あらすじ
2019年に上野千鶴子さんの東大入学祝辞や様々な媒体で取り上げられた話題作が文庫で登場!
私は東大生の将来をダメにした勘違い女なの?
深夜のマンションで起こった東大生5人による強制わいせつ事件。非難されたのはなぜか被害者の女子大生だった。
現実に起こった事件に着想を得た衝撃の「非さわやか100%青春小説」!
横浜の3人きょうだいの長女として育ち、県立高校を経て中堅の女子大学に入った美咲と、渋谷区広尾の国家公務員宿舎で育ち東大に入ったつばさ。
偶然に出会って恋に落ちた2人だったが、別の女の子へと気持ち が移ってしまったつばさは、大学のサークル「星座研究会」(いわゆるヤリサー)の飲み会に美咲を呼ぶ。
そして酒を飲ませ、仲間と一緒に美咲を辱める。美咲が部屋から逃げ110番通報したことで事件は明るみに出ることに。
しかし、事件のニュースを知った人たちが、SNSで美咲を「東大生狙いの勘違い女」扱いする。
柴田錬三郎賞選考委員絶賛!
無知な若者を生み出した社会構造と、優越、業といった人間の醜さが、本作には鮮烈に描いてある。――伊集院静
どちらか一方を悪者に仕立て、もう一方を被害者に仕立てがちだが、本作はそんな単純な構図では描かれていない。―逢坂剛
女たちの憂鬱と絶望を、優れたフィクションで明確に表した才能と心意気は称賛されるべきである。――桐野夏生
テーマ性とメッセージ性の際立つ作品、批判をおそれず書かれた力作だ。――篠田節子
平成における最も重要な本の一冊だと私は考える。――林真理子
※この電子書籍は2018年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ルポ風の文体からは著者の怒りが沸々と伝わってくる
美咲は私だと思った
普通に無難に生きてきて、恋人ができないことを卑屈に感じながらもそんなもんかと毎日を過ごす
そんな中、所謂スペックの高い男性と近い関係になり恋して恋してしまう気持ち、役に立ちたい気持ちは痛いほど分かる
それを理解してほしいとは思わないけど、自分とは違う生き物、下等な存在として扱った犯人グループはおぞましいの一言
共感する気持ちの欠如、共感すらポーズとしてのもの
彼らこそ私とは違う、同じ情緒が備わっていない存在であり、娘を持つ母として絶対に出会ってほしくない
彼らは20代で、小説の描写をみる限り反省はなく自分を疑うことがないようだ
そしてそういった高学歴の男性たちが国の中枢にたくさんいて国を動かしていることに絶望した
Posted by ブクログ
信じられないくらいの嫌悪感を伴う。
人間はここまで残虐になれるんだな。と。
戦中の憲兵に対する現地の人の声を聞いた(読んだ)時、特殊な環境下での人間の残虐性について思ったが、日常でも起こりうというとこに戦慄した。
そして、程度の差こそあれ、このような差別の構造はそこかしこにあるという作者のあとがきに、はっとした。対等ではない関係性、他人を人間と認めない徹底的な蔑み。
篠田節子の選評がとてもよく、本書の構造を端的に解説してくれてた。
先日読んだ酒井順子の本で紹介されていたので手に取ったが、これは読んでよかったと思える本だった。
Posted by ブクログ
胸糞悪い。気付かされたのは、彼らは彼らの価値観の中で他者を見下し優越に浸るのと同じように、私も私の価値観のなかで、他者を見下している。人間て、本当につかれる。
Posted by ブクログ
全く関係のない存在であった男女がどのようにして出会い、なぜあんな事件が起き、その後どうして世間はああいう態度を取ったのか。すべてが細かく描かれている。
大学生ならこれは普通、ちょっと悪いけどそのぐらいなら許されるか、、、みたいなものが積み重なっていき最終的に事件につながっているところがリアリティがあってゾクッとした。
