あらすじ
「お客さんに届くのは『首なし死体』ってわけ」。安全な食料の確保のため、“食用クローン人間”が育てられている日本。クローン施設で働く和志は、育てた人間の首を切り落として発送する業務に就いていた。ある日、首なしで出荷したはずのクローン人間の商品ケースから、生首が発見される事件が起きて――。異形の世界で展開される、ロジカルな推理劇の行方は!? 横溝賞史上最大の“問題作”、禁断の文庫化!
文庫特別書き下ろし掌編に加え、道尾秀介の解説も収録。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
タイトルが気になり、読んでみました。
「そして誰も死ななかった」と同じく、設定が個性的で印象に残りました。「人間の顔は食べづらい」は、読みながらそわそわしてしまう世界です。技術的にはそのうち可能な域に達する気がするので、いつかこのような世界になるかもしれませんね。少しゾッとします。ですが、人間にとって動物性のたんぱく質は必要なので・・・とても絶妙な設定ですね。
事件の方は、途中でなんとなくトリックは分かりましたが、事の真相は思ったより深くで繋がっていて面白かったです。
Posted by ブクログ
何たる技巧派!こういうのが読みたくてミステリーを読んでいると言っても過言では無い。
巧みな伏線、暗殺者の様なミスリードに翻弄され、最後まで読み切ったあとは立ち上がって拍手し最初から読み直したくなる。
人が人を食べるという世界観を裏切らないグロテスクな表現が多いため人を選ぶとは思うが、頼む、なんとか読んで欲しい。
本当に面白かったな〜〜…………!
Posted by ブクログ
この著者にハマりデビュー作をようやく読んだ。
途中でトリックに気づいても良さそうだったけど気づけなかった!
クローン人間が飼育されているという設定だからこそ成り立つ内容。
相変わらずエグいけど、重厚な世にも奇妙な物語って感じ。次はどうなるのか気になってページをめくる手が止まらなくなる。
しかし、コロナのだいぶ前に書かれた話なのに、新型コロナが大流行して肉食を避けるようになったから代わりに人肉を食べるようになったって、、予知してたかのような設定にびっくり。「え?」ってなりましたよ。こうはならなくて良かったな!(笑)
なる未来が、もしかしたらあるかもしれないけど......
お気に入りフレーズ
「牧畜家は、死ね」
Posted by ブクログ
著者デビュー作にして最高峰
多重推理×エンタメ×倫理観の欠如×やられたミステリ
主人公が人間を飼って虐待しがち
意味ありげなネーミングをしがち
臼井智之ワールドが押し込められた、(好きな人には)傑作
「げぼ」は未だでません
Posted by ブクログ
本当に騙された。
読んでいて、ちょっとした違和感の正体がわかった時がクセになる。
グロい描写を想像してしまうとぞっとするが、グロい部分もミステリな部分も最高でした。
Posted by ブクログ
食用クローン人間が育てられている日本を舞台としたエログロ系特殊設定ミステリ。かなりクセの強い世界観やキャラ、エグい描写(これでも他作品に比べればまだマシな方らしい)も相まって、めちゃくちゃ人を選ぶ作品ですが、ロジカルな推理合戦は圧巻の一言。
後半で明かされるクローンを用いた二人一役の叙述トリックは後で読み返すと、しっかりヒントもあって、全然気づかんかったので少しくやしいw
あと、こいつ探偵役で活躍するんやろなぁって思った由島三紀夫がアッサリ退場したのは少し笑ってしまった
Posted by ブクログ
なんだろう、良いとか悪いとかじゃなく、頭がごちゃごちゃして、訳がわかりません(褒め言葉)
突拍子もない話に謎が絡んできて、ずっと頭の中が?に埋め尽くされ、エンディング。
初読の作家さんでしたが、他の作品も読んでみたいです。
Posted by ブクログ
面白かった。デビュー作から世界観は確立されて完璧に出来上がっていることに驚いた。
クローン人間を食べるという設定が設定だけに先が読めず、これからどうなるんだろうというワクワク感が増した。なんでもありだけれど話に筋は通っていて、きちんと納得させてくれるところが良い。グロ要素は他作品に比べて少なめに感じたが、慣れてしまっただけかもしれない。
柴田和志と河内ゐのりの2人が交互に話を進めていて、最後まで中心人物はこの2人だけなのか?と途中で疑問に思ったが、実際は4人だったというわけだ。話に出てくる2人はどちらの和志でどちらのゐのりなのか、読み直して確認してしまった。
チャー坊改めレイのことも、風俗嬢のゐのりのことも、気づけば好きになっていた。この2人のおかげでラストがなんだかカッコいい。また別の作品で活躍する日が来たらいいのになと思う。
Posted by ブクログ
これがデビュー作とは。
今から10年前に、新型コロナウイルスにやられた世界を描く。全身に黄色いイボができちゃうんだって。
そして対人間は即効薬ができるが、他の動物には全く効かない。
でも肉を食べないと栄養不足になるから、食用のクローン人間の製造が法制化された世界。
でも顔を食べるのはやはり抵抗あり、クローン人間培養センターから首を切り落とされた自分の食用クローン肉が届く。
そして、法制化を推し進めた本人の家にある日クローン人間の死体と共に、生首も届いてしまって…。
なんでそんな作品でデビューしようと思ったのか?
