【感想・ネタバレ】四畳半神話大系のレビュー

あらすじ

私は冴えない大学3回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。悪友の小津には振り回され、謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんとは、なかなかお近づきになれない。いっそのこと、ぴかぴかの1回生に戻って大学生活をやり直したい! さ迷い込んだ4つの並行世界で繰り広げられる、滅法おかしくて、ちょっぴりほろ苦い青春ストーリー。

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そうだ森見登美彦の京都、行こう。

過去を振り返って、あの時ああしていればあるいは…。と考えることは誰しもよくあることだと思います。
この小説ではそんなもしものルートで一体何が起きていたか、いや何も起きていなかったか…。そんな様子を覗き見ることができます。
たらればの道を歩むのもまた自分なのだとすると、実は何をしていても大して現状は変わらないのかもしれない…。

森見作品の京都っていいですよね。先生の作品を読んでいると京都に行きたくなります。
地図にしるしをつけて、作品に登場した聖地の巡礼を行ったこともあります。
そうしてから読み返すと、さらに良い読書体験をすることができますよ。おすすめです。

本作に登場する樋口氏は、別の森見作品『夜は短し歩けよ乙女』にも登場します。
私は、『四畳半神話大系』と『夜は短し歩けよ乙女』のどちらから読むかによって、読者が想像する彼のビジュアルは変化する説を提唱したい…!
紙版の『夜は短し歩けよ乙女』のあとがきにマンガ家・羽海野チカ先生のイラストが寄せられていたので、羽海野先生は『夜は短し歩けよ乙女』から読んだのではないだろうか…と思いました。
どちらも未読で、樋口氏のイメージがどう変化するのか気になる方は、『夜は短し歩けよ乙女』から読んでみるとよいかもしれません。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

何食ったらこんな設定が生えてくるのか、きっと魚肉ハンバーグと猫ラーメンに違いない。

軽妙な、知的なようでどう考えても知的でない会話が心地いい。意味のない会話がいちばん楽しいんだから。

最後に、ファンデルワールス力と分子結合は別物だろ。ぎょええええ

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2026年08月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 結局この物語は「今ある自分の人生を生きてみろ」という話だったのではないかと思う。
 「もっと別の選択をしていれば」「あのとき別の道を選んでいれば」と考えることは、いかにも前向きな反省のように見える。しかし、この小説で「私」が四畳半を無限にやり直していく姿を見ていると、可能性というものは、必ずしも人生を豊かにしてくれるわけではない、むしろ「まだ別の人生がある」と思い続けることで、目の前の人生を生きることから逃げられてしまう。
 樋口師匠の「可能性を無限に使ってはいけない」という趣旨の言葉が、この小説の核心なのだと思う。
 これは妙に逆説的で、だからこそ好きだ。普通なら「可能性は無限大だ。何にでもなれる」と言われる。しかし、この小説はむしろ逆で、可能性には限りを設けたほうがいいと言う。何にでもなれると思っている人間は、結局何者にもならない。何者にもなれない。だからこそただ時間を無駄にする。
 「私」は、別のサークルに入れば、別の女性と出会えば、別の学生生活を選べば、もっと素晴らしい青春が待っているのではないかと考え続ける。しかし、どの四畳半へ行っても、結局そこには似たような「私」がいる。人生を変えようとしている本人が変わらないのだから、世界だけを取り替えても仕方がない。考えてみれば、かなり身も蓋もない話である。四畳半を何度引っ越しても、住人が自分なら、結局また自分である。
 そして最終話の「八十日間四畳半一周」では、そのことに「私」がようやく気づく。四畳半から出られなくなったことで、逆説的に、それまで自分が見ようとしなかったものが見えてくる。自分の部屋、自分の大学、自分の友人、そして自分自身。ずっと「もっと別の何か」を探していたけれど、振り返ってみれば、すでに自分の周りには、それなりに面白いものが転がっていた。
 だから最後には、物語からこんなふうに言われた気がした。「案外、今の自分も、今の環境も、捨てたもんじゃないぜ。」
 これは単純な現状肯定ではないと思う。嫌なものは嫌なままでいいし、人生に不満があってもいい。ただ、存在しない理想の人生と現在の人生を比較し続けるのは、少し不公平なのだ。理想の人生は欠点がない。なぜなら、まだ存在していないからである。一方、現実の人生には退屈も失敗も気まずさもある。だから現実だけが、いつも理想に負けてしまう。けれど、人間が実際に生きられるのは、結局この欠点だらけの人生だけだ。
 思い返せば自分も、自分自身の人生に「もっと別の何か」を日々どこかで考えている節がある。もっと良い別の環境、もっと別の自分。そういう「ありもしない可能性」を追いかけているうちに、今持っているものを十分に味わっていないのかもしれない。
 幸せになるには、何ができるかを考えるだけではなく、何ができないのかを知ることも大切なのではないかと、樋口師匠の言葉から、そう思った。
 人間は可能性を減らすことを、敗北のように考えがちだ。しかし、できないことを受け入れ、選ばなかった道を捨てるからこそ、選んだ道に集中できる。人生の意味を探し続ける必要があるのは、今が幸せではないからなのかもしれない。小さなことで満足できているとき、人は「自分の人生にはどんな意味があるのだろう」などと、わざわざ四畳半の外へ探しに行かない。
 そう考えると、「可能性を無限に使ってはいけない」なる言葉は、人生を諦めろという言葉ではなく、人生をちゃんと始めるための言葉なのだと思う。
 何度やり直しても同じような自分に戻ってくるなら、もう一度やり直すより、その「同じような自分」で思う存分生きてみればいい。 