さらにその事件に対する、家族や世間の反応は事件の始終を知っている我々とは真逆になっているところもすごく考えさせられた。
匿名
どのグロい本よりも悍ましく恐怖
私は40前後の女、おばさんだけど、
女子中時代に男性教諭から猟奇的なことをされ
学校にもみ消され
結局退学することとなった。
性被害も受けたことはある。
そして私の身内に、つばさと同じ大学の人間がおり
どこか似ているような発言を昔していたことを思い出した。
ただ私の身内の場合は、女の子を偏差値では判断しないし
尚且つ究極にモテない人間だったし
運動部にも所属していたので
本の中のような男女がわいわいするサークルとは無縁ではあった。
‥あったけど、私自身は
つばさに対しても美咲に対しても
どちらに対してもどこか共感できる感覚があり
それは読めば読むほど
辛くて読むことをやめてしまいたくなった。
前半の下りが長いというが、私はこの前半こそが辛かった。
あらすじで、これから何が起こるか知っていたし
これからする人間がこんな考えで生きているのかということ。
そして終盤の、加害者たちの両親の言葉や対応。
最後の一言。
絶望しかなかった。
だけど、この本はもっと多くの人に読まれて
こういうことが
本当はそこかしこにある、美咲は逃げて警察に言えたけど
言えなかった子も必ずいることを
もっと世に知られてほしい。
これは東大にだけ起きた話ではなく
現実はどこへ行っても蔓延る人間の愚かな差別や区別が描かれています。
辛い本ですが、ぜひ読んでもらいたいです。
Posted by ブクログ
2度と読むまいと思ってたのにもう3度目。
こんなに読むのが辛いのはこれしかない。
だって実際にあった強制わいせつ事件の当事者がそこに至るまでをフィクションで描いてるだもの。
件の事件が始まる場面では動悸がして苦しくなった。
加害者と被害者両方を子供時代から丁寧に描いて、2人が出会い関係をもち、加害者の無邪気な遊びのつもりがどんな卑劣なことよりも卑劣。
後半には被害者へのセカンドレイプの数々、加害者たちの親が何気なく言う言葉、菊〇怜のコメント。被害者にも落ち度があるのでは?とこの本を読んで思ってしまった人を最低な言葉を発する奴らと同類にする罠。ここまで読んで被害者が可哀想なんて簡単に言ってるだけで本心ではお前も同じだろと作者から言われたようでショックだった。
おしりに割り箸を刺し、ラーメンの汁を頭にかけ、はだかにひん剥いてる姿を笑いながら見る。
人間扱いですらない。
ラストに加害者がなぜ彼女は泣いていたのか……本当にわからないんだ……って寒気がする。こんな人間に見えるやつらがそこら辺にいるんですよね。
示談の条件がそんなことなのにそれにこだわる人たち。理解出来ない。勲章のようにかざしてるんだろうか。
Posted by ブクログ
これは作者さんの努力の賜物だと思う。
読んでいて心苦しくなる面もあったけど、書き手はもっと神経を使っていたのではないかと思う。
この物語に出会えてよかった。
最後のシーンで、私自身も救われた。
重たい話だけど、ズルズル引きずる感じではなく、読みやすくはないけど読みにくくもない感じ。
Posted by ブクログ
他人を評価し見下して優越感に浸る、安心する。この物語に出てくる東大生だけじゃなく誰しも経験しうる感情。だけど相手の事を評価する時にそれはお互い様であることが多いし、だからこそ相手の心情が分かるときもある。作中のグレーパーカーなどがそう。マユが嘘をついた時、マユの事がすごく痛々しかった、でも痛いほど気持ちがわかった。
心がつるつるでぴかぴかのままの人間なんてそういない。だけど、話の中の東大生はずっと心がつるつるだった、つるつるだと信じて疑わなかった。