デビュー作からエログロゲロ全開。
最高ですよ、ほんと。
エレファントヘッドと名探偵のいけにえを読んでしまった後には物足りなさあるが、
十分な多重解決、シュールな皮肉、既に世界観確立。
満足。
Posted by ブクログ
多重解決の推理の手がかりがすべて多重解決するためだけに用意されたものだった、という、それが許されたらなんでもありじゃん!という多重解決界の掟破りな本作。だいぶ邪道だが、新しいかもしれない。
メインの動機自体は、死んだと思っていたクローンが実は犯人で成り代わりを目指していたというオーソドックスなもの(バールストン先行法と言うらしい。最近知った)。クローンが合法に製造されているという特殊設定ならではの仕掛けではあるが、「自分自身のクローンを食する世界」である必要性はあまり感じられず、もっとカニバリズムありきのトリックであればより良かったかもしれない。
クローンチームの3人が、白井智之作品には珍しく品行方正で心の清い人物だったので読後感が清々しく、逆に「え、こんなに読後感さっぱりでいいの?」と戸惑ってしまった。
いいんだよ。
Posted by ブクログ
第34回横溝正史ミステリ大賞の最終候補作となった白井氏のデビュー作。何の制約も受けないからこそ作者の猟奇性全開で、以降に続くエッセンスをたっぷり楽しめる。白石氏お得意の二段推理は処女作から健在なのはなかなか興味深い。設定は異常そのもののわりには推理は本格的かつロジカル。「あり得ない」を前提としたとき緻密なトリックが見事に成り立つ。多少の荒削りさや強引さはあるものの、終盤に歪んだカタルシスも得られ、(グロ耐性があれば)優れたエンターテイメント作品となっている。
Posted by ブクログ
今まで聞いたことも無いようなトンデモ無い設定の上で繰り広げられる推理合戦。登場人物の独特なキャラクター。あっと驚かされる結末。全てが満足のいく内容でした。
Posted by ブクログ
変わった設定で、説得力のある推理の連続…と面白かった!
前半は設定理解でやや難関だったけど、中盤からどんどん動いていく展開に読む手が止まらなかった。
この特殊な設定だからこそできる事件、その推理にオオオ〜!と思いながら読み進めた。
ハッピーエンドなのかどうなのか。
読後は意外とすっきりした感じ。
Posted by ブクログ
面白かった。
グロテスクなのとか設定が恐ろしいのはこの作者の作品では避けては通れないとして、それでも面白かった。クローンなんてミステリに登場させるには怪しすぎる存在が大っぴらになっているのに、騙されたし真相聞いてうわ〜やられた〜ってなったのはまだまだ修行が足りない感あった。タバコとか気付いて然るべき。チャー坊の話し方が可愛くて唯一の癒しだった。
Posted by ブクログ
『名探偵のいけにえ』が気に入ったので、初期作から読むことに。
クローン技術が高度に発達して、自分のクローンのみを食人することが許されているという設定の世界で起こる事件。最後まで誰が謎を解き明かすのか分からない設定も最初から同じなんだな。探偵っぽいのが途中でフェードアウトするのはお約束。
謎解きはあくまでミステリーなのでしっかりしていて面白かった。
まぁ、クローンが出てきて、クローンは必ず首を切られて顔を除いて出荷させるって時点で、ミステリー的には古典的テーマですな。
Posted by ブクログ
肉が食べられなくなった日本で苦肉の策として自分のクローン人間を食用として育てることが一般的になった、という設定からして「どんな話だろう?」という興味が湧いたし、『鬼畜系特殊設定パズラー』と評される作者のデビュー作であり得ないぐらい狂った世界でどこまでも論理的に真相を解明する多重解決の構成が面白かった。改めて「作者の作品を全作網羅したい。」という欲求に駆られた。
