緑、黄色にピンクと多彩な建物の色が、陰鬱な空の下に映える
こんなおとぎの国のような色合いのこじんまりした街並みに、凄惨な殺人事件など起こるのだろうか(中略)
アイスランド人の話はお天気に始まり、お天気に終わると言われている
一日中天気が変わる。朝に晴れていても傘とレインコートは手放せない。しかしこの国の人は誰も傘をささない
傘をさす習慣がないのか、しょっちゅう変わる天気に備えるのが面倒なのか、それとも晴れてほしいとの願望を日々抱いているのか、太陽への憧れはとても強い
一年にわずかしかない一日中快晴の日には、商店や会社は本日は《快晴につき休業》と張り出して、太陽に顔を向けて外に座っているという
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この舞台となるレイキャビクの背景、事前に知っておきたかったなぁ
言ってしまえば平穏な田舎町で起きた大事件となる のだが
前述した通り 雑な現場は雑な物盗りが起こした雑な事件にしか見えない
だがご安心を
開始早々お亡くなりのご老人 ホルベルクの素性を追っていく内にアハ体験かの如くいつの間にか大の文字が浮かんでいるはずだ
並行して、主人公エーデンデュルとその娘エヴァ=リンドの父娘物語も気になる所
父が娘の名が好きくない理由も...キャラを理解してからだと変に頷けちゃいましたね
ったく不器用さんめ ツンツン
そして今更だが
グロは無いけど皆大好き胸糞は赤保留くらいの期待値で申し分無いかと思われる
女性陣、心してかかろう
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全篇45章、約350ページ
著者のアーナルデュルはアイスランドの伝承文学のサーガ(牛のなめし革に簡潔に書かれたもの 高価なので、小さなメモに最小限に書かなければならならず その結果、短い簡潔な表現となった)に基づき
コンパクト且つ展開の早さを意識して書いているとの事
その言葉通り、睡眠を犠牲にせずともサクサク読み進める事が出来た
ラストは連載打ち切りされたジャンブ漫画を思わせるが、ずっと面白かったから◎ω◎
なんなら
残りのページ数で今の展開ならもう畳み掛けるしか無いよな って嫌でも察せるので
心の準備は脳が勝手に指令出してくれてます
因果応報
北海道と四国を合わせた程度の面積しか持たぬアイスランド
その中の首都レイキャビクは人口14万人(東京都狛江市と同等)という狭い空間で面積は千葉県千葉市程
この環境による特有のシステムと歴史が無ければ
ノルデュルミリ(北の湿地)のグレーサーガ(灰色の物語)は産まれなかっただろう
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