【感想・ネタバレ】空、はてしない青 下のレビュー

あらすじ

最後の日に。最愛の人と。

致命的な心の傷を、人はいかにのりこえうるか?
ささやくような美しい声で、答えてくれる物語。
(川上弘美 / 作家)

旅をするとき、人は同時に、命を見つめているのではないか。
(西加奈子 / 作家)

この“旅”の体験と記憶は、いつまでも失われない。
自分もいつかは“最高の旅”を誰かとしてみたい。
人生に終わりはないのだ。
(小島秀夫 / ゲームクリエイター)

どこまでも続く青い空と海。エミルとジョアンヌは、南フランスの陽光きらめく中を旅していた。猫のポックとの出会い、海辺での穏やかな日々、ジョアンヌのマインドフルネスの教え。時にぎこちなく、時に深く心を通わせながら、2人と1匹は静かに時を紡ぐ。しかし、旅は穏やかなだけではない。進行する病と薄れゆく記憶はエミルをゆっくりと蝕んでゆく。残されたわずかな時間の中、互いの存在を支えに進むキャンピングカーは最期の目的地へ。失うことの痛みと、それでも生きることの輝きを描く、愛と再生の旅路。

爽やかな筆致で描く、命と愛、生きる喜びについての感動大長編後編。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

上巻はエミルの変化がメインだったが、後半はジョアンヌの変化がメインだった。
ジョアンヌはなぜ、エミルの投稿に反応したのか。その答えが分かった。あの結末はやや驚いたが、彼女にとっての再生はこれから始まるのかもしれない。そういう希望も感じさせる終わりでもあり、とても良かった。

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2026年03月16日

Posted by ブクログ

上下巻の長編ですが下巻は涙なしでは読めませんでした。哀しみの涙ではなく優しくて温かい涙。
外で読むのはオススメしませんw
自宅でゆっくりとほしいです。
若年性アルツハイマーの主人公とともに旅をする話です。自然の景観の描写もさることながら人の弱さや強さの描写もわかりやすく感情移入しやすい本でした。
しく強くありたいと思わせてくれる1冊です

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2026年03月14日

Posted by ブクログ

上巻がエミル過去編だったとしたなら、下巻はジョアンナ過去編。しかしジョアンナの過去が本当につらい。

エミルは元カノへの執着と理想の僕への固執、ジョアンナは自己および家族の尊厳と、も〜きみたちなんでくっついたの!!!と言いたくなるようなリアリティ。だって現実ってそんな感じだもんね。いやそれにしてもアンドレ家はマジ出禁。こっちが寛大にしてやればつけやがりやがって(真に怒りで震えながら読んだのだ)

父ジョゼフを軽率に扱い、ジョアンナは愚弄され、なによりも大切だったブルートム。そのままで生きていることに何故誇りを持てない?何故愚かな親より自分の家族を守れない?髪の毛!!!もしやリアルで遭遇した青臭男たちの煮え切らなさにキレて、作者はこの作品を書いたのでは?と思ったほど。

ピレネー山脈の描写の美しさとか、エミルの最期の登山とか、ジョアンナの屹立とした人間性の美しさとか、出会った人たちのあたたかさとか、生と死の意味だとか、死は単なる死でなく自分の中で生き延びるのだとか、瞑想を通しての今ここに立ち返ることだとか、そういうことが全部極悪アンドレ家のせいで記憶が飛びそう。ある意味で強烈な読書体験だったともいえる。

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2026年03月03日

Posted by ブクログ

26歳若年性アルツハイマーとなったエミルが、最期の過ごし方を自分で決めていく物語。上巻は、エミルとジョアンヌの旅をテレビ画面を見るように、読み進めた私でした。
けれども下巻は、彼らと一緒にキャンピングカーに乗り、一緒に旅をした感じがしました。美しい自然と、時に過酷な天候さえも、人々との関わりの中で、人生を彩ってくれます。
お互いの過去を知らない2人が、次第に自分から過去を話し、理解を深めていく・・・
人は辛い過去を思い出したくない、忘れたいと思うこともあることでしょう。でも、人に話す(吐露することは、文字に書くことでもいいと思います。)ことによって、自分のそれを、俯瞰して見ることができるのですね。まっさらにしたいと思う過去であっても、『今』の自分はその過去があってこその『今』なのだと、気づくことができるのです。経験に無駄はないと、気づけることは幸せなことだと思います。
まさしく、自分探しの旅を2人は続けます。最後に自分の心の傷を癒してくれたのは、自分を理解し受け入れてくれる人の存在が大きいのは、否めません。
人の思いの絡まりは、単純に解けるものではありません。もつれながら、ほどきながら、その塊を慈しみながら、生きていきたいと思います。
死に向き合う物語であると同時に、残された人がその死と一緒に、生き続けるという物語でもあると思います。

