あらすじ
アートに青春と情熱をかけた男たちの物語
「日本に美術館を創りたい」。その夢を追いかけ、絵を一心に買い集めた男がいた。国立西洋美術館の礎“松方コレクション”誕生秘話。
※この電子書籍は2019年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
原田マハさんの作品は、どれも素晴らしいが、これは迷うことなく私のベスト3に入る傑作。
薩摩藩は明治新政府の重鎮を多数輩出したが、松方正義公は私にとって特に尊敬できる英傑!
その息子幸次郎氏が収集したのが松方コレクション→国立西洋美術館の中核である。
上野公園は子どもの頃からよく訪れていたが、正面入り口のロダンの彫刻
考える人も、カレー市民も、教科書に載ってるけどまさか本物?どの作品も松方コレクション寄贈、って松方さん何者?とクエスチョンマークだらけだった。この本を読んで謎が解けました。先人たちの志の高さに、心が震えます。読後、ぜひ上野公園内の国立西洋美術館を訪ねてほしいです。
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230ページまで読み途中。
松方幸次郎の人柄描写が素敵。本当に大物だったんだな。日本の近代という時代への興味や、絵画の商業的、政治的側面への興味があるので、今まで読んだ原田マハ作品の中で1番面白い!
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原田マハさんのアート小説、また読んでしまったー。パリのなんて優雅なこと!若いときに何度か行ったけど、建造物を見ても「ほー!」「へー!」と一通り感激しておしまい。ルーブル美術館なんて時間なくて駆け足だった記憶が、、。なんてもったいないことをしてしまったんだろうと、マハさんの小説を読んではガッカリしてる自分がいる(笑)
本作も期待どおりの素晴らしい作品だった。前半少し読みにくかったんだけど、松方氏の生い立ちに入ってからは一気読み。
ーおれはもう飛行機を造るのはやめる。その代わり、タブローを守るんだ。
ーなんて美しいの。
ー戦闘機じゃなくて、タブローを。
戦争じゃなくて、平和を。
美しいわ。…すばらしいわ。
日置とジェルメンヌの会話、美しい。
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史実を基にしたフィクションの傑作だと思う。
この本を読んで国立西洋美術館に足を運んだ人は多いのではないでしょうか。絵画や近代史に興味が無い人にとっては、恥ずかしい思いをするのではないか、これから美術館自体の歴史を知るきっかけになるのではないでしょうか。
それにしても、この作者は経歴もあるかと思いますが、史実を調べて小説に仕立てるのが素晴らしい。
大好きな作家です。
Posted by ブクログ
美術館がすきで、興味があって読んでみた。
上野にある国立西洋美術館の基となった「松方コレクション」。西洋美術館に展示収蔵されることになった歴史について書かれている。
西洋美術館には何度も行っているので、「松方コレクション」が基になっていることは知っていた。松方さんはお金持ちだったんだなぁ~ぐらいの認識だった。
その裏にお金持ちだっただけでない、日本に美術館を作って、若者に本物の美術品を見せたいという熱い思いがあったことを知った。個人で所有して満足するのではなく、未来を創る若者のために、と考えられるのが本当の資産家だなと思った。
時代に翻弄され、せっかく購入した絵画を手放さざるを得なかったり本当に残念だったが、今も多くの人が、あなたが熱い思いで買い集めた芸術品を見に行っていますよ、と伝えたい。
Posted by ブクログ
松方コレクションの壮絶な物語が、心に染みた。私までタブローの魔力に駆られたくなったし、命を懸けて守り抜いた人々の想いを背負った松方コレクションを、この目で見てみたくなった。
Posted by ブクログ
難しい言葉や読めない字もあって、なおかつボリュームもある作品だったので、じっくり時間をかけて読み進めた。
作中に出てくる絵画が気になって、実際に調べながら読んだことで、より深く作品世界に浸ることができ素敵な読書時間でした!
