あらすじ
最後の日に。最愛の人と。
致命的な心の傷を、人はいかにのりこえうるか?
ささやくような美しい声で、答えてくれる物語。
(川上弘美 / 作家)
旅をするとき、人は同時に、命を見つめているのではないか。
(西加奈子 / 作家)
この“旅”の体験と記憶は、いつまでも失われない。
自分もいつかは“最高の旅”を誰かとしてみたい。
人生に終わりはないのだ。
(小島秀夫 / ゲームクリエイター)
どこまでも続く青い空と海。エミルとジョアンヌは、南フランスの陽光きらめく中を旅していた。猫のポックとの出会い、海辺での穏やかな日々、ジョアンヌのマインドフルネスの教え。時にぎこちなく、時に深く心を通わせながら、2人と1匹は静かに時を紡ぐ。しかし、旅は穏やかなだけではない。進行する病と薄れゆく記憶はエミルをゆっくりと蝕んでゆく。残されたわずかな時間の中、互いの存在を支えに進むキャンピングカーは最期の目的地へ。失うことの痛みと、それでも生きることの輝きを描く、愛と再生の旅路。
爽やかな筆致で描く、命と愛、生きる喜びについての感動大長編後編。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
めちゃめちゃ泣いた。この小説に出会えて良かった。
普段は言語化して感想を書くけど、言葉にするのが勿体無い気がして、しばらくは噛み締めようと思う。
Posted by ブクログ
気づいたら1週間で上下完読していた。登場人物それぞれの心情が交互に綴られていたり、日記が添えられていたりするからか、自分も物語の登場人物になったかのような気分で読み進められた。
だんだんとエミルとジョアンヌが互いに心を開き、心の奥に秘めていた辛い過去を共有し、互いがありのままの姿で入れるようになっていくその過程を見るのが楽しく読むのがやめられなかった。
死について考えさせられるが、それと同時に生きることの尊さ、美しさも教えてくれるそんな一冊だった。自分は死を迎える時どんな人、どんな環境に身を置きたいのだろうか、考えるきっかけになった。
Posted by ブクログ
とても美しい本。今を大切に、今を集中して生きる。瞑想について。素敵な格言の数々。美しいフランスの風景、人々との関わり、美味しそうな食べ物。人生で大切にしたいことをたくさん感じることができた。
どこか自然に近いところに行って、風や匂い、鳥の声などに耳をすませたい。
Posted by ブクログ
とても良かった。
詩集を読んでいるような、
自然に包まれているかのような読書体験だった。
読み終えてから数日経った今も
ジョアンヌとエミルの旅から私は戻れずにいる。
「死について話そうとしても、そこにはいつも生が立ち現れる」
グッときたな。
どう感想を書いていいか分からないくらい胸にきた。
Posted by ブクログ
上巻を読んでから、少し間が空いたけれど、続きの物語も美しく幕を閉じた。
「合図に気付け」この言葉は、深く胸に響いた。
こんな旅ができたら、幸せなこと、この上ないだろう
Posted by ブクログ
若年性アルツハイマーを宣告された青年エミルが、心に傷を抱えた女性ジョアンヌとともに、最後の旅に出る。お互い知らない者同士だった二人は、自然の中で次第に心を通わせ、心の平穏を得てゆく物語。
とにかく、お前は無為な日常を過ごしていないかと問いを突き付けられているようだった。
ほかの人はどうかわからないが、ジョアンヌが指輪を2つつけている件が一番グッときた。
Posted by ブクログ
やはり予想通り泣きました。
そして自分が女性だからこそ予想出来た事柄が2つ。
母なんですよ、やっぱり。
翻訳者の方も書かれていたけど、風景が見えるので何年後かには映画化されていますね。
Posted by ブクログ
それぞれの世界を、その見え方を、尊重すること。そしてそんな考えを持ついろんな人や自然と触れ合って、また世界を広げていくこと。
めちゃくちゃ難しいけど大切にしたいな〜。
個人的にはエミルの最後、幸せしかない記憶は母や姉との瞬間であること。自分の姉としての記憶と合わさって、なんかとってもキタ。
今その一瞬一瞬の幸せが積み重なるから、私やその家族にもその一瞬を与えられるように。
いつかヨーロッパの大自然みにいきたい、ゆっくりキャンプにでも久々に行きたいな。
Posted by ブクログ
記憶が消え子供に戻ってゆくエミルは最期をどう迎えるか
