あらすじ
最後の日に。最愛の人と。
致命的な心の傷を、人はいかにのりこえうるか?
ささやくような美しい声で、答えてくれる物語。
(川上弘美 / 作家)
旅をするとき、人は同時に、命を見つめているのではないか。
(西加奈子 / 作家)
この“旅”の体験と記憶は、いつまでも失われない。
自分もいつかは“最高の旅”を誰かとしてみたい。
人生に終わりはないのだ。
(小島秀夫 / ゲームクリエイター)
どこまでも続く青い空と海。エミルとジョアンヌは、南フランスの陽光きらめく中を旅していた。猫のポックとの出会い、海辺での穏やかな日々、ジョアンヌのマインドフルネスの教え。時にぎこちなく、時に深く心を通わせながら、2人と1匹は静かに時を紡ぐ。しかし、旅は穏やかなだけではない。進行する病と薄れゆく記憶はエミルをゆっくりと蝕んでゆく。残されたわずかな時間の中、互いの存在を支えに進むキャンピングカーは最期の目的地へ。失うことの痛みと、それでも生きることの輝きを描く、愛と再生の旅路。
爽やかな筆致で描く、命と愛、生きる喜びについての感動大長編後編。
感情タグBEST3
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最期の日まで、最愛の人と。
余命宣告を受けた青年は、人生最後の旅に出る。
失うことの痛みを受け止めながら、生きることの意味を探す物語。
青年と共に旅をする女性の、強さと優しさが心に残った。
人生と向き合いながら前へ進む姿が、とても美しかった。
Posted by ブクログ
エミルの事は最後までワガママな男だと思っていたが、それを取り巻くレオンの母以外の全ての女性が魅力的で素晴らしくて、レオンを含む身勝手な男たちの存在を消し飛ばせてくれた。それに最終章の展開には、マルジョリーと同じように驚き、文句なしに感動してしまった。長編の小説だが、非常に丁寧に書かれた素晴らしい作品だと思った。
Posted by ブクログ
まず初めに、表紙の色味やデザインに惹かれて本書を手に取った。
26歳で『若年性アルツハイマー』と診断され余命2年と告げられた青年エミル。病院や周囲の同情から離れるために、掲示板へある書き込みを残す。
「人生最後の旅の道連れ募集」
この募集に応えたのが、ジョアンヌという謎に包まれた若い女性。彼女は自分の過去をほとんど語らないまま、エミルと一緒にキャンピングカーでフランス中を旅することになる。。。というのが、この物語の始まり。
2人は旅の中でフランスの様々な地を訪れる。ピレネー山脈、小さな村々、森や湖、南フランスの海辺など美しい景色が次々と登場する。
私も想像を働かせて、まるでその場にいるような感覚を体験する。没入感に浸り、いつかフランスの美しい景色を観たいと本書を通じて体感した。
各所で出会う景色や人々との交流。最初はお互い未熟でぎこちなかった2人が徐々に打ち解けていき、なくてはならない存在となる。
ジョアンヌはエミルの希望を叶えるために、エミルの病状が悪化しても彼女らしく彼に寄り添う姿が感動した。
私は、エミルが描いていた安息の地でジョアンヌに見守られながら……を予想していたのですが、予想を上回る展開となり最後のジョアンヌの決断に心打たれました。ジョアンヌは悲惨な過去がありながらも、強くて芯のある女性だと思いました。
病魔によって記憶が後退していく中、エミルは自身の家族をとても愛していたと感じる作品でした。
また、旅の中で出会う人たちは皆あたたかくて、私もいつか旅をしてみたくなる物語でした。
Posted by ブクログ
エミルの最後の旅として始まった物語は、ジョアンヌの救いと旅立ち、そして2人にとっての成長の物語だったのだと感じた。
掲示板の募集から偶然に出会った2人だけれど、それはきっと運命で、エミルにはジョアンヌが、そしてジョアンヌにはエミルが必要だったのだと思う。
仕事や家族や友人、全てを解き放って旅に出たはずなのに、共に旅をするジョアンヌがかけがえの無い存在になっていく。
心を通わせることは喜ばしいことなのに、とても悲しい。
美しいフランスの情景と終わりに近付いていく旅。
道中の人々との出会いと別れ。
美しくも儚く、そして強い物語でした。
素晴らしかったです。
Posted by ブクログ
前半にも増して後編、さらにエンディングに向けて最高の内容でした。思い出にこのる小説になりました。すでに次作も発売されており、本国(フランス)でも高評価のようなので読んでみたいと思います。
Posted by ブクログ
涙無しには読めなかった。
ジョアンヌの過去が少しずつ明かされて、
エミルの病状も悪化していって…。