 『四畳半神話体系』は、理想の人生を手に入れる物語ではなかった。最終的には、理想の人生を探すことをやめて、等身大の自分の人生を、案外悪くないものとして引き受ける物語だった。そしてそのほうが、ずっと難しくて、ずっと人生らしい。

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2026年08月20日

Posted by ブクログ

本当に面白い。アニメも面白かった。ファンタジーと現実世界の融合が最高。キャラ設定も好き。独特の言い回しがクセになる。大学生に戻りたい。

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2026年08月02日

Posted by ブクログ

相変わらずの森見ワールド全開で、シュールさとコメディの共存を楽しめた。
「夜は短し歩けよ乙女」と同じ世界線のため、一方の作品を読んだ人にはもう一方もぜひ読んでほしい。

4話からなる連作で、第4章で怒涛の伏線回収が始まり、ワクワクしながら読めた。

どの選択をしても、結局のところ「運命の黒い糸」が同じところに導くのだから、クヨクヨ悩んでも仕方がないなと、気楽な気分になれる作品だった。

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2026年07月31日

Posted by ブクログ

森見登美彦の中だったら一番好きな作品!

やっぱり世界観と主人公のキャラ設定が良い!
読み終わった後なんだか気分が良くなります

アニメも見たほうがいいです!

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2026年07月01日

Posted by ブクログ

あ〜あ
人生が5回くらいあったらいいのになあ!
そしたらあたし
5回とも違う町に生まれて
5回とも違うものをお腹いっぱい食べて
5回とも違う仕事して・・・
それで5回とも・・・同じ人を好きになる


久保帯人.BLEACH.237話.井上織姫
━━━━━━━
・・・ただし、腐れ縁の悪友もセットである

 あの時の「もしも」を題材とし、異なる世界に夢を馳せる。もしあの時、違う選択肢をとっていたら私は薔薇色の大学生活を送っていたに違いないと。もしもの世界が四畳半を通してつながる。そんなおはなし。

 さて、本作はパラレルワールドを題材とした作品である。主人公は冴えない大学生である。取得単位は恐るべき低空飛行を記録し、黒髪の乙女とも恋仲になれず、失せ物も見つからず、待ち人も来ない。あるのは腐れ縁の悪友とくたびれた四畳半のみ。これはどの世界線の主人公でも共通である。違うのは入学してすぐに、如何なる立場を選択したかである。映画サークルに入るか、謎の人物に弟子入りするか、ソフトボールサークルに入るか、秘密機関の構成員となるか。過程は異なるが、いずれも辿り着く結果は同じである。悪友とは切っても切れない仲となり、占い師に予言され、明石さんと出会う。運命とはまさしくこの男のための言葉である。ロマンはない。しかし、面白い。