美咲を評価した匿名の彼等の中には心がつるつるでない人がきっと大勢いたはずで、美咲の気持ちを汲み取ることができたはずで。自分の痛みを忘れて他人を蔑む側の人間に誰だってなり得る、だけどなってはいけない。自分の心の傷を思い出して相手の事を想ってほしい。美咲が日常に幸せを見つけられる日がまた来て欲しい、そう思った。
Posted by ブクログ
子どもが真面目に勉強するようになる小説だと感じました。荒寮治。
私は村上春樹作家のノルウェイの森を小学校6年生の時に読み、その中の男性の言った「安い女」という言葉が頭に残りました。
その結果、小学校6年生から「皮肉」という事に敏感になり、本を読む以外の遊びをしなくなりました。
ノルウェイの森以外の性に対する荒療治の本は久しぶりです。
また、この事件の加害者側の東大生と言っても入学時が正科生ではない聴講生の可能性があると思います。
なぜなら、同じ土俵で話せない人と関わる事なんてないくらい東大生は忙しい。
そもそも正科生なら遊ぶ時間も無いと思う。
Posted by ブクログ
私は、すごく、好きな本。
ほかのどんな本より自分事として感じられて、しんどくて何度も休憩した。
怖いのはこの本の美咲をまったく理解できない人がいるらしいこと。
Posted by ブクログ
実際の事件を基に書いているということで話題になったので、読んでみた。
東大生5人による強制わいせつ事件の被害者と加害者、両方の生き方や考え方、それぞれの生い立ちを書いている。そして、被害者がバッシングされたという後日の話も書かれている。
被害者が、全然相手にされていないのに、東大生を狙っていた「勘違い女」とバッシングされたそうだが、「勘違い女」とは思わないが、あまりにも自分が無さすぎて、人の言いなり過ぎて、そっちが事件の要因だと思う。家でも「お姉ちゃん」として頼られ、役割を果たしてきて周りに合わせて生きてきた結果、そうなったのかぁと思った。
東大生でなくても人を見下す、馬鹿にする人はいるし、相手を思うやる心が欠けている人はいる。そういう人たちと出会ってしまって、恋愛感情を利用されてしまった結果の事件かな。勇気をもって警察に行ったのは、これ以上被害者を増やさないために、本当に偉かったと思う。
実際の事件の被害者が、現在元気に暮らしているといいなあと思う。
Posted by ブクログ
実際にあった事件を元にしているそうだが読んでいて途中気分が悪くなりそうになった(それくらいリアルに感情が書かれていた)
少なからずこういった事件は起こっていると思うし事件とまでは行かなくても大学格差はまだ依然としてある。
特に明日大学の入学式があるのでリアルな事件としてのしかかってきた。
とても良い作品だった。
(2024/3/31)
Posted by ブクログ
読んでよかったけど、後味わるい...(もやもや)
今なら肩書がその人を見るもっとも重要なポイントではないって分かるんだけど、私も大学生のときはこの本にでてくるほとんどの女子大生と同じ感覚だったよ
美咲の大学の教授だけはとても好き
Posted by ブクログ
特権意識は、なにも東大生に限ってのものではない。年齢、学歴、社会的地位、財力などのヒエラルキーの下、人と人が相対せば少なからず生じるものであり、それは常に上位にある者だけのものでもなく、下位にある者が、その庇護されるべき権利を特権と捉える場合さえある。
この作品に取り上げられた事件を「特権意識の発露の一つ」としてみれば、他人事のように非難ばかりはしていられない。
Posted by ブクログ
第4章で事件が展開されるので、そこまでの話は全て4章のための長い前置き。1、2章で美咲やつばさの成長過程の環境が描かれ、3章で2人は知り合い、4章で事が起きる。