最後のジョアンヌの決断は、とても勇気のいる、けど素晴らしい決断だったと思う。
私が最初に泣いた場面。
エミルがジョアンヌのことを誰だか分からなくなっていた時、エミルが言った言葉。
"「三つ編みならできるよ」
ジョアンヌは思わずにっこりしながらも、切なさを感じた。そういえば、エミルは、あの偽の結婚式のためにミルティユがジョアンヌの髪を三つ編みにしてくれたのをとても気に入っていた。"
…なんかもう、感想を上手く言葉にできない。
それくらいすごい読書体験だった。
800ページ超読み終わったのに、また最初から読みたいくらいだもん。
"Tout le bleu du ciel(空、はてしない青)"という題名がぴったりの小説だと思った。
これから空の青色を見たら、この小説を思い出すんだろうなと思う。
Posted by ブクログ
余命2年と診断されたエミルは、後悔しない生き方を選ぶ。短命を告げられたからこそ、彼は壮大な旅へと勇気の一歩を踏み出すことができたのだろう。その決断は、エミルの人生において何よりも濃密な時間をもたらしたに違いない。
旅に同行することになったジョアンヌは、エミルにマインドフルネスを教え、本の中の深い名言を分かち合った。それは、ジョアンヌがエミルに「物事を見る新しい目」を与える行為だったように思う。同じものを見ていても、人によって感じ方は違う。感性を高める目を手に入れたエミルは、より深く幸せを感じられるようになったのだろう。
心に闇を抱えた見知らぬ男女が出会い、旅を通して少しずつ絆を深めていく。やがて、切っても切れないほど深い絆で結ばれる二人。病に蝕まれ、記憶を少しずつ失い、体が弱っていくエミル。エミルとジョアンヌの間には、小さな別れが何度も訪れる。そして、二人が本当の終わりを迎えるまでの物語は、涙なくしては読めない。
大きな感動とともに、幸せの見つけ方を教えてくれる一冊だった。
Posted by ブクログ
物語を通して、愛するということに想いを巡らした。
下巻ではジョアンヌの悲しい過去が明らかに。
レオンの母親の言動の全てが不快でレオンの意気地のなさにやり場のない怒りを覚える。
一方で際立つのがジョゼフの偉大さ。ジョゼフそのものがジョアンヌにとっては愛そのものだった。
自分がもう長くないと悟ったジョゼフは、ジョアンヌに合図を送ることを約束する。
ジョゼフ亡き後、小さなトムまで失ったジョアンヌは、その導きによってエミルと出会ったのだった。
2人のキャンピングカーでの旅は、始めとてもぎこちないものであったが、いくつもの美しい場所で共に過ごす時間の中で、二人は次第に心を通わせていく。ささやかな食事のシーン、静かなモノポリーの時間、ジョアンヌがケーキの味わい方をエミルに伝授する場面など、前半の何でもない日常の数々が愛しければ愛しいほど、エミルが記憶を無くしていくにつれ、もう戻らない過去となって思い返されることが悲しかった。
愛しい人の思いを尊重しながら最後を看取るということは、どれほどエネルギーのいることなのだろう。
けれど、どんなに辛いことがあっても、ジョアンヌはジョゼフの導きを信じて動いたからエミルに出会い、エミルと共に支え合い、愛し合ったからこそ新しい命やエミルの家族と出会うことになった。愛が人を繋ぐ、美しい物語だった。
この作品に導かれて、次はアルケミストを読もうと思う。
Posted by ブクログ
翻訳でここまで読みやすいのはここ最近で1番です。
旅立ちそして新たな命。
旅はこれからも続くいくんですね。
じんわり沁みました。
素敵な作品でした。
Posted by ブクログ
純粋に感動した。
多少の疑問は残るが、それは日本人とフランス人の違いかな、と。
アルケミストを再読したいとも、思う
読み進めるに従って、下巻は辛い…
ジョアンヌの過去、結婚したい、父と一緒に住む、子どもができた!からの幸せの転落… ブルートムの誕生!アンドレ夫妻と夫のレオンがどうしようもなく耐えられない… 散髪のシーンは中盤最も辛かった…
きっとこのような大人の方が絶対数で、トムの心がのびのび育つように守るなんて至難の業
でもそれをやってのけるジョセフとジョアンヌの愛溢れる人間性、その対比が読んでいて辛い
さらに美しい山々を思い浮かべ、一緒に心踊る感覚でロードストーリーを楽しむ反面、エミルの病は進行していく…
エミルがジョアンヌと旅に行けて本当に良かった、そしてジョアンヌだから最後、約束をとるのか、やぶるのか、破ることはまちがいなのか?もうここら辺は大泣き…
最後の最後でジョアンヌが本当に幸せになれそうで心から祝福して読み終われれるこの話に出会えて良かった
2026 最高作品かな、作者の他作も読んでみたい!
