【感想・ネタバレ】猿のレビュー

あらすじ

「猿がいる」と言い出した同居人。
かすかに感じる、妙な気配。
曾祖母の遺産相続。
胸に湧き上がる不安。
岡山県山中の限界集落。
よく判らない違和感――。

ただの錯覚だ。そんなことは起こるはずがない。だが――。

怖さ、恐ろしさの本質を抉りだす、瞠目の長編小説。

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Posted by ブクログ

 「猿がいる。」
 本書は祐美の夫隆顕のこの言葉から始まる。引き篭もりで精神的に不安定な夫を気に掛けつつ、祐美は岡山に向かう。百歳で亡くなった曾祖母の土地を見に、弁護士と助手の案内で又従妹の芽衣と県境の限界集落へ赴くのだが...。
 本書363ページ内の殆どが4人が道中交わす「恐怖」論で占められる。閉鎖的で村の掟が支配する所謂「因習村」は現代日本にあるのか。何故人は幽霊や祟り、古びた人形、ひいては暗闇や死を恐れるのか。「恐怖」のエキスパートである著者の言葉はとても説得力があり、読者も何も怖がることはないのだ、という気持ちになるのだが...。ラストは嘗て読んだことがないような幕切れとなる。
 賛否が分かれそうだが、個人的にはとても腑に落ち、そして震え上がった。あなたが怖いものは何ですか?

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2026年02月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

すごい小説を読んでしまった。これはホラーなのか何なのか。ジャンル分け不能。「京極夏彦」というジャンルとしか言えない。恐怖について、何が怖いのか、なぜ怖いのか、京極堂のように奥の奥まで腑分けしていく、その展開にグイグイ引き込まれる。本書を読んでしまうと、ホラー小説が怖くなくなってしまうのではないか、ある種の営業妨害になってしまってないか心配になるw。急展開のラストは怖い。のか、怖くないのか、もうなんだか分からない。それにしても各ページの上部はなんで空いているんだろう? 深読みするとちょっと怖いかも。

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2026年01月31日

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京極夏彦氏らしいホラー小説。ホラーなんだろうけど、怖さはそこじゃない気がした。
私は御大がキャラを通じて語りかけてくる人間の在り方が怖い。子が罪を犯せば祖父母が戻る場所がなくなるとか、冒頭の主人公が冷凍食品を詰め込むシーンとか。社会生活の闇にゾッとした

普段ホラー小説は買わないんだけど(文章で怖さを感じられない&どうせ読むなら楽しいお話がいい)今回はたまたまサイン本を店頭で見つけたので購入。
京極夏彦氏だから読めたけど、やっぱり読後はメンタルが落ちるので、以後あまり厭な気持ちになりそうな小説は読まないようにしようと思った。

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2026年01月24日

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岡山で暮らしていた曾祖母が亡くなったと報せてくれたのは祐美の再従姉にあたる芽衣だった。
祐美の両親も亡くなり、祖母が亡くなってから疎遠になっていた唯一の親類だ。

曾祖母については何も知らず、会ったこともなく、疎遠になった理由もわからないまま、弁護士と芽衣と一緒に岡山の袮山村へ行くことになる。

の前からひきこもりのパートナーの「猿」がいるという迷妄に取り憑かれたことも気にはせずにいたのだが、ひとりマンションに残して行くのも…と気になりながらの岡山行きだった。

道中でも芽衣に会ってからも不穏な黒い影が気になりながら弁護士の山川とパラリーガルの尾崎と袮山村に…。
雨の中、最初に辿り着いた家で…。
それまでとは変わって芽衣が何かに怯えて怖いと言い…

幽霊でもなく、何か、恐怖の声なのか、悲鳴、嗚咽、慟哭なのか、怖いとただ怖いと。
耐えられないほど怖い。
気が狂う。
何故なのか…
だが、祐美は怖くなかった。

そこではないところで怖いと感じた。

どうなるんだろうという怖さがあるのだが、パートナーとの会話からも微妙な怖さを感じた。
何処かにいるのであろう猿の存在もまた不穏な雰囲気をずっと感じて怖い。
最後に怖い…という言葉も怖くなってくる。



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2026年01月06日

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ネタバレ

久しぶりに現代が舞台になってる。相変わらずうつ病ぽいパートナーと、随所で主人公が猿を想像しては怯えてる。怖いけど、急に社会の変容と所得税の歴史学べるし。いつもの通り、本読んで物語楽しんで知識も身につくお役立ち本過ぎる!
だがしかし、一気に時間ぶっ飛んで最後家で待ってたの猿ってどうゆう事。
全部本人の妄想で終わったってこと?

