あらすじ
最後の日に。最愛の人と。
致命的な心の傷を、人はいかにのりこえうるか?
ささやくような美しい声で、答えてくれる物語。
(川上弘美 / 作家)
旅をするとき、人は同時に、命を見つめているのではないか。
(西加奈子 / 作家)
この“旅”の体験と記憶は、いつまでも失われない。
自分もいつかは“最高の旅”を誰かとしてみたい。
人生に終わりはないのだ。
(小島秀夫 / ゲームクリエイター)
どこまでも続く青い空と海。エミルとジョアンヌは、南フランスの陽光きらめく中を旅していた。猫のポックとの出会い、海辺での穏やかな日々、ジョアンヌのマインドフルネスの教え。時にぎこちなく、時に深く心を通わせながら、2人と1匹は静かに時を紡ぐ。しかし、旅は穏やかなだけではない。進行する病と薄れゆく記憶はエミルをゆっくりと蝕んでゆく。残されたわずかな時間の中、互いの存在を支えに進むキャンピングカーは最期の目的地へ。失うことの痛みと、それでも生きることの輝きを描く、愛と再生の旅路。
爽やかな筆致で描く、命と愛、生きる喜びについての感動大長編後編。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
『空、はてしない青』(メリッサ・ダ・コスタ)
上下巻まとめての感想です!
※読み終えてから少し時間が空いてしまったので、細かな出来事よりも、今でも心に残っていることを中心に感想をまとめました。
若年性アルツハイマー型認知症を患った青年エミルが、残された時間で「行きたい場所へ行く」という夢を叶えるため、キャンピングカーで旅に出る物語。
ただ、一人で旅をするのは心細い。
そこでインターネットで同行者を募集し、現れたのがジョアンヌという女性だった。
ほとんどお互いのことを知らないまま始まった二人旅。いろいろな土地を訪れ、人と出会い、同じ時間を過ごすことで、少しずつお互いが抱えているものが見えてくる。
この作品で印象に残ったのは、「病気と闘う物語」というよりも、限られた時間の中でどう生きるのかを描いた物語だったこと。
エミルの病気は少しずつ進行していく。
今まで当たり前にできていたことができなくなり、大切なことを忘れ、自分自身すら分からなくなっていく。その怖さが描かれる一方で、旅先で見る景色や、出会った人との時間、誰かと一緒に暮らす何気ない日常の温かさも丁寧に描かれている。
そして、これはエミルだけの物語ではなかった。
同行するジョアンヌにも彼女なりの過去があり、二人が一緒に旅をすることで、お互いの人生が少しずつ変わっていく。
読んでいる途中は、病状が進んでいくことが分かっているからこそ苦しく、「この旅がずっと続けばいいのに」と思う場面も多かった。
それでも読み終わった後に残ったのは、悲しさだけではない。
人の記憶や命には限りがある。それでも、誰かと一緒に過ごした時間や、その人が誰かの人生に残したものまで消えるわけではない。
長い上下巻だったけれど、旅を通して少しずつ変化していく二人を最後まで見届けたことで、タイトルの『空、はてしない青』がとても印象に残る作品になった。
人生の終わりを描きながら、それでもその先へ続いていくものがある。
悲しいけれど、最後にはどこか温かさが残る物語だった。
Posted by ブクログ
26歳の男性が余命2年と宣告されたら、どう生きるのか?自分の人生の終末期の2年間を自己意思決定によりフランスのピレネー山脈をキャンピングカーで旅をしたい。人生最後の旅の道連れ募集に応募してきた見ず知らずの女性。共に旅をする中で、霧に隠れた2人の過去が、少しずつ晴れていく。2人の過去と今の2人が交差して、2人の心の距離は少しずつ縮まる。旅先で接する地域の人々との交流は暖かく、心を洗われる。病気の進行による記憶障害の中で、最後まで彼の意思を尊重し、寄り添おうとする彼女。自分がどのようにして生を全うするかを見つめ直す旅となった。
Posted by ブクログ
美しい情景描写と、ふたりの心情の変化があまりにも美しく切なく、でもとても力強い作品でした。ふたりが生きることを取り戻していくさまに、わたしも救われた気がします。
Posted by ブクログ
ちょっと昔、「インドに行って自分探しをしてくる」みたいな言説が流行った時期があって
それに対して「いやいや、インドで見つかる自分ってなんだよ(笑)」というカウンターまでがひとまとめだったのだけど。
