あらすじ
【罪を犯した「本当は良い子」の少年たち。奪われた命が、彼らの真実を浮かび上がらせる。】
重大な罪を犯して少年院で出会った六人。彼らは更生して社会に戻り、二度と会うことはないはずだった。だが、少年Bが密告をしたことで、娘を殺された遺族が少年Aの居場所を見つけ、殺害に至る――。人懐っこくて少年院での日々を「楽しかった」と語る元少年、幼馴染に「根は優しい」と言われる大男、高IQゆえに生きづらいと語るシステムエンジニア、猟奇殺人犯として日常をアップする動画配信者、高級車を乗り回す元オオカミ少年、少年院で一度も言葉を発しなかった青年。かつての少年六人のうち、誰が被害者で、誰が密告者なのか?
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
被害者、加害者、それぞれの家族や友人の心情について、ライターの取材を通して事件の深部に迫る、的な内容なんだろなぁ…と油断して読んでいたら終盤からガツンと衝撃の展開が!
そこからはもう夢中で読みました。
最後の1ページは、読み返す度に深い
正義とはなにか、復讐とはなにか、色々考えらさる一冊✨
Posted by ブクログ
少年犯罪を犯した少年たちが幼少期どのような家庭環境で育ちどのような生活を送り歪んでいったのか、6人のケースが詳細に書かれていて興味深い。
もちろん犯罪を犯したことは決して許すまじことではあるのだけど、この少年たちもまた可哀そうな子たちなのだと感じる。少しのボタンの掛け違いでそのような境遇になってしまったが、愛情に飢えていたりかまってほしかったり友達が欲しかったり、普通の承認欲求を満たしてほしいと願うごく普通の少年たちなのだ。
自分の感情をうまく言葉で言語化することができない、他人が自分の言動でどのような気持ちになるかが分からない、自分にとって都合の悪い事を都合の良いように解釈をするなど自己中心的な性格で知的にも発達が遅れて救いようがないとも思いはする。
しかしそんな少年達も少年院で、本を読み様々な感情を言葉で表現することを身に着けたり、犬をかわいがることで母性を育てたり、自らを育ててくれた母親の愛情を思い出したり。そうした自発的な行為こそが自らを救済する行為だと思う。
彼らの犯罪を擁護している訳ではない。むしろ目には目をという考え方に大賛成でむしろそうあるべきと思っていたのだが、生きて自分の一生涯を掛けてその人や遺族のために贖罪をするというのが残された道なのだ。
少年は思い悩んだのだろうな、どうしたら許してもらえるのだろうかと。最後の方でやっと密告者が誰だったのか、またこの文章を書いているのが誰なのかが分かって、えーーーってなった。最初は静かなノンフィクション風のテンションだったのに、最後の方で前読んだ元カレの遺言状と似たようなテンションになってた。なるほど、同じ作者だなと思った。
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新川帆立さん著「目には目を」
著者の作品は初読みになる。
名前を見ただけでは男性なのか女性なのかわからなかったので著者の事を調べてみればその概歴にびっくりした。
米国生まれ、東京大学法学部卒、元プロ雀士、弁護士、そして小説家…
凄すぎる、エリート中のエリートではないか。まだ30代中頃とのことだし、この先どんな人生を歩んでいくのだろうか?楽しみな作家さんだと感じる。
物語はというとちょっと変わった書き出しでルポ風でもありながらミステリー風でもあり面白い書き方だと感じた。
内容も主人公の記者がインタビューを通して事件を掘り下げていく道中に主人公のバックボーンが明らかになり大きな衝撃を受けた。
ネタバレになってしまうので内容は伏せるが綾辻行人さんの「十角館」に匹敵するくらいの「衝撃の一行」に、思わず「えっ…」って声を漏らしてしまった。
著者の書き方がとても上手で、全く想像していない所からのカミングアウトが素晴らしかった。
「贖罪」「反省」「更正」というテーマも読み応えが素晴らしい。タイトルに込められた「目には目を」、「復讐」という主題を軸に発展させていく物語展開の中で「贖罪とは?」「反省とは?」「更正とは?」「未来とは?」と考えさせられていく。
10代で罪を犯し少年院で過ごした彼らが、それらとどう向き合って今後の人生を切り開いていくのか?
少年時代に犯した自分の罪を、年を重ね社会に出ていく中でどう理解し、どう向き合い、どう暮らしていくのか?