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2026年01月10日

Posted by ブクログ

このホラーブームに恐怖とは何かを問い直すような1冊。
例に漏れずブームに合わせてホラーを読み、段々ホラーって何?となってきて辞書を引いたりもしていた身なのでとても面白く読んだ。
1番身近にある、誰もが直面するのに全く言語化出来ない種類の恐怖を文章にしたかのよう。

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2026年01月02日

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ネタバレ

京極さんのお話は怖い、
ちゃんと怖い。
なんと言うか”怖い空気”がちゃんとある。
頭を洗っている時に背後に何かがいる気がして怖くなる様な日常の中に潜んでいる普段は感じない、いや気付かないふりをしている怖いのカケラ。そのカケラ達が醸し出す空気感。
物語序盤から漂う”怖い空気”なんだろうこの気持ち悪さ、と思いながら読み進めるに連れ濃くなる”怖い空気”オバケだ幽霊だの居る訳が無い、理屈でしっかりと教えてくれるし実際にそんなものは出てこないのだが、

最後ちゃんと怖い。

「いるの?いないの?」の大人版「厭な小説」の怖い版。
最近、活字から少し距離を置いて居たのですが、又色々読みたくなる一冊でした。

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2026年01月28日

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ネタバレ

え!?そこで終わるの!?って感じ。
村に着くまでが長い。でも京極夏彦さんらしい話がつらつらと書かれて進んでいったので、それほど苦にならなかった。現代の話だからそれなりに話も入ってきやすかったし。
なぜ村の老人らや芽郁がのうさんがいなくなったあの村を怖がっていたかについて個人的な見解をするとするならば、怖いと思うものは人それぞれで、たまたま村に集まった老人たちと芽郁がのうさんがいない村を怖いと思ってしまった。大多数の人間が怖いと思うことで恐怖心を掻き立てられ、読者はその村に呪い的なもの(怖くなる理由)の存在を求めてしまう。佑美は村は全く怖くないけど、猿はやけに怖いってことだよね?「姑獲鳥の夏」でも牧野の死体が見えない人間が二人いたから分かりづらくなってた訳で…←こんな話だったような?分からないすいません
隆顕がいなくなって、猿がいたとかはどんだけ考えても分からなかった。最後隆顕を探す際、「隆顕さん」とさん付けで呼びかけていたのはちょっと気になったけど。それ以上でもそれ以下でもない。
でも京極夏彦さんの作品だからめちゃくちゃ好きです!

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2026年01月23日

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ネタバレ

覚えのある京極節で、ヤアヤア先生お元気そうで何より。実家みたいな味がする。

書くの飽きちゃいました…?みたいな終わり方。
彼氏は実在してるんですかね?
この人の妄想なんじゃないかと感じた。
自分の後ろ暗いところに目を向けてしまって、あるいは失う怖さを覚えて、初めて怖くなるんじゃなかろうか。

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2026年01月22日

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怖いもの。というものはなんなのか?
と読み終わったあと考えてしまった。
話としては最後なぜそうなったのかわからなかったが、最後に至るまでの話は興味深く京極夏彦さんの話の面白さというか、不気味さというか、全体を通してずっとある不快な様子が心地よくすら感じる内容だった。

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2026年01月22日

Posted by ブクログ

あらすじを読んだ時は初期の頃のような因習系のホラーを想像していたのですが、全然違いました。
何かが起こるわけではなく、ひたすら何かが起こりそうな気配だけが漂う。ずーっと続く不穏な空気の中で、「怖いとは何か」を考えさせられる…という感じ。

小説の中に「何も起こらないから怖いんです」というセリフが出てきますが、この小説がまさにそんな感じです。
実際、じわじわとメンタル削られるより、ドーンとかまされた方が楽だと思うし。

「恐怖」は人間の想像力が作り上げたものと作中にあるのですが、確かに何もない暗闇を、何となく怖がるのは、頭の中であれこれ想像してしまうからで、余計なことを考えなければ怖がる理由はないんですよね。

