あらすじ
大震災直後に殺人を犯し、死刑を覚悟しながらもある人物を探すため姿を消した青年。自らの家族も被災した一人の刑事が、執念の捜査で容疑者に迫る。壊れた道、選べなかった人生――混沌とした被災地で繰り広げられる逃亡劇! 『孤狼の血』『盤上の向日葵』の著者が地元・東北を舞台に描く震災クライムサスペンス。
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Posted by ブクログ
東日本大震災がきっかけで罪を重ねてしまうが目的を果たすために北へ向かう青年の話。タイトルが内容をそのまま表している。最近読んだ本の中では一番面白かった。
東日本大震災直後はこれから先どうなるのかも分からない混乱が長く続いたので、警察の人手も少なく捜査の手が伸びにくいなど犯罪者にとって利点がある状況を活かして逃げる青年。とにかく運が無く事件に巻き込まれて罪を重ねるので青年に感情移入してしまう(もちろん罪を償う必要はあるが)。
青年を追う刑事も震災の被害者で家庭内不和があり、どちらも応援したくなった。
青年が子供と共に立ち寄った集落の避難所に警察の捜査が入った際、子供が青年にとても懐いていた、という証言を誰かしてあげてほしかったなと思う。震災で皆気が立っている描写があったのでそこまで丁寧に取調べできなかったのかなと思うが。
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まず、過去読んだ中でもトップクラスに面白かった。ずっと手元に置いておきたい1冊。
東日本大震災直後の殺人事件。作品名のごとく犯人は逃げるのだが、その背景や思いが交錯していく。
「死」「命」と漢字で書いてしまえば同じに感じるが、人それぞれが体験する「死」や感じる「命」にはもちろん違いがある。それが震災によるものか殺人によるものか、病気によるものか。生きていてほしい、死んでほしくないと願うなか、それが叶わないことがあるのも現実。
多くの犠牲者を出した東日本大震災を風化させないためにもまた読みたい1冊。
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第173回直木賞候補作!
人生を変えるために青年は北を目指した。
震災の混乱のなか、ふたつの殺人事件が起きた。
逃亡する容疑者と追う刑事。
ふたりはどこへ辿り着くのか――。
『孤狼の血』『盤上の向日葵』『教誨』『風に立つ』の著者が東北を舞台に描く震災クライムサスペンス!
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震災の只中で警官の殺害事件が発生。拳銃を奪って逃げた青年はある人に会う為逃亡を続ける。誰からも愛されなかった青年が最後に知る真実とは…。フィクションの中で震災を扱うのは難しいが、実際に身内を震災で亡くされた作者の覚悟が伝わる読み応え充分の力作!
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苦しい小説。
その時々の、諦めたりどうしようもなかったりした状況での選択の結果、追い詰められる。抗いようのない状況下での負のスパイラル
最後、お父さんからの手紙が読めて、選択の責任を自身で引き受けるまでに成長した、しかし。
苦しい
主人公の彼だけでなく、震災で娘さんを亡くした刑事さんとその奥さんも、ほかの人々も
何とか助かって、何とか心の平安を、と祈りながら読む
切なかったな、、、撃たれちゃったか、、、あり得ない未来だったけど直人との2人生活想像してそれが真柴にとってわずかな間でも心の支えになってただろうし、私も想像してしまったから、真柴には何か別の方法で罪を償ってその後の人生幸せに生きてほしかった。
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今日読み終えた「逃亡者は北へ向かう」は、私にとっての柚月裕子作品のちょうど20冊目でした。
舞台は2011年3月11日の東日本大震災発生直後の福島県。そこで起きた二つの殺人事件から物語は動き始めます。
物語の中心となるのは三人。思いがけず人を殺めてしまった天涯孤独の青年。彼を追う刑事。そして、震災で家族を失い、行方不明となった幼い息子を探し続ける漁師。刑事自身もまた津波で娘を失い、妻から捜索を懇願されながらも職務を優先せざるを得ない立場にあります。
あの当時は極限状態のなかで、誰もが喪失と責務、絶望と希望の狭間でもがきながら生きていました。この物語は単なる逃亡劇や警察小説ではなく、「人は壊れそうな現実の中でどう生き延びるのか」を描いた作品だったように思います。
物語終盤で漁師が刑事に語る言葉が深く胸に残りました。
『今日のいまを生きれば、明日のいまがやってきます。明日のいまが過ぎれば、明後日のいまが、それが過ぎればその次のいまがやってくる。そうして時間を過ごしているうちに、気が付けば一週間、一か月、一年が経っている。そうして生きていれば、きっとどこかで笑える日がくると思うんです』
地震、津波、豪雨、事故、戦争、明日が当たり前に来る保証のない時代だからこそ、「今日のいまを生きる」という言葉の重みを改めて考えさせられました。頭ではわかっていても、実際にそれを続けることの難しさまで含めて、この作品は静かに問いかけているように感じました。
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目も当てられない運命と人生の中、最後自分が愛されていたという希望だけが今作の救い。
