小説・文芸の高評価レビュー
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新潮社から発売された新訳版の『黒猫・アッシャー家の崩壊』を読みました。
河合祥一郎氏の新訳ということで以前読んだことがある岩波版と比べてだいぶ書き口が現代っぽく読みやすい感じでした。その中でも『大鴉』などの英詩ではそのリズムをできるだけ内包させた翻訳、改行位置までこだわっていることで、原文の雰囲気を感じ取ることができた気がします。
短編のゴシックホラーでは、じっとり湿った空間のなかで死、瘴気、恐怖が蔓延し、フリークスや幻霊が跋扈する様子はポーが切り開いたホラーのイメージが現代日本でも続いているということが、新訳だからこそよく伝わってきます。登場人物の名前を漢字に変えれば、それこそ江戸川乱歩とい -
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コミカルな話かと思っていたら、夫婦の成長物語だった。由依は過激、でも言っていることは鋭い。由依の夫は引いていたけど、もし私があの教室にいたら「いいねえ〜」とニヤニヤしてしまいそう。
自分たちはどうなるかな〜なんて考えた。変わらないのか、マタニティハイか、ブルーか。それとも、定義できない別の何かか。なんにせよ、そこまでの変化を遂げるほどの大仕事というわけだ。怖いな。
セリフが飛び出しているのも面白かった。字体も凝っていたし。セリフへの感情の乗り方が全く違う。面白い。ページをめくった時に飛び出した太字があると、ワクワクした。
あと個人的には深夜のスパチュラも声を出して笑った。チョコ作りって泣けてく -
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ネタバレ怒哀楽をゆったりとなぞるような小説の良さとはまた異なり、人生の指針として心に深く刻み込まれるような、力強くも温かい感動に満ちた一冊でした。
物語という形を取ってはいるものの、描かれているのは単なるストーリー展開の面白さというよりも、人生の本質を突くような言葉の数々です。登場人物たちが発する格言のような言葉の重みに導かれながら読み進める時間は、まるで自分自身の生き方や普段の思考と静かに答え合わせをしているかのような、濃密で特別な体験となりました。もともと持っていた自分の考えと重なる部分も多く、「そうそう!」と深く頷きながらページをめくる中で、気づけば用意した付箋が足りなくなるほど胸に刺さる言葉 -
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───彼は、皮肉なものだとつい考える。肉が肉を食うなんて。
動物の感染症により畜肉が食べられなくなり、人肉食が合法化された近未来を食肉処理工場に勤める男・マルコス視点で描いたディストピア小説
淡々としていて温度の低い文体がこの物語にあっていて、ストーリーも文章もとても好きだった。
なんといっても、ラストシーン。鮮烈。大傑作。
幼い頃わたしは「人間はなんで食べられないんだろう?」とおもっていて、そこからカニバリズム等の話題は未だに好きなのだけれど、これは素晴らしかった。
屠殺という行為を人間以外の動物から人間に置き換えただけなのにこんなにも異常で歪んだようにみえるのは私が人間だからだし、こ -
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この作品で初めて金原さんの作品を読んだのだが、一文が長めで次々と会話や心理描写が隙間なく書かれる文体に慣れなく、途中で積読したままになっていたところ、動画で金原さんのヤブノナカについての対談を見て心に響くものがありその後一気読みした。小説を通して、特に社会問題や現代の生きづらさみたいなものに対してこの視点この考え方もある、それを伝えたい、と強く思っている方なのだなと感じたのがもう一度読もうと思った理由(小説家はみんなそうかもだけれど)。
対談では、小説は社会の問題に対峙したり、自分がどう生きていくべきなのか、考えるための筋肉になるものだと思っていると仰っていたけど、私はこの本を読んでまさにその -
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昭和18年の殺人事件から死刑判決を受け昭和34年の死刑執行後も冤罪と戦い続けた人々の80年にわたる物語
冤罪を晴らそうと正義と信念に基づいて行動する元検察官の弁護士
戦時中という特殊な状況下、全ての事実は国の非常事態という大義名分のもとで有耶無耶にされていく
事実を隠蔽する体制派への挑戦
事実を事実だと声を上げることの難しい社会
それでも消えない人々の良心や正義が時代と世代を越えて継承されていく展開に人間への信頼感が高まり暖かい気持ちになった
一方で
「正義」という言葉がずっと頭から離れない
自分の正義って何だろう
どこにあるんだろう
正しさの軸足を踏み違えないように
憤りを感じた時に -
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