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2026年03月01日

Posted by ブクログ


エミルの病状が悪化する毎日。

ジョアンヌの過去とエミルの思い出が
交互に描かれ、2人の想いに共感しながら
物語を読み進めることができた。

『普通』の関係とはいえない2人の周りには、
何故かいつも支えてくれる仲間たちがいるのも、
心穏やかに、癒されるところだった。
見ず知らずの旅人の2人に
なんでこうも優しく接することができるのだろう。

ジョアンヌの息子、ブルートムの話は苦しかった。
彼を思い続けるジョアンヌの母としての想い。
母としての強さ、優しさが最後の最後まで
表現されていたところが、
とてもカッコよく、世界中の理想の母親象だったのではないかと思う。

終盤、エピローグまで全部良かった。
最後はそうなんだろうなと思っていたが、
やっぱりこの結末になったことが、
同じ女性として相当に嬉しい。

子を持つ幸せ、子を持たない幸せ、
どちらも正解はなく、否定もできないのである。
登場人物全員の心のモヤモヤが、
最後は全てとっぱらえて、
気持ちの良い小説だった。

素敵です。

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2026年02月11日

Posted by ブクログ

エミルとジョアンヌ。それぞれの過去に負った傷や抱えている問題をお互いの存在によって軽くできた旅だった。
フランスの地方の街や自然がその色彩と共に鮮明に2人の旅を彩っており、想像を掻き立てられる物語だった。
エミルは願った通りの最期を迎えられたし、ジョアンヌはエミルからの贈り物を受け取り、幸せな結末を迎えられて、とても後味のよいエンディングだった。
アルツハイマーの終末は酷いから、この物語ではどうなるのかと思っていたけれど、2人の周りには支えてくれる素敵な人達がいて、この結末で良かったと思えた。

2人がしていた、明言を壁に書いていくのも楽しそうだったな…

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2026年02月09日

Posted by ブクログ

旅を始めた時は「期待するものは何もない」と明るく快活だったエミルが、世界の美しさやジョアンヌとのつながりを知り、次第に自分の行く末を怖れふさぎ込むくだりは、胸が締め付けられるようだった。またジョアンヌが、トムを失った自分とエミルを失う母を重ね合わせて、「自分がしていることはまちがっている」と思う場面にもはっとさせられた。

自閉症のトムの母であり彼を失ったジョアンヌが、記憶を無くしていくエミルと出会い、互いに理解を深め合っていく様子や、子供に戻っていくエミルの描く絵が、ジョアンヌではなくて姉のマジョルリーであることなど、一つ一つのことがつながりをもって物語に深みを出しているように感じた。

姉のマジョルリーや両親が、エミルとジョアンヌの旅を理解してくれて本当によかった。エミルが亡くなるのは残念だが、未来に向けた明るい希望が見える、これからのジョアンヌやエミルの姉、両親の人生が楽しみになる結末だった。

心が満たされる読後感。間違いなくこれまで読んできた中で10本の指に入る、「この本に出会えてよかった」と感じるすばらしい作品だった。 

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2026年02月07日

Posted by ブクログ

まるで1本の映画を観たような感覚になった。フランスの大自然の情景が美しい文章で描かれ、まるでその場で一緒に旅をしているかのようだった。エミルはジョアンヌに出会ったことで、希望していた最期を迎えられ、ジョアンヌはエミルに出会ったことで、人生を取り戻した。上下巻あり、分厚い本だったが、体感としてはあっという間に終わってしまった感じがする。読み終わって胸がいっぱいで、涙が堪えられなかった。装丁も美しく、ずっと本棚に飾っておきたい作品に出会った。