震災の描写は文字だけでも辛さや悲惨さが溢れ出てきて、胸が苦しい。
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震災と不運と。
震災で家族が見つからない描写は胸を締め付けられる思いだった。
居た場所によってもたらされる不運としか言い表せない自然の脅威。
そこに絡んだ青年の不運。
もう不運としか言い表せないのよ。
本人の意思とは違うところで罪を犯してしまうのだから。
父からの思いを受け取った後生きて欲しかったなぁ。
不可抗力だらけで本当に不憫だと思ったけどそれすらも愛されていた実感でどうやって乗り越えて罪を償う気持ちになるか知りたかったな。
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こんなに何もかもツイていないような人生の連続ってあるのかな。決して欲深くもなく、人を恨んだり恨まれたりするわけでもなく、ただただ摩擦を起こさずに生きながらえようとしているだけなのに、なんでこんな目に遭うんだろうと。
そういう運命だと割り切れと言われても割り切れない。
そう考えると面白みのない人生でも、平凡に流されながら歳を重ねているのも大いに幸せなのかもしれないと感じる。
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久しぶりに一気読みの本に出会った。選べなかった人生,環境。ボタンのかけ違いのようで、哀しく、切なかった。でも、真面目に誠実に生きることは、きっとこれからの自分に返ってくると信じて生きていきたいと思った。
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久しぶりに柚月さんらしい作品に出会いました。震災後の痛ましさが描かれていて、著者本人も辛かったでしょう。でも、この痛ましさを想像するしかできないけど、想像しないといけないと思いました。家族を探したいのに、家族と任務との間で割かれる心が描いてありました。皆、辛い。皆、大事。最後に陣内の奥さんから電話が入りましたのよね。ほんの少し救われた気持ちになりました。
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東日本大震災前後の東北を舞台にした刑事物。
犯人は殺人を犯したが、微妙なかけ違いからのもので、読んでいてとてもやるせない。
現実の殺人事件もこういうことから発生したものもあるかと思うと、なんだか悲しい。
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オーディブルにて。
東日本大震災の最中起きてしまった殺人事件。非日常の中、逃亡も捜査も一筋縄ではいかない状況が面白い。
逃亡者に対しては、絶対にもう少し良いやりようがあったでしょ…ともどかしくも悲しい思いになりつつ、追う側に対しては、家族の心配と警察官という使命感の板挟みになる描写がとても良かった。
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大震災直後に殺人を犯し、死刑を覚悟しながらもある人物を探すため姿を消した青年。自らの家族も被災した一人の刑事が、執念の捜査で容疑者に迫る。壊れた道、選べなかった人生――混沌とした被災地で繰り広げられる逃亡劇!
作者は実際に東日本大震災で両親を亡くしたこともあり津波に襲われた街の様子や行方不明者を捜す肉親や避難所の様子がリアルで涙を禁じ得なかった。
Posted by ブクログ
読んでいて心が痛い。なぜこんな境遇なのか?何をどうすればよかったのか…。
亮は何のために生まれてきた?こんな人生って何?
読後、憤りを隠せない。
たしかに二人殺した。でもきちんと罪を償って、人生やり直して。未来がある終わり方が良かった。
父親にも結局会えず、ただの殺人犯、誘拐犯のまま死んでいったようにしか思えなくて。
でも自分の人生なんだから、こうなってしまったのは父親のせい、祖父のせい、なんて言ってちゃダメなんだ。ああすれば、こうすれば、という分岐点はいっぱいあるけど、そのときどきの選択は結局自分でやってきたもの。誰のせいでもない。
最初から人生をあきらめていたけど、自分の人生、自分で最善の選択をしていかなきゃいけないんだ。
亮に生まれてきたことの意味を、父親が家族を守りたいがために離れたことを伝えてくれたら、と思ってしまう。
Posted by ブクログ
震災で家族が全員無事だった人も罪悪感のようなものを感じてとても辛い思いをしていた。全ての人が不幸になってしまう震災は本当に恐ろしいな。
そういう気持ちが細かく描かれていたのはとても良かった。
真柴は悪い人ではないのにこんなふうに転落してしまう、それは現実でもあることに思えた。
諸悪の根源は甲野じゃないのか?コイツがのうのうと生きているのが全く腹立たしいと思いながら私は読んでいたけど、真柴は最後は全ては自分の選択の結果であると考えるに至り、ものすごい成長を遂げたと思う。父親の温かい手紙がそうさせたのだけど、真柴には生きていてほしかったな。
真柴が殺されなければいけない世の中なんてまだまだダメじゃん
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私は死刑廃止論者ではないけれど
真柴は死ななければならなかったのか…
最初から最後まで不憫でならなかった
捻れた話を幼い真柴にし続けた祖父が許せない