【名言集】
今このときがほかのどんなときより優れている点がある。それは、今は私たちのものであるということだ。チャールズ・ケイレブ・コルトン(英18〜19c 聖職者
「命を生み出す前に、命を愛し、命を愛させなければならない」by ジョセフ
忍耐とは、最大の祈りだ by ブッダ
「風向きを変えることはできないのだから、帆を操縦できるようにならなければいけない。
ジェームス ディーン
非凡なことは平凡な人たちが歩く道の途中にある。
パウロ・コエーリョ
・毎日毎日がそのなかに永遠を宿している。
・合図に気づけ
・世界ではいつだって、誰かが誰かを待っている。
パウロ・コエーリョ『アルケミスト』
美しさとは見たもののなかにあるのではなく、それを見る目のなかにある
ジャン=ルネ・ユグナン(仏1936〜62 作家)
オパールには虹色に光る、色々な色に輝く特性がある、アボリジニの神話より
ある日、創造神が虹の上を滑りながら地上に降りてきた。地上に足を着けるやいなや、すべての石が虹と同じ色に輝きだした。オパールという石はこうして生まれた・・・・オパールはほかのあらゆる石の色と特性を併せ持つすばらしい石だ!
Posted by ブクログ
めちゃめちゃ泣いた。この小説に出会えて良かった。色んな男に苦しめられてきたジョアンヌが最終的に女の子を授かるけれど、結局はエミルという最愛の男も失ってしまうし、これは幸せなのかな?と疑問に思って、Geminiに聞いてみました。みなさんの解釈もお聞きしたいです。
愛する人を失い、小さな命とともに残されること。それを外から見れば、どうしても「残酷で不条理な試練」に見えてしまいますし、「それが本当に幸せと言えるのか」と立ち止まって考えてしまうのは、とても自然で優しい感性だと思います。
「幸せ」の定義は人それぞれですが、この物語における彼女の姿を考えると、いくつかの解釈が浮かび上がってきます。
1. 「傷つかないこと」ではなく「愛せたこと」の幸せ
人は誰もが、悲しみや失う恐怖から自分を守るために心に壁を作ることがあります。かつてのジョアンヌもそうでした。誰のことも心から信用せず、自分を守るために孤独を選んでいた時期の彼女は、傷つくことはなかったかもしれませんが、満たされることもありませんでした。
エミルと出会い、彼を愛し、彼のために心を痛め、そして失う。
そこには大きな苦痛がありますが、「誰かを心から愛し、信じることができた」という感覚そのものが、彼女の凍りついていた人生を温め、生き返らせたとも言えます。失う悲しみを知るほどの愛に出会えたこと自体が、彼女にとっての一つの救いであり、幸せだったのかもしれません。
2. 「他者から与えられる幸せ」から「自分で育む幸せ」へ
もし彼女が「エミルがずっと隣にいてくれること」だけを幸せの条件にしていたら、彼の死とともに彼女の人生は完全に終わっていたはずです。
しかし、エミルから受け取った無償の愛と信頼は、彼女の中に「自分自身と、生まれてくる命を愛する強さ」として残りました。誰かに依存して与えてもらう幸せではなく、自らの手で未来を作り、娘を育てていく強さを得たこと。それは、彼女が「被害者」ではなく「自分の人生の主役」として歩み始めた証でもあります。
結末をどう捉えるか?