よくよく考えてみると、インドという何もかも今までの常識が通じない場所に自分がどう対応するか……の部分がいわゆる「自分探し」なのだなぁ、という考えがふと思い起こされた。
この旅は、同情されたくないというエミルの逃避的な行動から始まっている。
旅の中では予測できないこと、自分からは出てこなかった発想、見ようと思わなかった景色、そんな様々な出来事が起きていく。
エミルもジョアンヌも人生に傷を抱えていたけれど、旅の中で新しい価値観に触れそれを昇華する。
まぁ確かに、あてのない旅は放浪と呼ばれ、帰る場所があるからこそ旅と呼ばれるのですね。最後の最後にエミルは家族のもとに帰ったのだと……。
人生はただの記憶の積み重ねではなく、青が持つ深さのように無限の意味を持っているという希望にあふれた物語でした。
つかジョアンヌがヒロインとして完璧すぎてな。エミルはなぜあんなにローラを引きずっていたのか……。
Posted by ブクログ
自然を感じる旅をすると、生きてることがどんなに幸せで美しいか思い知ることがある。
フランスのピレネー山脈の雄大な景色を想像しながら、いつか私もこんな旅をしてみたいと思いを馳せながら読みました。
日常のしがらみから解き放たれて、生きることの意味を味わってみたいな。
それはやっぱり、死を間近に感じるからこそ、なのかなぁ。
エミルとジョアンヌが徐々に打ち解け、心を通わせていくのだけど、一箇所びっくりしたところがあった。それは↓
"ジョアンヌがトイレで「クソまみれ」になっている姿に、体が痙攣するほど笑い、さらに、
「目を閉じて、マインドフルネス状態で今このときを感じて」
「きみの肌についたクソの臭い、手触り、その温かさに集中してください」"
終始美しい文脈だったから、びっくり笑
でも二人のが笑い転げてる姿も想像して、
ジョアンヌやるじゃん!!
という具合に、個人的にジョアンヌが大好きになった瞬間でした笑
「美しさとは見たもののなかにあるのではなく、それを見る目のなかにある。」
ほんとにその通り。
同じ空を見ていたって感じ方は人それぞれ。
小さな幸せに気づける心を、真実を見つけられる目を持ちたいなって思いますね。
エミルの症状の進行が、認知症の母の状況と相まって、その介護が優しすぎるジョアンヌはほんとに素晴らしい人。ジョゼフの子育ても素晴らしいってことね。子を育てる親として、ジョゼフの言葉が私には刺さりました。
"本物の知識は資格で測れるものじゃないんだよ、ジョアンヌ。読んだ本の冊数でも測れない。彼に、空の星や、生まれては枯れていく植物や、夕日の美しさを見せてあげなさい。ライラックの香りを嗅がせ、海の音を聴かせてあげなさい。"
ジョゼフの教育に共感。
(なかなか難しいんだけどね…)
Posted by ブクログ
旅を重ねていくうちに、互いを信頼し合い、深い絆で結ばれていくエミルとジョアンヌ。2人が成長していく姿に幾度となく胸を打たれます。ほんの些細な出来事にも目を見張り、耳を澄ませ、今このときを感じて生きていく。ジョアンヌの父からの教えは、乱れた心を正すのに大いに役立つ知恵だなと感じました。
物語のなかでたびたび引用される名言にもハッとさせられるものばかり。
あまり多くは語りません。エミルとジョアンヌと一緒に旅をして、美しい景色に触れてもらえたら…と思います。読み終えたあと、あなたの心にもうっすらと美しい虹がかかることと思います。おすすめします。
Posted by ブクログ
作品を読み終えてからしばらく、言葉が出ませんでした。
最初は、死を目前にしたエミルの物語として読んでいました。
「最後になんでもいいから、何かつかみたい」
という小さな決意。けれどジョアンヌと旅をするうちに、物語の中心は少しずつ「どう生きるか」「どう世界を見るか」へと移っていったように思います。
ジョアンヌは最初、本当に不思議な存在で、
世間の常識やしがらみに縛られない一方、人の心の奥を感じ取る繊細さと、誰かを傷つけないための強さを持っているなと思いながら、、
振り返れば、彼女の行動はずっと「愛」だったのだと思います。エミルを変えようとするのではなく、エミルが最後まで自分自身として世界を見ることを支えていた。
旅の中でエミルが手にした「新しい眼」は、この物語の最期まで、大きなテーマとして漂っていたんだと気づきました。
山や村、夕陽、そしてブルートムの見ていた空。
誰かの見ている世界を知り、それを自分も愛すること。その経験が、二人の間にかけがえのない絆を生んでいった。
