小説・文芸の高評価レビュー
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やっと観た映画が面白かったので原作だとどのように描かれてるのか気になり翌日に購入。はじめは語り口調が読みにくいなと感じていたけど、いつの間にかページを捲る手が止まらなかった!
映画は原作と異なるところ、描かれないところがたくさんあり、読みながら思ってたのはよくあの3時間に綺麗にまとめたなと監督たちに感動した。頭の中どうなってんの?
原作での喜久雄は背中に彫ったミミズクのように恩を忘れない人間味を感じられたり、映画であの人どうなっちゃったの?とモヤモヤしていたところが救われたり、とにかく読んでよかった!
歌舞伎のことはちんぷんかんぷんな私は、映画を観たからこそ小説をより楽しむことができたし、 -
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再読。たぶん3回目?
中学1年生のとき、担任の先生が好きな作家さんとして紹介してくれて、読んでみたらハマったのが最初です。
一冊の中にいくつも物語があって、驚きと、たまに毒のある感じが新鮮で、当時は星新一ばかり夢中で読み漁りました。
3回目でもやっぱり楽しめます。
星新一は私の読書遍歴初期でとても重要な存在だったと思います。
当時の担任の先生に感謝です。
今は定年を迎えて非常勤として教壇に立っていると知りましたが、今でも星新一をおすすめしているのでしょうか。
きっと今の時代でも、星新一がきっかけで読書好きになる子はたくさんいるはずです。 -
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髪飾りに大きなリボンをつける主人公、リボンちゃんは32歳。リボンをつけることに確固たる意志があり、からかわれてもブレない。たくましい主人公だ。
登場人物それぞれがかなり個性的で、出てくる小道具も個性的。カポエイラ・モタンカ人形・絶滅動物・コケが一冊で出てくる作品なんて他にないだろう。人と違うことについて、自信を持たせてくれる作品だった。
そんな個性的な登場人物たちの中で、異彩を放つのが「普通」な中学生、波瑠。私は彼女の存在がとても気になった。個性的な妹のお姉ちゃんとしての苦悩を抱えている。自分のことを普通で地味で取り柄がないと思っている波瑠に、個性を貫くリボンちゃんの声は届かない。リボンち -
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チエ目線 原田マハさんの美術作品が好きです。リボルバー、たゆたえども沈まず、どちらもゴッホを取り上げている作品ですが、面白く読ませてもらいました。
私はゴッホとエゴンシーレが好きで、美術展にも足を運んだことがあります。小学生の時に、俺はゴッホになると壁に絵を描いた事もあります。今考えると棟方志功の影響もあったのだと思います。
この作品は妻のチエ目線で描かれている作品で、それが返って棟方志功を間近に見ている感覚にしてくれました。真っ直ぐな人間で、芸術に版画に、そして人に愛情や熱量が伝わったのだなと思いました。
私も少し棟方志功とは縁があり、疎開先の富山県福光の鯉雨画斎の移設のテレビ取材に、 -
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素晴らしい作品でした 人生には良い時も悪い時もあり、起き忘れてきたものがあり、勝ち取ってきたものもあります。それらは、自分が置き忘れたと思っているだけで、人にとってはなんて事のない物語かもしれません。勝ち取ってきたものも同じです。それでも、自分にとって大切な物語であり、これからも大切にしたいと思わせてくれました。
そんな自分の歴史の1ページ1ページを思い出しながら、悔しさや喜び、やるせなさや感動をこの物語から得る事が出来ました。努力が実らずに辛かった経験も、私の血となり骨となり今の自分が生きていることに、誇りを持ってもいいのかなと思いました。
とても良い作品でした。また、読んでみたいと思い -
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素晴らしい作品でした 人生には良い時も悪い時もあり、起き忘れてきたものがあり、勝ち取ってきたものもあります。それらは、自分が置き忘れたと思っているだけで、人にとってはなんて事のない物語かもしれません。勝ち取ってきたものも同じです。それでも、自分にとって大切な物語であり、これからも大切にしたいと思わせてくれました。
