あらすじ
シングル・モルトを味わうべく訪れたアイラ島。そこで授けられた「アイラ的哲学」とは? 『ユリシーズ』のごとく、奥が深いアイルランドのパブで、老人はどのようにしてタラモア・デューを飲んでいたのか? 蒸溜所をたずね、パブをはしごする。飲む、また飲む。二大聖地で出会った忘れがたきウィスキー、そして、たしかな誇りと喜びをもって生きる人々――。芳醇かつ静謐なエッセイ。
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Posted by ブクログ
村上春樹はエッセイや紀行文がいいぜ!というのを言われたりそこここで見かけたので、読むぜ!の気持ちで手に取った。
大変良いものでした。
びっくりした。思っていたよりもずっと良い。
私はウイスキーには全く明るくないし飲んだことがあるものもボウモアくらいで、本の中で表現されるような味の雰囲気や表情を理解することはできないわけだが、この饒舌さは実に楽しい。好きなものを言葉を尽くして語る様子は気分があかるくなるね。
注釈の8割が本筋にはちょっと関係ないけれどどうしても言っておきたい事って感じの内容で、そこも良かった。
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僕は村上春樹のいい読者ではない。何年ぶりだろうか村上春樹の力みのない軽やかで、それでいて含蓄も感じられる文章にふれたのは。
おそらくウイスキーを飲むようになってなければこの本は手にとってなかったでしょう。休日の午後をラフロイグ10年をお供に、この素敵な小品を奥様撮影のこれまた綺麗な写真も含めて楽しみ、至福の時間を心ゆくまで堪能しました。
ラフロイグが現代的なコンピュータ管理の工場で醸造されているのを本書で知り少し残念でしたが、ちょうど手元にあるアイラのシングルモルトがこれしかなかったのでお供にしました。でも本当に十分美味しかったです。
「うまい酒は旅をしない」この言葉は知りませんでした。要は醸された現地で飲む酒が一番美味しいという事なので、いつかはアイラ島と本書ではふれられていないがアラン島を訪れてみたいと思いました。
星はウイスキーの味も足されてます笑
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今まで旅行もウイスキーも、自分は何も考えずに楽しんでたけど、こうやってゆっくり考えながら向き合っていくのはとても素敵だと思う。味わうってこういうことなのかと、大人になった気分。こんな旅ができたらいいなと思う。読みやすいし写真も良かった。読んでいる時は一緒にアイラ島に行っていた気がする。
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1ページ目からなんかおしゃれな文章が始まったなーって好きになった。それがそのまま最後までノンストップで続く。
舞台はアイルランドとスコットランド、その国自体に行ったことはあるけどこの本の中に出てくる場所はどれも辺鄙な田舎過ぎてとても一人で行こうとは思わないような場所。でもだからこそ興味深く読めたし、写真付きなのもかわいい。村上春樹のエッセイ、特に旅行記は本当に大好き。
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著者の作品には多くのお酒が登場するが、なるほど、お酒を造るその土地の気候、風土、歴史、伝統について、作り手への感謝について、その土地の人々について、現地に赴くことの大切さがひしひしと伝わる秀逸の一冊。
私はウイスキー蒸溜所の見学に度々訪れるが、道中、電車やバスに揺られながらこの本を読むことがなんとも心地よいのです。
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素晴らしい旅行記。相変わらずの村上節。1999年出版ということで、筆者の活力や若さも感じた。アイラ島のウイスキーに関心があったから、いい導入教材になった。短くて読みやすい。逆にもっと他の産地のことも書いて欲しくおもったけど。
春樹の英語力&コミュ力&タフさを窺い知れる。尊敬に値する。
アイラ島およびスコットランドに長期滞在したく思った
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ウイスキーのお話をしているエッセイということで手に取ったけど、それはもう面白い旅行記で一瞬で読み終えてしまった。もっと読みたいくらいの気持ち。シングルモルトのウイスキーを飲みたくなるお話だった。
意外と旅行記って好きかもしれないなと気づいた。よしもとばななも旅行記のシリーズがあったはずだから読んでみようかなと思う。
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さくっと読めるエッセイ。
村上春樹のエッセイは好きなんだけど、かつてそう言っていた好きだった人をふと思い出す。
記憶と文字は密接で、彼は元気だろうかと思いを馳せる、みたいなポエミーなことを書きたくなる本。
Posted by ブクログ
こんな風に、豊かな思考と言葉で、旅行記を書けるようなひとになりたいと思った。
そういうひとになったかなと思えたら、わたしもアイルランドを旅しよう。そして緑の深さに感銘を受けて、地元のパブで地元の人のようにゆっくりと贅沢に時間を使って、ウイスキーを嗜むのだ。
その頃には、ウイスキーの奥深さを理解できるようになっているんじゃないかな、と思う。
長編小説家もいいけれど、
村上春樹さんの旅エッセイもやはりいいですね?