だからこそ、エミルが記憶を失っていく後半は本当に苦しかった。せっかく得たものまで消えてしまって、これまでの旅に意味はあったのかな?とも思いました。
それでも最後には、旅の意味は「記憶として残ること」ではないのだと思えました。
二人が過ごした時間は、それぞれの人生を変えて、次の命に受け継がれていく。
「美しさとは見たもののなかにあるのではなく、それを見る目のなかにある。」
終盤に出てきたこの言葉は、この物語のすべてを包んでいるようで凄く救いで安心しました。
空が美しいのではなく、それを美しいと見る眼がある。
エミルが最後まで守ったものは、記憶ではなく、世界を愛するためのその眼だったのかな。。
クライマックス付近はずっと震えながら読みました。それでも、悲しくて、温かくて、不思議で、そしてとても美しい物語でした。
Posted by ブクログ
最期の日まで、最愛の人と。
余命宣告を受けた青年は、人生最後の旅に出る。
失うことの痛みを受け止めながら、生きることの意味を探す物語。
青年と共に旅をする女性の、強さと優しさが心に残った。
人生と向き合いながら前へ進む姿が、とても美しかった。
Posted by ブクログ
エミルの事は最後までワガママな男だと思っていたが、それを取り巻くレオンの母以外の全ての女性が魅力的で素晴らしくて、レオンを含む身勝手な男たちの存在を消し飛ばせてくれた。それに最終章の展開には、マルジョリーと同じように驚き、文句なしに感動してしまった。長編の小説だが、非常に丁寧に書かれた素晴らしい作品だと思った。
Posted by ブクログ
まず初めに、表紙の色味やデザインに惹かれて本書を手に取った。
26歳で『若年性アルツハイマー』と診断され余命2年と告げられた青年エミル。病院や周囲の同情から離れるために、掲示板へある書き込みを残す。
「人生最後の旅の道連れ募集」
この募集に応えたのが、ジョアンヌという謎に包まれた若い女性。彼女は自分の過去をほとんど語らないまま、エミルと一緒にキャンピングカーでフランス中を旅することになる。。。というのが、この物語の始まり。
2人は旅の中でフランスの様々な地を訪れる。ピレネー山脈、小さな村々、森や湖、南フランスの海辺など美しい景色が次々と登場する。
私も想像を働かせて、まるでその場にいるような感覚を体験する。没入感に浸り、いつかフランスの美しい景色を観たいと本書を通じて体感した。
各所で出会う景色や人々との交流。最初はお互い未熟でぎこちなかった2人が徐々に打ち解けていき、なくてはならない存在となる。
ジョアンヌはエミルの希望を叶えるために、エミルの病状が悪化しても彼女らしく彼に寄り添う姿が感動した。
私は、エミルが描いていた安息の地でジョアンヌに見守られながら……を予想していたのですが、予想を上回る展開となり最後のジョアンヌの決断に心打たれました。ジョアンヌは悲惨な過去がありながらも、強くて芯のある女性だと思いました。
病魔によって記憶が後退していく中、エミルは自身の家族をとても愛していたと感じる作品でした。
また、旅の中で出会う人たちは皆あたたかくて、私もいつか旅をしてみたくなる物語でした。
Posted by ブクログ
エミルの最後の旅として始まった物語は、ジョアンヌの救いと旅立ち、そして2人にとっての成長の物語だったのだと感じた。
掲示板の募集から偶然に出会った2人だけれど、それはきっと運命で、エミルにはジョアンヌが、そしてジョアンヌにはエミルが必要だったのだと思う。
仕事や家族や友人、全てを解き放って旅に出たはずなのに、共に旅をするジョアンヌがかけがえの無い存在になっていく。
心を通わせることは喜ばしいことなのに、とても悲しい。
美しいフランスの情景と終わりに近付いていく旅。
道中の人々との出会いと別れ。
美しくも儚く、そして強い物語でした。
素晴らしかったです。
Posted by ブクログ
前半にも増して後編、さらにエンディングに向けて最高の内容でした。思い出にこのる小説になりました。すでに次作も発売されており、本国(フランス)でも高評価のようなので読んでみたいと思います。
Posted by ブクログ
涙無しには読めなかった。
ジョアンヌの過去が少しずつ明かされて、
エミルの病状も悪化していって…。
最後のジョアンヌの決断は、とても勇気のいる、けど素晴らしい決断だったと思う。
私が最初に泣いた場面。
エミルがジョアンヌのことを誰だか分からなくなっていた時、エミルが言った言葉。