 さて、本作は森見登美彦ワールド全開である。正確には後続の作品における下敷きとなった作品である。樋口氏や羽貫氏は夜は短し歩けよ乙女に出演するし、四畳半タイムブルースは登場人物たちがメインキャストとして登場する。そして何より、主人公がどうしようもないほど冴えない大学生である。夜は短し歩けよ乙女を読んだ時に、「あれ?この人四畳半の主人公では?」となったりするが、ある種のカメオ出演的要素であり、同一人物ではない。というか森見登美彦の型がはっきりしており、その型に忠実に作品作りをしているということだ。二作目でその雛形ができているあたり、早咲きの天才と言える。

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2026年07月01日

Posted by ブクログ

どんな感想を持ち得るか、なかなか難しいが、
今まで経験したことがない不思議な感じだった。
でも、楽しい体験ができたことは、間違いない。

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2026年06月12日

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面白かった…!
いちいちクスッと笑ってしまう文章が面白くてあっという間に読み終えてしまった。登場人物もみんな愛らしい。

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2026年05月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ファンタジーと現実の塩梅が本当にいい好き
京大生になりたいし、猫らーめん食べたいよ
私もいつの日かあんな黒髪の乙女になりてーです

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2026年05月20日

Posted by ブクログ

冒頭の文章があまりに良いのでぜひ一読してほしい。
どんな選択をしても結局は同じ結末を迎えるところがクスッとなるし、奇妙な縁を感じられる森見ワールドの極致であるように思われる。

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2026年05月05日

Posted by ブクログ

かなり前に本を読んで、アニメも見た。それから随分時間が経った。つい最近、偶然にこの四畳半神話大系が話題になった日があり、それからなんだかまた読みたくなったので、会社帰りに本屋に寄って買った。

久しぶりに読んだけれど、印象は昔とそう変わらなかった。
主人公はなんかこう捻くれ気味で拗らせ気味で結構な厄介な具合……だけれど、その語り口は滔々としてリズムが不思議と良く、思わず声に出して読みたくなるものがあった。
自分も“薔薇色のキャンパスライフ”とは言えない(可もなく不可もない)大学生活だった。けれど、読んでいると、大学生だったあの頃がどうしようもなく懐かしくなって胸が少しだけキュッとなるような……そんな気持ちになった。


「今すぐ黙れ。未来永劫黙れ」
「それはお断りです。僕は無駄口がきけないと、淋しくて死ぬんです」

どう頑張っても切れない、腐れ縁の「私」と小津が好きだな、やっぱり。
いやでも、明石さんも羽貫さんも好き。樋口師匠も城ヶ崎さんも。

この本片手に京都を歩くか、京都の地図をお供にまた読みたい。

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2026年04月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 森見節の見える、すばらしい小説でした。
 面白すぎて二日ほどで一気読みしました。魅力的な人物がとにかく多く、明石さんに至っては、何故か『あ』『ほ』のくだりだけで既に可愛く見えだしていました。恐るべし乙女。また、羽貫さんも樋口師匠もどことなく惹かれるところがあって、とにかく愛すべき阿呆とその周囲の、理想的ではないながらも不思議と充実したように感じる青春を描いた小説でした。
 欲を言えば、明石さんと私の進展をもっと掘り下げて欲しかったとは思いました。しかし、作中にある、成就した恋ほど語る価値はないというのは、非常に的を射た言葉であります。
 読み終えてすぐに、「四畳半タイムマシンブルース」に手を出しました。彼ら彼女らのおかしなやりとりがまだ見れると思うと楽しみです。