匿名
題名と表紙のイラストが気になり読んでみました。
表紙からホラーっぽい要素が多いのかな?と、思っていたけれど、すごいミステリーでした!謎解きが多くて、犯人は誰!?と、楽しませていただきました。
Posted by ブクログ
解説通りに大衆に向けてではなくふるいにかけられて残った人だけが読める。
それくらいに肉体的、精神的にグロ描写が多かったけれど面白くてザクザク読み進みられました。
Posted by ブクログ
面白かった!二転三転する展開に先が気になり一気読み
大きな仕掛けについては書き方に既視感があるため、なんとなく察せられる所はあるし、
執拗なグロ描写は確かに好き嫌いは分かれるとは思うものの、
設定の面白さと派手な展開、シニカルさと最後までちょっとゾクッと来る感覚がとても好みでクセになる作品でした
Posted by ブクログ
思ったよりもグロくて無慈悲な展開だったが、ミステリーは二転三転しながら綺麗にまとまっていて面白かった。読んだ人すべての心に強く印象づくだろう登場人物・由島三紀夫の存在の無意味さがこの作品の本当に凄いところだと思う。
Posted by ブクログ
設定はブッ飛んでいますが、ミステリーとしてはかなり練られているなと思います。
その世界観の中ではしっかり成立する内容です。
この作品は2014年に書かれたものですが、すでにコロナウィルスと作中に出てきます。
病状は少し違いますが、まさかリアルな世界で同じようなことが起こるとは著者もビックリだと思います。
更に自分のクローンの肉を食べる世界が現実になったらイヤですね…
Posted by ブクログ
クローン人間を食用にしている世界
食用は首から上はカットして出荷されるのだけど
ある時、カットした首が入っていて事件に
そして爆破事件も・・・
その事件の犯人はいったい?、という流れ
終盤の種明かしがなんともあっさりすぎて
ちょっと物足りなさを感じてしまいました
よく書けてはいると思いますけど
Posted by ブクログ
横溝賞最終候補のデビュー作
食用クローン人間が当たり前の世界観でのミステリ
なんともまあ懐の深い賞(褒めてる)
今となっては作者の作風を知っているので、グロ要素とミステリ要素のアンバランスさが読んでいて不完全燃焼
正直大した楽しめなかったのだけどこういうのを最終候補まで残し、後に大きく飛躍した作家なわけで
プロの読みの深さに頭を垂れるばかり
Posted by ブクログ
流石の白川作品グロイグロイ。そして目まぐるしく変わる複数の解決案に四苦八苦。
それでも面白いストーリー。将来的に有りそうな満腹産業第二プラナリアセンターに勤めてみたくなりました。1日2時間労働なんてなんて効果的なんだ。
Posted by ブクログ
タイトルから思い切り惹かれました。「どういう事?」と心底思います。だからこそ購入しました。 カニバリズム? 少しSFというかIFな話でした。でも遠からず、この世界になるのでは!?と思ったりもします。 '235/4 '2311/20
Posted by ブクログ
1頁目から私の胃に降り注ぐ、鮮烈なまでに鮮血な描写。それは読み進めるたびに重力を増す。ただ、初期の日本ロック好きの私としては登場人物にニヤリ。
Posted by ブクログ
汚ない。評判のいい『名探偵のいけにえ』もそうだったが、不必要に汚物などの描写があるのでゲンナリしてしまう。評論家諸氏は絶賛しているが、なんだかね。綺麗な論理も汚物で台無し。
Posted by ブクログ
クローン人間の食肉工場が舞台という中々の設定に怯みながら頁をめくると、最初から丁寧なグロ描写!けどしっかりミステリー!
