あらすじ
妻の親友の家に招かれた僕。バーベキューを楽しんでいると急に離婚裁判が始まり……怖すぎるのに笑えてくる〈ブラック綿矢りさ〉全開! 心に潜む「明るすぎる闇」に迫る全4作収録。解説=ふかわりょう
悪いのは不倫した「僕」だってもちろんわかってます。でも……。胸の奥でざわつく本音がスパークする表題作「嫌いなら呼ぶなよ」。プチ整形を明かしたら職場で執拗にいじられた「私」。吹っ切れて一発逆転を狙ったら、まさかの大成功?(「眼帯のミニーマウス」)。いっそ開き直って人生のリミッターごと外せ! 心に潜む「明るすぎる闇」に迫る全4作収録。パンクな毒が炸裂する、綿矢りさの真骨頂。
感情タグBEST3
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初作家さん。タイトルから世の中へのうっぷんを感じさせ、目次を見ただけだとよく分からなかったけど、あとがきがふかわりょうさんなら間違いないと信じて読みましたᵕ̈*
独特な表現に読みにくいと感じる部分も少しあったけど爆笑本でしたᵕ̈*
最後の終わり方好きです
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正直、綿矢りささんは苦手だと思っていました。
最初の短編からぴえんとかでできて、これは苦手な女子らしいドロドロで攻撃力のある作品かなと思っていたのですが、
語り手の一言一言の感情の解像度が高くて、攻撃力は変わらずあるんだけど、良くも悪くも誰もが共感ができると感じました。
容赦なくボコボコに殴られたのではなく、綺麗にスパッと切られた感覚。非常に面白かった。
Posted by ブクログ
SNSで見かけた奇抜な色味とタイトルに心惹かれすぐ買いに行きました。
4つの短編になってるんですが、いい感じに人間のこういうとこあるよなぁって嫌な部分とかをユーモアを交えて書かれてて、本当に皆こんな大変な世界で頑張ってるよほんとに…とまで思えてきました。
女の世界の水面下で行われる熾烈な争い
好きも行き過ぎると狂気になるよね、わかる。
熱中するのも深く世界に入り込めるけど、溺れて、良いも悪いも分からなくなって戻れなくなるよね。
だから、程よく栄養補給くらいが丁度いい。
やってる事は悪いんだけど、人間逃げ道を塞いで多勢で責めるのはいじめと同じなんだよね。
最後のお話は最高に面白かったです。
社会の中で苦しむ中でも穏便にでも早急に進めなきゃ行けない出来事。
最後は爽快すぎて笑ってしまいました。
綿矢さんの表現が分かりやすく情景まで浮かぶところがすごいですし、気持ちが良かったです。
Posted by ブクログ
とても好みで面白かったです。
嫌いなら呼ぶなよ、老は害で弱も輩
この2作品が特に好きでした。
どちらも終わり方が最高で
思わずニヤニヤ、笑い声が出てしまいそうでした。
綿矢さんの他の作品も、読むのが楽しみです!
Posted by ブクログ
これこれこれ!こんな本を求めていた。いかにも身の回りにいそうな人達の内面。性格の悪い人たちの内面にフォーカスしたこんな本。
自分が悪いのに被害者面する感じ、一点に着目すると他が見えなくなってしまう感じ、そして、自分の責任を感じそうになるや否やそこに紐づく他責を心中で**辿り、**逃げようとする感じ、ものすごいリアル。私が私を嫌になる時、というか性格悪いなーと思う時、それは自分の中でこうした側面があることを見出してしまう時だけど、この本の人達はそれを受け入れて開き直っている。
表現も美しい。例えが日常生活に組み込みたくなるような秀逸さに溢れている。一生読んでいたい本だ。
ストーリーではなく、その場その場の心情のとんでもなさと、いちいち巧妙な表現、そのふたつを組みあわせた勢いで書き上げる本、ほんとに好きだ。愛している。付き合ってくれ。
めっちゃど真ん中のいい本に出会えた10月の私は幸せです。
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面白かった!!☆5!!