著者の作品に手を出して、良さが分からず、
でも旅エッセイは好きでずっと愛読していました、
そんなこんなで、長編小説の良さにハマりましたが
旅エッセイの良さを本作で思い出しました。
サクッと読める一冊です。
Posted by ブクログ
村上春樹さん 新潮社2002年11月発行
写真付エッセイ
ご夫妻で、ウィスキーをテーマにした旅行記
スコットランドとアイルランドを堪能している様子が、読んでて嬉しくなってしまう。
そして、ウィスキーを楽しむ旅をしたくなります。
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アイルランド、スコットランドのウィスキーを巡る旅。
羨ましすぎる。私もこの本持ってアイルランドとアイラ島にウィスキーの旅に出たい。
'年数の多いほどシングル•モルトはうまいと思いがちだ。でもそんなことはない。年月が得るものもあり、年月が失うものもある。...それはただの個性に過ぎない。'
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実は人生で軽く5000冊は読んでいる筈なのに、初めて村上春樹さん読みました。
行きつけの街の本屋さんが村上春樹推しなので、エッセイなら読みたいかなオススメありますかでこちらを購入。
お酒好きなのと、アイルランドは旅行で行ったことあるので個人的に満足の一冊。
生牡蠣にウイスキー足らすのって本当に美味しいの?とかボウモアやブッシュミルズは幼なじみが一時ハマっていて一緒に飲んだなとか思いながら読みました。
他のエッセイも読んでみようかなと思うぐらい村上春樹作品デビュー戦は良かったかな
Posted by ブクログ
エッセイも良いね。思えばウイスキーなんて殆ど呑まずに過ごしてきたし強い酒は身体が受け付けなくなったけど、ティースプーンひと舐めくらいなら呑んでみたくなった。(笑)写真も良いね。旅がしたくなる。
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ウイスキー好きの自分にとっては凄く魅了される内容でした。
旅行先で感じたこと、そして人の繋がりを通して感じたことを凄く丁寧に綴られてました。
しっぽりお酒飲みたくなりますね。
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まさにこれは言葉がウイスキーでなければ本当のところは伝わらないんだろうなぁ、としみじみ思わせてくれる紀行文。人それぞれ直接感じるそれこそが旅の価値なんだな
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著者、村上春樹がウィスキーの産地で有名なスコットランドとアイルランドに訪ねて、その土地のウィスキー職人にインタビューしたり、実際に著者が飲んで感想をまとめたのが本書である。著者の経験上、ウィスキーに限らずビールや日本酒にしても、産地で飲む酒が最高だという。
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2024.10.03~2024.10.11.
