あらすじ
七〇年代,蔡焜霖(さいこんりん)は大企業の國泰グループに新たな活躍の場を得て,美術館の設立や百科事典の創刊に携わる.蔣介石の没後も「戒厳」は続いたが,次第に政治運動が盛んになり,時代は民主化へ向かって激しく揺れ動く.だが緑島に収容された人びとの名誉回復がなされるまでには,さらに長い時間が必要だった.シリーズ最終巻.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
全巻通しての感想。
あまりにも教養がなく、この本で初めて知ることばかりだった。無知ゆえに引っ掛からなかった過去の経験が新しい意味を持って思い出されることがたくさんあった。
ようやく「悲情城市」を観られる。
Posted by ブクログ
決して他人事で言ってるわけではないですが、台湾の歴史はすごい。とても複雑に絡まり合ってるし、親子でも言葉通じないくらい変化が激しい。
そんな大変な社会に生きながら、悲しいことも乗り越えながら、タフでエネルギッシュで明るく暮らしている台湾の人たちを心底尊敬します。
主人公の蔡焜霖さん、調べたら一昨年92歳でお亡くなりでした。もっと早く知りたかったな。お疲れ様でした。
自分と40年近くも人生がオーバーラップしている方がこんなに大変な人生を送ってたなんて。親とか祖父母とか同じ時代を生きたどなたかの目線で社会を振り返るって、教科書的な歴史の勉強とまた違う。知ってるつもりで知らなかったことがいろいろ出てくるし、自分のいる社会を理解する上でも大事だなと実感した。
あとなにげに、絵柄とか装丁の色使いとかが台湾っぽいおしゃれさで本棚映えする漫画なのが気に入った。
Posted by ブクログ
歴史というのは途切れずに続いているものなんだな、と改めて思う。
いい意味でもあり、悪い意味でもあり。
調べると昨年に蔡焜霖さんは亡くなっている。
歴史を紡いできた人を亡くすことで、人間はまた同じような過ちを犯してしまいがちだ。
戦争などが多発している今の世界を見るとそう思える。
こういった書籍が、歴史を思い出す一助になればいいのだけど、果たして…。
Posted by ブクログ
前々回の台湾総統選挙。国民党の朱立倫が負けて民進党の蔡英文が選出されたあの歴史的選挙から8年も経ったことになる。早いものだ。台湾には2015年10月13日から2016年3月19日までおよそ半年間の在外研究で滞在したのだが、ランタン飛ばしのイヴェントに朱候補が来ていたのが思い出される。あの時の国民党は内部紛争もあり、ガタガタで到底朱候補が勝てそうな雰囲気ではなく、結局、総統選も立法院の議員選挙も民進党が圧勝した。ただ、私も周りの先生方の中では必ずしも蔡英文支持が多かったわけではなく、何となく醒めた目で見ていたのも印象的であった。現地の雰囲気というのはそこにいないとなかなかわからないもので、その意味でも有意義な滞在であった。
その後、2017年のユニバシアード大会時に訪台したが、あの時の台湾の盛り上がりも日本の人にはほとんど伝わっていなかったと思う。大学生中心の大会とは言え国際スポーツ大会が台湾で開催されたこと自体が画期的であった。ユニバーシアード大会の成功で人気も上がった柯文哲(当時、台北市長)が今回の総統選では第3極として立候補。もともと民進党が支持していた候補なので今回は与党票を食っていく可能性も否定できない。選挙の結果がどうなっても大陸中国と台湾の関係はこの先まだまだ不透明であろう。台湾は恐らく現状維持派が圧倒的に多数だが、その現状維持が難しい状況なのだと思う。
さて本作品『台湾の少年』第4巻はそんな民主的な選挙がおこなわれるようになるにはまだしばらくかかるそんな時期のお話。
Posted by ブクログ
シリーズを読み終えた。
隣りの国台湾がどのように苦しみどのように民主化されてきたのか、よく知らなかったことが蔡焜霖の一生をたどることで少し学ぶことができた。
台湾有事でアメリカの尖兵となることを夢想する岸田は日本だけでなく台湾の人々のいのちをどう思っているのか、許せない。
Posted by ブクログ
台湾が好きで、何度も旅行したことがある。
とても風通しがよい国だと感じていたが、ほんの数年前、数十年前に、このようなことがあったのかと、驚く。
私は、白色テロの時代、緑島に収監されていた人々はヒーロー的存在で、人々から尊敬されていたのかな?なんて呑気な想像をしていたが、釈放後もその身分は監視され、社会に適応できず長く苦しめられていたこと、また、その過去を自分の子供たちにも伝えられない期間が長くあったことなどを知り、まちがった政治が人々をどんなに苦しめていたのか改めて知った。
1988年の天安門事件が起きるまで、中国が台湾よりも開放的な国だと思っていたという発言にも驚いた。
台湾の歴史を勉強していたつもりだったが、初めて知ることも多く、とても興味深く読んだ。蔡さんの人生が、台湾の自由や民主の発展とともに描かれており、より身近に感じられたからかもしれない。まだまだ知らないことが多い台湾にさらに興味がわいてきた。もっといろいろ台湾に触れてみたいと思った。次に台湾に行く時はぜひ人権博物館にも行ってみたい。
拍謝少年 Sorry Youth-時代看顧正義的人Justice in Time ft.柯仁堅 (Official MV)
この本を読んでから、MVを見ると言葉に言い表せないなんとも言えない気持ちになる。
20230713