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2026年02月05日

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エミルとジョアンヌの旅は続く。エミルの病状は着実に進行し、記憶の混同が起こるように。ジョアンヌは自身の悲しい記憶と少しずつ向き合い、心に変化が生まれていく。
そしてエミルは、ついにジョアンヌのこともわからなくなっていく…
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エミルはどんどん本来の自分を保てなくなっていく。すぐそばで支えるジョアンヌは、どれだけ辛いだろう。上巻でエミルとジョアンヌの信頼の深まりを感じていただけに辛い…。
それでも、エミルの望みを叶えようと最期まで向き合うジョアンヌは、本当の意味で強く、美しい。

命を全うする尊さと、愛の深さを感じる物語。

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2026年02月04日

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ネタバレ

迫り来る「死」に向き合う人、「死」を見送る人、死が描かれるほどに、それに反して「生きること」がより濃く感じる。エミルとジョアンヌが出会った人、町、村、エウスのミルティユ、漁村のセバスチャン、パーマカルチャーの村のマルコ…どれもが必然で、2人を導いているようだった。
ジョアンヌが抱える過去は癒しようの無いほど深い傷で、それでもエミルとの旅、出会いを通して、ゆっくりと再生していく。一方、エミルの症状は悪化していくが、彼の望む形で過ごさせてあげようとするジョアンヌの献身に彼女の静かな慈愛を感じた。

最後の数章はぜひゆっくり味わってほしい。
ジョアンヌ!そんな状況でエミルの最後を見届けたのねとか、エミルの残したジョアンヌへの贈り物とか。
読み終わった後、世界中を何周も旅して人生を何度も繰り返して…それくらい心がいっぱいになる(語彙力のなさが悔やまれる)とんでもない本でした。

それから、ジョアンヌと父ジョゼフが時々語る名言が素敵で、どれも書き留めておきたい言葉。
『真の発見の旅は新しい景色を求めることではなく、新しい目を持つことだ』プルーストの一節
『もっとも偉大な旅人とは、自分自身を見つめ直すことができた旅人だ』孔子
『美しさとは見たもののなかにあるのではなく、それをみる目の中にある』フランスの作家ジャン=ルネ・ユグナン
『毎日毎日がそのなかに永遠を宿している』
『世界ではいつだって、誰かが誰かを待っている』パウロ・コエーリョ【アルケミスト】
【アルケミスト】からの言葉は最多。以前読んだ時より、この本を読んだ後の今読み返したら、味わい方が変わりそう。

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2026年01月28日

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長い長いロードノベルの下巻。読み始めた時にはその分厚さに圧倒されていたのに、読み終わる頃にはまだ終わらないでほしい、と思わされました。作者が最初につけたタイトルはそのまま使わなくて個人的にはよかったと思う。とても良いお話でした。これだから読者はやめられない。

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2026年01月10日

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ネタバレ

旅と共にお互いの事を知り、大切に時間を経たせていく。ジョアンヌの過去が少しずつ明らかになってその痛みに心がしめつけられ、記憶を無くしていくエミルの恐れと見守るジョアンヌの哀しみ、この2人の出会いと旅が奇跡だと思う。
美しい風景と美しい人間の心情、素敵な物語です。

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2026年01月08日

Posted by ブクログ

二人の現在と過去の記憶が交互に語られる。穏やかな幸せが続く中でエミルの病状は急速に進行していく。「アルケミスト」の引用が散りばめられる中で、何度も胸が熱くなり最後は涙が止まらなかった。ここ数年読んだ中で一番美しく切なく、力強い素敵な物語だった。

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2025年12月30日

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長めの小説だけど、スラスラと読みやすい本だった!美しい本だった。「今を生きる」ことの大切さを教えてくれた本だった。

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2025年12月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

新聞に紹介されてて迷いなく読みたいと思った。海外ものは訳され方によっては長く読むのが辛くなる場合があるけどこれは違った。原作が和訳に向いた作りなのか訳者が上手いのか。
次の作品も出るみたいだから読んで確かめよう。

それにしても素晴らしかった。あまりにも悲しい…あまりにも残酷、と思って読み始めたけど、これって理想の死に方じゃないかと思わずにいられないラスト。ジョアンヌに巡り会えたエミルは幸運だった、ジョアンヌもエミルに救われた。
ラストがたまらなくいい。主人公が亡くなって終わり…ではこの長い物語に入り込んで読んでいた読者はものなりないのだ、だからちゃんとお葬式にもこっそり参列してくれて、オパールの誕生も知らされることで心穏やかに温かい涙を流して読み終えることができた。