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2026年04月22日

Posted by ブクログ

前情報がまったくないまま読み始めたけれど、最初は独特の語り口に少し戸惑った。
でも、すぐに慣れて、そのまま世界観に没入できた。
若さや滑稽さがユーモラスに描かれていて面白いし、何かくだらないことに巻き込まれていく過程さえ、実はかけがえのない瞬間なのかもしれないと思わされた。
人には変えられる部分と変えられない部分がある。
そんな中で、それでもどんな選択をしていくのか、ということも考えさせられた。
SF的な展開、人の心理描写、伏線回収の気持ちよさがうまく噛み合っていて、面白さと考えさせられる深さの両方がある作品だった。
この著者の他の作品も読んでみたくなった

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2026年04月12日

購入済み

実に楽しい学生たちの生きざま

森見先生好きにはバイブルであろう。私個人的にはアニメが初見だったのだが、アニメも原作も沼落ちするだろう。テンポがよく愛すべき登場人物たちも実に面白い。私も笑いを堪えて読んでいた。

#笑える #アツい #ハッピー

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2023年04月07日

ネタバレ 購入済み

ヒロイン明石さんが魅力的。

TVアニメ化もされた名作。文豪調の語り口がとにかく面白い。
平行世界のSFオムニバス集ともいえるが、全編でヒロイン明石さんのクールキャラと悪友小津のひょうきんさが光る。
続編?から先に読んだので、こちらのほうが倍くらい長くて驚いた。実質2巻分くらいあるかな。

#癒やされる

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2022年10月29日

tea

助演男優賞 小津

いろんな変わったキャラ総出演
特に小津が素晴らしい
森見登美彦さんのセンスのある言い回しが好きです。

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2022年05月03日

購入済み

森見登美彦ワールド

独特の言い回しがとても面白く、笑ってしまう。400ページあり少し長いと思う方もいるだろうが、非常に軽妙な語り口で物語が進んでゆき、テンポがよいので苦ではないと思う。アニメもあるのでそちらもおすすめ。

#笑える #エモい #深い

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2021年07月03日

Posted by ブクログ

「夜は短し歩けよ乙女」が好きで何度も読んだ。この本は同じ作者ということで手に取った。

この本には、上記作品の人物やお店が登場する。彼らの人生の続きを覗き見ているようで、読んでいてワクワクした。

本の内容自体は、前半までつまらないなと思っていた。
あの時こうしていたら、という「もし」の世界が、同じ「私」の視点で何度か描かれる。

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2026年08月18日

Posted by ブクログ

舞台化がきっかけで出会った作品。普段読まないジャンルなので、1話目はうーんなかなか入り込めない…と思っていたけど、2話目に入ってなるほど!という感覚があった。あくまで私の主観ですが、どの道を選んでも楽しいんだと思わせてくれる、前向きな気持ちになれるので好きです。読み終わるのが惜しかった!

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2026年07月26日

Posted by ブクログ

初森見登美彦。
文体は、「私」の語り口調がやや古風かつ知的。

「私」は理想とする「薔薇色のキャンパスライフ」とはかけ離れた大学生活を過ごしているものの、小津や明石さんなど、周りには個性的で魅力的な人間が溢れていて、傍から見ればかなり恵まれている。
実際の人間関係もそうなんだろうと思った。

現実の人間関係に悩み、理想と現実の狭間で揺れて、大きさに差はあれほとんどの人が持っているだろう自尊心を守ることに毎日必死。

「それでもいい。どっしり構えていろ」という樋口師匠の言葉に、読者の私も救われた。弟子入りしたい。

真の孤独を味わって、現実を受け入れるようになる主人公の成長物語でした。

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2026年07月03日

Posted by ブクログ

-「成就した恋ほど語るに値しないものはない。」-

 以前テレビで、スターウォーズを制作順ではなくエピソード順に鑑賞したらどうなるのか、という企画を見ました。実験台となった芸人は「フォース」「ジェダイ」などの特殊な用語に疑問を抱いたり、エピソード4のルークをみて親心のようなものを抱いたりと、それはそれで面白そうでしたが、制作順に見ると得られる感動が損なわれてしまっている印象もありました。