泣かずに読めない。大切な人の記憶から自分が消えるって苦しいね。心が痛い。でもこの物語はその切なさに温かく満たされて涙があふれる。誰かが誰かを待っている。名言引用がとてもいい
Posted by ブクログ
エミルが亡くなる事はほぼ決まってたのに泣いてしまった。
エピローグでジョアンヌも救われたと思う。
心が洗われるような本でした。
南フランス行ってみたい。
Posted by ブクログ
最初はよくある闘病物のお涙頂戴的なものかと思っていましたが、生きることの意味を考えるとても深い物語でした。設定はやや現実離れしていますが、読者を納得させる筆力があります。そしていい意味でメロドラマチックでもあり哲学的でもあり、大変読みやすく登場人物への感情移入がしやすかったです。中には不愉快なキャラも出て来ますが、主人公であるふたりの心がとても澄んでいて読んでいて清々しい気持ちになりました。
ラストのジョアンヌの告白の部分は少し王道パターンのような気もしました。が、あのくだりこそが読者に生きる意味や未来への希望を与えると思いました。
Posted by ブクログ
死に向かう物語。一方死から再生する物語。
上巻とは打って変わり、ジョアンヌの過去や病気の進行が描かれていて胸が痛くなる。
ジョゼフの言葉や2人の旅の終わりにかけては涙なしでは読むことができなかった。
ジョゼフからジョアンヌへ、ジョアンヌからエミルへ、そしてエミルからジョアンヌへ。それぞれへ向けられた様々な美しい贈り物。
エミルが思い出すのは母だったこと、隣にいる自分ではないことが寂しいと思ってしまう(ジョアンヌはそうは考えていないと思うが)。けれど、最後まで自分の責任を果たし遂げたジョアンヌはやはり強い女性だと思う。
エミルが死ぬとジョアンヌが1人になってしまうことを見越して、準備をしていたこと。ジョアンヌが最後までエミルの願いを叶えるために動き続けたこと。思い合い、行動に移せる関係はまさに自分の理想だった。
願わくば、ジョアンヌとオパールが青空を見上げながら、今も微笑んでいて欲しい。
美しい情景・人物描写、物語、文句なしの高評価!
私に綺麗な景色を見せてくれて感謝の一冊!
Posted by ブクログ
若年性アルツハイマーは、こんな経過を辿る事もあるのかぁ。上下巻読めるかなと不安だったけど、エミルがどうなってしまうのか、ジョアンヌがどうなってしまうかが気になり、夜更かしして読んでしまった。ただただ涙。
Posted by ブクログ
本って不思議だよね。
最初の100ページでは、「合わないかも」だったのに、
200ページ後には「続き気になる!」になってる。
最後は涙無しには、読めなかった。
生から死へ。死から、生へ
2人の再生の物語。
そして今この瞬間を生きる素晴らしさが
溢れた素晴らしい旅物語だった。
Posted by ブクログ
Google mapで登場する土地を検索して写真を見ながら、そして、映画や実際に目で見たフランス南部の美しい景色…白い岩肌の山や、濃い青の空、強く明るい日の光、丘の上の小さな集落の淡いベージュ色の石造りの建物、ラヴェンダーやブドウの畑…や乾燥した空気感を思い起こしながら読んだ。私も「死んでいない」状態を長引かせるための延命治療は受けたいと思わないので、余命宣告を受けても体が動くならばこんな風に残りの時間を過ごしたいなと思ったし、フランスを旅したくなって胸がうずいた。
エミルの病状が進んで脳の中で子供にかえり、家族への慕情が強まっているのに、(それが元々エミルの望みだったから)ジョアンヌはこのままエミルを家族に会わせないで最期を迎えさせるつもりなのかな、意志の強いフランス人女性らしいな、と思っていたら、最期は両親を呼んであげて、なんだかホッとした。
人生には、思いもかけない不幸に襲われることがある一方で、死の間際でも素晴らしいことが起こり得るのかも。不幸のさなかでも、新しく良い出会いに恵まれて、幸せな時間を過ごすこともできるのかも。そして、自分が消え去っても、そういう人たちの中に何かが残り続けるのかも…そう考えると、心が温かく満たされる気がする。
名言がいくつも登場するけれど、個人的に一番刺さったのはジェームズ・ディーンの言葉「風向きを変えることはできないのだから、帆を操縦できるようにならなければいけない」(下巻 283頁)この言葉が刺さったということは、私もまだ能動的に自分の望む方向へ進もうとする気力があるってことかなと思って、嬉しくなった。
