あらすじ
最後の日に。最愛の人と。
致命的な心の傷を、人はいかにのりこえうるか?
ささやくような美しい声で、答えてくれる物語。
(川上弘美 / 作家)
旅をするとき、人は同時に、命を見つめているのではないか。
(西加奈子 / 作家)
この“旅”の体験と記憶は、いつまでも失われない。
自分もいつかは“最高の旅”を誰かとしてみたい。
人生に終わりはないのだ。
(小島秀夫 / ゲームクリエイター)
どこまでも続く青い空と海。エミルとジョアンヌは、南フランスの陽光きらめく中を旅していた。猫のポックとの出会い、海辺での穏やかな日々、ジョアンヌのマインドフルネスの教え。時にぎこちなく、時に深く心を通わせながら、2人と1匹は静かに時を紡ぐ。しかし、旅は穏やかなだけではない。進行する病と薄れゆく記憶はエミルをゆっくりと蝕んでゆく。残されたわずかな時間の中、互いの存在を支えに進むキャンピングカーは最期の目的地へ。失うことの痛みと、それでも生きることの輝きを描く、愛と再生の旅路。
爽やかな筆致で描く、命と愛、生きる喜びについての感動大長編後編。
感情タグBEST3
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エミルの病状が悪化する毎日。
ジョアンヌの過去とエミルの思い出が
交互に描かれ、2人の想いに共感しながら
物語を読み進めることができた。
『普通』の関係とはいえない2人の周りには、
何故かいつも支えてくれる仲間たちがいるのも、
心穏やかに、癒されるところだった。
見ず知らずの旅人の2人に
なんでこうも優しく接することができるのだろう。
ジョアンヌの息子、ブルートムの話は苦しかった。
彼を思い続けるジョアンヌの母としての想い。
母としての強さ、優しさが最後の最後まで
表現されていたところが、
とてもカッコよく、世界中の理想の母親象だったのではないかと思う。
終盤、エピローグまで全部良かった。
最後はそうなんだろうなと思っていたが、
やっぱりこの結末になったことが、
同じ女性として相当に嬉しい。
子を持つ幸せ、子を持たない幸せ、
どちらも正解はなく、否定もできないのである。
登場人物全員の心のモヤモヤが、
最後は全てとっぱらえて、
気持ちの良い小説だった。
素敵です。
Posted by ブクログ
エミルとジョアンヌ。それぞれの過去に負った傷や抱えている問題をお互いの存在によって軽くできた旅だった。
フランスの地方の街や自然がその色彩と共に鮮明に2人の旅を彩っており、想像を掻き立てられる物語だった。
エミルは願った通りの最期を迎えられたし、ジョアンヌはエミルからの贈り物を受け取り、幸せな結末を迎えられて、とても後味のよいエンディングだった。
アルツハイマーの終末は酷いから、この物語ではどうなるのかと思っていたけれど、2人の周りには支えてくれる素敵な人達がいて、この結末で良かったと思えた。
2人がしていた、明言を壁に書いていくのも楽しそうだったな…
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旅を始めた時は「期待するものは何もない」と明るく快活だったエミルが、世界の美しさやジョアンヌとのつながりを知り、次第に自分の行く末を怖れふさぎ込むくだりは、胸が締め付けられるようだった。またジョアンヌが、トムを失った自分とエミルを失う母を重ね合わせて、「自分がしていることはまちがっている」と思う場面にもはっとさせられた。
自閉症のトムの母であり彼を失ったジョアンヌが、記憶を無くしていくエミルと出会い、互いに理解を深め合っていく様子や、子供に戻っていくエミルの描く絵が、ジョアンヌではなくて姉のマジョルリーであることなど、一つ一つのことがつながりをもって物語に深みを出しているように感じた。
姉のマジョルリーや両親が、エミルとジョアンヌの旅を理解してくれて本当によかった。エミルが亡くなるのは残念だが、未来に向けた明るい希望が見える、これからのジョアンヌやエミルの姉、両親の人生が楽しみになる結末だった。
心が満たされる読後感。間違いなくこれまで読んできた中で10本の指に入る、「この本に出会えてよかった」と感じるすばらしい作品だった。
Posted by ブクログ
まるで1本の映画を観たような感覚になった。フランスの大自然の情景が美しい文章で描かれ、まるでその場で一緒に旅をしているかのようだった。エミルはジョアンヌに出会ったことで、希望していた最期を迎えられ、ジョアンヌはエミルに出会ったことで、人生を取り戻した。上下巻あり、分厚い本だったが、体感としてはあっという間に終わってしまった感じがする。読み終わって胸がいっぱいで、涙が堪えられなかった。装丁も美しく、ずっと本棚に飾っておきたい作品に出会った。
