あらすじ
【罪を犯した「本当は良い子」の少年たち。奪われた命が、彼らの真実を浮かび上がらせる。】
重大な罪を犯して少年院で出会った六人。彼らは更生して社会に戻り、二度と会うことはないはずだった。だが、少年Bが密告をしたことで、娘を殺された遺族が少年Aの居場所を見つけ、殺害に至る――。人懐っこくて少年院での日々を「楽しかった」と語る元少年、幼馴染に「根は優しい」と言われる大男、高IQゆえに生きづらいと語るシステムエンジニア、猟奇殺人犯として日常をアップする動画配信者、高級車を乗り回す元オオカミ少年、少年院で一度も言葉を発しなかった青年。かつての少年六人のうち、誰が被害者で、誰が密告者なのか?
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Posted by ブクログ
『少年X』に暴行を加え、死に至らしめた『少年A』。少年院を退院後、土木作業員として働きはじめた『少年A』は寮の部屋で遺体となって発見された。めった刺しにされていた、という。犯行後すぐに自首してきた犯人は、『少年X』の母親の田村美雪だった。インターネット上で『少年A』の情報を集めていた田村美雪は、同時期に同じ少年院で生活を共にした『少年B』の密告をもとに、『少年A』を殺害した、と語る。盛んにメディアで取り上げられたこの事件は、「目には目を事件」と呼ばれた。少年院で共に同じ時間を過ごした『元少年五人』のうち、果たして誰が、『少年B』だったのか――。
ネタバラシにはならないよう気を付けますが、未読の方は私の文章なんかより、作品のほうをすぐに読んでください。傑作ですから。
今年2025年に大きく話題になった作品のひとつ、新川帆立さんの『目には目を』は、犯人はすでに分かっていて、『密告者探し』が中心に据えられた一冊。ノンフィクションの体裁を採り、プロローグの時点で作品の構成まで分かっているのに、構成の妙に驚かされてしまう秀逸なミステリです。
実は序盤を読んでいた段階では、帯文の『衝撃と感動のミステリー!』という惹句が不思議で、この構成で進んでいく作品が、なんで『感動の』となるのだろうと思っていました。ですが、読み終えると、これは確かに感動する……、と強く胸を打たれてしまいます。ノンフィクション的な体裁のためにすこし当事者とは距離感があったはずの物語は、中盤以降、一気に互いの距離が接近し、それまで見ていた景色までも変えて、ラストに至って忘れがたい余韻が残る。そんな素敵な一冊でした。
Posted by ブクログ
すっごく面白かった。考えさせられた。ドキュメンタリータッチで描かれているフィクションだ。少年院で過ごした時のグループ5人のそれぞれの想いが描かれている。その中の1人が復讐で殺されたあとの、お話なのだ。子供の時って脳が発達してないから、どうしても自己中心的になって、不運は全部、人のせいにしてしまう。ようやく少し反省しても、いつもいつも白い目で見られるとやはり、後戻り、グルグルと悪い方向へ行っちゃうのかな。自分のしたこと、悪いこと、取り返しのつかないことに対して、どう向き合っていくのか。無邪気すぎて、単細胞?すぎて、少年たちが、とても、かわいそうに感じた。でも、彼らの反対側には、被害者の家族の悲しみと苦しみと憎しみと大きな強い思いがあるよね。
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一気読み。少年院とは育て直すところ、かぁ。目をかけて、愛情をかけてやらなかったら、犯罪に手を染めてしまうのか。愛情をかけてもそうなってしまうのか。分からん。
Posted by ブクログ
最初、本当にあった事件のルポルタージュのようなものだと思った。ところが後半、ルポを手がける女性が誰なのかわかったところから、単なるルポルタージュではなくなる。重たいテーマだなぁ。
人を殺して、でも少年だからと「少年法」で守られ、数年で社会復帰。当然、殺された子の親からすれば、なぜうちの子は命を奪われ、未来も奪われたのに、犯人はのうのうと生きているのか?と憎しみが湧くものだと思う。