 先日投稿した森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』の書評では、同作者の『四畳半神話大系』を刊行順的に先に読むことを強くおすすめすること、そして今私自身がそのアニメを見ていることについて書きました。もはやこの記事が上がっているということは、そうです、アニメを見終わったのです。普段アニメをそこまで見るわけではない私がものの2,3日で全話見終わりました。独特の言葉遣いはこの作品にも共通していましたが、いい意味で聞き流しても問題ない言葉とそうではない言葉がアニメだとわかりやすくなっていたのです。そして、「あー、こっちを先に見てたら、夜は短しのあのシーンに繋がってくるわけだな!」という感情に何度も何度も駆られました。今回は小説を読んだわけではないので書評ではないですが、いわゆる「四畳半神話大系のススメ」をここに残したいと思います。

 主人公はまたもや大学2回生の先輩。一応、『夜は短し〜』とは別人とのことです。主人公はバラ色の大学生活を夢見て入学するものの、現実は悪友に振り回され、黒髪の乙女 明石さんにはなかなかお近づきになれない不毛な毎日。「もしもあの時別の選択をしていたら」というifから生まれたパラレルワールドで繰り広げられる無数の大学生活を描いた作品です。

 私はこの作品をみて、社会人6年生ではなく、高校3年生の時に見たかった!!と強く感じました。高校3年生って、大人の管理下だったフェーズに終わりが近づいて、「自分で自分の道を選択する」フェーズへと移り変わる時期だと思っています。自由には責任も伴うもので、その責任に押しつぶされそうな時、誰もが抱く妄想「あの時こうしていれば…」という現実逃避のアンサーをこの作品では見ることができるのです。作中で印象的なセリフがあります。
「我々の大方の苦悩は、あり得べき別の人生を夢想することから始まる。自分の可能性という当てにならないものに望みを託すことが諸悪の根元だ。今ここにある君以外、ほかの何者にもなれない自分を認めなくてはいけない。」
この作品は人生を巻き戻すという行為が土台となっていますが、実際の現実は後戻りできない。「大人はああ言ってたのに!」なんて言い訳は通用しないし、他人はあなたの人生の責任をとってくれない。「あれがほしい」「こういうことしたい」と、人生は常にないものねだり。過去や未来にないものねだりをするのではなく、今あるものに目を向けようと背中を押してくれる言葉だと思いました。

 最後に、冒頭にも書いた本作の私が一番好きな名言に触れて終わりにしようと思います。
「成就した恋ほど語るに値しないものはない。」
人生も叶わなかった恋も、答えがわからないから面白いのかもしれないですね。

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2026年06月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『四畳半神話大系』は、とても新鮮な読書体験だった。

まず印象に残ったのは、独特な言い回しと世界観である。現実と幻想の境界が曖昧で、どこか夢を見ているようだが、京都ならどこか納得できてしまうのは不思議だ。

四つの章は繰り返し構造になっている。
気付いた時は率直に面白い試みだと思った。同じような文章や出来事が何度も現れる一方で、そのたびに少しずつ違う部分が見えてくる。その差異を探しながら読む楽しさがあった。

一方で、四章目だけは異なった雰囲気を感じた。
これまでの章とは違い、主人公が世界の歪みに巻き込まれ、不安定で不穏な雰囲気が漂っていた。
しかし、繰り返し構造や過去を語るモノローグ、「八十日間」という題名などから作品全体の構造は維持されていると信じ、最後まで安心して読み進めることができた。

その安心感は、『夜行』や『熱帯』の読書体験から生まれたものだと思う。これらの作品では、登場人物や読者自身が不思議な世界に飲み込まれる不安感があった。
それはそれで非常に魅力的だったが、『四畳半神話大系』では最終的に主人公が現実へ戻り、明石さんとの関係も含めて着地点へ辿り着く。
そのため、世界の不思議さを残しながらもどこか安心できる読後感があった。

また、この作品には学生時代特有の卑屈さやこじらせた感情が描かれている。私自身の学生生活は森見作品に描かれる京都の学生文化とはかなり異なるのだが、大学という場所に漂うどこか退廃的な空気や、心から楽しんでいるように見える人たちを羨ましく思いながらも素直になれない感覚には共感する部分があった。
それは「みんなそんなものだよね」、と言える程度の感情なのだが、そう感じれば安心もできる。