被害者が悪いとは言わないが、美咲にも恋愛に疎かろうと油断しすぎたところはあった。美咲もつばさもそれぞれが、この場を盛り上げなければ...と必死になった結果があの事件である。
東大生5名の言動や猥褻行為も、レイプまで事が進まなかっただけ良かったが、死に至らしめるような暴力はしないにしても、相当なものだ。
最後の、教授が公園で美咲に話していた場面が胸に刺さって泣けた。こうゆう存在が本当に有難い。被害者に本当の意味で寄り添うのは、なかなかできることじゃない。
東大を辞めることを示談条件とし、5人中2人は受け入れたが、3人は拒み、それぞれ有罪、最終的に東大退学。うち1人の母親が6回以上、美咲に直接会いたいと訴え、自分と同姓同名の教授に東大を辞める以外の示談条件を交渉してきて欲しいと頼むも、あなたも彼ら5人の前で全裸になってお尻に割り箸を入れて陰毛にドライヤーの熱風を当てるので許してくださいと交渉してみてはいかがですか?と一刀両断。
一時期は勉強さえ頑張れば貧乏人でも東大に入って金持ちになれる、という話があったものだが、実態はやはり貧乏は勉強に集中しずらいし、金持ちは塾や家庭教師に惜しみなく金を使うし、日常でも金に困らないのでその点で発生するストレスは少ないし、高い学費の学校に入り、自分と似たような境遇の同年代と関われてより学習維持しやすかったりと、結局は差別社会だよなと再認識。
裕福な家でストレートで東大など名門に入った子と、貧困などで現役では行けなかったがそれが一旦落ち着いてから改めて2年かけてお金を貯めた上で勉強をして上智大などに入る子とでは、前者の子の方が誰であれ賢い子なのね、と思ってしまう。
前者も貧困だったら東大に入れなかったかもしれないし、後者も数年がかりで大学に入るくらい根性があるのだから、裕福な家だったらストレートで名門に入れたかもしれない。
そうゆうことを改めて言われると、親ガチャ、家ガチャ、子は親を選べない、残酷な世の中。
Posted by ブクログ
偏差値の低い人間を馬鹿にしたいという欲、馬鹿にしていいと思っている傲慢さ。東大生くらい高学歴でこの感覚が1ミリもわからないって人は少数派だと思う。
優秀な人は「環境に恵まれたんだね」って言われると努力を否定された気になるのか「いや努力した結果だ」って言いがちだけど、恵まれてるんだよ。視野が狭く想像力が無いから「努力できる環境に恵まれた」ことを認識できない。想像力が無いのは、他者への興味が薄いから。正確には自分たち以外の「優秀ではない人間」への興味が、薄い。つばさは特にそれが顕著だった。優秀ではない人々はどういう人生を歩んでいるのか、何を感じているのか、何に阻まれているのか、そんなことは気にならない。気にしたところで利にならないから。その傲慢さが優秀さの所以とも言える。
姫野カオルコさんがこれだけ怒りを孕んだ疑問を淡々と投げかけても、本当に届いてほしい層はこの本に見向きもしないんだろう。それが心から悔しい。
Posted by ブクログ
頭の悪い女の話かと思ったらめちゃくちゃ社会派もの。
これ東大生に限った話じゃなくて、誰しもが潜在的に学力、容姿、収入、職種、性別、出身地などで相手をランク付けしてる可能性があるってのが怖い。
潜在的にってのが余計‥‥
それにしてもこの東大生5人の想像力の無さ異常
読んでいてどんどん頭が痛くなって重苦しい感じがしました。でも読んでよかったとも思います。人間の本来の闇をまざまざと感じました。文章自体はとても読みやすく情景も浮かびやすかったです。
Posted by ブクログ
男たち、正欲がなかったとして、その上で服を脱がせ蹴っていたのはもはやそっちのほうが恐ろしいということに本人たちは気づいていない
女の子、どうか幸せを掴んで欲しい。誰かに縋らずに。
Posted by ブクログ
最後の一文で鳥肌が立った。
どういう感情か自分でも説明できないけど、