"「三つ編みならできるよ」
ジョアンヌは思わずにっこりしながらも、切なさを感じた。そういえば、エミルは、あの偽の結婚式のためにミルティユがジョアンヌの髪を三つ編みにしてくれたのをとても気に入っていた。"
…なんかもう、感想を上手く言葉にできない。
それくらいすごい読書体験だった。
800ページ超読み終わったのに、また最初から読みたいくらいだもん。
"Tout le bleu du ciel(空、はてしない青)"という題名がぴったりの小説だと思った。
これから空の青色を見たら、この小説を思い出すんだろうなと思う。
Posted by ブクログ
余命2年と診断されたエミルは、後悔しない生き方を選ぶ。短命を告げられたからこそ、彼は壮大な旅へと勇気の一歩を踏み出すことができたのだろう。その決断は、エミルの人生において何よりも濃密な時間をもたらしたに違いない。
旅に同行することになったジョアンヌは、エミルにマインドフルネスを教え、本の中の深い名言を分かち合った。それは、ジョアンヌがエミルに「物事を見る新しい目」を与える行為だったように思う。同じものを見ていても、人によって感じ方は違う。感性を高める目を手に入れたエミルは、より深く幸せを感じられるようになったのだろう。
心に闇を抱えた見知らぬ男女が出会い、旅を通して少しずつ絆を深めていく。やがて、切っても切れないほど深い絆で結ばれる二人。病に蝕まれ、記憶を少しずつ失い、体が弱っていくエミル。エミルとジョアンヌの間には、小さな別れが何度も訪れる。そして、二人が本当の終わりを迎えるまでの物語は、涙なくしては読めない。
大きな感動とともに、幸せの見つけ方を教えてくれる一冊だった。
Posted by ブクログ
物語を通して、愛するということに想いを巡らした。
下巻ではジョアンヌの悲しい過去が明らかに。
レオンの母親の言動の全てが不快でレオンの意気地のなさにやり場のない怒りを覚える。
一方で際立つのがジョゼフの偉大さ。ジョゼフそのものがジョアンヌにとっては愛そのものだった。
自分がもう長くないと悟ったジョゼフは、ジョアンヌに合図を送ることを約束する。
ジョゼフ亡き後、小さなトムまで失ったジョアンヌは、その導きによってエミルと出会ったのだった。
2人のキャンピングカーでの旅は、始めとてもぎこちないものであったが、いくつもの美しい場所で共に過ごす時間の中で、二人は次第に心を通わせていく。ささやかな食事のシーン、静かなモノポリーの時間、ジョアンヌがケーキの味わい方をエミルに伝授する場面など、前半の何でもない日常の数々が愛しければ愛しいほど、エミルが記憶を無くしていくにつれ、もう戻らない過去となって思い返されることが悲しかった。
愛しい人の思いを尊重しながら最後を看取るということは、どれほどエネルギーのいることなのだろう。
けれど、どんなに辛いことがあっても、ジョアンヌはジョゼフの導きを信じて動いたからエミルに出会い、エミルと共に支え合い、愛し合ったからこそ新しい命やエミルの家族と出会うことになった。愛が人を繋ぐ、美しい物語だった。
この作品に導かれて、次はアルケミストを読もうと思う。
Posted by ブクログ
翻訳でここまで読みやすいのはここ最近で1番です。
旅立ちそして新たな命。
旅はこれからも続くいくんですね。
じんわり沁みました。
素敵な作品でした。
Posted by ブクログ
純粋に感動した。
多少の疑問は残るが、それは日本人とフランス人の違いかな、と。
アルケミストを再読したいとも、思う
読み進めるに従って、下巻は辛い…
ジョアンヌの過去、結婚したい、父と一緒に住む、子どもができた!からの幸せの転落… ブルートムの誕生!アンドレ夫妻と夫のレオンがどうしようもなく耐えられない… 散髪のシーンは中盤最も辛かった…
きっとこのような大人の方が絶対数で、トムの心がのびのび育つように守るなんて至難の業
でもそれをやってのけるジョセフとジョアンヌの愛溢れる人間性、その対比が読んでいて辛い
さらに美しい山々を思い浮かべ、一緒に心踊る感覚でロードストーリーを楽しむ反面、エミルの病は進行していく…
エミルがジョアンヌと旅に行けて本当に良かった、そしてジョアンヌだから最後、約束をとるのか、やぶるのか、破ることはまちがいなのか?もうここら辺は大泣き…
最後の最後でジョアンヌが本当に幸せになれそうで心から祝福して読み終われれるこの話に出会えて良かった
2026 最高作品かな、作者の他作も読んでみたい!
