小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
「真実と事実の違い」について書かれた一冊。
外側から物事を見た時、人は自分の中の真実を作り上げてしまう。その真実が本当に起きた事実とはかけ離れていても、人は自分の中の真実を曲げようとしない。なんなら、その真実を裏付けるようなことを探し求めてる。そうやって事実とは異なる真実が膨らんでいくと、事実に目を向けられなくなってしまう。そして当事者をさらに窮屈な場所へと押し込んでしまう。
「流浪の月」では、恋愛ではない男女の関係性が周りにレッテルをどんどん貼られていってしまう話だった。実際に、現実世界でも恋愛に限らず、被害者と加害者が生まれる出来事では真実と事実の乖離が起きることは少なくない。そして皮肉な -
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わちゃわちゃ感がよい
著者の「神様の御用人」シリーズから来ました。
初期の作品ということで、神様の御用人から見ると少し若い感じがしますが、著者の文体や話の運び方が好きな方にはお勧めできると思います。
怪しげなタバコを吸って魚が見えるようになるという突飛な設定ですが、主人公と取り巻く人々がわちゃわちゃとする感じが楽しめました。
タイトルを見て新井素子氏の初期作品が頭をよぎりましたが、全然違う作品でしたし面白かったです。 -
購入済み
人と人との係わりに胸を打たれた
評判になった時には読まず、最近になって初めて読みました。作品のテーマは数学と天文学ですが、人と人との係わりを描いた小説だと感じました。
もちろん、数学や天文学に造詣があれば更に楽しめることと思います。
周囲にいる人物がみな主人公の成功を願い、祈り、力を尽くすところに胸を打たれました。主人公と相容れない立場の陣営については深く掘り下げないので、黒々とした悪意に触れることなく、気持ちよく投了することができました。
著者の作品は他に読んでいないのですが、他の傾向の作品も読んでみたいと思います。 -
購入済み
巻末に著作リストが付いてます!
著者の「おはなし」は“星へ行く”シリーズが刊行されたころから読んでいて、エッセイなども含めれば相当網羅しているほうですが、手元にない作品も収録されているので購入しました。
実は紙の本も購入しているのですが、短編集なので隙間時間に読むため持ち歩き用に電子版も購入した次第です。
連作短編も良いのですが、個人的には「チグリスとユーフラテス」の外伝が読んでみたかったのが大きな購入動機です。
既に所有している本に収録されている作品も多いのですが、著者のいろいろな面を一度に読めるので、ファンの方はもちろん、今まであまり触れたことが無い方にも読んでいただけると良いなと思います。
なお、巻末の著作リス -
Posted by ブクログ
それこそきっかけがないと、エンタメ系やファンタジーものは読まない、というのがこの本を読んで分かった。私は今まで内面描写重視の小説を好んで読んできて、ファンタジーなんてもってのほか!と思っていたけど、課題本で読んでみたら、1.5日で読んでしまった!1日目にもう200ページは突破していて、無我夢中で読んでいた。
最近周りに、「内面描写系は読まない。実生活で経験してるので十分だから」という人に出会うことが多くて、その人たちの気持ちがわからなかったけど、やっとわかった。時間もお金もかけてわざわざ読むのだから、遠いところへ自分を連れてっていってくれる本というのもまた格別なのである。
読んでる途中で、小学 -
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地道な仕事だなぁと思った。
青森で起きた漁船の転覆事故。父の行方は3日目の今日もわかっていない。麻海は母を亡くしている。母方の叔父の響介がやってくる。ラーメン屋にいく。まだ就活の最中だ。2日後に父の捜索は打ち切られた。
就職先は決まらない。叔父の響介に引き取ってもらう。響介の仕事を手伝うことになった。SNSの監視だ。海外旅行で高級腕時計を盗まれて、保険金請求中。SNSで友達がしているのをチェックする。
65才の男の買い物を麻海はカメラに収め、真っ黒な証拠を手に入れた。サイクリングの最中の事故で左腕ご全く使えないという申請をしていたのだが、両手普通に使っていたのだ。本人に認めさせるのは嫌な -
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ネタバレ小説の醍醐味の1つは、全く自分と違う人生を想像させて、それを垣間見させてくれる事だと思う。塙保己一という人が盲人で、「群書類従」という書物を編纂した、という知識しか無かったが、目が見えないということも自分の側に引き寄せて体感させてくれるような小説だった。
江戸の当道座や、その役割や雰囲気なども、想像が着くような丁寧な描き方だった。
見える者と見えない者、身投げや不義密通、家族の絆すらも、正しい見方などありはしない(どのようにも受け取れる)という「見え方」「感じ方」の差を、伏線のように織り込んでいく構成も見事だった。必ず何かが対になっているように思える。ドキドキしながら、何回もどんでん返しを喰 -
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