なんだろうなあ、この面白さ。すっごく面倒くさい主人公たちなのになぜか憎み切れないというか。ここまで内面をさらけ出してくれるとむしろ面白くなっちゃう。でも絶対関わりたくないんだよなぁ~。特別な安全圏から迷惑を被らずに超至近距離からその人を観察できるっていう、小説ならではの特権を得ているこの感じ。「貴重な体験しているなぁ~」とひたすら思いながら読んでいた。
Posted by ブクログ
僕は忘れてない。ずっと働きづめで疲れていた君にこの僕が提供できるのは、結婚してもいつまでも恋人同士みたいな濃密な空気感なのだと。
なぜこれがわかっていて不倫ができるのか。この気持ちを持って、行動に移してくれた人にどんだけの信頼をおいているのか。本当に怖くなった。彼女を愛しているという気持ちがありながら、あくまでも被害者意識で、仕方がなかったという気持ちで不倫ができるのか、全てにおいてそうなれるのがすごい
Posted by ブクログ
タイトルに衝撃を受け購入。
誰もが感じたことのある日常生活で訪れる苦難や生きづらさに対して、はっきりと皮肉や文句を言う登場人物達にスカッとした。
特に最後の話は語り手に共感しまくりで、オチで爆笑してしまった。
Posted by ブクログ
綿谷りさ…表紙が可愛くて思わずジャケ買い。
短編ながら、中身もめっちゃおもろかった。
表現が秀逸だし、ところどころ声出して
笑えたところもありました。アベノマスクのところは想像すると最高に面白い。
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綿矢りさの比喩表現は随一です。マリトッツォとシュークリームの違いを胸で例えるのは恐れ入った。綿矢節が効いた文体と鮮烈な話に読む手が止まらない。ものすっごいおもしろかった~~~!!ぜんぶの話が大好き。
Posted by ブクログ
実は初めて読んだ綿矢さん。めちゃくちゃ面白いじゃないですか。毒が効きまくってる。
表題作「嫌いなら呼ぶなよ」
ママ友ファミリーのバーベキューパーティーでの公開処刑、ゾクゾクします。
「老は害で若も輩」
作家とフリーライターのメール喧嘩に巻き込まれた編集者のやりとりとか本当にありそう。
正論を並べる奴らへのパンチが気持ちいい〜
Posted by ブクログ
登場人物の感性がやや常識からずれており、そのぶん戦闘力が高く、読んでいて気持ちよかった。
「常識からずれていること」と「生き物として魅力的であること」はまた別の話である。
霜月という造形美の男が、不倫で責められている最中ですら、自分の美しい顔に惚れ惚れしている描写がある。
クズではあるのに、どこか無敵で、そのあたりの垢抜けない夫婦よりもよほど魅力的だと思ってしまった。
Posted by ブクログ
4編の短編集。「眼帯のミニーマウス」がおすすめ。全編を通しての感想は「神田タ」の感想と一致します。描かれるホンネが楽しい作品です。
「眼帯のミニーマウス」
承認欲求と自己隠蔽欲求のせめぎ合い。その一つの解が「眼帯のミニーマウス」。話もすごくおもしろかったけど、自分の中では、数年前のことなのにマリトッツォのことをすっかり忘れてたのが衝撃的でした。マリトッツォ、そういえば流行りましたね。マリトッツォは「豊胸した胸を見て見てと言わんばかりに露出させ手っ取り早くみんなの目を引く」商品だそう。
「神田タ」
人が良さそうに見えて、じつは底意地の悪いキャラってのは綿矢りささんが描く人物の魅力の一つだと思う。