読みながら考えさせられる、潜考させられる意味深い物語だった。
Posted by ブクログ
1日で速攻読んでしまった。続きが気になるのなんの。フィクションなのにどこかノンフィクションのようで怖かった。罪を犯した少年たちにまつわる話。結末もそう来たかー辛い、、、皆辛い、、、でも辛いのを循環させるのは良くない、、、なんとか希望が見出せる終わり方と思って良いのだろうか。希望なのか分からないけれど。自分の子供が被害者になる可能性と同じように加害者になる可能性もあって、色々考えてしまう内容だった。もちろん加害者になるにはそれに向かいかねない家庭環境がある場合もあるのだろう。でも先天的なものもあるのだろう。殺すなんてことは良くないこと。罪は良くない。でも、一歩間違えれば誰でも恨みは持つ可能性があって。
なんというか、こういう事件が実際に起きないことを祈るばかりです。
Posted by ブクログ
泣いた。最後ボロボロ泣いた。
出てくる少年達が一癖も二癖もあって、とても感情移入なんてできないし、ロクに反省もせずに出てきてしまう制度の問題に腹が立つくらいだったけど、最後一気に自分ごとのように刺さってきた。
何を間違えたのか。
どうすれば良かったのか。
悔やんでも悔やんでも悔やみきれないという気持ち。
ボタンの掛け違いだったのか、少しでも何か届いていたら結末が変わっていたのか。
読んでいて辛かった。
読後感は悪くなく、ホッとした。
子どもとの向き合い方を考えさせられる素晴らしい本だった。
Posted by ブクログ
オーディブル視聴。
罪を犯した少年たちは未成年者というだけで僅かな更生期間で許され少年院を出てのうのうと生きている、少年保護法などなくて良い、という流れになりそうな展開を、それでも希望のあるラストにしてくれて凄く良かった。ルポものっぽい語り口もあって少年たちの描写が生々しく、被害者と加害者の気持ちを行ったり来たりして考えさせられた。
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面白かった。
誰が殺されて誰が密告者なのかというのを探る面白さもありつつ、人間の恐ろしさ、考え方の違いなど、考えさせられる内容だった。
少年院に入れられるということはそれなりに酷い犯罪を犯したからで、その犯罪者が退院後に被害者の親に殺されるというのは自業自得なんじゃないかと、単純にそう思ってた。
全部を読むまではそう思ってたし、子を殺された親の気持ちを思えば殺してやりたいと思う心情は理解できた。だからこそどっちも苦しかった。生い立ち、性格、人間関係、どれも決して恵まれているとかいないとかそういうだけでは解決できない、蓄積?が一瞬にして人生を変えてしまった。
普通にご飯食べてお風呂入って友人と電話しているはずだった人生を奪う権利は誰にもないっていうのはほんとにそう。
目には目を、か。復讐はまた次の復讐を生んでしまうんだけどね。何とも言えない気持ちになった。
Posted by ブクログ
ミステリー要素もありつつ、6人の登場人物についてしっかりと掘り下げられていて、感情移入が出来ました。罪とは何か、反省や贖罪の意味を考えさせられました。そして、罪を犯す人はやはり家庭環境や、本人の特性によるところが大きいのだとも感じました。親として子どもに愛情をかけ続けていきたいです。
Posted by ブクログ
2026.#01
題名通りの序章からしっかり掴まれました。
もうあとは一気読み。
色んな感情が流れ込んできて辛かった。
辛さも受け容れられる、心の強い時に読んだ方が良いです。
とても読み応えのある作品でした。
Posted by ブクログ
目には目を、歯には歯を。
そして、反省には反省を。
胸クソ悪い、少年法に守られた子供たちの、自分勝手な言い訳が連なってるのかなー。と思いながら読み始めたものの。ヒールにアイデンティティを与えるのは、反則です。悪にも言い分があるのだろうけれど、徐々に個性が肉付けされていき、理解できない思考の末、犯行に及びさして反省できていない子もいる中で・・・。
泣くと思わなかった。可哀想だけど、でも、やっちゃいけないことはあるんだよ。共通のルールがあるから。と思っていたのに。
2段階で驚かされたのも、涙の理由だったかも。
想像以上にやるせないけれど、いい作品でした。
Posted by ブクログ
生育環境がその後の人生にどれだけの影響を与えるか。こういう小説を読むとその落ちていく背景もその犯罪に至った経過も必然なのかもしれないと思ってしまう。小説なのに。自分の視点でしか見えないのが人生、しかもこの主人公たちは、少年、視野が狭い。違う考え方に触れる前だった。復習をされてしまうような犯罪と向き合うには殺された少年のような考えになってしまうのかもしれない。
Posted by ブクログ
人を殺すことって、そんなの、悪いことに決まってる。もし、殺されたのが自分の大切な人だったら…、犯人が憎いだろうし、復讐とか、そりゃあ考えるよ。じゃなきゃ、辛くてやってられない。だけど、どんなに憎んでも、たとえ復讐できたとしても、亡くなった人が戻ってくることはない。復讐しても、気が晴れるかどうか。
加害者にも、被害者にも、きっと家族がいて、双方に苦しい。自分の身近では絶対起こってほしくないけど、すごく考えさせられた本でした。最後のページの手紙はほんとに深い。
Posted by ブクログ
読書備忘録968号。
★★★★。
目には目を。
殺人には殺人を。
とある墓地。
少年Aが眠っている。
少年Aは少年Xを殺害。未成年だったためN少年院に入院し、数年で退院。
そして退院後、少年Xの母田村美雪に殺された。
殺人を犯した者は死をもって償うのが当然だ、という美雪の理屈。
少年Aがどこでなにをしているかを美雪に教えたのは少年B(少年Aを売った)。
少年Aの墓地を前に、「目には目を事件」を追っているジャーナリスト?の仮谷苑子は何を思うか・・・。
という感じで始まる作品。
少年Aとは誰か?
