小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ世界99上・下を読んでから、心の中のに空子がいて、俯瞰で分析しててうるさい。笑
賢い人とそうでない人の対比に不思議と目が止まる。下の階層では波と琴花、上では白藤さんと空子の関係がその象徴にかな。空子は必死で操作されることを拒んでいて、波も似たような様子だった。現実でもそういう場面を見たことがあるし、自分もコントロールされることを嫌だと強く感じる。世の中の縮図のようなものを描いているのかなと思った。
白藤さんのことは、ずっと「生きづらそうだな」と思いながら見ていた。なぜそこまで自分を貫こうとするのか不思議に思う一方、それが「信仰」なのだろうとも思う。幼い頃、辛い時期に奏さんが手を差し伸べてく -
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北方水滸伝通算第50巻!!!
かつて晁蓋や宋江達が目指していた革命からの国造りとは大きく代わり、楊令が目指した交易による物量が人々の生活を支える国家は形と成った!
多くの英雄達が散って行き、108人の好漢の生き残りも本作では片手で余るところ・・・
南宋の秦檜はかつての腐敗していた宋とは、比することが出来ない健全な国家を造り、金国のウジュは己の成長と共に強い国家を育ててきた!
私達はこの後、全てがチンギスハーン率いる蒙古の軍に中国の全土から支配される事を知っている為、作中の蒙古の息吹に不気味な物を感じてしまう・・・
楊令の落とし種でウジュの息子の胡土児は選択を迫られる!
秦容と英雄岳 -
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久しぶりにイッキに読めた。
凪良ゆうさんの作品は、本当に読みやすい。
少し、こう、人気すぎて手を出したくない感覚が
ある人って多いと思うんだけど
凪良ゆうさんはそれに分類されてる。
きっと面白いんだよ、どれも。
ただ、皆が面白いって言ってるから読む。って、
なんだか何かに負けるような気がして、
若干引けるんだよね。
でもこの「滅びの前のシャングリラ」
良すぎた。。。
小惑星が地球に衝突し、1ヶ月後には地球が滅びるという、SFかってくらい現実味を帯びないストーリーに1つの映画を見たような、そんな気分になった。
洋画で切なさを例えるなら、
「アイ・アム・レジェンド」のような感じ。
※他作を出す -
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日本の美術館に所蔵されている絵画にまつわる6篇の短編集。登場人物は皆それぞれが人生の壁にぶつかり、悩み、もがき、疲弊してしまった者たち。そんな彼らが絵画を通して、人との繋がりや希望を見出し、新たな道を切り開いていく。
この作品のタイトルでもある、「〈あの絵〉のまえで……」という表現が色んなシチュエーションで多用されている。その表現と絵画の描写を通して、人との出会いへの感謝、奇跡の再開への願いや、清々しいまでの爽やかな惜別など、それぞれが抱く様々な感情が自分の中に流れ込んできたように思う。
どのエピソードも生き生きとした感情描写があり、読むごとに心が軽くなるような、豊饒な気持ちになれる。 -
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ネタバレ皆さんおっしゃる通り、切ない。
石神は刑務所にいても数学に打ち込むことができ、母娘が幸せであれば、もうそれだけで石神にはハッピーエンドだったのでしょう。
靖子はいったんは工藤から贈られた指輪をはめてみて、石神の言うとおりに生きようと決断しかかります。
しかし、娘のリストカットがその決断を覆させました。「このままでは娘が壊れる」と考えたのでしょう。
美里は石神を信頼しており、自分たちの罪をかぶって石神が自首した(第2の殺人は知らない)ことが耐えられなかった。また、工藤と母の関係も受け入れられなかった。美里目線ではそのようなことだったのでしょうね。
さすがの石神も娘の心情までは読み切れなかったとい -
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ネタバレどの短編もすごく心奪われる内容で、グッと惹きつけられた。結末が示されないのでその後どうなったのか気になる部分はたくさんあるけれど、心に響くシーンもたくさんあった。
どの作品も良いのでどれかを選ぶこともできない。日常のなんてことのない場面が多く描かれているはずが、妙な緊張感に満ちていた。嫌な予感がしてハラハラが止まらない。こうした身近にある違和感や恐怖の描写が素晴らしかった。
そして、女性たちの声がとても身近に感じたという、そのことも収穫だった。たとえフィクションでも、自分と似た心の内がそこにあるというのは心強くもあるのだと知った。
日本でなんらかの被害に遭ったり、被害とまではいかずとも怖い思い -
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「受かった。ココに行くことにする。」
「受かったのか…。母さんは反対しているぞ」
40年以上前、大学受験の合格発表を東京まで見に行き、兵庫県の自宅に電話した僕。そして、それに対する父からの反応だ。
表面的には大きく揉めることなく僕の希望が通った。ただ、スッキリした「おめでとう」を聞いていないような気もする。(僕の知らないところで両親および親戚などでいろいろ議論があたったことは後々聞いた)
そんな「あの日」のことを何度も思い出した。当時の選択に対して後悔はないつもりだ。ただ、「もっとよい決着の仕方があったのではないか」と、この物語を読んだことで少し考えた。
(塾通いは未経験。高校進学まで特 -
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四畳半神話大系の事実上の続編。
タイムマシーンをどうもくだらないことに使おうと奔走する腐れ大学生の物語。
四畳半神話大系を読んだ後に読んでください。
ただそれだけでよろしい。
例のごとく四畳半に集う剽軽者どもの夏はどうも暑い...
なんといっても構成が見事、それでいて森見特有の阿呆ながら妙に達観した語りやキャラクター達、目まぐるしいドタバタが200ページ強に詰め込まれていて最高です。
彼らは無事宇宙を救うことが出るのか!!
そしてすべてが繋がったとき、この本の真の面白さに気づくはず...!!
感想を語り合いたい(投げつけたい...)作品の筆頭、是非ご覧ください!! -
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森見ワールド全開、阿呆踊る愉快な名作。
とある四畳半に住む腐れ大学生の存在し得た幾ばくかの世界線の物語。
全4編、パラレルに進む世界では構成・手法がなんとも奇怪。
タネが分かってからも本番、ピッタリはまるデジャヴが気持ちいい。
キャラクターもなんとも奇怪、いや妖怪である。
奇妙な友情、恋情に四畳半の主は振り回されながらもどこか楽しそうなのは我々も底なしの阿呆であるからだろうか。
そして気になる彼らも登場、キャラクターがどんどん好きになる!!
色褪せない阿呆どもをぜひに...
「僕なりの愛ですわい」
追記:
「四畳半タイムマシンブルース」も併せて読んでいただけると200倍楽しめますので