小説・文芸の高評価レビュー
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敵味方どちらから見ても同じことをしている。敵とみなせば略奪し殺す。50人殺した、80人殺した、故に自分は英雄なのだ、と。戦場においては殺害もただの数なのだ。そのひとつひとつは命であり無数の物語がある何者かだったはずなのに。しかし戦争はやがて終わる。誰も殺さず何の殺害計画も立てない日常に戻った時に思い知るのだ、自分は確かに80名もの命をただ奪ったのだと。そして個人の意思ではなく戦争という状況がそれをさせた、殺すか殺されるかどちらかを選択せねば生き延びられない現実こそが残酷なのだ。それぞれがその時正しいと信じたことをする。戦火を生き延びた彼女たちの晩年とその年月もまた胸に染み入るものがある。
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Posted by ブクログ
ネタバレ朝に一編ずつ読みきるのにちょうどいい短さの短編で、手に取るのが楽しみだった。全編フェルメールに関するお話かと思ってたから2篇目でアレ?となった。真珠繋がりの洒落た構成。下北の喫茶店にいた人の名前に思わずエッ➖❗️と声が出た。エッセイを面白く読んだ記憶が蘇って、懐かしく…指輪のエピソードを確認したくなった。どの作品も解像度高い映像が浮かんでマハさんの言語化力に度々うならされた。とくにラストの真珠工場のお話の海の表現とかまるで眩しい光を見ているようなバーチャル体験を味わった。人物設定がマハさんならではだな、という感じでオシャレ。
真珠の工場の描写がとても興味深かった。
この本に影響されて久しぶりにパールのイヤリングを出して観劇につけていった。
真珠の耳飾りの少女が来日するタイミングでの出版。この表紙はインパクト大。
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私は幸せを感じる能力が低い(つまりエンドルフィンの総量が低い)人間なんじゃないか──
そんな物語の滑り出しから、もうすべてもっていかれた。
感動を知らない自分が、感動を形作る作業に一歩引いて参加してます的な戸惑いを抱えつつも、あれ?ひょっとしてこれは、例えるなら24時間TVのドミノやってる的な内面スペクタクルもりもりの展開だった。
はい、冷めてますからねこちら。
まだやってるわ、ドミノ。飽きないねー視聴者も。
で、いざ私自身が参加したらきっと号泣鼻水全開隣の人に抱きつく拳突き上げる一人パニックでカメラからフレームアウト。
ありがとう。涙ハンカチこれじゃ薄くて受け止めきれない。
というようなオチを安易と想像させてくれる、本音のところドミノもうやめたらいいのに、とか嘲笑っていた自分がはるか遠くなる素敵作品だった。
はぁー。
明日からどうやって生きるの。
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ずっとずっと読みたかった作品!
日本人として読めてよかったと思いました
最初からずっとカジマナの虜です、わたしが実際喋ったら「なに?あなた、つまらないわね。」と突っぱねられて終わりです
料理の情景・味をこんなに美味しそうに書けるの素晴らしい…作者さんはグルメな方なんだろうなぁ
女性の評価のされ方が詳しく描かれているところが読んでいて面白かった。以下の一文は、ふとしたときに思い出せるようにしていきたい
「この不毛なジャッジメントから自由になるためには、どんなに怖くて不安でも、誰かから笑われるのではないかと何度も後ろを振り返ってしまっても、自分で自分を認めるしかないのだ。」 -
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梟書茶房という池袋にあるカフェで、生まれて初めてタイトルやあらすじを伏せた状態で購入した本。本の紹介が数行程度書いてあり、確か誕生日の番号に振られたものだった気がする。購入記録を振り返るとゆうに6年前、、よくもまぁここまであたためたなと。笑
十数年勤めた会社にほとほと嫌気が差してしまい、退職を決意し長め休暇をとっている現在ですが、このタイミングで読む気になったのもご縁を感じる。ベッポのように、自分の中のこだわりを大事に仕事をしていたのだけど、会社の方針や求められるスピードに自分がついていけなくなってしまった。自分を嫌いになっていく感覚、まさに灰色に景色が見えるかんじ。
幼い頃、死んだ顔をして満員電車に揺られる大人を見ていた違和感。就活時代、今が人生の最大だから楽しんでと寂しそうな顔をして話してくれた部活でお世話になった憧れのOBの先輩。趣味や余白を削った毎日なんてなんの楽しみもないよなぁと立ち止まるとわかるけど、必死に走ってたこの間までは、ここまでしっかり思いを巡らせられなかったろうな。
大人になった今、手にとり読むことができてよかった。ありがとうミヒャエルエンデ!