本作主人公のぽやんちゃんはまさにそんな感じ。
大変失礼ながら僕の中では作家の綿矢りささんも同じ感じ。
「嫌いなら呼ぶなよ」
大きな声では言えないけど、登場人物の中では主人公霜月さんに一番共感しました。ハム夫嫌い。
「老は害でも若も輩」
カリカチュアされたメールのやり取りが続いて少しゲンナリしたけど、老害に年齢は関係ないって主張には賛同します。
あと、カバーデザイン最高ですね。透明なブックカバーで持ち歩きました。
Posted by ブクログ
綿矢りささん、2作品目です♪
今回は4篇の短編集。
⚫︎整形女子が会社でカミングアウトした後の会社の反応
⚫︎推しのユーチューバーが好き過ぎての大炎上
⚫︎親友の旦那が不倫!それに対しての反応
⚫︎人気女性作家(綿矢りさ)とインタビュアーの記事直しで板挟みにあった若手雑誌編集者
どの話も人間の倫理正義は本当にテキトー。それを振りかざす人ほど自己チュー。というのを綿矢流に面白おかしく書かれています。
ストリー自体は単純ですがこの作者さんの言葉は独特過ぎて病みつきになります。
不倫の話はタイトル作品なので特に良かったです。最後は半分自虐っぽく描かれているのですが個人的には少しイマイチ。
でもこれ、本当の話なのかと少し興味が湧きます。
Posted by ブクログ
スカッとしたりクスッとしたり。主人公たち(主に呼ぶなよ)の思考回路が理解できなさすぎて、それはきっと私の理性が素晴らしく働いてくれてるからなんだろうな。ありがとう、私の理性。だけど、シャトル蘭って(笑)
Posted by ブクログ
どの短編にも共通して「暴走」「突発」というテーマがあると思った。綿矢りさの変態的な人間観察力が気持ちよかった。
どれもオチはぱっと見、救いには見えないけれども、よくよく考えるとこれでよかったのかなと思う。それぞれ主人公は異常だけど、どの異常さもみんな持っているもので、ただ過大されてるだけだなと思った。
綿矢りさは他の作品もそうだけど、オタクを書くのが上手だと思う。若者言葉で書くけどちゃちくない。あと、短絡的な人を書くのも。
個人的には最後の「老は害で若も輩」がお気に入り。舞台はずっとメールで動かないのにおもしろい。個人的に「別の出版社(大手です)」がかなり好きだった。朝井リョウが書きそうだけど、綿矢色。
「神田タ」も好きだったかな。主人公の気持ち悪さが理解できる。あの痛さに身に覚えがある。
Posted by ブクログ
全4編
後半ふたつがおもしろかった。不倫はダメだけどめっちゃ窮地に立たされて笑った、なぜか同情してしまった。
最後の若者は同世代ってこともあって共感できた。溜まってた何かが最後に放出された感あってとてもいい。
日常の方が大変って思ったことなかったけど今まで感じてたことを振り返るとたしかにその表現がしっくりきた。
総じてめっちゃおもろい!また読みたい!
あと最後に自分出演するのもいい。
Posted by ブクログ
大きなお世話に、何で責められなきゃいけないの?理想と違うよ!いい加減にしろ!
爆笑!イライラ!
何でお前たちが?
どの目線で見るかで、何度も面白い!
Posted by ブクログ
コロナ禍の日々を「あ~そうだったな~」と思い出す。
その時に、こんな思いで過ごしていた人がたくさんいただろうな。
嫌いなら呼ぶなよ。ほんとにそう。
結局は伝えられず、モヤモヤを抱えている気持ちを詰め込んだような。
読んでいて痛気持ちいい感覚になる。
言いたいことも言えないこんな世の中じゃ・・POISON!