それにしてもエミルがマルジョリーに12月に出した手紙が素晴らしい。この手紙と、山小屋からジョアンヌが電話で「エミルはあなたと共にいました」の一言で遺された家族は救われたよね。

エミルの行動力とジョアンヌの忍耐力、おみごとでした。

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2025年12月17日

Posted by ブクログ

上巻のつかみは良かったが、つかみと前奏が長い。
本格的に面白くなってくるのは下巻でジョアンナの結婚生活が明らかになってくる過程だ。哀しい前半生。
悲劇と悲劇のぶつかり合いになると思いきや、ジョアンナとエミルの新しい家族の話になってくる。若年性アルツハイマーのエミルと自閉症の息子を不慮の事故で亡くしたジョアンナ。
哀しみを舐め合うのではなく、お互いに理解しながら2人の仲を深めていく。村から村へ旅する2人。そしてどんどん深まるお互いへの理解と愛情。2人のラストクリスマスには涙が出てしまいました。(通勤電車の中で)予想通りエミルは亡くなって葬儀の場面で小説は終わりますが、思いもよらぬ形で新しい家族の話は続いていきます。
なんと、ハッピーエンドなんです。
読後の余韻が素晴らしい。
全然知らなかった作家さんだけど色々書いてるみたいだから別の本も読んでみたい。オススメです。

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2025年12月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とても綺麗で、詩的で、それでいて若年性アルツハイマーの残酷さも描かれていて…
うちは病院で看取ったけれど、やっぱり母は1日でも長く家にいて欲しかったんだろうと思ったり、父はどう思いながら生きたのかと思ったり。読みながらでも現実はこんな綺麗に行くわけないと思ったり。

海外文学は値段も高いし、面白さがある程度担保されていないジャンルは手が出にくいが、単行本の時に出会えて良かった。
みんな救われたかはわからないけれど一歩進めそうな終わり方で救われた。
久しぶりに自分の中で「良かったわ」って感情が更新されました。

語彙力がないからうまく表現出来ないけど「満点」です。

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2025年12月11日

Posted by ブクログ

オールタイムベスト級。この本に出会えてよかったとまで言える傑作でした。何が凄いって、面白すぎて上下2日間で読み終わってしまったこと。本当に集中した本でしかやらないぶっ通し読破だったので、自分が本当に好きな内容だったんだろうなと思います。

数々の名言集は、自分の人生の中でもふとした時に思い出せたら嬉しいな〜

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2025年11月25日

Posted by ブクログ

自分の思い描く理想的な生死とは、このようなことだと気付かされました。
美しいフランスの景色を一緒に旅をしているようでした。

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2025年11月18日

Posted by ブクログ

初めて読んだフランス人作家による小説。上下合わせて800ページを超える長編の感想をまとめて。

若年生アルツハイマーによって、記憶と生命が徐々に蝕まれていく青年エミル。
エミルが投稿サイトで募集した最後の旅のお供に唯一返信をした女ジョアンヌ。
それまで無関係だった2人がキャンピングカーでピレネー山脈への旅路を始める。


自分の死期がわかるのって、今までは絶望でやるせないことだと思っていたけど、それはひょっとするとこの上なく幸せなことなのかもしれないと初めて思った。自分の生き方(死に方)を決められるからだ。エミルは旅に出た。自分ならどうするだろうか。まだわからないし、想像もできない。後半に進むにつれて病魔がエミルを襲う。感動ドラマに期待するような劇的で奇跡的な回復など起きない。死は誰にでも平等であり、同時に不公平であると思い知る。

エミルだけでなく、ジョアンヌもこの物語の主人公である。物語が進むにつれて、一番変わったのがジョアンヌだ。エミルをはじめとする人々との出会いや対話、そして大自然の中でのトレッキングや瞑想など、時間をかけて苦しい過去と向き合い、それを最後は決断する強さに変えた。今回の読書の中で、第三十一章の彼女の行動に最も心が動かされた。不思議な関係だった2人が旅を通じてお互いに関わり合うことで、心が混ざり合い信頼関係が生まれる。

