小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ何度か出てきているのですが、「何が受賞したのか?」より、「なぜ受賞したのか?」「なぜ受賞できなかったのか?」を考える一助となる一冊です。
平易な言葉でとても分かりやすく説明してくれています。
構成もよくできてて、重くなりがちな成り立ちの歴史は後回しにして、アカデミー賞自体の説明⇒アカデミー賞を選ぶ人、選ばれる人の説明⇒歴史⇒その他という流れです。
あと、個人的にお~!とテンション上がったのは、濱口監督と大学の世代が同じ(作者のひとつ学年上が濱口監督)で映画仲間なんですって!
当時の裏話が聞けて嬉しいし、「ドライブ・マイ・カー」の受賞の何がすごかったのかも、丁寧に語ってくれています。
「ドラ -
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スピノザの診察室もすごく良かったけど、こちらもさらにパワーアップして良かった。
教授のご父君のERCPを、花垣、雄町、西島、南の総出で挑むのがアツい展開だった。
今川さんの最後が素敵すぎる。スピノザからでているキャラクターだから思い入れがあって、長生きしてくれと思いながら読んでいた。普段見取りで泣かない哲郎がぐっときてしまっている所もよかった。
南先生との関係が微笑ましすぎる。少しでも進展があると、本筋が入ってこないくらい嬉しくなってしまう。
スピノザ、エピクロスと連続で読んでしまい、続きがないのが悲しい。まだ続編が書けそうな展開なので、ぜひ出てほしい。 -
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生産性と成長を過度に追い求める共同体への皮肉を、圧倒的な言語化で描ききった作品。ある意味で『イン・ザ・メガチャーチ』をも超える衝撃。
神なき世界では、共同体の多数派が神の代替となり、「なんとなくの空気」を生み出す。生産性と成長が正義とされるその空気の中で、そこに寄与できない者は浮かび上がることができない。そうした状況に置かれた主人公の心理が、○○○の視点でユーモラスに皮肉たっぷりに描かれている。
そんな中、同じくマイノリティの立場にいながら、主人公とは異なるスタンスを取る人物もいて…。「否定形の意思表示は結局誰にも伝わらない。やがてそうしたものに自分たちは乗っ取られる」とマイノリティサイド -
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ネタバレ私はこの作品を読んだ当時、主人公のこころと同じ中学1年生・そして不登校でした。別室登校をしながら空いた時間にこの小説を読み、ラストの曇天返しで声をあげて泣きました。
私も小6の時にいじめを経験していますが、いじめに逢った側は親に中々そのことを言えず、ずっと一人で抱えがちです。またこころが母親に「お腹痛い」という場面や「行かないんじゃない、行けないの」と思う場面は、不登校児者の想いをそのまま汲み取ってくれたような筆致で、読んでいて胸が締め付けられました。
他にも語りたいことは山ほどありますが、私は喜多島先生がこころに向かって言った「だって、こころちゃんは毎日戦っているでしょう?」の一文 -
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Posted by ブクログ
さまざまな夫婦の物語が描かれている。
それぞれ個々の物語かと思いきや、意外なところで繋がっていて、誰かの心に響いている。
夫婦という小さな社会から少しずつ綻びが生じ、それらが他の小さな社会(夫婦)に絡んでいき、結果として繋がって、周り回って自身の綻びを修復していく。人は人と、社会と、繋がり無くしては生きていけないのだと無意識のうちに知らしめされる。
文中に描かれる夫婦間の綻びやほつれが、自身と重なり、時に苦しく、時に清々しく、また懐かしくもあり涙が出た。
私は私の小さな社会で、生涯共に過ごすであろう人と、きちんと向き合って、受け止めて生きていこうと思わされた作品。
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