あらすじ
一九六〇年,ようやく釈放された蔡焜霖は幼馴染の「きみこ」と再会し,結婚する.「前科」のために就職にも苦労したが,やがて漫画雑誌の編集者となると,新たなアイディアを次々と実現し,児童雑誌『王子』を創刊するなど八面六臂の活躍をみせる.だが,その陰には常に「人より一〇年出遅れている」という思いがあった.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
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Posted by ブクログ
「無実の罪」での、10年間の収容生活からようやく逃れるも、警察の監視の目はずっと続く。
出版会社から、広告会社と渡り、順調にキャリアを駆け上がるが…。
この時代の日本はお手本とされる部分があったのだなと感じる…。
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第3巻。主人公のあくなき向上心に驚かされる。努力の末につぎつぎと願いをかなえていくが、どこまでもしつこく付きまとう権力の陰。人の幸せを踏みつぶすことにためらいのないやからにはほんとに腹が立つ。
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緑島という小さな監獄から、今度は戒厳令下の台湾というより大きな監獄に入ることになったのです。
さいこんりん氏の不屈の魂。
創意、社会や国の未来を思い子どもたちの本や雑誌をだし、緑島の仲間に手を差し伸べ自らの信念を曲げない。
紅葉小学校の野球チームブヌン族の子どもたちへの支援、その後日談。
壮年期のさいこんりん氏の活躍と苦悩が、シンプルな画線で力強く描かれている。いつも死者が近くいる。死や弾圧と隣り合わせだがとにかくできることはなんでもする姿、父親を亡くした空虚さ。絶望から希望、希望さらに大きな希望へ。
Posted by ブクログ
ゆえあって、三巻から。
途中からなので、揃ってから読もうか、と思ったけれど、読み始めてしまうと読みやすい。
白色テロ時代を経て、その傷を負い、他より十年出遅れたという思いの強い主人公はアイデアを得て児童雑誌「王子」を創刊する。
よく読むと、いろいろなことがバランスよくかかれて、事態の複雑さがそこはかとなく伝わってくる。
木版画に通じるような暖かみのある絵柄も、負わされている生きにくさを伝えて品性のあるものにしている。気持ちやこころが近い感じだ。
Posted by ブクログ
人口に膾炙した漫画が次から次へと連載出版されてゆき ペスタロッチの教育理念である「自ら体験するすることを重視する」姿勢を実践していった 紅葉チームではその後続け様に年齢詐称した選手の替え玉事件等が発覚した