堂城くんのようにやってしまったことを反省し、後悔し、償いたいと考え、でも償うことの意味を考え、悩み、苦しみ…。それを読んでいると、生きてほしかった、と思ってしまうのだが、自分の娘が殺されたとなると、私も美雪のように、犯人をつきとめ、殺すかもしれない。反省し、後悔したところで、謝罪を受け入れるなんて、到底できない。
だから余計に、復讐と贖罪について考えさせられた。
少年院に入ったからといって、全員が更生するとは限らない。ミドリ班の6人は、それぞれに何らかの支援が必要な人だったのかもしれない。
特に雨宮くんは、そんなに多くの情報が書かれていたわけではないが、犯罪の内容が実際にあった少年犯罪を彷彿とさせる。猟奇殺人犯ユーチューバーと名のり、活動していたが、彼に反省や後悔や自分のやったことへの罪の意識とはどうだったのだろうか。
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誰が密告者か?という謎を追うミステリーとしても面白かったし、復讐と贖罪というテーマで腑に落ちるラストが用意されていたのも良かった。
ライター視点から一人の母の視点となり、そうなると復讐を肯定しそうな気持ちに引っ張られた。でも堂城くんの場合は適切な発達支援に繋がっていれば防げたことがあったのでは?と思うので堂城母の一方的な被害者意識はモヤモヤしたり。
しかし最後の大阪くんの宣言がやはり真の贖罪なんだろうなと思えた。
Posted by ブクログ
復讐と贖罪と終わりなき葛藤
久しぶりに突き刺さった。
誰しも一度は考えたことがあるだろうテーマを、
わかりやすくぐいぐい引き込んでいくストーリー。
救いのないテーマの中に最後、
微かな救いのようなもの、
救いと呼べるのかどうかも定かではない、
一筋の光があるのもよかった。
ぜひ読んでみてほしい作品。
Posted by ブクログ
少年院で暮らした6人のうち
1人が殺され、残り5人の誰が密告したのか?
これ考えながら読むのが楽しいんだけど
誰が誰やら、わからんなりかけ…
また戻って確認しながら読んだ
ま、それも楽しかった
目には目を
この考え方に賛成 というか
納得できてしまう私
田村美雪の裁判時の発言に
すごく共感
子供殺されたら、私もこう考えるやろなぁ
復讐を実行できるかは分からんけど
言ってる内容は、すごく理解できる
だからその後の仮谷さんの考え方や行動は、
なんか違うと思ってしまった
そもそも息子の色んなことを
見て見ぬふりしてた事が
なんか腹立つ
まぁ、最後の「違う形での復讐」は
納得できる終わりやったかな
でも大坂くん以外の今後が
(特に雨宮くんの歪んでる感じや
岩田くんの家庭内暴力)
めっちゃ気になるわ
Posted by ブクログ
有名な子役の弟がいたため親に構われなく育ち先輩と一緒に殺人を犯し、罪の意識も少ない人懐っこい大坂君。根は優しいが低下IQで幼児を手に染めた堂城君。教育熱心な母親を殺した高IQの小堺君。飲み屋で働く親に育児放棄され、悪い先輩たちとつるんで罪を犯した声が大きい進藤君。猟奇殺人犯として日常アップする動画配信者の雨宮君。どもりがあり醜形恐怖症の岩田君。少年Bが密告し少年Aが殺された。ルポライターは加害者でも被害者でもあった少年の母親だった。救われたのは死を悼んでいた大坂君の話だけだった。事件が起きなくてよかった。
Posted by ブクログ
新川帆立さん、長編は初めて読んだ。
人を殺した少年Aは、被害者の親に殺された。
少年Aの居場所を密告したのは、同じ時期に少年院に入っていた少年B。
誰が少年Bなのかを探すルポライター。
と、そんな話。
4章あたりで、密告者Bがなんとなく分かった。
そしてラストで真実が分かり、慟哭。
子を殺された親。復讐とは。償いとは。
様々な感情が渦を巻き、辛かった。
けれど、自分でも色々と考えることが出来たので、読んで良かった。
Posted by ブクログ
彼は人を殺し、人に殺された。
少年Aは、少年Xに暴行を加え、死に至らしめた。
少年Aを殺したのは少年Xの母親だ。
我が子を殺したAに復讐したのである。
いくら十五歳の少年だからといって、人を殺しておいて、少年院に一年三ヶ月入っただけで許されるのはおかしい。