ここまでエログロに振り切れてるとかえってポップさを感じてしまうのは私だけだろうか
Posted by ブクログ
● 総合評価 ★★★☆☆
新種のウイルスの流行により,人間のクローンを食するようになったという異世界を舞台としたミステリ。異様な設定の上,かなりグロテスクな描写もあり,読む人を選びそうな作品。ミステリとしては,食人法を成立させた政治家,冨士山博巳のもとに,本来では送付されるはずのないクローンの首から上と脅迫文が送付される…という謎が提示される。クローンを梱包して送付したのは柴田和志という男。クローンを梱包して送付した場面はこの男の視点で描かれており,読者には柴田が犯人でないことは明らか。いったいどのようにして冨士山の首から上と脅迫文を冨士山に届けたのか。
更に,プラナリアセンターに火が放たれ,4420人分の人間のクローンが焼死する。
このミステリに仕掛けられた仕掛けはいくつかある。まずは叙述トリックとして柴田和志と柴田和志が作っていたチャー坊というクローンの視点が混在しているという点。風俗嬢の川内ゐのりと接触していた「柴田和志」は,実はクローンのチャー坊だった。また,川内ゐのりも風俗嬢と「守銭奴」というバンドのメンバーである川内ゐのりの二人がいる。守銭奴のメンバーの川内ゐのりが接触していたのは本物の柴田和志である。
この2つの叙述トリックにより,読者に対し,チャー坊が裏で犯罪計画全体を構想していたことが隠されている。
作品内のトリックとしては,冨士山が政敵である野田丞太郎を殺害したときに,アリバイトリックとして自身のクローンを利用する…というものがある。そして,このクローンが事件の実行犯。この事件における犯人は,柴田和志のクローンであるチャー坊と冨士山博巳の黒^ンの二人。チャー坊による柴田和志に対する復讐,プラナリアセンターの破壊そして,冨士山のクローンによるクローンの革命。クローンと人間を入れ替えることで,クローンの社会進出を狙う革命だった。
ほかの書評でもあるが,特殊世界の設定はかなり苦しい。個人的にはあまり気にならなかったが,設定の細かい点には無理があるとは思う。
叙述トリックが見事に決まっており,チャー坊が柴田和彦として,風俗嬢の川内ゐのりと会っているとは思わなかった。これは柴田和志によるチャー坊の飼育シーンのグロテスクさが,まさかチャー坊が人間として行動していると思わないという点につながっているようにも思う。そうするとグロテスクな描写も,この作品のプロットには不可欠だったということだろう。
ミステリとしては,冨士山にクローンの首から上を送り付けた点について多重解決が示される。ここは面白い。真相の意外性があるといえばある。正直,チャー坊冨士山のクローンを結び付け,この二人による共犯とは思わなかった。
結論としてどういう評価かというと…。悩む。読んでいるときは,この話をどう決着付けるか楽しみで一気に最後まで読んだ。そして結論は意外性があった。そうすると満足度が高くなりそうなのだが,そうでもない。伏線も見事といえるのに…。なぜかというと,やはりアンフェアに感じる部分があるからだろう。チャー坊が人間して行動していたという部分と柴田和志の飼育シーンでのチャー坊の描写にギャップがあり過ぎて,やられたという感じにならないのだ。
冨士山のクローンが冨士山にとって代わったというところもそう。本当にそんなことができたのかが疑問。チャー坊と冨士山のクローンの出会いもご都合主義。やられた感が少なくなっている。また,由島三紀夫の存在など,ほったらかしの伏線と感じるものもある。
「殺戮に至る病」や「殺人者」シリーズを読んだときも感じたのだが,どうにもグロテスクな描写が苦手で読みこめない。これも減点対象。評価としては★3で。
● サプライズ ★★★☆☆
真相が,チャー坊と冨士山のクローンが計画した犯罪たという点はサプライズがある。柴田和志→チャー坊と,二人の河内ゐのりの存在を,それぞれ1人の人物と誤信させる叙述トリックなど,驚ける要素はある。しかし,どうも伏線が回収されきっていると感じられず,そこまでやられたと感じられなかった。むしろ,なんとなく説明不足だと感じてしまう。もう一息でもっと驚ける傑作になっていたと思う。
● 熱中度 ★★★★☆
冨士山にクローンの首から上と脅迫状を送り付けたのは誰か,野田丞太郎殺しの真相,プラナリアセンター爆破の犯人など,話のスジ,謎は非常に魅力的。これをどのように決着付けるつもりか。最後まで一気に読み進めることができた。熱中度は水準以上
● インパクト ★★★★★
クローン人間を食べる世界という特殊世界の設定,グロテスクな描写など,インパクトは十分。叙述トリックも見事。インパクトは十分
● キャラクター ★★☆☆☆
個性的なキャラクターぞろいなのだが,いくら性格を使い分けているといっても,柴田和志に飼育されているチャー坊と柴田和志のふりをして,川内ゐのりに会っていたチャー坊の描写が違い過ぎて,同一人物とはとても思えない。叙述トリックとしては面白いが納得しきれない。由島三紀夫の存在も割り切れず,キャラクターとしては難あり。
● 読後感 ★★★☆☆
川内ゐのり,チャー坊,冨士山のクローンの三人の会話で真相が語られるエピローグを読んだ後の読後感は悪くない。本物の芝田和志がイヤな人物であり,こいつがひどい目に遭う終わり方が読後感をよいものにしているのだろう。とはいえ,ここでも由島三紀夫の存在がネック。エピローグの蛇足感がひどい。とはいえエピローグがないと,由島三紀夫は何だったの?と思ってしまいそう。総合的な読後感としては★3で。