主人公の女性は日常に疲弊しているせいか、物事に対してことごとく反応が鈍い。余計な想像をすることが無い、というか余裕がない。だから「何も怖くない」のではないか。
または彼女が何も怖くなかったのは、一連の出来事がすべて幻だからではないか。
これは読み終わってから感じたことだけれども、そもそもこの小説の中で起きたことすべて幻というか妄想で、主人公の頭の中を綴っただけなのではないか。
最後に彼女が猿を見て初めて怖くなったのは、そこに猿の姿を借りた見たくない現実があったからではないか。
実際、何も起きていなくても、何かが起きたのかもしれない、という疑問が湧いた時点で、もう何も考えていなかった時点には戻れないわけで、この小説を読む前と読んだ後では確かに自分の気持ちの中に「何か不安に似た妙な感情」が芽生えているわけです。
それこそ京極先生の狙いだったのかなぁ…などなど、色々考えてしまいました。

確かに何も起きないんだけれど、先が気になって気になって、あっという間に読み終えてしまった。
なんかすごいもん読んだなーという気分です。
ただ純粋にホラー小説が読みたかったなぁ、というちょっとしたがっかり感は否めないので星4つ。

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2026年01月14日

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曾祖母の遺産相続のため限界集落に向かうが… 超現実的で幻想世界に包まれるホラー #猿 #京極夏彦

■あらすじ
岡山の山奥に住んでいた曾祖母が亡くなり、遺産相続について弁護士から連絡があった松永祐美。パートナーの隆顕から反対されるが、彼女は逃げるように自宅を出発した。駅で待ち合わせていた親族、弁護士らと一緒に、山奥の限界集落に向かうが…

■きっと読みたくなるレビュー
ずーーっと会話してる小説。

その会話自体にはリアリティがあるんですが、話してる中身がよく分からない。さらに読んでると、なんか背中がそわそわするんすよね。落ち着かないというか、誰かにみられているような感覚というか。

都度都度あることについて様々な議論がなされ、情報が整理されていくんだけど、結局何を読まされているか良く分からないの。でも会話の不思議さに惹かれて、気づいたら読み終わっているという… そんな小説です。

はぁ? って感じですよね、でもホントこんな感じなのです。話の筋としては遺産相続のために岡山の限界集落に向かうというだけで、その道中でなされる会話がメイン。それでも読み応えがあるのは、さすが京極先生ですよね。

まず推したいのは物語の冒頭。祐美と隆顕の会話がめっちゃおもろくて引き込まれるんすよ。冷凍庫に食材が入らない、四苦八苦してるとブザーが鳴ってイライラする。そんな状況なのにパートナーがごちゃごちゃ言ってくる。日常生活の「負」を切り取った絶妙な一幕だと思いました。

超ネガティブな隆顕とのやり取りが粘っこくて好きなのよ。じわじわっと嫌悪感が広がってくところがいいすよね。負の感情って、ホント人の精神を支配しちゃいます。ポジティブな感情よりも圧倒的にパワーが強い。

さらにお話が進むと、周辺の村の事情や、集落の歴史などが語られていく。幽霊だの心霊スポットなど様々なオカルトめいたことへの言及もあるけど、それは誰のための何のための情報なんでしょうね。

何の根拠もないのにネガティブな情報を流布することの罪深さがしみじみと伝わってきます。どれだけ関係者をイヤな気分にしてるのか気づいてるんでしょうか、人の足をひっぱることのカッコ悪さを知って欲しい。

本作の謎解きも奇妙奇天烈でした。この集落は特異性とは? なぜ祐美は呼ばれたのか? この終盤の不気味さ、不可解さは唯一無二ですね。ラストまでまったく目が離せませんでした。

■私とこの物語の対話
恥ずかしながら私、高所恐怖症なんです。高層ビルってだけで落ち着かない。またエレベーターや飛行機など密閉された空間も苦手、精神的に弱いんですよね。

本作の装画を遠巻きでじっーーーと見ていると、猿の顔が浮かんできます。面白い仕掛けですよね。確かにそこに「猿の顔」は存在するのですが、パッと見るだけではわからない。

私も高所や閉所という事実を認識してしまうことが、恐怖心に繋がっているんだと思う。受け入れてしまうことが解決策だとわかっていても… やっぱ怖いんすよね。

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2026年01月13日

Posted by ブクログ

【一言感想】
後ろめたいことがあり、精神的支柱がない場合は"恐怖心"が生まれやすくなる

【感想】
曽祖母が亡くなり、明治時代以前から限界集落の状態が持続しているという土地の相続する話が上がることから始まる"恐怖"を題材にした物語

誰も悪くないのに後ろめたいことや、償いたいけれど償えない罪悪感を感じる場面があり、普段は気にならないかもしれないけれども、日常のふとした瞬間に悪い想像が膨らみ漠然とした不安感が強くなることから、"恐怖心"が生まれることがあります。