京都という街に根差しつつも現実と幻想を行き来するような不思議な世界観、モノローグ、独特の語り口調、文章のリズム…『四畳半神話大系』は、それらの魅力がもっとも親しみやすい形で表れている作品だった。

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2026年06月17日

Posted by ブクログ

面白かったーーーーーーー!
不思議な作品だった。
これみたいにパラレルワールド的話は、他にも沢山あるけれど、どれもロジック的な脳汁が出るドーパミン系の作品が多かったように思える。それは、平行世界には現世界と決定的に違う改変が行なわれているからだと思う。この時この選択肢を取ったから、ゆくゆくはこんな最悪な世界に、、!的な。
そういう意味では今作は全くそんなことはなく、自堕落な学生生活を送る主人公が入学時にどの選択を取っていたにせよ未来はさほど変わってはいない。
斬新だなと思った。
というか、残酷だなあと思った。
どのように動いたにせよ、運命論的に人生の結末は決まっている。2本目に樋口が「人の人生は可能性ではなく不可能性で語られるべきだ」的なことを言っていたように、要は自らを「しなかったこと、出来なかった今の自分」でのみ客観視するべきだということ。

ほぼ主人公のように、有り得たはずの他の大学生活を夢想する自分にとってはまじで凹む内容。

凹んで読んでいたが、最後数ページ本作は僅かな希望を見せる。
四畳半平行世界を横断し、沢山の不可能性と永い孤独を感じた主人公は初めて自分の今の世界を客観視する。自堕落な学生生活の責任を転嫁し、失敗を恐れて行動しない自らを自覚し、そこから生まれる孤独を実感する。そして意外と自分の周りには人間が多かったことに気がつく。
そして自らとは対照的に、単一世界で八面六臂に動き回り、多くの人に囲まれ、良くも悪くも濃密な学生生活を送る小津の存在を初めて理解する。
最後の小津へのことばには少なからず尊敬の念があったんじゃないかなーとか思う。

そして環境を変え、他人のための行動を始めた主人公はいつか小津のように実りある学生生活を手にできるのではないか。そうであって欲しいなと思う。

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2026年06月06日

Posted by ブクログ

主人公がちょっと苦手なタイプで、80ページをこえるまでは読みにくかったです。
パラレルワールドストーリーもので話全体は面白い。
アニメ化もしてたはず、観てみようと思いました。

(一応再読です。高校生の頃に読んだことがありました。主人公が苦手、については当時母に話していたそうです。同じようなことを言ってたわよと言われました笑)

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

audibleにて。

森見さんの作品はこれで5作目。
1番最初に読んだ「夜は短し歩けよ乙女」では かなり苦戦したんだよな〜。
こちらもそういう雰囲気がプンプンしてたので どうかな?と思いつつ、、

最初はなかなか取っつきにくくて やっぱりか〜と思ったけど、2章目の途中くらいで仕組みが分かりだした頃には文体にも慣れて それなりに面白くなった。

薔薇色のキャンパスライフを夢見る、京大3回生の「私」。
だけど、現実は悪友や 風変わりな先輩に振り回され、何も実益もない2年間を過ごしてしまった。
もしもういちど、1回生に戻れるならば、、サークルを別のものにしていれば、、
タラレバを実現した4つのパラレルワールド!