ってなったときに読み返したいね。
最後のメールがもう面白くて面白くて、
「言いたいともなかなか言えないよね~POIS・・じゃない!」
ってなるあの一言、痛快。
面白かった。
Posted by ブクログ
4編からなる短編集です。どの作品も個性的でパンチが効いていますが、個人的には「眼帯のミニーマウス」と「老は害で若も輩」が好きです。
タイトルも言葉選びも秀逸で、「人の中身ってこうなんだ」と思わされる場面が多く、読後も余韻が残る一冊でした(良い意味で)。
Posted by ブクログ
確かに嫌な登場人物沢山いたけど、普段わざわざ言語化しない自分の内面にも通ずるところがあった。普段人に見せないようにしている感情(自覚もあったりなかったり)を、丁寧に解説してくれてるみたいな文章で、愉快だった。
Posted by ブクログ
最初の話はあんまり頭に入ってこなかったけど、最後の綿矢りさ老害の話はちょー面白かった。特に何か学ぶ訳では無いけど、色々とリアルで、クスッと笑えて、元気になれた。なんだよシャトル蘭って(笑)(苦笑)
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アメトークの読書芸人で加納が紹介してたので気になって購入。
蹴りたい背中も恥ずかしながら読んだことがなく、初の綿矢さんでした。
コロナ禍に執筆された短編ばかりで女性の嫌〜な部分とかありのままに描き殴られていて良かった^_^スカッとするし気持ちいい。
嫌いなら呼ぶなよの不倫男は根性が腐ってたけど最終的にどの道を歩むのか(本気で反省して改め直すのか、嘘の仮面を被り続けるのか)気になった。
Posted by ブクログ
リズミカルでエンタメ性の高い文体は非常に読んでいて痛快でした。
ただ超個人的には、自分の価値観が動かされる様な新たな含蓄を、今作の内に見出すまでには至れませんでした。
ですが人間模様の内の、言外における細かなやり合いが非常に人の機微を詳らかに掬い上げていて、それだけでも人が人を、普段どう捉えているのか、その一つの姿を知る、素敵な機会にはなりました。
Posted by ブクログ
どの章の主人公も癖強め、書かれてる文章も「小説」というより誰かの日記や心の中のつぶやきを前面に出した感じ。
でもただ書き殴ったってわけじゃなくて、主人公たちの心情の移り変わりが所々表現されてて、しかもそれがどこか納得できてしまう。
さすが芥川賞作家。
Posted by ブクログ
久々の綿矢りさ先生作品!
コロナ禍の人々をテーマにした4つの短編集。
どのお話もクセつよな人たちが登場するのですが、全体的にそれぞれの人物の細かい感情描写が神がかっています。
とは言え、実はざっと一読した時点では、なんだかどれもあと一歩の所で刺さらないなぁと思ってしまいました。
でも、なんで刺さらないのかな?と考えながらパラパラと読み直してみた時に、私気づきました。
認めたくないものの、(敢えて言葉を選ばずに言えば)性悪登場人物たちの気持ちが何故か少しだけ分かってしまうからだーーーーーー!!!
ギリギリの所で100%共感できていないのは、自分の中に残っている理性がまだ機能してくれているからであって、その理性をいつか失った時には私も(性悪)の仲間入りを果たすことであろう。と、心の奥底で感じてしまうから、刺さってるんだけど刺さってない(ふりをする)という謎のムーブを呼び起こしたんだと思います。。。
4つのお話の中でお気に入りは、「老(ロウ)は害(ガイ)でも若(ジャク)も輩(ヤカラ)」。
まず何より、タイトルが秀逸すぎる。
老害老害と言うけれど(実際老害はいるけれども)、若い人も大概だよ?!という中年層の心の小さな叫びを見事に表現して下さってます。
仕事場では自分も老害にはなるまいと心がけているものの、実際のところバランスがめちゃくちゃ難しい。
後輩ちゃんに気になることがあったとして、きっとあれこれ教えると、老害とは行かないまでもうざがられれるのは目に見えている。とは言え、ずっと放置したらしたで、「若(ジャク)も輩(ヤカラ)」になってしまうという無限ループ。。。
中々考えさせられる話でした。
が、この炎上しがちなテーマをポップに描いて下さってるので重くなりすぎずに読めます。
流石に綿谷先生にはなれないけれども(才能なし)、状況次第で私はシャトル蘭にも内田にもなり得そうなので笑、ここの所仕事に対してだるっだるだった自分を戒めるには非常によい作品でした!
Posted by ブクログ
最後の話の編集者内田の気持ちわかるわー。
めんどくさいと思ってたら飛び火!で、その後どうなったんだろう。意外と気に入られて焼肉…なわけないか。
Posted by ブクログ
毒づいたっていいよねって思える本でした。
私は普段から心の中で
「コンニャロめ!」
「っざけんなよ!」
「何もないところで蹴躓いてしまえ!」
「しかも何度も!同じところで!」
「で、蹴躓いて恥ずかしって振り向いてもだれもいないって毎回なれ!」
とショボい呪いをかけるタイプ。
で、そんな自分に罪悪感を抱いて、
「私って性格悪いよなあ」
ってアバーってなっちゃうのですが、
この本を読んで
「ま、いっか^ ^」
って、ショボい呪いに拍車をかけることなりました。
もし、私と同じように小さな罪悪感を抱えてる方がいましたら、読んでみてください。
罪悪感が消えますから^ ^