死には死をもって償ってもらう。
──と少年Xの母親は語った
この「目には目を事件」を追う女性ライターが、少年Aと少年院で共に過ごした五人の元少年らを取材していく。
まるでノンフィクションの記録を読んでいるかのように錯覚する。
少年犯罪についてや少年院の内部、出所後の生活などが私には興味深い部分でもあった。
う~ん、それにしても…
我が子が少年に殺されたとして、その少年は一年三ヶ月で社会に復帰出来るというのは、親なら許せない気持ちが強いと思う。
その憤りをどこにぶつけたら良いのか…
だから、目には目を。か…
逆に我が子が加害者になってしまったら、自分はどんな気持ちなのか…
どちらの立場にもなり得るわけで、胸がざわざわするのを抑えられない。
かなり重い内容ではあるけど、すいすい読めて頁を捲る手が止まらない。
少年たちの人物像の描写がリアルなのと、淡々とした文章のせいか、狂気じみた怖さがじわじわと伝わり何だかゾッとする。
彼らはどこにでもいる普通の少年のようで、でもどこか少し違和感を覚えるんだな。
とても良かったけど、私は「ひまわり」の方が好きかなぁ。
著者の他の作品も読んでみたい( *ˊᵕˋ )
Posted by ブクログ
少年であろうと犯罪は犯罪な訳で、少し少年院で過ごしたからと言って社会復帰出来るのは理不尽だと自分も感じたことがある。
でも、この作品を読んで少し違う考え方ができるようになった。
育った環境や先天的な能力によっては、悪いことの判断がつかなかったり、想像力が乏しかったりするため、一般的な環境に適応するのが難しい。
この作品を読んでいると、一部の少年はもう少し他者の助けがある環境で育っていれば、こんなことにはならなかったのに、と思った。
心を入れ替えて反省を繰り返す様子は、ただ犯罪者と憎まれる人であってほしくないと感じた。
全員が全員心を入れ替えられる訳でもないし、現実ではどの程度更生して社会復帰できてるかは分からないが、少年院で過ごすことの大切さを初めて知った。
余談だが、この本では1年3ヶ月とされている少年院で過ごす期間は、これまでの人生を作ったその人の人格を変えられる期間なのかは正直疑わしい。
Posted by ブクログ
初めての新川帆立さん。
不穏なタイトルと、少年院から出所した少年Aが殺された。一緒に院で過ごした少年Bが被害者遺族に密告したせいで。誰が少年Bなのか!といったあらすじに興味を惹かれて読んでみました。
インタビュー形式で少しずつ6人の関係が明らかになっていく。みんな怪しくなってくる。
終盤明かされていく真実に読み進める手が止まらなくなりました。そして、自分に当てはめて考えざるを得ない内容。
もし自分が被害者遺族になった時。復讐したいと思わず居られるのか。復讐以外の気持ちの納め方とは。当事者にならないと見つからない答え。面白かったです。
Posted by ブクログ
タイトルが不穏で、あまり気が進まずのいたものの、新川帆立さんならきっと読ませてくれると思い手に。
贖罪と復讐の物語と謳っている。
「少年による犯罪をどう捉えるべきか。罪を償うとはどういうことか。」と序章に書かれているように、読みながら自分自身の少年犯罪に対する思いが揺れ動き、まさしく考えさせられる物語だった…
罪を犯す少年は、元々何らかの障害を抱えていたり社会的弱者であることが多いというイメージがある。
少年院などの更生施設が、そういった非行少年達の更生のために社会的な経験の場として機能しているということを改めて知る。
もし、彼らが幼い頃から規則正しい生活や暖かい保護者や友人との交流の機会を日常的に持つことができていたら…と思う。
と同時に、不登校の児童が急激に増えている今、孤独感ばかりが増えて共感する心を失った子どもは多いだろう。衝動的に犯罪を犯してしまう少年が増える可能性もあるのかもしれないと思う。
犯罪を犯した少年達、復讐のために殺人犯を殺した母親、少年Bを殺そうとするも未遂に終わる者…
きっと彼らは皆、様々な事情で衝動を抑える術を持てなかったのだと思う。
自分が受け入れられない程の苦しみやショックを受けた時、それをどう扱うか…
とても難しいことだ。