「何事もなく平穏に、愛する人と添い遂げる幸せ」
という基準で測れば、彼女の結末は決して完璧なハッピーエンドではありません。
けれど、絶望の淵にいた一人の女性が、人生の最後に最高の光(エミル)と出会い、その光を糧にしてこれからの人生を自分の足で歩いていけるようになった――そう捉えると、そこには哀しくも美しい「再生の幸せ」があったのではないかと思えてきます。
あなたにとって「人が本当に幸せになること」とは、どんな状態だと思いますか?
Posted by ブクログ
気づいたら1週間で上下完読していた。登場人物それぞれの心情が交互に綴られていたり、日記が添えられていたりするからか、自分も物語の登場人物になったかのような気分で読み進められた。
だんだんとエミルとジョアンヌが互いに心を開き、心の奥に秘めていた辛い過去を共有し、互いがありのままの姿で入れるようになっていくその過程を見るのが楽しく読むのがやめられなかった。
死について考えさせられるが、それと同時に生きることの尊さ、美しさも教えてくれるそんな一冊だった。自分は死を迎える時どんな人、どんな環境に身を置きたいのだろうか、考えるきっかけになった。
Posted by ブクログ
とても美しい本。今を大切に、今を集中して生きる。瞑想について。素敵な格言の数々。美しいフランスの風景、人々との関わり、美味しそうな食べ物。人生で大切にしたいことをたくさん感じることができた。
どこか自然に近いところに行って、風や匂い、鳥の声などに耳をすませたい。
Posted by ブクログ
とても良かった。
詩集を読んでいるような、
自然に包まれているかのような読書体験だった。
読み終えてから数日経った今も
ジョアンヌとエミルの旅から私は戻れずにいる。
「死について話そうとしても、そこにはいつも生が立ち現れる」
グッときたな。
どう感想を書いていいか分からないくらい胸にきた。
Posted by ブクログ
上巻を読んでから、少し間が空いたけれど、続きの物語も美しく幕を閉じた。
「合図に気付け」この言葉は、深く胸に響いた。
こんな旅ができたら、幸せなこと、この上ないだろう
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若年性アルツハイマーを宣告された青年エミルが、心に傷を抱えた女性ジョアンヌとともに、最後の旅に出る。お互い知らない者同士だった二人は、自然の中で次第に心を通わせ、心の平穏を得てゆく物語。
とにかく、お前は無為な日常を過ごしていないかと問いを突き付けられているようだった。
ほかの人はどうかわからないが、ジョアンヌが指輪を2つつけている件が一番グッときた。
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若年性アルツハイマーを患うエミルと傷ついた心を抱えるジョアンヌが旅をするなかでの心の交わりや成長、旅を通して出会う人々との合流を描いた小説。
生きる、を感じられてとても読後感がいい。
優しいだけじゃなく、悲しいだけじゃなく
とても好きな作品!
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若年性アルツハイマーの進行具合と愛と。
ギリギリの数ヶ月とまだらな記憶と愛。
救いがないようで至る所で救われる。
ジョアンヌー!って何度も思った。
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久々に読んだ長編だったが、飽きずに読むことができた。大自然の美しさと一編の詩が描かれていて、人生の死と生を考えさせられる内容だった。レジリエンス(回復力)がサブテーマのようにも感じ、主人公エミルが、死と向き合う過程で、自然の中で自分の運命を受け入れていく成長や変化を感じ取れた。
読み応えはあるボリュームだが、読む価値のある本だった。電子書籍で購入。
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松浦弥太郎さんがトークショーでおすすめしており、帰り道にそのまま買って帰った小説。
人生はここまでうまくいかないよな、でもそれが小説だから成り立ち、美しい物語になっていくのも悪くないのかな、と思うようなエンディングでした。
心が動いたのは、
エミルがジョアンヌを愛してると気づいたとき(自分の毎日から抜け出したくて、もう全てを諦めて出た旅で、「もっと生きたい」と思う理由を見つけてしまった自分に気づいた瞬間)と、
エミルが亡くなる時にジョアンヌが自分も母親であったはずなのに、同じ母親に死に目に会えないという同じ状況を作り出してしまったという衝撃のとき。
旅は内省の時間が確かに多い。自分の人生に向き合う時間が多い。それがちょっと辛い時もある。日常をもっと大切にしたいと気づいて帰る。
最期に残るのは家族との思い出なんだな。私は娘たちに何かいい気持ちを残せる母になれているだろうか。
子供ができるというラストは、描写的にわかっていたけどちょっと綺麗すぎるなぁと思ったりもした。愛の物語にしては愛の描写が少ないような気もするし、でも愛の物語ではなく人生と旅の物語だもんなぁとも思った。
支離滅裂の感想だけど気持ちの整理のために今頭に浮かんでることをそのまま書きました。また追加で編集するかも。
瞑想の本も読んでみようかな。
Posted by ブクログ
件名:「最後の旅」をいっしょにしてくれる人を探しています
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『若年性アルツハイマーと宣告された男性、二十六歳人生最後の旅の道連れ募集』
二十六歳という若さで余命宣告を受けたエミル。余命二年。
延命治療を望む家族から離れ、知り合いの誰一人にも弱っていく自分を見せずに死んでいきたいと考える。そうだ!旅に出よう!だが、一人で死ぬのは怖い。そこでエミルは人生最後の旅を共にしてくれる人を掲示板サイトで探す。
たった一人、サイトへの返信を送ってきたのは とても小柄な若い女性。感情を表に出さず、自分のことを一切語らない謎多きジョアンヌ。
初対面、ぎこちない空気の中 二人はピレネー山脈を目指しキャンピングカーで走り出す。
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えぇぇぇ!!