ちょっとした言い回しとかが可笑しくて なんどもクスっとした。
選択が違ったらどう変わるのかが見もの(聴きどころ?)だったけど、なるほどな〜。
最後のオチにはじんわり。
個人的に青春物はあまり好きではないのだけど、このシュールな世界観はちょっとクセになりそうかも。

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2026年05月02日

Posted by ブクログ

遅ればせながら、森見登美彦作品を初めて読んだ。面白かった!
並行世界モノの四編。
文体も登場人物のキャラクターもよかったが、
とにかく構成がすばらしい。
第二話以降は、次々に起こる突拍子もない出来事に
「どのように収束していくのだろう」というワクワク感をもって読み進めた。

また、万城目学作品と世界観が似ているようにも感じた(京都文学?)。

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2026年04月12日

Posted by ブクログ

言い回しや表現が独特で、これが良いという人と読みにくいという人で分かれそう。
大学生でのサークル選びは人生の分岐点といっても過言ではないだろう。この作品はそれについて十分に教えてくれる。
ただ、どのサークルに入ったとしても、どういった道に進んだとしても、今いる友人、会うべき重要な人、自分の人生のレギュラーというのは変わらないのかもしれない。
そう考えると、今いる環境に今一度感謝をせねばならない。

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2026年04月08日

Posted by ブクログ

「成駆」を読んで森見登美彦さんの作品が読みたくなり、手に取った。

大学生の「私」が、さ迷い込んだ4つの並行世界で繰り広げる、滅法おかしくて、ちょっぴりほろ苦い青春ストーリー。

序盤はイマイチ進まず…( 'ᵕ' ; )
中盤あたりから、段々面白さが分かってきて、終盤あたりはページを捲る手が止まらなかった。

こんな構成の作品、初めて読んだかも。
「私」の些細な選択肢の違いが、彼に全然違う人生をもたらしていく。
世界線によって人物の相関図や「私」との関わりが微妙に違う。
でも、登場人物たちの本質は変わらない。
そして、どんなルートを辿ったとしても、変わらないこともある。
物語の核心を突くようなセリフも度々出てきて、もはや笑っていいのか、ゾッとすればいいのか…(((( '-' ))))

起こる出来事、登場するアイテム、数々のお決まりのセリフなど、ある程度読み進めて、展開が分かっているからこその面白さもあった。

「あのとき別の道を選んでいたら」
「あの人に出会っていなかったら」
など、私たちは無数の「別の世界線」を頭の中では簡単に作れるけれど、実際に生きているのは、今ここにあるこの現実だけなんですよね。
この作品を読んで、今の人生を肯定してもらえたような気がします(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)

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2026年05月05日

購入済み

摩訶不思議な恋物語?

古めかしい語り口で語られる、卑猥なる四畳半パラレル恋物語。
主人公は孤高なる生き様を貫く?自堕落な大学三回生。
それに付け入るは、パラレルワールドを行き来し悪事の限りを尽くす妖怪小津。
無茶な要求ばかりする、仙人のように達観した小津の師匠、樋口。
樋口師匠と激しい悪戯合戦を繰り広げる城ヶ崎先輩。
んな人々 (主に小津) の巻き起こす騒動に巻き込まれながらも、怠惰さを以て抵抗する主人公の前に現れた一輪の華、黒髪の乙女、明石さんとの四畳半での目眩く恋の物語。
なのでしょうか。

独特の語り口が印象的な作品です。
表紙は可憐で古風な乙女が幻想的なタッチで描かれていますが、内容は大正ロマンな乙女の恋愛ものではなく、孤独で卑猥な大学生(男性21歳)の、特に努力や甘酸っぱい思いをするわけでもなく、最後に何故か成就してしまう摩訶不思議な恋物語です。

非常に不思議な作品です。
他の作家には無い感性で描かれています。癖になるかも。

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2014年09月16日

Posted by 読むコレ

何とも不思議な物語に出会ったものです。

四つの短篇からなる一冊ですが、四篇とも同じ主人公、同じ時系列、同じ場所を中心に広げられる異なる物語。
いわば読者は四篇の並行異世界を体験する事になります。

予備知識ゼロで取り組むと、この辺の仕組みを正しく理解するのに半分、約二〇〇頁も要してしまいましたが、理解してからは楽しさ倍増。
最近氏の作品の世界観も理解し始めてきた所だったので、余計な気を回す事無く純粋に没頭する事ができました。