【名言集】
今このときがほかのどんなときより優れている点がある。それは、今は私たちのものであるということだ。チャールズ・ケイレブ・コルトン(英18〜19c 聖職者
「命を生み出す前に、命を愛し、命を愛させなければならない」by ジョセフ
忍耐とは、最大の祈りだ by ブッダ
「風向きを変えることはできないのだから、帆を操縦できるようにならなければいけない。
ジェームス ディーン
非凡なことは平凡な人たちが歩く道の途中にある。
パウロ・コエーリョ
・毎日毎日がそのなかに永遠を宿している。
・合図に気づけ
・世界ではいつだって、誰かが誰かを待っている。
パウロ・コエーリョ『アルケミスト』
美しさとは見たもののなかにあるのではなく、それを見る目のなかにある
ジャン=ルネ・ユグナン(仏1936〜62 作家)
オパールには虹色に光る、色々な色に輝く特性がある、アボリジニの神話より
ある日、創造神が虹の上を滑りながら地上に降りてきた。地上に足を着けるやいなや、すべての石が虹と同じ色に輝きだした。オパールという石はこうして生まれた・・・・オパールはほかのあらゆる石の色と特性を併せ持つすばらしい石だ!
Posted by ブクログ
めちゃめちゃ泣いた。この小説に出会えて良かった。色んな男に苦しめられてきたジョアンヌが最終的に女の子を授かるけれど、結局はエミルという最愛の男も失ってしまうし、これは幸せなのかな?と疑問に思って、Geminiに聞いてみました。みなさんの解釈もお聞きしたいです。
愛する人を失い、小さな命とともに残されること。それを外から見れば、どうしても「残酷で不条理な試練」に見えてしまいますし、「それが本当に幸せと言えるのか」と立ち止まって考えてしまうのは、とても自然で優しい感性だと思います。
「幸せ」の定義は人それぞれですが、この物語における彼女の姿を考えると、いくつかの解釈が浮かび上がってきます。
1. 「傷つかないこと」ではなく「愛せたこと」の幸せ
人は誰もが、悲しみや失う恐怖から自分を守るために心に壁を作ることがあります。かつてのジョアンヌもそうでした。誰のことも心から信用せず、自分を守るために孤独を選んでいた時期の彼女は、傷つくことはなかったかもしれませんが、満たされることもありませんでした。
エミルと出会い、彼を愛し、彼のために心を痛め、そして失う。
そこには大きな苦痛がありますが、「誰かを心から愛し、信じることができた」という感覚そのものが、彼女の凍りついていた人生を温め、生き返らせたとも言えます。失う悲しみを知るほどの愛に出会えたこと自体が、彼女にとっての一つの救いであり、幸せだったのかもしれません。
2. 「他者から与えられる幸せ」から「自分で育む幸せ」へ
もし彼女が「エミルがずっと隣にいてくれること」だけを幸せの条件にしていたら、彼の死とともに彼女の人生は完全に終わっていたはずです。
しかし、エミルから受け取った無償の愛と信頼は、彼女の中に「自分自身と、生まれてくる命を愛する強さ」として残りました。誰かに依存して与えてもらう幸せではなく、自らの手で未来を作り、娘を育てていく強さを得たこと。それは、彼女が「被害者」ではなく「自分の人生の主役」として歩み始めた証でもあります。
結末をどう捉えるか?
