小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレなんと、前作『弥栄の烏』から20年が経過……。
山内の世界とこちらの世界(作中で言う外界)の時間の速さが同じだとすると、玉依姫が1995年ということなので、そこからも20年経過して、2015年。
単行本の発刊が2020年ということなので、え、これもしや最後に現代に追いつく設定・・・?
話は突如、現代日本。
突然、山内のある山“荒山”を相続することになった安原はじめは、「幽霊」を名乗る謎の女に連れられて山内に足を踏み入れることになる。
そこで出会ったのは、かつて北山雪哉だった雪斎。
今は、黄烏にまで出世して「若き金烏」から全幅の信頼を寄せられている、というが、果て、若き金烏とは……誰???
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Posted by ブクログ
人質たちが暇つぶしに、何か一つ思い出を文に書き出して朗読し合おうとする。今必要なのは、じっと考えることと耳を澄ませることだ。これを読んで、
小川洋子さんが「物語の役割」で、辛い現実を乗り切るための手段として物語がある、と語られていたのを思い出した。
杖 子供の頃足を怪我した太った下っぱ工員さんに、のこぎりで切った枝を渡して助けてあげた。十数年後、交通事故で意識を失っていたわたしの頭の中に、工員さんがバーナーと立派なお面を持って現れて、足を治してくれた。目覚めたら、切断寸前だったらしい足は、どうにか持ち堪えてくれていた。バーナーとお面は、世界を壊すのではなく創り出すものだったと気付いた。
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Posted by ブクログ
日々の生活に少し疲れたときにこそ手に取りたくなる一冊だと思う。派手な展開はないのに、不思議と心が整っていくような、静かな力を持っている。
まいと同じ中学生の頃に読んでいたら、きっと「少し変わったおばあちゃんとのひと夏の話」として、また違った受け取り方をしていたのかもしれない。学校や人間関係に悩むまいに共感しつつも、おばあちゃんの言葉の本当の重みまでは、今ほど深くは感じ取れなかった気がする。
でも今読むからこそ、「自分で決めること」や「逃げることも選択のひとつであること」といった教えが、現実の自分の生活と重なって、より実感を伴って心に響いてくる。
同じ物語なのに、読む年齢や状況によって受け -
Posted by ブクログ
人は同じ過ちを繰り返す。多くの命が失われてもなお、無くなることはない戦争。その愚かさを心に刻みながらも、その概念が人の記憶から消されることは無い。しかし、結果が同じ過ちであったとしても、その後が同じであるとは限らない。一度目の過ちは、過ちであるかもわからぬままに犯してしまう。しかし、二度目は過ちであると知りながら犯したのだ。己の信じる未来のために、希望と共に暮らすことができる世界のために。エリンはその選択をしてみせた。かつて災いを起こし、二度と同じことを起こさぬようにしてきたジェの意思は、既にあった小さな綻びを突いてみせたエリンの手によって崩された。しかし、そのエリンによって、かつて起きた災い
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