私が母親だったら 余命宣告を受けた息子がある日突然 何も告げずに姿を消したら寿命縮む( •̥-•̥ )
というのが最初の感想でした。いやきっとエミルの家族も心臓張り裂けそうなほど心配はしてただろうよ。
でもね、エミルとジョアンヌが旅で得たものはかけがえのないものだったと読み終えた今は思える。
余命宣告を受けて、おまけに最愛の恋人にもふられたエミルは たぶん自暴自棄てかヤケっぱちで旅に出たと思う笑
かたや 何も語らないジョアンヌにも、生きる意味を見失ってしまうほどの悲しい出来事があることが明らかになって…。
そんな二人が 旅を通して心を通わせていく過程は、とても自然なことのように思えました。
雄大な景色。新しい出会い。家族へ宛てた手紙。記憶を無くした時のためにつける日記。
スマホの電源を切り、自分の内側を見つめ直す旅。
「死」というものが 常に隣りにある旅で 二人で過ごす時間は、残してきた人たちへの想いや、今 生きているということ、そして未来への「生」について希望を見つける。
“死について話そうとしても、そこにはいつも生が立ち現れる”
ロードノベルとしても、エミルたちの見た美しい自然を検索して想いを馳せたり…
読書家のジョアンヌがエミルに聞かせる名言に心を打たれたり…
旅の途中で可愛い仲間が増えたり♡ ฅ^- ·̫ -^ニャー
忙しい日々、驚くような速さで毎日が過ぎていく私たち。スマホの電源を切って ゆっくりと自分と向き合う時間にもなりそうな一冊でした。
で!やっぱり四十代最後に「一人旅」してみたい!って強烈におもってます(*´`*)
『もっとも偉大な旅人とは、自分自身を見つめ直すことができた旅人だ』
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人間が最後には消えてなくなってしまうものだとしても、傷ついて壊れては再生して、美しい景色を求めて歩き続ける。そんな生き方をとても美しいと感じた。
Posted by ブクログ
上巻でもすでに高評価で読み進めてきたわけだが、下巻ではジョアンヌのベールが記憶の思い出しとともにゆっくりと剥がされていき、なぜ黒服なのか、なぜ空を見上げているのか、そしてなぜエミルの旅に参加したのかが分かっていくとともにその深い悲しみと、そして慈愛がひしひしと伝わってくる。単なるフランス名所の観光物語ではなくなり、共に深い傷を負ったもの同士の慈しみに満ちた愛の物語へと一気に昇華していった。エミルの負った若年性アルツハイマーは日に日に深刻化し、記憶が飛び、身体機能が失われ、そしてついには現在の記憶が戻らなくなり少年時代に過ごした一番幸せだった頃まで後進してしまった。それでも結婚をして後見人として、そして約束を守ろうと必死のジョアンヌに次々に降りかかる試練。残酷だなぁと思いもするし、これほどのラブストーリーもないよなぁとも思うし、そして周りの人たちの優しさにも癒される。残りページが少なくなってくると、エミルの記憶を一瞬だけでも戻してって願いながら読んでたが、エピローグがまたきれいにそれらを補うかのように残されたジョアンヌ、そしてエミルの家族へと温かい想いが伝えられる。
恋人が死ぬ、余命もの、記憶が失われる物語など吐いて捨てるほど溢れている中でも、海外小説としてその風土や民族性なども含めてこの長編、ずっと集中切らさず読めた、そして感動した。
この本を紹介してくれた朝日新聞社の広告欄、ありがとう!