「何事もなく平穏に、愛する人と添い遂げる幸せ」
という基準で測れば、彼女の結末は決して完璧なハッピーエンドではありません。
けれど、絶望の淵にいた一人の女性が、人生の最後に最高の光(エミル)と出会い、その光を糧にしてこれからの人生を自分の足で歩いていけるようになった――そう捉えると、そこには哀しくも美しい「再生の幸せ」があったのではないかと思えてきます。
あなたにとって「人が本当に幸せになること」とは、どんな状態だと思いますか?
Posted by ブクログ
若年性アルツハイマーを患うエミルと傷ついた心を抱えるジョアンヌが旅をするなかでの心の交わりや成長、旅を通して出会う人々との合流を描いた小説。
生きる、を感じられてとても読後感がいい。
優しいだけじゃなく、悲しいだけじゃなく
とても好きな作品!
Posted by ブクログ
若年性アルツハイマーの進行具合と愛と。
ギリギリの数ヶ月とまだらな記憶と愛。
救いがないようで至る所で救われる。
ジョアンヌー!って何度も思った。
Posted by ブクログ
久々に読んだ長編だったが、飽きずに読むことができた。大自然の美しさと一編の詩が描かれていて、人生の死と生を考えさせられる内容だった。レジリエンス(回復力)がサブテーマのようにも感じ、主人公エミルが、死と向き合う過程で、自然の中で自分の運命を受け入れていく成長や変化を感じ取れた。
読み応えはあるボリュームだが、読む価値のある本だった。電子書籍で購入。
Posted by ブクログ
松浦弥太郎さんがトークショーでおすすめしており、帰り道にそのまま買って帰った小説。
人生はここまでうまくいかないよな、でもそれが小説だから成り立ち、美しい物語になっていくのも悪くないのかな、と思うようなエンディングでした。
心が動いたのは、
エミルがジョアンヌを愛してると気づいたとき(自分の毎日から抜け出したくて、もう全てを諦めて出た旅で、「もっと生きたい」と思う理由を見つけてしまった自分に気づいた瞬間)と、
エミルが亡くなる時にジョアンヌが自分も母親であったはずなのに、同じ母親に死に目に会えないという同じ状況を作り出してしまったという衝撃のとき。
旅は内省の時間が確かに多い。自分の人生に向き合う時間が多い。それがちょっと辛い時もある。日常をもっと大切にしたいと気づいて帰る。
最期に残るのは家族との思い出なんだな。私は娘たちに何かいい気持ちを残せる母になれているだろうか。
子供ができるというラストは、描写的にわかっていたけどちょっと綺麗すぎるなぁと思ったりもした。愛の物語にしては愛の描写が少ないような気もするし、でも愛の物語ではなく人生と旅の物語だもんなぁとも思った。
支離滅裂の感想だけど気持ちの整理のために今頭に浮かんでることをそのまま書きました。また追加で編集するかも。
瞑想の本も読んでみようかな。
Posted by ブクログ
件名:「最後の旅」をいっしょにしてくれる人を探しています
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『若年性アルツハイマーと宣告された男性、二十六歳人生最後の旅の道連れ募集』
二十六歳という若さで余命宣告を受けたエミル。余命二年。
延命治療を望む家族から離れ、知り合いの誰一人にも弱っていく自分を見せずに死んでいきたいと考える。そうだ!旅に出よう!だが、一人で死ぬのは怖い。そこでエミルは人生最後の旅を共にしてくれる人を掲示板サイトで探す。
たった一人、サイトへの返信を送ってきたのは とても小柄な若い女性。感情を表に出さず、自分のことを一切語らない謎多きジョアンヌ。
初対面、ぎこちない空気の中 二人はピレネー山脈を目指しキャンピングカーで走り出す。
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えぇぇぇ!!