そしてそれと同時に罪を償うということの難しさも考えさせられる。
裁判で判決された懲罰を受けるだけでなく、被害者とその家族への償いというのは、被害者とその家族次第なのかもしれない…
私自身、「自分が生んだ子どもが社会に迷惑をかけるような子どもになるかもしれない」という恐怖で、30歳目前まで子どもを生みたくないと思っていた。今でもその不安が全くないわけではないし、自分自身だって、衝動的に犯罪を犯してしまう可能性がゼロではない。
でも…それでも生きていれば、傷つけることも傷つけられることもある。
自分自身が自分の傷つきに上手く折り合いをつけることができれば、衝動的に誰かを傷つけることは防げるのかもしれない。
生きていくということは、そういうことなのかもしれないな…
母として、子を生み育てていくことに改めて向き合っていこうと思う。
Posted by ブクログ
我が子が殺されたら。
私もこの母親と同じように犯人を殺してやりたいと思う。それはなんでだろう?って考えると、きっと、私は我が子を奪われて絶望している、我が子は生きる筈だった人生を奪われているのに、犯人がのうのうと生きていて、あまつさえ幸せになろうとしているのが許せないから。
ただ、犯人を殺しても我が子は返ってこない。
もし、犯人が少年院で、罰として酷い拷問受ける、我が子と同じくらい苦しみを受ける、となったら満足かな、と考えた。
でもこれって目には目をな思考ですよね。
きれいごとじゃ済まない。
この本の結論にはおーっと思わされるけど、自分ごとになったら…同じように考えられる自信は無いなあ。
Posted by ブクログ
重いテーマだけど、読んでみて少年犯罪を犯す子達は罪の意識がないのだと感じた。
後半取材していたのがまさかあの人だとは気づかずびっくりし、まさか密告したのがあの子だとわかった時、切なくなった。
少年でも罪はきちんと償うべきだと思う
Posted by ブクログ
彼は人を殺し、人に殺された。
目には目を。
重大な犯罪を犯しながら、
少年法で守られ
犯人が数年で社会に戻ることは
被害者遺族からすると許せないだろう。
復讐したくなる心情はすごくよくわかるし、
更生なんてするわけがない
と思っていた。
本著も復讐をやり遂げ
なんとも言えない気持ちになるのかと思ったら
そうではなかった。
復讐の先に真の償いはないという結末が
すごく考えさせられた。
最後の大坂くんの力強い宣言になんだかうるっとしてしまった。
Posted by ブクログ
少年院で過ごした6人の少年達。幼少期は普通よりちょっとはみ出た子ども。家庭環境やイジメによって、成長するにつれ各々の特性が際立ち、歪んだ思考回路の末、犯罪を犯してしまう。
仮谷さんの取材していく過程で、一人ひとりの犯罪に至ってしまった経緯と浅はかな思考が、とても良く描かれていた。
「目には目を」この復讐の連鎖を嘆いて終わりかと思ったら、ラストはこの連鎖を断ち切る、真の贖罪に心打たれました。
Posted by ブクログ
女児を殺した少年Aを殺した女児の母親。少年Bから情報を受け取っていて、誰が少年Bなのか?それを調べるライター。少年院にいた6人の少年達を取材する中で明らかになる真実。
なんだか考えさせられるなぁと。子供が殺されたから犯人に復讐する。気持ちはわからないでもないが、殺された少年Aにも親はいるわけで、、、。少年Aの母親も復讐を考え出してとなると、復讐の連鎖だわね。
終盤は、あっ!と驚く。なかなか切なかったです。
少年院で反省する子は反省するけど、反省しない子は反省しないよね。現実はきっとそうなんだろうなぁ。
Posted by ブクログ
おもしろかった。ドキュメンタリー形式でストーリーが進むミステリー。
加害少年たちは、家庭環境に恵まれなかったり、知能レベルに問題があって周囲から理解されなかったり、同情すべき余地があるとしても、共感できる部分が全くなくて、ただただ、嫌な気持ちがどんどん募っていったけど、引き込まれた。
Posted by ブクログ
少年A 少年Bを取材しているルポルタージュなのかと思ったらその真意は。
少年院の小説を二作連続で読んでしまったけれど施設内の様子が違うのは作家さんがちがうから?