諦めに近いような、心を無くした加害者を哀れむような。
以下、自分の思考整理のために長文をダラダラと。
=====
追記:
登場人物たちの、東生ではない他者を見下したい欲求が全ての根源かのようにされるメッセージについて、ワタシは共感できなかった。
小説を読む時、登場人物の容姿や話し方、動いてる様子を具体的にイメージして、時には実在する知人と重ね合わせながら読むんだけど、この作品の登場人物は全く描けなかった。
ずっとのっぺらぼうが空間のどこかで話しているような。それは、登場人物たちが、私が知る数少ない東大生や高学歴の人たちと重ならなくて、あくまで架空の存在に感じられたからだと思う。こんな人たちは本当に実在しなくて、ノンフィクションでしかない、なんて幸せなことならいいのにね。
頭がいいとか悪いとか、そういうことよりもワタシがこの小説を読んで感じたのは、シンプルに性犯罪の恐ろしさだった。加害者が相手の感情を勝手に都合よく解釈し、被害者の心の傷や尊厳を踏み躙っていることに気付かないまま、その人を深く傷つけてしまうという行為や考えの残虐性が改めて恐ろしいと思った。
Posted by ブクログ
私は東大生の気持ちはわからないけど、他者に対して自分と比べて上とか下とか見上げたり見下げたりしているしそれは隠さなければならないと思っているから隠しているけど滲み出ているかもとか思ったり。なんかもうどうやっても分かり合えない理解し合えないのは仕方ないのかなと諦めの気持ちになりました。
Posted by ブクログ
第4章からなるこの本の第2と第3は読み飛ばした
だって羽目を外したウザい大学生の見栄と虚勢なんて面白い訳がない
読んでてどっと疲れた
とりあえず事件の詳細は読んでおこうと頑張った
東大だということで偏差値低い女子大生を見下し馬鹿にしからかい最悪の胸くそだった
そして逮捕された後の東大生の気持ちとその親の考えがまた不気味だった
彼らはレイプ目的ではなく東大でない人間を馬鹿にする欲が強い人たちだった
そして人間の気持ちのわからない勉強しかやってこなかった頭だけ良い化け物でしかない
あぁこんな胸糞な話誰が勧めたんだよ
でも読むべき本でもあるなあ
Posted by ブクログ
うーーわ、と読み終わって思わず出た言葉。
世の中には学歴を盾にして、名刺にして生きる人がいる。
私は学歴などは見ないし、学歴で人が決まるとは一概には思えない。
だけど、そうでない人もいる。
純粋で、場の空気が読めて、恋なんてしたことのない女の子が
大学に入って、年上のしかも東大生の彼氏なんて作っちゃったら、そんなののぼせるに決まってる。
自分たちより偏差値の低い大学出身のやつは、みんな大したことないと思っている、それが言葉にも態度にも出る。
私が学生の時も少なからず、東大や慶應の男子学生と合コンとなったら胸がときめいたのは認める。
あの年はそういうのが好きなんだと思う。
でも、それで女性を無碍に扱って良いとはならない。
「東大ではない人間を馬鹿にしたい欲」
すごいな、その欲が勝てば、女は裸にされて尻に割り箸を突っ込まれ、蹴られ、叩かれてもいいのか。
それを後になって、輪姦するつもりはなかった
論点はそこじゃない。お前らの大好きな東大生のくせにそんなこともわからないのか。
胸糞悪い、くそったれ、と思いながら本を閉じました。
(本も物語も作者も何にも罪はありません。むしろこういう感情になったことこそが、この本をしっかり読めた証だと思う)
Posted by ブクログ
男たちひどすぎる!ただ単に家柄がいいからじゃなくて、みんな何かが欠けている。家柄が良くてすくすく育った子に欠けてる傾向があると作者は言いたいのかな?
胸糞悪くて読み進めるのきつかった。
この小説は、東大男子から見たら美咲も悪いになるんだろうか?