大学時代ぶりに再読。
今日に至るまでに、オーセンティックバーで2年ほど働く機会があり、当時よりずっとウィスキーとバーが近くなった。
そんな経験を踏まえて読んでみると、この本はじっくりと過ぎるバーでの時間を、ゆるりと思い起こさせてくれる。それが電車の中や、職場であっても。
口の中にジワリと広がるウィスキーの刺激と、薄暗いオレンジ色の照明、少しだけ緊張する背筋。
本を読み進めていると、必ずそこに体も心も持って行かれた。それくらい、この本は、あの空間の再現性を持っていた。
p105-l1
彼が完全にくつろいでいるということだった。こんなにくつろいでいる人を見かける機会は、長い人生の中でもあまりないだろう──と言えるくらいにくつろいでいた。
私はまだまだ青いので、多分、あの場で「くつろぐ」ということはまだできない。
できないけれど、あの空間がこの老人のように馴染み深いものになったのなら、きっともっとウィスキーとバーが好きになるだろうな、と思う。
また、後十年経って30代が終わる頃に読みたい本。
Posted by ブクログ
久しぶりの村上春樹。アル中だった人が、何かの間違いで酒を一口飲むとたちまちアル中に戻ると言う話を聞いたことがあるけど、お酒と同じように中毒性のある村上さんの文章を堪能……というにはあまりにも短いエッセイなので、星ひとつ減じました。これは内容というよりもっと読ませてよ〜という長さに対する抗議です(笑)。
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おしゃれな旅行記
写真も良くて、内容がイメージしやすかった。
比喩表現が難しいのもあったけど素敵
アイリッシュウイスキー飲みたくなった
今度バーでも行って飲もう
アイラ島とアイルランドのウイスキー旅ありやなあ
犬の名前はギネス
表紙が好きです
Posted by ブクログ
下戸な私でありますが。
ウイスキーの魅力と酒の場の雰囲気は好きなので手に取ってみました。
読み進めて間もなく、「仮にあなたがアルコールが飲めなかったとしても、ああそうだな、その土地のおいしいウイスキーを飲んでみたい」という気持ちになってもらえると著者として嬉しい、と。
み、見透かされている⁉︎ なんて(笑)
文体と写真の掲載もあって魅力が大変伝わって来て追体験が出来、アイラ島の文化にも触れる事が出来た。
奥様も一緒に行かれて、それも良きですね。
最後に。。。目に留まった1文を2つ。
年月が得るものもあり、年月が失うものもある。
byイアン
うまい酒は旅をしない。
by村上春樹
未読の方は、確かにそうだなーとなるかと^_^
旅にも出たくなるそんな1冊でした。
Posted by ブクログ
村上春樹のエッセイに手を出したら終わりだと思って避けていたけれど思っていたより悪くはなかった。
やはり文章がうまい。アイルランドでのウヰスキーづくりの情熱を感じたのだろう、それがするりと伝わってくる。
別のエッセイを買うかと聞かれたら怪しいけれど、これを読んでからは、羊男のクリスマスだとか、絵本系?も買ってもいいかもと思った。
Posted by ブクログ
ウイスキーに関する記述は、ちょっとマニア向けかも。少なくとも、そこまでお酒に興味がない私には正直あまりよく分からなかったかな。ただし、アイルランドの美しい自然とクラシックな建造物のコントラストが醸す雰囲気が楽しめますし、旅のフォト付エッセイ集と思えるならば、値打ちはあります。
Posted by ブクログ
健康診断の待ち時間に読んだ本
仕事忙しすぎて精神的な逃げ場としてすごくちょうどよかった
ウイスキーにもどこかのタイミングで挑戦できるといいなあ
「人生において、結論を出さずに大言壮語しないとことは非常に重要なことなのでは」
これが特に響いた
Posted by ブクログ
うまい酒は旅をしないとよくいうらしい。ほほう。
これ読んだらウイスキー全然知らないけど、自分も蒸留所とか見てみたくなった!なんだろう、読んでる最中に匂いが香ってくるような感じ。短くて写真もよく(アイラ島かわいい)とっても読みやすかった。
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村上春樹さんはあまり読んだことがありませんが、このエッセイは、とても読みやすかったです。
写真が多く、旅行のガイドブックのような気軽さでした。
ウィスキーを味わえる大人に憧れます。
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SEKAI NO OWARIのSaoriが書かれた「読書間奏文」で紹介されていたので読んでみた。
村上春樹っぽい文体そのままにウヰスキーについて書かれたエッセイ。一つ一つの比喩表現が高尚というか生活からかけ離れたものばかりで、これを理解できる人になりたいもんだと思わされた。きっと理解できるほどの学を身につけたなら、星5の本になるのかもしれない。あとウヰスキーを嗜めるほど酒に強くなれたら。