特に心に残ったのは、松方のこの言葉。
「ナポレオンでなくとも、誰であれ、おのれの行く末のことはわからんものだ。
行く末どころか、明日のこともわからんものだよ。
だからこそ、いまこの瞬間をどう生きるべきか、考えている。
一瞬を面白く生きずして、面白い人生にはできぬ。」
読んだ瞬間、胸が温かくなった。
“未来がどうなるかなんて誰にも分からない。だからこそ、今をどう楽しむかが大切なんだ”というメッセージが、響いた。
もう一つ心に残ったのは、
言葉にできない情感を、画家は絵筆と絵の具でカンヴァスに表すことができる。
という言葉。
美術に興味がある人だけでなく、何かを「好き」だと思うすべての人に通じる言葉だと思った。
アートは説明できない“感情そのもの”なんだと気づかされる一節だった。
全体として、アートの世界を題材にしながら、人の情熱や生き方を描いた深い作品で、今はとにかく国立西洋美術館へ行きたい。行く前に絶対読むべき作品!!
Posted by ブクログ
わたしに美術の楽しさを教えてくれた人。
西洋美術館で開催中の印象派特別展に先駆けて。
おかげさまで、松方コレクションの睡蓮に特大感情を抱く初体験ができました。
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国立西洋美術館が、松方コレクションが、もっと特別なものになる一冊だった。
松方幸次郎は、「日本の将来が明るいものになるように」、「日本の若者たちが本物に触れられるように」という想いで莫大な私財を投じ、怒涛の勢いでタブローを集めた。だがそのコレクションは戦禍に巻き込まれ、フランスに取り押さえられてしまう。
そのタブローをどのようにして取り返すかが描かれた、史実に基づく物語。
多少史実と照らし合わせると誇張されている部分もあるだろうし、批判もあると思う。だけど、やはり、原田さんは心を揺さぶる天才だと思った。
熱い志をもつ実在した人物を、もっと魅力的に描き出し、章が終わるたびに鳥肌がたった。
(常設展内、川崎重工作成の紹介ムービーでボロ泣きしてしまうくらいには松方さんのファンになってしまった。)
「一瞬一瞬一生に一度しかない瞬間なのだ。この一瞬をおもしろく生きずして、面白い人生にはできぬ。」
私も多少損をしたとしても、身と心を呈して、お仕事を、生きることをしようと思った。
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原田マハ作品だーいすき!
ついでに、原田マハに出てくる人物のことも、好きになっちゃう。
今回は松方コレクションを作った松方幸次郎と、そのタブローにまつわる人々のお話。
日本に本物の西洋美術を見ることのできる美術館を創るために、まっすぐ、静かに炎のような闘志を燃やしているひとたちがとてもかっこいい。史実をベースにしているけれど細かいところに原田マハエッセンスが加わって、本当にそんな会話が当時なされたと思ってしまう。いま私たちは美術館に行けばすぐに本物にアクセスできるけれど、それはこの時代にコレクションを作り、守り、届けてくれた人々がいたからなんだ。みんな人情に溢れていて、とっても素敵。彼らのおかげで、私はいまたくさんの西洋美術を享受できていると思うと、感謝しかない。
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国立西洋美術館、松方コレクションの秘話。
いかにしてコレクションされて、戦争を逃れて日本にやってきたのかを知れて感動!はやく国立西洋美術館にもう一回行きたい
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松方さん、田代さん(矢代さん)、日置さんたちの芸術に対する熱い思いと、国民のための情熱に感動。
戦闘機じゃなくて、タブローを。戦争じゃなくて、平和を。美しいわ。...すばらしいわ。
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史実に基づくフィクション?美術に纏わるストーリーを書かせたらマハ先生の右に出る方はいらっしゃらないですね。読んだ後に、必ず美術館に行きたくなります笑「熱き情熱」は後世まで伝わるのである。
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絵画を生で見てみたい、と思わせてくれる素晴らしい一冊。少し難しい。