Posted by ブクログ
実際にあった東大生が女子大生を集団で性的暴行を行った事件をもとに書かれている物語。
単行本で呼んだのですが、まぁまぁの分厚さです。
事件があった日までの被害者、加害者たちの生きてきた軌跡?がメインなので、めちゃくちゃ長く感じる。
兄が東大でなく北大に入学し、司法試験もうからず辞めてしまったことに、親が次男であるつばさに期待をし、期待通りの高校に入る。
高校時代はパドルテニスをやっていた。そこでも幾人かの出会いがあった。
そして、東大入学。
パドルテニスではなく「星空研究会」というサークルを起こす
そこで出会う数人がこの後事件を起こすメンバー。
美咲は中学時代頭のいいほうだったのでそれなりの公立高校に入るが、中学のときに「ふぞく」の高校に入ってバラバラになった友だちのことを時々思い出す。
お金持ちだったら「ふぞく」に行けたんだろうか?・・ちょっと憧れがある。
高校ではそこまで成績が上がらなかったが、女子大に入ることができた。
大学では野草サークルに入る。
やがてつばさの友だちの譲治が、東大生だからって寄ってくる女を酔わせてエロ動画と撮って(一応同意の上)、業者に売るという仕事をし始める。その女の子をMと呼び、Sと呼ぶ女は動画は撮れないが(ある程度かわいくないと動画が売れない)みんなでヤルための会に呼ぶ女、に分けるようになる。
あるとき、美咲は急に呼び出され出かける。
オクトーバーフェスで女友達で飲むと思っていたのでメイクも服も適当だった。
がそこには友達二人がそれぞれ彼氏を連れてきていた。
ちょっと意気消沈するが一人でビールを楽しむことにする。そこでつばさと出会う。
東大で会話もスマートで楽しい。
いつもは化粧して勝負服を着ているけど、ノーメイクでラフな格好だったのもあってなんとなくリラックスしていていたが、その会場を二人で抜けようといわれてついていく。
つばさも普通に楽しいと思っていたので、連れ出した。そういうことをするためではなかった。だけと試しに、ラブホに入るか聞いてみたら、うんと言ったので連れ込んだ。
美咲は処女だったのもちょっと気がひけているところがあったので誘いに乗った。
それから二人は会うようになったけど、なんだかんだでだんだんつばさはヤルためだけに呼ぶ。
美咲はそれでもつばさが好きだったので、呼ばれたらついていく。
つばさはあるとき、家族に綺麗で帰国子女で頭のいい女性を紹介され、なんだかんだで親公認の恋人のようになっていく。もちろん、すぐにヤッたりはしない。上品なお付き合いだ。
すると美咲はだんんだん必要ないか、もしくは性欲処理だけになっていく。
美咲ももう彼と「コイビト」ではないのだと思う。
2か月も音信不通になったころ、急に「カジュアルにのもう」とメッセージが来て向かってしまう。やっぱり好き。
でも今日は一言伝えて終わらせよう。1分あれば話はつく。
と思っていったのに、そこはつばさの友だちだけがいた。つばさは遅れていた。
女子もう一人くるからと言われて待っていたら、あのオクトーバーフェスで知り合った優香(この人はまだいい人)だった。そのうち、つばさも合流。
別れ話ができない。1分でも時間があれば・・・。
そのうち、友達はみんな美咲にクイズを出して答えられないと強い酒を飲ませるようになる。美咲は場をしらけさせないために(それもつばさのため)、どんどんのんで酩酊してく。そのまま、メンバーの部屋で2次会をすることに。さらに美咲にのませていき、服を脱がせていくことに優香が怒こり、美咲をつれて帰ろうとするが美咲はもうびっくりして無反応になってしまった。それで優香が帰ってしまう。
そのあと、全裸にされた美咲はけられたり殴られたり、暑いカップ麺の汁をかけられたり、ドライヤーの熱を性器にあてられたり・・・。
一瞬のスキで、ズボンをうらがえしのまま履いて、Tシャツを首にひっかけたままで脱出する。はだしだったことで足音がたたず、逃げられ、警察に通報。
譲治以外は、美咲を探しに行ったので警察が来た時、譲治だけが逮捕された。
がそのうち、全員逮捕。示談に応じた2人以外は裁判になり。それぞれ執行猶予がついたが東大は退学となった。
という話なのですが(ほぼ全部)
普通に「性的暴行」があったとしたら「彼女は頭が悪いから」という題名がどうなるんだろう?頭が悪いからレイプされてもいいっていう持論?
