あらすじ
東京はポエムでできている。
空と緑の都市に咲くあだ花か、アーバンライフの幻想か。
マンション広告のコピーに託された〈東京〉の正体を読む。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
団地育ちで団地大好きな私は、大山顕さんの本が好き。今回は、「マンションポエム」(これは、太山さんの造語!)という、マンション売り出し時の広告の言葉、あたかもポエムの如き文言を観察したもの。マンションは、購入時にはまだ建っておらず、モデルルームと「マンションポエム」を元に、イメージして購入を決定する。そのため、そのマンションのイメージを、その土地や街等のイメージから、いや、その街のイメージすらも制作して購入者の気持ちをあげる役割を果たす。質や構造についてではなくイメージ。それが非常に面白い。特に土地に対するイメージ合戦、ステータスの高い地名をどう利用するか、ここで暮らす生活スタイルの、ここで暮らす人生の提案、もう壮大な「妄想」の言葉集。実際にそのマンションに暮らす日には忘れられるであろう言葉達。読んでいて愛おしくすらなる。でもそこに見えるのは、「住む」ということへの意識の変化。マンションを購入するとは、サービス、ステータスの購入であって、その土地に関わり人生を送ろうという意識は薄い。そんな少し不安な都心の風景もかいまみながら、新宿・池袋発の路線の「どこまでを東京と思うか」調査でまた爆笑。笑いながら、でもちょっとした未来への警鐘も感じる一冊でした。おもしろかった!
Posted by ブクログ
マンションをさまざまな角度から雑多に
解体していて面白い。
マンションポエムとは、
何を言うかではなく、何を言わないか。
知っているマンションがたくさん、いろいろな形で出てくるのでさながら戦国時代の大河ドラマを見ているかのようだった。あいつがこの文脈で登場するのね、こう言った話の展開の仕方をするのね、と。
どこまでが京都か、論は部落差別の根強い地域では流石に御法度かと。。
Posted by ブクログ
ゆる言語学ラジオから。
後半ちょっと難しくなってきて読み飛ばしてしまったところもあるけど、マンションポエムっていう概念も、そこに着目するところもおもしろかった。
・マンションは立地ありき
・独特の表現(刻、棲む、澄む…句点の使い方。)
・「都心」は限られた場所しか使えない
にしても東京の不動産ってすごい価格なんだなー
東京を方角ではなく、吊り革につかまって何分かで把握しているというのも面白い。話の広がり方が独特だけど、独自の視点でおもしろかった。
Posted by ブクログ
マンションの広告に載るメッセージをマンションポエムと命名するセンスが素晴らしい。日曜天国でゲストのたび面白おかしく話を聞いていたが真面目な考察。有名な地名を入れたり入れなかったり工夫満載。そしてすごいボリュームの本。
Posted by ブクログ
安住紳一郎の日曜天国に時々登場して、
収集したマンションポエムを面白おかしく紹介してくれている大山さんの本。
新書くらいの本を予想していたら、分厚い!340ページ。
それ位マンションポエムが跋扈している、ということなのだろう。
これでもかと紹介されている。
そして著者の分析も。
でも正直お腹いっぱい。
なんだかわけがわからなくなった。
安住さんと掛け合いで話をしているくらいでちょうどいい。
時に都内マンション1億円時代。
誰がこのポエムに心躍らされてマンションを購入するのやら。
高嶺の花になってしまったな。
自身、都内に住むことへの憧れはあるけれど、
難しいよなあ、、
はじめに 010
第一章 マンションポエムとは何か
1 マンションポエムは何を「隠して」いるか 016
2 マンションポエムの文法的特徴 024
3 マンションポエムはいつからあるか 038
4 タレント起用と埋立地開発 043
第二章 消費財化する街
1 街のスペックと序列 060
2 住民は街の「お客様」になる 071
3 「緑」とポエムの「フラットさ」 083
4 恋愛とポピュラーソング、結婚とマンションポエム 112
5 マンションポエムに残るバブル 119
第三章 マンションポエムと鉄道
1 吊革につかまって都市を把握する 142
2 東京は「田んぼ」 161
3 どこまで東京? 174
4 マンションポエムは「電車住宅」を目指す 222
第四章 垂直に伸びた郊外
1 聳え立つ「裏面」 244
2 垂直に伸びた郊外 252
3 武蔵小杉のタワーマンションに住む鴨長明 263
4 超高層住宅住民への「怖れ」 274
5 ポエムが隠す「うたかた性」 300
6「世界は自由に想像できる。」 323
あとがき 341
Posted by ブクログ
内容とボリュームには満足なんだけど読みにくくて時間がかかってしまった、以下メモ
・マンションポエムはマンションを語らずに、土地を語る=立地を売る
→そのためには、街は比較可能でなければならない
住みたい街ランキング、“RPGシンドローム”
〜p72
・マンションポエムの中身には50年以上前から変わっていない部分がある
→持ち家を取得しようとする人にとっての理想の住まいは、「都市と自然の両方を兼ね備えた場所にあるもの」 p104
⭐︎マンション広告に根差したジェンダーバイブス
p124
・女性は家事、買い物/男性が稼いで家を買う
・マンション口コミ掲示板の地獄絵図 p126
→2020年代のタワマン文学の雰囲気はこっちに近いのでは?