松方コレクションが日本で展覧に至るまでの明るさと苦しさが描かれており、松方幸次郎がモネに会っていたこと、ゴッホのアルルの部屋までも買い取っていたことには驚いた。後半、ドイツ兵からコレクションを守り抜くことに努めた日置の人生は苦しく、でもこの人達がいたからこそ松方の購入した絵画が日本にある事実に感嘆する。
戦闘機じゃなくてタブローを。
原田マハは愚か者たちへ最大級の賛辞をこめて、美しき という形容詞をあたえている。
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日本に西洋美術館を造る為に奔走、努力した人達のお話。
松方コレクションの生い立ちが良く分かり、第二次世界大戦敗戦国の日本がフランスに接収されていたタブロー(絵画)を一部を除いて取り戻した事を知りました。
吉田茂がカッコ良く描かれすぎな気もしますが、今の石破茂に言いたい‼️「お前もちゃんとやれ。」
敗戦後、アメリカとの交渉で何も出来なかった担当者に吉田茂が「悔しいか、それが敗戦と言う事だ。」
フランスとの交渉で吉田茂本人が「フランスには数多くのタブローがある。日本人は、本物のタブローを見た事が無い。本物を見れば、フランスの素晴らしい事が分かる。」
敗戦国の交渉として、素晴らしい。
上野の近代美術館に又行きます。
Posted by ブクログ
戦前戦後の政治と歴史的事実の話が長くて、なんだこれは、歴史の授業?と思う部分を乗り越えて、一気にエンジンがかかる。
今まで考えたこともなかったけれど、誰かがお金を出して手に入れていなければ、海外の画家の描いた絵が日本にあるわけがない。美術館がなければ一般人がそれを鑑賞する機会なんてなかったんだ。
私財を投げ打って絵画や彫刻を買い求め、美術館を建てようとした人がいる。文化がなければ世界と対等には付き合えない。戦争に勝っていればいいってもんじゃぁない。
一つ一つが目から鱗の落ちる思い。
読み終わって、解説を読み、小説に出てきたほとんどの人が実在していたことを知る。参考資料の量がすごいのも納得。
これもう一度改めて読み返そう。
歴史、政治、退屈とか思わないで、ちゃんと受け止めよう。
なんか、びっくりした!
Posted by ブクログ
登場人物たちはみな、大なり小なりタブローに人生を狂わされた”愚かもの”。しかしこの”愚かもの”たちの熱意と信念は尋常ではない。個人的にこういう熱いドラマは非常に好みで、ページをめくる手が止まらなかった。
”豪華客船”のような圧倒的存在感を放ち、世界大戦の真っ只中で、豪胆な行動力をもって偉業を成し遂げんとする松方幸次郎。
彼の人間的魅力もさることながら、その船の”艀”として美術知識を総動員してコレクション形成に協力する者たち、巨大な光である松方幸次郎を”影”として献身的に支える者たち、周囲の人々がどんな想いで彼と共にあったか、彼らの心情の動きが緻密に描かれており、感情移入は必至。
松方幸次郎を含め、各登場人物それぞれがハッとして、タブローの持つ可能性や、物語の主軸である大事業に向けて真に心を動かされる瞬間、読んでいた自分もハッとさせられる。
ロシアのきな臭いニュースが続くが、彼らの”愚か”な生涯が無駄にならないように。彼らを”美しい”と語り継ぐことができる世界を維持していかなければならない。
Posted by ブクログ
松方幸次郎のとてつもないエネルギーが、原田マハさんのとてつもないエネルギーに乗っかって、ガンガン揺さぶってくる感じ。情熱は人をこれほどまでに突き動かすものだと再認識させられた。
Posted by ブクログ
後半盛り上がった。
日置釭三郎という人を私は知らなかった。
歴史にも疎く、戦争とタブローにこんな関係があったのかと。
国立西洋美術館はコルビジェ目的で行ったけれど、改めてまた行きたいと思った。
Posted by ブクログ
美術館が好きでたまに行っているけれど、
こんなふうに守ってきた人がいて、大切にしてくれている人がいるから今も私たちは気軽に美術に触れることができる。
ありがたいなぁって思えた。
こういう名もなき偉人をたくさん、知りたいし、知って感謝だけ感じで生きていきたい。
Posted by ブクログ
描写の書き込みが丁寧すぎる、と思いながらも、小説という文字だけのツールを通して美術の素晴らしさを伝える原田マハの作品は好きだと思った。
芸術というのは、争いのない…心の余裕がある時に初めて心惹かれるものだとよく言われるが、戦争、そして敗戦に立ち向かい、タブローを守る情熱的な男たち…それを支える女たち。
戦争の中生きた人たちでも、タブローによって豊かな人生だったのだろう。