Posted by ブクログ
目には目を。どちらかというとその考えは納得しちゃうというかあるので何とも言えないなぁと思いながら読んだ。
あらすじに更生して社会復帰した加害者少年たちとあるが、本当に更生しているのか。そして社会復帰と言えるのか…。
Posted by ブクログ
少年院を出た六人の重罪犯。一人が被害者遺族に殺された。情報を提供したのは誰なのか。
彼らのことを一人のルポライターが調べ始める。
ルポライターが記事を書くためにインタビューをするという形式の小説。この場合、ルポライターが純粋かどうかがまず問題になるわけで、身構えて読む。
途中までは面白く読んだ。
ルポライターの正体がわかってから、中立に見えた彼女の狂気が加速していき、息苦しくなる。
目には目を、という感情はわかるが、贖罪や更生を否定すると、社会が成り立たないのではないかと思う。
これを許すと、最初が何かは置き去りにされ、やられたからやり返すの無限ループになってしまう。
日本の刑法が応報刑ではなく教育刑よりなのなら、それが生かされる社会を作ることが必要なのでは。やり直せない社会は生きづらい。被害者はやり直せないと言われてしまうと心情的に反論しづらいものはあるが。でも優先されるべきは感情論ではないと思う。
Posted by ブクログ
彼女の本は初めて読んだ
殺人を犯した少年が少年院から出て
被害者の親に殺されて
その取材をしているライター目線で
話は進むのだが…
なんともイヤな気分
湊かなえさんのイヤミスとは違った
とてもイヤな気分
これが現実なのか…
実際毎日犯罪は起きてる
本当にイヤな気分
あぁ…こういう小説が生まれる
世の中が嫌だな
せめて犯罪、特に少年犯罪が起きない社会に
なることを願う
Posted by ブクログ
新川帆立さんの小説を読むのは、デビュー作以来。
最近読んだエッセイの方が面白かったので、他の作品を読んでみようと思い、今作読んでみました。
帯のあらすじ読んで、重い内容なんだろうなと覚悟はしていましたが、しっかりと重い内容でした。
新川さんは第5章の復讐と贖罪の部分を特に書きたかったのかな?読みながらそう思いました。
登場人物誰にも深く感情移入はできませんでしたが、物語の牽引力はしっかりあり、グイグイ読ませてくれます。
密告者は誰かは最後明かされますが、なんともやりきれない気持ちになりました。
大阪くんの貰ったボールペンを大切にしているというエピソードが、妙に深く印象に残りました。
もっと周りの環境が違っていたら、違う未来になっていたのかな、と読み終えてからふと考えてしまいます。
Posted by ブクログ
被害者の親、加害者の親、どちらの心情も痛いほどリアルに伝わってくる。少年Bが誰なのか。明かされた真実に何とも言えない気持ちになる。復讐したい気持ちは当然だと思うし、贖罪がこんな形でいいのかとも思う。
最後の手紙が、ずっしりと心に響いた。
Posted by ブクログ
娘を殺された女の復讐譚ではなく、殺人を犯して少年院に服役していた6人の少年達の生活と社会復帰後の姿を取材する話。
少年達の中には更生している者もいれば、犯行時から微塵も変わらない者もいる。
目には目を。殺人には殺人を。そんなありふれた話では終わらない。復讐の連鎖を終結させる主人公の選択「反省には反省を」 明言を避けて誤魔化すのではなく、贖罪に対して2つのアンサーを並列に示しているところが凄い。
Posted by ブクログ
犯罪者に寄り添わせる構造はどうなの?と思って読み進めたらその理由がわかった。お前親かい!だとしたらそんな取材だめだろ!って投げそうになった。展開は湊かなえの告白みたいでよかったんだけど、ミスリードにいまいち乗り切れない。10歳の女の子を少年Xって書くのも違和感があるし、堂城君はたまたま女の子殺したんじゃなくて複数の子を襲ってる(本人の認識はちょっと触った、だとしても)よな、と嫌悪感が募るからあんまり庇われても……。親バレしないようになのか運動会来てないことになってるし、娘を殺した憎い相手を眠らせてから殺してるし、ところどころ引っかかった。