って思って読み始めたけど、それが違うんですよ。
まず、事件が明るみにでて世論というかSNSは一斉に美咲を叩き始めるんですね。
「東大生だからってフラフラついていって酒のんでおっぱい触られてギャーギャーいう頭おかしい女」
「東大を退学させられた方が被害者で、女が加害者」
そして加害グループの中でも意識としては「東大のレッテルだけに群がってくるあほな女たち」って女の子を見ていて、そこれ「かわいい子はお金になる」「そうでない子は自分たちの性のはけ口。東大生とヤレてうれしいでしょ?」な扱い。
そしてさらに、この美咲については
「あほ学校の女。デブでブス。ヤルなんてことすら考えなかった。ただのおもちゃ。道化をやってろよ!その価値しかねぇだろ?」
的な扱い。
レイプはされていないことをよかったとするか、
でもそれは、彼らは美咲を「レイプする女以下」と考えていたとすると、かなりきっつい・・・。
結局、彼らは執行猶予がついて社会にでている。金持ちの親たちは彼らを被害者だと思っているから、手厚いフォローをして、
この事件を「ちょっと泥つけられたわ。くそあの女!!」ぐらいにしか思っていないところが、かなり胸糞悪い話でした。
Posted by ブクログ
正欲の次に読むなら重めのやつがいいな〜と考えて、そういえば読みたいやつあった!と思い当たった本
しっかり後味も悪いし読みながら苦々しい気持ちになるやつだった、、笑
東大生という属性の人をステレオタイプ化しすぎというか、このストーリーもこれはこれでネットの書き込みと同じなのではと思う節もあったのだけど、あとがきと講評を読んで、そういうことではないんだなと納得した
これはあくまでフィクションであり、社会構造から生まれる、少なからず実在する「こういう人たち」を描き出すための描写なんだなと
女子大の教授、とても勇敢で好き
だけど自分も、教授側になれることもあれば東大生側になることもあるのだろうなと思う
その可能性を自覚しておくことが大切なのかも
Posted by ブクログ
これは、、、、、
読後考え込んでしまった。
かなり重い内容。
東大生側と被害者の女子大生側のそれぞれの人生を描き、互いが交わり、そして事件、事件後までを追ったある種のドキュメンタリーのようだった。
前半の人生を追っていくところは、淡々と、しかもかなりの文章量でつらつら書かれていてかなり読んでいてしんどくなる人はいると思う。
中盤でやっと互いの人生が交わり、そして事件へと発展していくところであぁ、やっと出会ったか、、と思ってしまった。このような人生を送り、こんな環境で育ってきて、、というバックグラウンドを読者に伝えておくことは、事件を公平にみるために必要なプロセスではあると思うが、ちょっと長すぎてだれてしまうと思う。
出会ってからの流れは面白かった。筆者の主観がまったく混ざっておらず、実際の行動からそれぞれの考えや心情が想像できる。
鍵となる出来事や行動も淡々と進んでいくので、ともすると見逃してしまいそうになる。
多少は筆者の考えや主観が読み取れるものの、これを読み終わってどう感じるのかは全く人によって違うと思う。事件の見方さえ異なる可能性さえある。
ここまで読者に「どう??」って意見を丸投げしている本は珍しいし面白い。その点ではかなり新鮮で満足できた。
ただ、事件内容やそれに至るまでの東大生側の学生生活の様子が胸糞であるため(私はそう感じた)読後良い気持ちになる本ではないし、むしろ鬱な気分だった。
女子大生の、東大生たちに自分の辛さやされたことの重大さ、卑劣さ、羞恥などが全く通じておらず、全く価値観が異なる人たちだと実感した時の絶望感は計り知れない。また、これからも東大生たちは自分たちがしたことは“悪いこと”であると自覚がなく、これからも気づくことはないのだろうという事実(に近い。ほぼそうであろう)がとてつもない、
結論、やはり人間経験したことがないとわからないこともあるし、価値観がそれぞれまっっったく違うなぁ、と
価値観が合うってすごいね、、、(これも多分完全一致ではなくお互いが大事にしてる部分が合ってるのかなと)
Posted by ブクログ
実話を基にした小説。傲慢で感受性の乏しい加害者学生達と被害者女子大生の話。加害者達の家庭環境や周囲の扱いから情操面が未発達のまま成人になってしまったのかなと思った。
被害者の子やその周囲の人も幸せに暮らせていればいいなと思う。