そんな自分の歴史の1ページ1ページを思い出しながら、悔しさや喜び、やるせなさや感動をこの物語から得る事が出来ました。努力が実らずに辛かった経験も、私の血となり骨となり今の自分が生きていることに、誇りを持ってもいいのかなと思いました。
とても良い作品でした。また、読んでみたいと思い -
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再読中 文学文学した小説は苦手です。ワインの味を表現するときの比喩のような文章が出てくるとぞっとします。でも、この小説の中で音楽に対して使われる比喩には心が共鳴し、美しい表現だなって共感できました。恐らく、音楽に対する表現には許せるようです。恩田陸さんの蜜蜂と遠雷が好きなのも同じように、音楽に対する比喩表現は受け入れられるようです。
本当によい小説で、小説の中に流れる音楽を感じられる一冊でした。青年の成長や心の描写が美しく、読んでいて清々しい気持ちになりました。強く美しく、自分の子らにはそうのように生きて行って欲しいと願っています。そして、私もそう生きたいと思わせてくれました。ありがとうござ -
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満場一致 うちの家族は妻も母も父も姉も弟もみなよく本を読む。実家に帰った時に面白い本を言い合ったが、この本もみんな読んでいた。でも、家族の個性は小説の登場人物の個性ほどではない。あまりにかけ離れた世界でもないけど、すぐそこにはない世界。内面の世界は小説と現実がうまく重なっていると思った。外国に住んだことはないが、旅先でも誰かと友だちになって別れ際に「サラバ」と話してみたい。あと、表装が好きだ。タイル状の模様、Sybillaのような色調が世界観にマッチしている。
「僕はこの世界に、左足から登場した。」
主人公はイランのテヘランの病院で生まれ、破天荒な姉や幸せを願う母、朴訥な父と共に暮らす。イラ -
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ネタバレ一穂ミチ先生の新刊!
同棲していた彼女が、男と離島でクルーザー転覆事故の末、行方不明に…。どんな愛憎劇かと思いきや、五島列島での閉鎖的な人間関係と青吾、多実、波留彦に起きた過去と現在の出来事が絡まっていくミステリー風味、キーとなるテレホンカードで多実の会話を聞くことができるというファンタジー要素のあるエンタメ作品でした。重苦しい要素も一穂先生の軽やかなタッチでスイスイ読ませてくれる、さすが。
主人公の青吾が、なんとも言えない、多分イケメンとは言えないどこにでもいるようなフツーの40代男性で、対して沙都子は多分美人で、かなり強めのキャラクター。バディ的な関係の2人のバランスがとても良かった。
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新人添乗員が旅行する話で、読みやすく、あっという間に完読。
行ったことがある国は、自分が旅した時の記憶が蘇ってきて、この国はツアーで行ったなぁ。この国は個人で行ったなぁ。とか、そこ行った行った!なんて思いながら読めて楽しかった。
ツアーでも個人でも旅行するけど、添乗員のバックグラウンドを考えたことがなく、新人が担当することもあるし、なんなら行ったことがない国にも行かされることを知ってビックリ!
行ったことがない国に、個人で行くならまだしも、見ず知らずの他人を団体で連れて行くなんて、凄いことだと思った。自分が喋れない言語の国なら尚のこと。
色んな参加者がいて、参加者同士のことも考えて、気を -
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ショウペンハウエルは一流の文章家で鋭い皮肉や心を打つアフォリズムが至る所に散りばめられていて、気づいた時には文章に誘い込まれていた。
才能のある著者・良書の見極め方、文学との向き合い方の本質が書いてあり面白かった。古典こそ正義。
【メモ】
読書は他人の頭で考えること。自分の頭で考えることがベストプラクティスなので読書はとても有害なものだ。その土地を実際に旅したような、真の意味での基礎的な知識や問題を知ることができない。
著作家のタイプ
- 事柄そのもののために書く者
- 書くために書く者
後者は、金銭のために書く。真偽曖昧な思想や歪曲された不自然な思想、動揺時ならぬ思想を次々と丹念に