少年Bとは誰か?
少年AがN少年院に入院していた時に、一緒だった5人の少年たちにインタビューする仮谷。
物語の前半は仮谷のルポルタージュのような形式で淡々と語られる。
少年たちの生い立ちと犯罪。
少年院での暮らし。
少年同士の派閥。
ん?ん?ん?
仮谷は事件を追っているんだよね?
退院した少年たちへインタビューしてるんだよね?
そういうことね。
ハイ!そういうことでした!
ちょっとしたトリックがありました!
大切な人を殺された遺族の行き場のない感情。
加害者の反省と社会での償い。
それでも許せない遺族。報復殺人。
そこでまた新たに大切な人を殺された遺族が生まれる・・・。
その遺族は更に報復を???
終わらない復讐のスパイラル。
だから司法があり、国が被害者に代わって加害者を裁く制度がある。
ただ、少年犯罪はねぇ。まだ成長途上ですからねぇ。
小林由香さんに復讐法を施行してもらうしかないか!
どれだけ反省をして社会に償いをしても、ヒトの感情はどうしようもない訳だ・・・。
なかなか重い作品でしたわ。
Posted by ブクログ
「ケーキの切れない非行少年たち」など少年院いる少年達に関するノンフィクションを何冊か読んだこともあり、そういうことにとても興味があったし、少年たちと自分は生育環境などはとても近い部分があり他人事ではないと思っていたので、こちらの作品もとても深く刺さる内容でした。少年達の生い立ちや気持ちにもスポットが当たっていて、普段そういうことに興味がなかったり考えたことがない多くの方に何か感じてもらえたらいいなと思いました。
Posted by ブクログ
少年によって愛する子供を殺された母親が犯人を探し出し殺害した「目には目を事件」
取材ということで、証言を集める形で
いろいろな少年犯罪を辿っていく
犯罪の動機も家庭環境も少年院時代もそしてその後も様々だと感じる
酷い?可哀想?犯罪は犯罪だ
色々な思考が自分の中で飛び交う
ところで少年院の運動会で親子競技って…難しくない?と思ってしまったが実際あるのかな(そこw)
Posted by ブクログ
これは、やるせない…
少年法で守られた加害者少年は少年院を数年で退院し普通に生活している。被害者は許せない。その気持ちは凄く良くわかるけど、加害者少年に報復するとなると話は別。
しかもそれを手引きした者がいる…
これはフィクションだけど、実際に起こってもおかしくない事例であり、リアリティもあって自分の気持ちをどこに置いていいのか分からなかった。誰目線になってもつらい。
新川帆立さんはこういう問題を作品に落とし込んで読ませる力が強い!
Posted by ブクログ
加害者少年Aが被害者遺族によって殺された。密告した少年Bとは?真相は最後にわかるんだけど何ともやりきれない思い。復讐が贖罪になってはいけない。
自分だったら(考えたくないけど)死には死をもって償わせたいのか、更生を願うのか…何をしても本当に救われることはないのかと思うと切ない。
Posted by ブクログ
とても評価高い本で、気になってました。タイトルもわかりやすくてそれでいてどんでん返しあり、内容も深くてさすがの専門知識でした。
わたしは個人的に目には目を派です。途中までは「うんうん、これでよしやで。」って思ってましたが、最後まで読み切ってその読後感に感服しました。
Posted by ブクログ
面白かった。また新川帆立作品を読みたいと思った。
6人の罪を犯した少年たち、とても生い立ちが複雑で考えさせられる場面も多かった。でも、ルポルタージュ風に書かれていて、どんどん引き込まれて行った。罪を犯した子たちが贖罪について考えまくっていたので、それが救いだった。
Posted by ブクログ
audible⭐︎
残虐な少年達に途中まで怒りと怖さを感じた。
目には目を…私もきっとそうする!