Posted by ブクログ
若年性アルツハイマーで余命2年を宣告された26歳のエミルと、人生最後の旅の道連れとなったジョアンヌが、キャンピングカーでフランスの山岳地帯を巡る物語です。
旅が進むにつれ、ジョアンヌが抱えてきた過去や苦しみが明らかになり、なぜ彼女がエミルと旅に出たのかが少しずつ見えてきます。その背景を知るたびに、「もしあのとき少し違っていたら」と考えさせられました。
読み終えて心に残ったのは、「受容」ということです。思いどおりにならない現実や相手をありのまま受け入れることは簡単ではありません。それでも、その先に新しい希望が生まれることを、この物語は教えてくれました。
伏線のように散りばめられた言葉が終盤で腑に落ちる瞬間もありました。悲しみの中にも深い温もりがあり、人を信じ、受け入れることの尊さを感じさせてくれる一冊でした。
Posted by ブクログ
上巻ではよくわからなかった同行者ジョアンヌの過去が下巻で明らかになるにつれ、彼女は人間的な深みを増していく。一方で主人公エミルの病状は進行し、二人の人生はすれ違っていく。悲しい物語ではあるが、最後までエミルの希望を叶えるように寄り添うジョアンヌの姿がピレネー山脈の美しい景色の中に描かれ、密やかな美しさを纏った作品だった。
彼女の行動は、自身の喪失を埋めようとする自己回復の欲求に端を発していることは間違いない。しかし、エミルの望みを最後まで叶えようと並走し続ける姿は、エミルと出会った頃のジョアンヌから大きく変わっている。
人はしばしば利己的な理由から他者と関わり始め、その関わりの中で本物の思いやりや献身に到達することがある。本作が描いているのは、そうした人間関係の変容の可能性なのかもしれない。
人は永遠に生きることはできず、残酷なまでの運命に引きまわされる。その不条理の中で、人と人を繋げる言葉や行動、ジョアンヌや父ジョゼフが示す生きる知恵が、世界を生きていくための象徴として機能している。「確実な手触りのあること」を頼りに、絶望に飲み込まれず生きていく姿がそこにはあった。
ただ、少しメロドラマチックな展開や、エコビレッジのような著者の指向が強く出すぎているきらいはある。また、パウロ・コエーリョの『アルケミスト』への言及が多く、未読の身としては少し仲間はずれにされたような感覚を持ったのも事実だ。
そうした気になる点はあるものの、全体を通して人間の弱さと強さを描いた良作であり、良い読書体験になった。
Posted by ブクログ
初の海外文学で、日本人とはテンション感や生活に馴染みないものが多くて面白かった反面、理解が難しかったり、混乱したりしてしまった。また物語にもあまりのめり込むことが出来ずに終わってしまった。前評判で期待しすぎたのがダメだったなと反省。ただストーリーは今まで読んだこと無かった余命×旅で新鮮だった。上巻はとても良かったのも含め総じて星3。
Posted by ブクログ
自分の最期を医療機関でチューブにつながれて終わりたくない。そう思う人は多いと思う。でも、それを実現させることは思っている以上に大変なのだ。
若年性アルツハイマーのエミルも、それを支えるジョアンヌも、それぞれの人生や生き方を貫いた。それには、たくさんの人たちが手を差し伸べてくれていた。二人の生き方に100%賛同はできないけれど、小説としては感動した。
Posted by ブクログ
途中から嫌な展開へと進んでしまった。エミルとジョアンヌは旅の同士でいて欲しかったんだけどな。エミルが家族に元には帰りたくないって言ったのも、彼のわがままにしか思えず、家族は心配しているだろうな〜と斜に構えてしまった。同伴したのがたまたまジョアンヌで、結果オーライなのかも知れないけど、看取りをお願いするって、かなりの負担。しかも赤ちゃんが、かぁ。◇まぁ、不満点ばかりあげたけど、旅の途中の人とのつながりや、風景の美しさは素晴らしかった(個人的にはセバスティアンの恋を応援してた)。