これは恋愛物語ではなく、もっと果てしなく巨大で、宇宙を感じるような、美しい愛の物語である。


読んでいて気になった。エウスとはどんな場所なんだろう。いつか行ってみたい。

○お気に入りの言葉

「太陽がもう出ていないと言って泣いたら、その涙で星が見えなくなるだろう。」

「命を生み出す前に、命を愛し、命を愛させなければならない。」

「受け取ることは寛大な行為だ。受け取ることを受け入れるのは、相手が自分を幸せにするのを許していることだ。そして、あなたも相手を幸せにしていることになる。」

「もっとも深くて悲劇的な旅立ちは、結局はなされなかった旅立ちである。

「世界ではいつだって、誰かが誰かを待っている。」

「毎日毎日がそのなかに永遠を宿している。」

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2026年03月12日

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娯楽の為の本では無く、読んだ者の血となり肉となってくれるような本でした  
これがデビュー作ならば、長生きせねば
これだから、読書はやめられない

⚠︎娯楽の為の本が悪いと言っている訳ではないのであしからず

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2026年03月08日

Posted by ブクログ

若年性アルツハイマーで余命2年と宣告された青年エミルが、臨床試験を受けさせて病院にしばりつけようとする家族や、腫れ物に触るような接し方をする友人から逃れるために、人生最後の旅を共にしてくれる人を募る。応じたのは、ちょっぴり風変わりな若い女性で…
長篇だけど、一気に読めるおもしろさ。素直に感動しちゃって、最終章は涙。雄大な自然の描写も美しいし、訳者さんもあとがきに書いていたけど、映像化にぴったりだと思う。

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2026年03月01日

Posted by ブクログ

生きる意味を考えさせられた。
今、私は会社員として毎日変わらない生活を送っている。平日は、仕事と家の往復でこんな生活が続くとゾッとすることもある。
この本を読んで、私なりの生きる意味とは思い出作りなのかなとも思った。いろんな経験して、たくさん辛い思いして、でもそれを乗り越えて、いろんな感情を知っていく。そんな人生にしたい

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2026年03月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 お見事!!
 上下巻800頁以上の大作。上巻は、現在と過去を行き来しつつの序盤の展開に、どうにも乗り切れないもどかしさがあったが、下巻に入ってからの加速度は他に類を見ないほどだったかも。

 若年性アルツハイマー型認知症を患う主人公エミルが、人生最後の旅にでる。 旅のパートナーをネットで募り、一風変わった女性ジョアンヌが名乗りをあげる。
 いわゆるロードノヴェルのスタイルで物語は展開し、ピレネー山脈沿いを北へ南へ、風光明媚だったり、歴史ある集落、海辺で暮らす、どことなく優雅で気ままな旅だが、エミルの病状の進行に伴い失われていく記憶と、寡黙で謎めいた女性ジョアンヌの過去が明らかになる様子が、丁寧に描かれている。

 若年性認知症というものを、具体的に意識したことはなかったが、記憶が一瞬途切れるとか、昏倒するほか、過去が混在し、今の自分が失われていくことの恐怖が、実に巧く描かれていて感心する。
 確かに、そんな患者に日常生活を送らせては危険が伴う。ましてや旅するなんて、と思ってしまうが、エミルを支えるジョアンヌが、実に逞しい。
 上巻のころによく発せられた「大丈夫」や、「覚悟はできている」という彼女の気丈な言葉は、実は表面的なものではなく、彼女のこれまで過ごしてきた時間から産み出されてきているということが、物語が進むごとに明らかにされていく。

 青、ブルートム、レオン、過去と未来、ジョゼフ、そして旅先で出会った人々、ポック、母と子の関係、そして命とは? 様々な伏線が、ことごとく意味を成す。

 ややスピリチュアルな世界観に偏りがちではあるが、終盤は、そう来たか!? の連続で、久しぶりに滂沱、だった。

 要所で引用される名言(ジョアンナが父の教えとしてエミルに語ることが多い)の数々も、最初はちょっと、とって付けな感じもしていたのだが、だんだんハマってくるようで、良かったかも、
 『アルケミスト』は、読まないとな!!