心の支えとなる人物がいる間は恐怖心が紛れるけれども、現在の人と人との関係が希薄になっているような状態では、世の中に漠然とした"恐怖"が蔓延しやすいのかなと、本作を読んで思いました。

【その他】
相変わらずボンヤリと知っていたり感じたりはする言語化しにくい言葉や出来事を、物語の中で落とし込むのが本当に上手な作家さんだと思う

最近では"恐怖"もエンタメ化されていて、"何もない"けれど人の痕跡があり少し不気味さがある物に対して、"呪い"と一括りにしているけれども、汚れや使用感が不気味さの正体(p323)であり、人の痕跡は、その人と物との想い出になるので、それ以外の他人とは関わりは解らない(p321)や、

自分ではよく解らない出来事に対して"怖さ"を感じることがあり、自分が納得出来るなら、本当の理由でなくても、信用出来なくても、ムチャクチャな理論でも信じて(p228)、自分自身を安心させて"恐怖"を遠ざけるので、それを否定されると元のよく解らない状態に戻ってしまう"怖さ"から聞く耳を持たないので、頑固な人や謝ったら死ぬ系の人は"恐怖心"が実は強い人なのではと思ったりしました

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2026年01月08日

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今年読み納めは大好きな京極夏彦先生で。

今年最後なのに、
良くわからんが怖い、というのが後を引きます…

というか、私が普段から感じてる『怖い』を文章化して頂いた感じ。
何かある方がまだ良いよね…
原因わからない方が不気味。

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2025年12月30日

Posted by ブクログ

いけませんよ。外に出ては――怖いですから

「猿がいる」と言い出した同居人。
かすかに感じる、妙な気配。
曾祖母の遺産相続。
胸に湧き上がる不安。
岡山県山中の限界集落。
よく判らない違和感――。

ただの錯覚だ。そんなことは起こるはずがない。だが−−。

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2025年12月28日

Posted by ブクログ

え、ここで終わるのとびっくりしつつも、なんともいえない嫌な雰囲気がずーっと続く感じがクセにはなる。嫌な小説の怖い版みたいな。
何かわからないけどただただ怖いという感情、なにか思い出せそうだったけど消失してしまった。思い出したら恐怖しそう。

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2025年12月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

不穏でぬるっとした漠然とした「怖い」が続くのに会話のテンポがよく、「怖い」ってなんだろうの展開が続きます。理解できない文化、幽霊が居そうな雰囲気、人の死や人の念などなど…。最終的に村の老人達が怯える「怖さ」を主人公は感じませんが、夢か現かわからぬ中、恋人がいるはずの空間に笑う猿がいる「怖さ」と邂逅する。彼女の知らぬ本当の恐怖はなんやかんや愛していて、自分なら対応できると信じている恋人が意思疎通の取れないケダモノになってしまうことだったのか?これは予想外の怖さ。俯瞰してたはずなのに包み込まれた気分です。

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2026年02月05日

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ネタバレ

ずーーーっと不穏で、結局オチはどっちでまとめるんだ…!?と最後までわからなかった。結局最後はどう解釈したら良いのだろう。そのままで良いのか。
私は京極作品のストーリーももちろん大好きなのだけれど京極先生の考え方が特に大好きなので、今回も京極先生の自論と思われる肝に銘じたい台詞や文章がもちろんもちろんたくさんあり、やはり、一生着いていく(再認識)
ガチガチのホラーが苦手な人でも全然読める!恐怖って結局なんなのか、因習村という言葉の危うさについて特に考えさせられる小説でした。

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2026年02月02日

Posted by ブクログ

山奥の限界集落に住んでいた曽祖母が亡くなり、遺産相続についての連絡があってそこを訪ねることになった祐美。家にうつ病のパートナーを残していくことを心配しつつも、弁護士や親戚と共に山中へ向かうが…
不穏な雰囲気の中、そこの限界集落の説明、怖さについてなど登場人物の会話が中盤以降まで延々と続く。何も起こらないのに読ませる力はさすが。

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2026年01月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

冒頭は主人公の祐美とパートナーの隆顕との生活の厭な部分が多く描かれていて、本作を読んでいてそのあたりが一番リアルに辛かった。
よくあるホラー的な描写もこの部分に多い。