Posted by ブクログ
上巻でもすでに高評価で読み進めてきたわけだが、下巻ではジョアンヌのベールが記憶の思い出しとともにゆっくりと剥がされていき、なぜ黒服なのか、なぜ空を見上げているのか、そしてなぜエミルの旅に参加したのかが分かっていくとともにその深い悲しみと、そして慈愛がひしひしと伝わってくる。単なるフランス名所の観光物語ではなくなり、共に深い傷を負ったもの同士の慈しみに満ちた愛の物語へと一気に昇華していった。エミルの負った若年性アルツハイマーは日に日に深刻化し、記憶が飛び、身体機能が失われ、そしてついには現在の記憶が戻らなくなり少年時代に過ごした一番幸せだった頃まで後進してしまった。それでも結婚をして後見人として、そして約束を守ろうと必死のジョアンヌに次々に降りかかる試練。残酷だなぁと思いもするし、これほどのラブストーリーもないよなぁとも思うし、そして周りの人たちの優しさにも癒される。残りページが少なくなってくると、エミルの記憶を一瞬だけでも戻してって願いながら読んでたが、エピローグがまたきれいにそれらを補うかのように残されたジョアンヌ、そしてエミルの家族へと温かい想いが伝えられる。
恋人が死ぬ、余命もの、記憶が失われる物語など吐いて捨てるほど溢れている中でも、海外小説としてその風土や民族性なども含めてこの長編、ずっと集中切らさず読めた、そして感動した。
この本を紹介してくれた朝日新聞社の広告欄、ありがとう!
Posted by ブクログ
若年性アルツハイマーで余命2年を宣告された26歳のエミルと、人生最後の旅の道連れとなったジョアンヌが、キャンピングカーでフランスの山岳地帯を巡る物語です。
旅が進むにつれ、ジョアンヌが抱えてきた過去や苦しみが明らかになり、なぜ彼女がエミルと旅に出たのかが少しずつ見えてきます。その背景を知るたびに、「もしあのとき少し違っていたら」と考えさせられました。
読み終えて心に残ったのは、「受容」ということです。思いどおりにならない現実や相手をありのまま受け入れることは簡単ではありません。それでも、その先に新しい希望が生まれることを、この物語は教えてくれました。
伏線のように散りばめられた言葉が終盤で腑に落ちる瞬間もありました。悲しみの中にも深い温もりがあり、人を信じ、受け入れることの尊さを感じさせてくれる一冊でした。
Posted by ブクログ
人は生き方を選べるように、死に方だって選べる。でも生き方を選ぶ時にもさまざまな葛藤や困難があるように、死に方を模索するのも一苦労だ。
家族や、友人、仕事や、社会通念、様々なものに私たちの日常は良くも悪くもがんじがらめだ。
でも、自分の死を本当に現実として目の前に突きつけられた時、特にまだ若ければ最後にあがく力がまだあったら、ワガママになっていいと思う。残される人のことは残された人がどうにかする。
人はみんな自分のことしか責任なんか取れないし、逆を言えば誰にも自分のことは責任なんか取ってもらえないのだと思う。
家族なのに、家族だからこそ、ぶつかることも傷つけることもある。許せることも、どうしても許せないこともあるかもしれない。でも、この小説の中でもあるように自分の内側に目を向けて、今この瞬間に集中することで、いろんな執着から解放されて、他者も自身も、ありのままを受け入れられるようになれるのかもしれない。
そしてひとりひとりの人生なのに、命はどうしようもなく繋がっている。んだなぁ。と思った。
Posted by ブクログ
若年性アルツハイマーで余命2年の宣告された青年が、人生最後の旅に出る物語。
最期は泣きながら読んだ。
「出会い」と「別れ」、「生」と「死」読んでいて色々と感じることがあった。
日々の幸せに向き合って生きていきたい。
ジョアンヌには幸せになってほしい。
Posted by ブクログ
上下巻あわせて800ページ。
上巻はゆっくり読み進め、下巻は一気読みしてしまった…
下巻では想像通りジョアンヌの過去が明らかになって、なぜエミルの最後の旅に同行することにしたのかがわかる。
ジョアンヌの人生は一見不幸ばかりだけれど、彼女自身があらゆる手段でそれらを乗り越え、エミルの人生を支えたことで代え難い程の幸せを感じられた。
なかなか真似できないことではあるけれど、やはり苦しみを経験した人ほど、強く優しくいられるのだと思う。