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2026年02月02日

Posted by ブクログ

長い!けど、その長さは必要だと思わされる一冊。上下巻読んで感想を書きます。上下巻で800ページほどありますので、読書好き、小説好きの方におすすめです。
すごく簡単に概要を説明すると、傷ついた二人が強い勇気をもって、フランスを旅して、美しい自然や様々な人と出会うことで自分を見つめ直し、再出発する小説です。
上巻は元カノのローラとのあれこれが未練がましく記載されている印象で、テンポはあまりよくないと感じる部分もありますのでちょっと忍耐が必要です。
下巻になると主人公のエミルとジョアンヌの関係性がどんどん変わってきて、上巻より動きがあります。
ただ、ジョアンヌの過去、エミルの病状など、ヘビーな内容で読者も苦しい部分もあります。キーワードは青だなと思わされる話は下巻で出てきます。
エピローグでは、「いい人たちでよかった」と読後感はよいので安心して読み進められます。

■装丁がよい
全部読んで、表紙を見ると「あぁ!」と思うかも。なんで切手風なのだろうか。と思うのがヒントです。わたしは特に鳥の消印の日付が「あぁ!」ポイントでした。

■景色がよい
フランスの地図が上下巻ともに載っています。わたしは縁がないので、ピンと来ませんでしたが、わかる方はただ、描写を読む以上に楽しめるかと思います。訳者あとがきにも、景色の美しさについて記述があります。描写だけ読んでも清々しさやキラキラ自然が輝くような素晴らしい場所であろうことが想像できます。

■ジョアンヌの忍耐力
振り返ると3人の大切な人を短期間で見送ったジョアンヌ。心が崩れても崩れても、見送った人たちからの合図をキャッチして、また再出発した姿が印象的でした。この先は、彼女が思うような旅ができてほしいと思わされました。

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2025年12月17日

Posted by ブクログ

若年性アルツハイマーと診断され2年の余命宣告をされた青年エミルが、何もかも捨てネットで知り合った女性ジョアンヌと最後の旅に出る。行く先々で人と触れ合いジョアンヌとも心を通わせられるようになり、全て捨てたのに、再び多くの絆を抱えたがために病に怯える。でもそれらが全て優しさ、思いやりに昇華し、読み終わった後は心が揺さぶられ、とても暖かいものに包まれた気持ちになった。エミルはジョアンヌを癒し、ジョアンヌはエミルを癒した。そしてジョアンヌはエミルの家族を癒しエミルの家族はジョアンヌを癒した。率直に相手を思いやる気持ちが繋がっていき、暖かい世界に包まれたんだと思う。

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2025年12月05日

Posted by ブクログ

SL 2025.11.27-2025.11.29
アルツハイマーという病気の残酷な現実が辛くもあるけど、最後の瞬間にジョアンヌがエミル本人だけでなくエミルのお母さんのことを思いやる場面がとても印象的。

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

上下通して大自然を最後の旅、とするのは良いなあ、という描写が続く。自然の描写はとにかく引き込まれる。
ただ主人公ならず一緒に旅する女性もまあ身勝手。心配する人はどこ吹く風で旅に逃げる。最後感動はしたものの終始その点が気になった。

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2026年02月13日

Posted by ブクログ

上巻に比べたら
さくさく読めた

世界の人々は
あらゆる場面で、ぴったんこな名言を
ポッケから出すみたいに簡単に口にできるのか
名言なんて1つも捻り出せんのだが
ダメ人間なんだろうかと己を顧みる

アルケミスト、読んだことあるけど
フーン…としか思わなかったな…
感受性、だいぶ足りてないのかな…

それはともかく
上巻では男主役の元カノがヤな奴で
下巻は女主役の元旦那がヤな奴だった
どっちの主役にも
はよ目を覚ませや!って言いたい

それもともかく
男主役目線だけで進んでた上巻から
女主役目線が突然割り込んできて
また男主役目線に戻ったり
最初から両方あれば気にならないけど


いや今気づいたけど
なるほど、女主役目線の増え方は
男主役の記憶がなくなるのに
反比例してんのか
な?
全然違うかも

特別な感想を抱かなかったけど
とても読みやすい邦訳だったし
時間はかかったけど飽きなかった
星はフツーの3つ


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2026年02月09日

Posted by ブクログ

旅を経て心を通わせていくエミルとジョアンヌ、行く先で出会う人々、壮大な景色。旅の終わりを、この先に待ち受ける死を知っているから、“今”このときがなによりも尊く美しいものだと思えた。

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2026年01月13日

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