⭐︎どこまで東京?問題 p182〜
・地理的な東京がどこまでも続く西側は「有名な東京の地名」が境界の内側として認識され、少し行くと行政界が迫ってくる東(千葉)と北(埼玉)側では「有名な東京外の地名」が境界の外側として認識されている。p202
・千葉県民と埼玉県民が東京の範囲にシビアで、神奈川県民はマイペースというのが面白い。
・なぜ地名はまとまっているのか p205
イメージの「東京」とは①地理(連続的)②属性(点在的)
実際の地名が途切れなく広がっている理由としては、まとまっていないと行政が管理できないから。→税の徴収のため
しかし、現在の東京の経済は土地とそれほど関係がない。大多数の市民にとって、稼ぐ場所/消費する場所/税を取られる場所は異なる。
=働く場所/遊ぶ場所/家がある場所は行政界を越える
↓
行政が管理する対象が土地から個人になったとき、地名に残る機能や意味は何か?
=ブランドとして「生産力」の源泉になること
(「港区」ブランドがマンションの値段を決めるように、地名と経済との結びつきは物理的なものではなくイメージになった)
⭐︎タワマンは垂直に伸びた郊外
・都心のタワーマンションは、その「高さ」によって多くの人々が理想の住環境だと考えている「閑静さ」を提供する。p255
⭐︎郊外文学との接続 p275〜
・高層住宅を舞台とした小説や映画に描かれた住民たちの「異常性」は、一昔前の郊外住宅在民へのまなざしに似ている。新しい形式の住宅がそれまでになく大量に出現すると、それへの違和感を反映した物語が生まれる。かつてはニュータウンや田園都市線沿線の新興住宅地がその対象であり、ここ20年ほどはタワーマンションに移ってきた。
・コロナ禍におけるマンションポエム p304
→危険な下界から距離を保ち、安全で居心地のよい高みから風景だけを楽しむことができるというメッセージ性を持つ
方丈庵の「自分の姿を隠したまま周囲を見ること」の現在形
Posted by ブクログ
昔、地方出身の親戚が上京したときに「どうしても吉祥寺に住みたい」と言って、「そこは……ギリギリ吉祥寺、なのか?」みたいなところで一人暮らししていたのを思い出す。そういえば、「どうしても広尾の住所がよかった」と言って、「広尾にこんなアパートあるんだ!」みたいな……こじんまりとした(オブラート)ところに住んでいた友だちもいたな。
地名にはイメージがつきまとうし、人によってはその価値をとても大切にする。
多分その集大成というか、行きついた先にあるのがマンションポエム、という著者の論。
もはやこれは論文では?ただ論文というには、あまりに主観が多すぎる、といったトーンで進んでいく。それにしてもよくまあここまでいろいろな観点から情報を集めたよと尊敬する。
最後の1/4くらいはちょっとグダつくかなという感じだったところもあるけれど、前半は分かる、分かるわーということの連続でかなり面白かった。
ただ、東京に土地勘がないと、分からないんじゃない?というのも正直なところ。
Posted by ブクログ
マンションという重たい買い物を、ネットショッピング感覚の手軽さに変えてしまうもの。
ひとことで言えば軽薄。
これまでは事実を基にいかに盛るかに血道を上げていたのが、最近はもうフィクションを語るようになってしまったあたりは薄ら恐ろしくなった。
ただ、外野から見ていていろいろ思う分にはとても面白いのでこれからも迷作が出てくることを願う。