でも最後、著者の言いたいメッセージを汲みとった気分になった。
復讐心の…その後の…何十年もの…年月の先に辿り着くものとは…⁇
Posted by ブクログ
自分の気持ちが揺れ動く本だった。
自分の幼い子供が殺された時、その犯人を「殺す」、「殺さない」。
「殺さない」に決めても、一瞬後には「やっぱり殺す」に傾く、でもすぐにまた「殺さない」に傾く。自分の心の中でその両方が矛盾せずに成り立っている。シュレーディンガーの猫みたいに観測されるまで決まらない感じだ。
Posted by ブクログ
「力が入りすぎて殺してしまった」。その一文が強く胸に残り、フィクションだと分かっていても背筋が凍る思いがしました。というより、もはやフィクションではなく、日常の延長線上で起こりうる出来事だと感じます。
少年たちは善悪の境界や感情のコントロールが曖昧なまま生きているようにも見え、その危うさが事件へとつながっていく過程がとても生々しい。
物語を通して、知的な特性を抱える人との関わり方や、どこまで踏み込み、どこで距離を取るべきなのかという難しさを改めて考えさせられました。
久しぶりに、読んでいて正直しんどくなる作品で、決して他人事として片づけられる話ではありません。自分の身近な場所でも起こりうる話として、重く心に残ります。
そしてラストは、、、救われたってことでいいのかな。
Posted by ブクログ
少年Aが殺された。
Aは少年Xを暴行し、死に至らしめた傷害致死の疑いで逮捕され 後に第二種少年院に送致された。
一年三カ月を少年院ですごし、十七歳の春退院し土木作業員として働いていた。
Aを殺害したのは田村美雪、少年Xの母だった。美雪は事前にインターネット上でAの情報を集めていた。そのなかにAと同じ時期を同じ少年院で過ごしたという少年Bからの情報提供があり
Aの所在を特定するに至ったという。
美雪は裁判で犯行動機を問われると「目には目を、歯には歯を」という
ハンムラビ法典の一節を引用し、
「死には死をもって償ってもらおうと思ったんです」と話した。 以降 その事件は「目には目を事件」と呼ばれることになる──。
第一章から第三章まで上記の事件について話を聞くという形で Aと少年院で生活を共にした五人の元少年らを中心に取材が行われる。取材するのはライターの仮谷苑子。
しかし彼女についての詳細はここまで一切語られていない──。
なぜ少年Aだけが殺されたのか。
そして仲間を売った少年Bは誰なのか──。
読み進めていくごとにストレスが溜まっていくようだった。
法律上の正誤は理解できる。でも心情的には正しいとも間違っているとも軽々には言えない。
ただ 少年たちがあまりにも簡単に取り返しのつかないことをしてしまうのには不快感を覚えた。
“復讐”という衝撃的な事件からはじまり、その“復讐”という言葉が印象に残るがハンムラビ法典は決して“復讐”を推奨しているわけではない。寧ろ過剰な報復合戦を防ぐ目的でつくられたという。
ラストの 苑子から美雪に宛てた手紙を読んで、あぁ それでこのタイトルなのかな。と少し納得した。
Posted by ブクログ
もはや私、加齢によるのか、そもそも頭のデキが粗末なのか、その両方なのか、この手のトリックに頭が追いつきません。第一章に登場して語っている堂城武史とは何者なのか?なんで死人が語っているのか?そもそも刈谷苑子と堂城武史は母子なのであるのだし、この取材の意味がさっぱりわからん。もちろん、苑子が少年Aを売った少年Bを探す真の理由は終盤にわかった(ホントか?)し、少年Bの驚きの正体(これはなんぼなんでも私には最後まで見破ることはできませんでした)のだけれど、やはり第一章で武史がなぜ登場するのか。これ肝なはずなのに。
Posted by ブクログ
少年たちが主観と客観で代わる代わる登場するので、どの罪状でどんな性格の子だったのか何度もページを行ったり来たりした。
少年の罪悪感なんて、実際こんな感じなんだろうなと感じさせるリアルな書き方。読めば読むほど「目には目を」事件が感情的に強調されていく。
著者の経歴からして、私が思い描くバッドエンドにはならないだろうという先入観が少し邪魔をしたけれど、結末としては悪くなかった。
Posted by ブクログ
重い罪を犯した少年達。少年院に入り、本当に更生するのだろうか?
それぞれの家庭の事情は、やはり親たちの愛情がかけている。
彼らが少年院を出て、それぞれの社会に出るが思いは複雑である。
でも、最後は明るい兆しを見せている。
26/01/14 3冊目
Posted by ブクログ
テーマはありふれたものだが、切り口や見せ方が新鮮だった。
面白かったので、周囲に勧めようと思ったが、あらすじの説明では凡庸になってしまいそうで…ぜひ本文を読んでもらいたい。
ライターの正体と密告者の正体。
しっかりミステリーとして驚かせてくれる。
ただ、登場人物は多くないのに、名前がこんがらがってしまって、そこが残念。