中盤はひたすら『恐怖とは』といったような会話が続く。
京極夏彦作品や作者の考えをよく知っている人であれば、あぁお馴染みの考え方だなぁと思うんじゃないかな。

終盤はそれまでの会話を一気に覆すようなモヤモヤとした不安と恐怖がくる。
ラストは、え??これで終わり?結局あれはなんだったの?と思うような部分もあるけど、こういう話では全てがハッキリしないことのほうが多いと思うのでこういう終わり方もありだと思う。
猿については、作者が意図したことと合っているのかはわからないけど、私なりにスッと考えがまとまったのでよかった。

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2026年01月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

京極夏彦の文章のおかげで面白かったが、個人的にどう面白くなるのかを読者に丸投げされるタイプの作品は得意ではないので平均点。
ちょっと現代に対する説教臭さはあるが、それでも会話劇と雰囲気を作る能力が尋常じゃないのでスルスル読めてしまう作品。

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2026年01月08日

Posted by ブクログ

終始不穏な空気に包まれながら、話が進んでいった。幽談シリーズの短編の、長いバージョンと言えなくはないが、途中に出てくるやり取り・理屈は、長編ならではかもしれない。
京極さんの描く、なんとも言えない胡乱な雰囲気は、結構気に入っていて、何か決定的な事が起こるわけではないけど、先が気になって一気に読んでしまった。
ホテルの場面が、特に良かった。中途半端に古いホテルの描写、いるはずの従業員の気配が全く感じられない点、湿度が高くジトジトした感じ、適度なエアコンの温度調整ができずに、不快なままいつの間にか朝を迎えていた場面、など。
最後はかなり唐突ではあったが、この話の締め方としては、これで良かったような気もする。

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2026年01月04日

Posted by ブクログ

【短評】
京極夏彦の最新刊。読書熱が高まりを見せている折に、新作出版の報を聴き、急ぎ購入した次第である。水物を抱えて最先端を走る読書もまた気分の良いものだ。
さて。京極夏彦お得意の表現を借りるならば、本作は実に胡乱な一作であった。

精神に異常を来して休職中の夫を献身的に世話する松永祐美(まつながゆみ)は、曾祖母の訃報に際し、岡山を訪れた。曾祖母の資産管理を担う弁護士に事情を聴くに、曾祖母が住んでいた「村」は異様なコミュニティを形成していたらしい。
無慈悲な夫の言葉を契機として、時折幻視される得体のしれない「猿」。
怖いーーとは一体何なのだろうか。

正直に言えば、期待を越えたとは言い難い。
まあ、とてつもなく変な小説である。前述の「村」への道々に祐美がオカルティックなあれこれについて思索を巡らせるのが主筋である。そう。それが主筋なのである。
得体の知れない猿も、奇っ怪な村も、物語の辺縁である。読み進めながら「あれ、これ頁足りる?」と心配になる位には恐怖考がお話を占有している。内容自体は京極夏彦にしては平易な語りで、ストンと分かりやすく落ちるのだが、肝心要の物語が落ちているとは言い難い。「停電」のようにバチンと切れる終幕は是非とも読んで頂きたいところだが、「もしかして書くの飽きたのかな」等という的はずれな言葉が頭を過ったりした。

余談だが、本作に登場する「村」について、同様の設定を自作小説にて使用しようと考えていた。後先云々は些末な話だが、余りにも練り上げられていて職業作家というものの凄さを再認識させられた気分である。凄いなぁ、と素直に思った。
だからこそ!そこメインで行って欲しかったと声高に叫びたい私である。

【気に入った点】
●衒学趣味の強い京極夏彦にあって、恐怖に関する考察は九分九厘理解出来る。舞台も現代でからりとした登場人物が多いため、特有の瘴気は幾分か薄味だが、氏の言いたいことは理解できたような気がする。まぁ、我々は二割しか理解出来ないが雰囲気たっぷりの語りを求めているのだ!と言われてしまえばそれまでだし、納得してしまう部分もある。
●本当に怖いものに因果は求められない。というのが決着なのかな。前提の議論もあるため、何となく体感はできた。恐慌状態にある村人の様子とか、良い感じに狂っていて好みだった。

【気になった点】
●猿。結局、何だったのだろう。曖昧で怖いというよりは、説明不足できょとんとした。冒頭が一番不気味では行けない気がする。
●謎エンド。編集部と揉めて断筆しましたという印象を受けるほどに唐突だった。語るべき物語が残存しているような座りの悪い気持ちを抑えることが出来ない。

主張は明快。瘴気は薄めで謎エンド。
うーーーーーん。言わねばなるまいか。私の好みではなかった。

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2025年12月31日

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