私が母親だったら 余命宣告を受けた息子がある日突然 何も告げずに姿を消したら寿命縮む( •̥-•̥ )
というのが最初の感想でした。いやきっとエミルの家族も心臓張り裂けそうなほど心配はしてただろうよ。
でもね、エミルとジョアンヌが旅で得たものはかけがえのないものだったと読み終えた今は思える。
余命宣告を受けて、おまけに最愛の恋人にもふられたエミルは たぶん自暴自棄てかヤケっぱちで旅に出たと思う笑
かたや 何も語らないジョアンヌにも、生きる意味を見失ってしまうほどの悲しい出来事があることが明らかになって…。
そんな二人が 旅を通して心を通わせていく過程は、とても自然なことのように思えました。
雄大な景色。新しい出会い。家族へ宛てた手紙。記憶を無くした時のためにつける日記。
スマホの電源を切り、自分の内側を見つめ直す旅。
「死」というものが 常に隣りにある旅で 二人で過ごす時間は、残してきた人たちへの想いや、今 生きているということ、そして未来への「生」について希望を見つける。
“死について話そうとしても、そこにはいつも生が立ち現れる”
ロードノベルとしても、エミルたちの見た美しい自然を検索して想いを馳せたり…
読書家のジョアンヌがエミルに聞かせる名言に心を打たれたり…
旅の途中で可愛い仲間が増えたり♡ ฅ^- ·̫ -^ニャー
忙しい日々、驚くような速さで毎日が過ぎていく私たち。スマホの電源を切って ゆっくりと自分と向き合う時間にもなりそうな一冊でした。
で!やっぱり四十代最後に「一人旅」してみたい!って強烈におもってます(*´`*)
『もっとも偉大な旅人とは、自分自身を見つめ直すことができた旅人だ』
Posted by ブクログ
人間が最後には消えてなくなってしまうものだとしても、傷ついて壊れては再生して、美しい景色を求めて歩き続ける。そんな生き方をとても美しいと感じた。
Posted by ブクログ
上巻ではよくわからなかった同行者ジョアンヌの過去が下巻で明らかになるにつれ、彼女は人間的な深みを増していく。一方で主人公エミルの病状は進行し、二人の人生はすれ違っていく。悲しい物語ではあるが、最後までエミルの希望を叶えるように寄り添うジョアンヌの姿がピレネー山脈の美しい景色の中に描かれ、密やかな美しさを纏った作品だった。
彼女の行動は、自身の喪失を埋めようとする自己回復の欲求に端を発していることは間違いない。しかし、エミルの望みを最後まで叶えようと並走し続ける姿は、エミルと出会った頃のジョアンヌから大きく変わっている。
人はしばしば利己的な理由から他者と関わり始め、その関わりの中で本物の思いやりや献身に到達することがある。本作が描いているのは、そうした人間関係の変容の可能性なのかもしれない。
人は永遠に生きることはできず、残酷なまでの運命に引きまわされる。その不条理の中で、人と人を繋げる言葉や行動、ジョアンヌや父ジョゼフが示す生きる知恵が、世界を生きていくための象徴として機能している。「確実な手触りのあること」を頼りに、絶望に飲み込まれず生きていく姿がそこにはあった。
ただ、少しメロドラマチックな展開や、エコビレッジのような著者の指向が強く出すぎているきらいはある。また、パウロ・コエーリョの『アルケミスト』への言及が多く、未読の身としては少し仲間はずれにされたような感覚を持ったのも事実だ。
そうした気になる点はあるものの、全体を通して人間の弱さと強さを描いた良作であり、良い読書体験になった。
Posted by ブクログ
ジョアンヌの過去が章が進むのと一緒に明かされてきた。
2人が過去の辛い出来事から少しずつ抜け出して、信頼しあっていくのが良かった。
ジョアンヌがエミルの投稿に返事をした理由を知った時感動的でした。
Posted by ブクログ
not for meだった、、
難病患って余命わずかの中、旅に出た主人公、
下巻ということもあり雰囲気的に結末は死亡確定というのもあり、残り100ページはどんな死に際なんだとページめっちゃ爆速でめくって読んだけど
なんというかあっけない
それが人生なのかもしれないけども、、みたな
なんかジョアンヌもエミルも、そんな推せないから単純にお疲れ様でしたって感じではあった
本のテーマ的なところはなんとなく受け取ったんだけど、なんかいまいちなんというか、そうですか。ってなって終わった
合う合わないってマジであるよな。いままで巷絶賛系で自分が食らわなかった本をAIに投げて傾向出してもらおうと思います
Posted by ブクログ
若年性アルツハイマーの26歳の男性と全てを失って絶望の縁にいる女性の旅物語の下巻
終わり方が外国文学らしい=日本の作家とは異なるなと思った
明るい内容ではないが人はどのような死の迎え方が幸せなのか考える1冊