ただ、最後の一篇は解決編に見えて読者を混乱させるだけだった様な。
発想は凄く楽しかったけれど。

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2014年04月06日

Posted by 読むコレ

アニメ化もされ話題の四畳半神話体系、モリミーの
ブレイク作品。「夜は短し~」しか読んでいなかったですが
こちらの方が癖も少なく読みやすいですねー。
ややSFチックなパラレルワールドが展開され、それに
従ってまるでコピペの様な文章が中毒性あります。

アホな生活をしすぎて色んな事を悔い改め始めた
自分が迷い込んでしまった四畳半無間ループ。
些細なきっかけ一つで過ごす時間は当然違えど、
やはり諸悪の根源「小津」との出会いや、謎の師匠
「樋口」、そして麗しく孤高の君「明石」さんとの出会いは
あって自分の世界はそれほど激変なんかしないのだ。
選択した後の行動で少しは自分自身や環境なんか
変わるんだ。例え、魚肉ハンバーグとカステラしかなくってもw。

ちょっとしょっぱく少しだけ個性派のウジウジした
ほろ苦い青春SF小説なのだね。

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2013年03月08日

Posted by ブクログ

【2026年98冊目】
冴えない大学生活を送る私はどこで人生を間違えたのかと逡巡する。道を間違えていなければ今ごろ黒髪の乙女と薔薇色のキャンパスライフを送っていたかもしれないのに…時には映画サークル、時には師匠に弟子入り、時には巻き込まれ、閉じ込められる、四畳半を軸に繰り返すパラレルワールド。

読です。初めて読んだのは10年以上前でしたが、読み始めてすぐに「ああ、こんな感じだったかも」と思いました。森見登美彦ワールド全開の今作、繰り返されるようでどこか違う世界。選択を変え、少しずつ異なる世界が繰り広げられていく。それでも、平行世界線の要所要所はどうやら同じようで、物語が進むにつれ因果関係も明らかになっていきます。

最終話が一番好きですね、一番不可解であり、先も読めず、でもちゃんとこれまでの章にちりばめられた内容を回収していく感じ。最後の2行も良い締めくくりでした。

大学生の頃に読むともっと面白いかもしれません。本棚に置いておきたい一冊です。

初読:2012/11/2

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2026年08月17日

Posted by ブクログ

よく見る読書bloggerのゆうやさんが森見さんの作品の中で一番好きだとおっしゃっていたので読んでみた。
最初から最後まで起きている内容を繰り返しひたすら読まされているような感覚になって、あまり没入はできなかったが、
解説を読んで気付いた。どんな選択をしても現実はそこまで変化していなかったんじゃないか、ということ。どんな選択をしても同じ言葉、現象、もの、人に出会ってしまう。

主人公は幾度となくこれまでの生涯に後悔し、自分の可能性に思いを馳せる3回生だったが、結局自分の不可能性を知ることって、大学生活で絶対経験することだと思う。

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2026年07月20日

Posted by ブクログ

老婆の慧眼に、私は早くも脱帽した。能ある鷹は爪を隠すということわざにあるがごとく、慎ましく誰にも分からないように隠し通したせいで、ここ数年はもはや自分でも所在がわからなくなっている私の良識と才能を、会って五分もたたないうたに見つけ出すとは、やはりただ者ではない(p46)

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2026年06月22日

Posted by ブクログ

何を選択しても結果は同じ

そんな設定を成立させる組み立ては絶妙。逆に最後が読みづらく感じてしまった

舞台観劇に向けて読んでみたけど、これがどう演出されるのか楽しみ

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

最初は特徴的な文体に読み進めるのに時間がかかった。
どの選択をしても出会う人や結果は同じでその過程だけが異なるという話

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2026年04月22日

Posted by ブクログ

独特の世界観に少し戸惑いました。読み進めていくうちに段々と理解が追いついてきましたが、私のような読書素人にはハードルの高い作品でした。
いつの時代の話なのかと、読み手に考えさせる表現も作者の技術なのでしょうね。どこか懐かしく感じさせながらも所々で時代の新しさを感じさせたり。
自分の学生時代を思い出させつつも、よくよく考えると全く異なる境遇に作品の深さを感じました。

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2026年04月11日

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