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Posted by ブクログ
優れた野球人とは、選手としての力はもとより、無頼でヘンな人で大金も持ってるから、すなわちすごいんだ!……と、誰が決めたのか。いや、俺ら庶民はそう思い込んじゃっているのか。
実はそういうイメージから程遠い高田繁こそは、この本を読めばすぐわかるが、「マジですごい野球人」なのである。浪商、明治、V9時代の巨人という王道の中の王道をすべて主力選手として脱落することなく生き抜き、引退後はあまた当時の弱小チームの監督・GMで存分に(その大部分をバックヤードで)強化力を見せ、野球人として生き抜いてきたという経歴は、完全に半端ない。
では、なぜ過小評価されてしまうのか。要するに、あえて自らそれを語るを良し!としてこなかったからである。そして、クソの付くほど常識人であり(俺らがプロ野球人に期待してしまう「大バカさ」とか「豪放磊落」「常人ならざる言動」なんぞとは、この人は一切無縁だ)、マスコミと派手に渡り合うとか、飲み歩くとか、いじって楽しい武勇伝(つまりコンプラ違反)の属性なども、一切なかったからである。
大体において、政治の世界なんかでも、闇将軍は堂々と「闇将軍」と言われてて全然闇じゃなかったりするのだが、こと近年の高田繁の仕事ぶりは、本当にブラックボックスであった。もっとも、発言するのは自分の仕事にマイナスだから、この人は対・世間には何も言ってこなかったに過ぎないのだが。
で、そのほぼ全てが初出しの内容と言っていい本書を読めば、その肉声でもって、高田繁の真の実力と球界への貢献度が一目瞭然なのである。もしも、4番かエースならざれば監督ならずという巨人の不文律がなくば、高田巨人が存在してて、またすごい時代を迎えたんじゃないか……とか、否、そのおかげでこの稀有な野球人はファイターズへ、ベイスターズへとGMで渡り歩いて、球界全体を良くしてくれたんじゃないか……とか、妄想からリアルまで、様々なことを思ってしまうのだ。
多分に本音しか話していない高田の舌鋒は、鋭い。特に苦言は! かといって、メチャクチャな老害のそれではない。筋立っているのだ。ブー垂れてるだけの人ではないからこそ、その言葉は突き刺さる。逆に、野球の制度であれ人間であれ、褒めるべきものは徹して褒める。状況を常に俯瞰できている証左でもある。
自他共に認める「どこの派閥にも属さない一匹狼」で、権謀術数なしに全うしえた野球人生には、驚愕しかない。だってここは日本社会ですよ? 最初から最後まで、内容のインパクトはメチャクチャ強い。あまたゴーストの書いた「野球人の自著」など、屁でもない。
本書が出た後に、有名な著書もあられる、とある野球識者さんと話す機会があったが、その方は開口一番「これの書き手が村瀬さんで、本で出してくれて、本当に良かったですね!」と、下手すれば商売敵に対して、一点の曇りもないトーンで言われた。
それもその通りで、まさにその取材3年の執念と食いこみ方と知識なくして、この「本物」の日本プロ野球裏面史が表に出ることは、絶対なかったであろう。と同時に、本書が前述のような凡百ゴーストによる「高田繁・著」の本ではなく、村瀬秀信・著であるところの意味合いというのも、またしみじみと感じられるというもの。この稀有な野球史にして野球秘録、今知らなければ、もったいない!
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