若年性アルツハイマーという病に限らず、不治の病を患った時、それからの人生をどう生きるかを改めて考えさせられたし、エミルのように大切な人のために手紙を書くことができたら…と思う。
トレッキングや畑、瞑想など自然の中に身を委ねることが好きな人は、とても心地よい読書ができるはず。
都会や刺激の大好きな人にはちょっと退屈かも。
Posted by ブクログ
若年性アルツハイマーの主人公が、人生の最後をどう迎えるかの物語。
相棒との冒険を通じて、一緒に旅をしている感覚でした。死を迎えなければいけないのが、やはり辛いです。
Posted by ブクログ
一緒にいるの辛くて苦しかっただろうに、辛抱強くエミルの傍にいて、エミルの世界に合わせてあげるジョアンヌの優しさに涙が出た。
ジョアンヌだからこそ、エミルの最期をあのようにしてあげられた。
エミルとジョアンヌは、偶然ではなく巡り会うべくして出会った最高のパートナー。
上下巻合わせて、本当にこの2人と(ポックと)一緒に旅をしている気持ちにさせてもらった。
いつか私も、自然と涙が溢れ出てくるような素晴らしい景色を見に、冒険の旅に出てみたい。
Posted by ブクログ
知らない者同士、一台の車に乗って
希望のない旅に出る。
その中で、ゆっくりと互いを知り、
友情、愛情を育んでいく。
折々に紹介される言葉の
心に沁み入ること。
どんなに傷ついて、立ち直れそうになくても
美しい景色、言葉、情愛が
少しずつ力を与え、感情を豊かにし
人を想うことの大切さを知る心を培っていく。
たくさんの悲しみと、美しいものを見た
そんな読後感。
Posted by ブクログ
途中から嫌な展開へと進んでしまった。エミルとジョアンヌは旅の同士でいて欲しかったんだけどな。エミルが家族に元には帰りたくないって言ったのも、彼のわがままにしか思えず、家族は心配しているだろうな〜と斜に構えてしまった。同伴したのがたまたまジョアンヌで、結果オーライなのかも知れないけど、看取りをお願いするって、かなりの負担。しかも赤ちゃんが、かぁ。◇まぁ、不満点ばかりあげたけど、旅の途中の人とのつながりや、風景の美しさは素晴らしかった(個人的にはセバスティアンの恋を応援してた)。
Posted by ブクログ
エミルは、若年性アルツハイマー病と診断された20歳代の男性。家族や友人から痛々しい目で見られるのを嫌がり、旅に出ることにし、旅のパートナーをネットで募集した。応募してきたのは同年代の女性ジョアンヌだった。ジョアンヌの暗い過去を知り、徐々に分かち合っていく2人。後半はジョアンヌの過去の話と、旅の話が交互に進んでいきます。2人は過去を受け入れ、心が前向きになっていきます。一番最後の部分は、予想通りになりました。
Posted by ブクログ
2026年本屋大賞「翻訳小説部門」1位受賞作。
フランス国内で既に160万部のベストセラー。上下巻で800項以上の大作。
エミルとジョアンヌ、2人の人生が丁寧に明らかになっていくと共に、残された旅の時間も終わりへと向かう。
物語のテーマは死なんだけれども、どのように死にたいかよりも、それをどう受けいれるか、どう行きたいかを強く感じされられる物語でした。
翻訳本ということで、時系列や話し手を把握するのが少し難しかったこと、物語の結末が想定の通りだった点は残念でした。
Posted by ブクログ
大恋愛だと思っていた恋の終わりを長い間ひきずる男エレンと、全身ブラックコーデの謎めいた女ジョアンヌのロードノベルだ。
フランス南部のピレネー山脈。キャンピングカーで小さな街や村を訪れ、現地の人々と緩く繋がりながら期間限定の旅を二人は続ける。フランスの地方ってこんなにも穏やかな街が今でも残ってるのかっていう小さな驚きがあった。
二人の人生を振り返りながら期間限定の旅は続くのだけど、その過程でこの病気の当事者の辛さ、悲しさ、現実が露になる。何より最初のステップとして治験を拒否し旅に出る決心をするエレンの姿は、納得して自分らしく生きるということを改めて教えてくれた。
追記
後半はジョアンヌを中心に進行していくが、彼女の献身がこの本の強い支えになっている。非常にタフな女性だと思う、カッコイイ。
Posted by ブクログ
物語の終盤の展開、幕の下ろし方がほとんど自分の想像した通りだったので少し物足りなさを感じてしまいました。でも素敵なお話でした。
ジョアンヌが引用する言葉たちがとても良かったです。