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不運の連鎖から罪を犯してしまった孤独な青年の逃避行と、その結末に胸が締め付けられました。絶望的な状況下で無垢な少年と心を通わせる中、最後に父親の手紙から「自分を愛してくれた人の存在」を知り、同時に「自分が愛したいと思える存在」に気付けたことはせめてもの救いでした。罪に塗れ、決して許されない逃亡劇でしたが、最期に愛を知って死んだ彼の人生は果たして不幸だったのか幸福だったのか、深く考えさせられます。
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父親に捨てられたと思っている天涯孤独の青年は、正社員になる祝いで連れて行かれた店で半グレと喧嘩になり、警察にしょっ引かれて正社員を失う。
絶望の中仕返しに来た半グレを殺してしまう。
それでも、震災がおきた東北の街を父を求めて北上するなか、またしても警官まで殺害してしまう。
直人と優しく触れ合うことからも、心根は優しいのが伝わるが不運が離れてくれない。
最後は立てこもり、投降を決意するも銃口の向きが少し人質に剥いただけで射殺されてしまう。
愛を求める青年の姿、震災のさなか家族よりも捜査を優先する刑事の姿、皆が皆辛い思いを背負っている。
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2025年 直木賞候補作品
東日本大震災当時の東北地方を舞台に
殺人を犯した青年の逃亡劇。
著者自身が震災でご両親を亡くされたそうで
様々なシーンがリアルで胸に迫るものがあった。
娘の行方がわからない中
妻にそれを詰られながらも
刑事の職務を全うする陣内。
両親と妻を亡くし、
行方がわからない一人息子を探し続ける
漁師の村木。
避難所に身を寄せている人々の様子など。
つらいシーンが多いのに、どんどん読んでしまう。
そんな過酷な状況下で起きた殺人事件。
犯人に殺意はなく、決して悪人ではない。
本当になぜこんなことになってしまうのか。
最後まであまりに不条理、理不尽という言葉で頭がいっぱい。
直人の存在と父からの手紙を読めたことが
せめてもの救いであった。
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『孤狼の血』『盤上の向日葵』の作者の手になるクライムサスペンス。
東日本大震災の破壊と暴力、主人公が起こした犯罪の不条理。
悪意から犯罪者となったとは言えない。
不条理が彼を犯罪に追い込む。
普通に生き続けたいだけなのに、犯罪者となってしまう。やり切れなさの中に、ほのかにともる優しさ。
そして予想されている結末に。
違う映画の曲ではあるがサザンオールスターズの「暮れゆく街のふたり」がエンディングによく似合う。
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柚月裕子は震災で両親を亡くした震災被害の当事者なので、仕方がないのかも知れないが、余りにも思い入れが強く、いかにもいかにもと言った設定、ストーリーになっていて、残念ながら高い評価はできない。
この作者は出来の良い作品とそうでない作品の落差が大きい。 この作品は残念な側のひとつだと思う。
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幸福とは言えないまでも真っ当に生きている亮。なぜ不幸な状況になるのか?
細やかながら救いがあるとしたら、直人の存在と父親から手紙だけ。哀しい話です。
Posted by ブクログ
切ない、、、ただただ切ない、、
本当の悪人ではないんだよ、真柴
最後にちゃんと愛してくれた人の存在を知れて、
ちゃんと愛せる存在をしれたことがせめてもの救い、、、
直人の未来に幸あれ、、、
Posted by ブクログ
真柴亮はそんなに悪人ではないはず。
亮サイドから話が進む。
亮の目から見た世界だから、弾みで殺したになる。
でも、ニュースで流れた真柴なら完全な悪人だ。
2人も殺した。しかも1人は警官。
物事が悪い方、悪い方へいく。
救いは担当刑事の陣内が理解してくれることだった。
混乱の震災時だから、ない夢を見てしまい、事態はさらに悪化した。
Posted by ブクログ
ただただ哀しい。真柴は本当はすごく良い人なのに、こんな風に一度歯車が狂ってしまったら、周りも自分も止められなくなってしまった。
もし、同僚の誘いを断ることができていたら。直人を避難所に置いていくことができていたら。そもそも、会ったこともない父親と早く会えていたら…。どうしてこうなってしまったんだろう。本当に哀しい。
Posted by ブクログ
どれだけついていないんだろう、真柴。自分の中にあるグツグツとしたものが、どこか別の場所に向いていたら、結果は違ったものになっていたかもしれない。
Posted by ブクログ
自業自得、結局は自分で選んだ道
とはいえ愛されたり必要とされている実感の無いままに成長した結果がこの結末なのはあまりに悲しい
いくつものたらればを積み重ねた末の悲劇
柚月裕子さんの暴力描写は痛い
ただの暴力だけじゃなくて、心の底から尊厳破壊するような描写
グロければいいとかそういう事ではなくて、そういうことが出来てしまう人物の描き方がリアルな分こわい
孤狼の血は映画しか見てないけど、あれも序盤のリンチシーンがなかなかにえげつなくて、同じ流派を感じた
Posted by ブクログ
本当にあった大地震とフィックションを重ねる物語は好きじゃないな。
犯人もさも不幸の塊みたいに綴ってるけど自業自得で
同情できないや。
ただ、最後手紙を読んで救われたのだったら良かったな。