Posted by ブクログ
エミルとジョアンヌの旅は続く。エミルの病状は着実に進行し、記憶の混同が起こるように。ジョアンヌは自身の悲しい記憶と少しずつ向き合い、心に変化が生まれていく。
そしてエミルは、ついにジョアンヌのこともわからなくなっていく…
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エミルはどんどん本来の自分を保てなくなっていく。すぐそばで支えるジョアンヌは、どれだけ辛いだろう。上巻でエミルとジョアンヌの信頼の深まりを感じていただけに辛い…。
それでも、エミルの望みを叶えようと最期まで向き合うジョアンヌは、本当の意味で強く、美しい。
命を全うする尊さと、愛の深さを感じる物語。
Posted by ブクログ
迫り来る「死」に向き合う人、「死」を見送る人、死が描かれるほどに、それに反して「生きること」がより濃く感じる。エミルとジョアンヌが出会った人、町、村、エウスのミルティユ、漁村のセバスチャン、パーマカルチャーの村のマルコ…どれもが必然で、2人を導いているようだった。
ジョアンヌが抱える過去は癒しようの無いほど深い傷で、それでもエミルとの旅、出会いを通して、ゆっくりと再生していく。一方、エミルの症状は悪化していくが、彼の望む形で過ごさせてあげようとするジョアンヌの献身に彼女の静かな慈愛を感じた。
最後の数章はぜひゆっくり味わってほしい。
ジョアンヌ!そんな状況でエミルの最後を見届けたのねとか、エミルの残したジョアンヌへの贈り物とか。
読み終わった後、世界中を何周も旅して人生を何度も繰り返して…それくらい心がいっぱいになる(語彙力のなさが悔やまれる)とんでもない本でした。
それから、ジョアンヌと父ジョゼフが時々語る名言が素敵で、どれも書き留めておきたい言葉。
『真の発見の旅は新しい景色を求めることではなく、新しい目を持つことだ』プルーストの一節
『もっとも偉大な旅人とは、自分自身を見つめ直すことができた旅人だ』孔子
『美しさとは見たもののなかにあるのではなく、それをみる目の中にある』フランスの作家ジャン=ルネ・ユグナン
『毎日毎日がそのなかに永遠を宿している』
『世界ではいつだって、誰かが誰かを待っている』パウロ・コエーリョ【アルケミスト】
【アルケミスト】からの言葉は最多。以前読んだ時より、この本を読んだ後の今読み返したら、味わい方が変わりそう。
Posted by ブクログ
長い長いロードノベルの下巻。読み始めた時にはその分厚さに圧倒されていたのに、読み終わる頃にはまだ終わらないでほしい、と思わされました。作者が最初につけたタイトルはそのまま使わなくて個人的にはよかったと思う。とても良いお話でした。これだから読者はやめられない。
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旅と共にお互いの事を知り、大切に時間を経たせていく。ジョアンヌの過去が少しずつ明らかになってその痛みに心がしめつけられ、記憶を無くしていくエミルの恐れと見守るジョアンヌの哀しみ、この2人の出会いと旅が奇跡だと思う。
美しい風景と美しい人間の心情、素敵な物語です。
Posted by ブクログ
二人の現在と過去の記憶が交互に語られる。穏やかな幸せが続く中でエミルの病状は急速に進行していく。「アルケミスト」の引用が散りばめられる中で、何度も胸が熱くなり最後は涙が止まらなかった。ここ数年読んだ中で一番美しく切なく、力強い素敵な物語だった。
Posted by ブクログ
新聞に紹介されてて迷いなく読みたいと思った。海外ものは訳され方によっては長く読むのが辛くなる場合があるけどこれは違った。原作が和訳に向いた作りなのか訳者が上手いのか。
次の作品も出るみたいだから読んで確かめよう。
それにしても素晴らしかった。あまりにも悲しい…あまりにも残酷、と思って読み始めたけど、これって理想の死に方じゃないかと思わずにいられないラスト。ジョアンヌに巡り会えたエミルは幸運だった、ジョアンヌもエミルに救われた。
ラストがたまらなくいい。主人公が亡くなって終わり…ではこの長い物語に入り込んで読んでいた読者はものなりないのだ、だからちゃんとお葬式にもこっそり参列してくれて、オパールの誕生も知らされることで心穏やかに温かい涙を流して読み終えることができた。
それにしてもエミルがマルジョリーに12月に出した手紙が素晴らしい。この手紙と、山小屋からジョアンヌが電話で「エミルはあなたと共にいました」の一言で遺された家族は救われたよね。
エミルの行動力とジョアンヌの忍耐力、おみごとでした。
Posted by ブクログ
上巻のつかみは良かったが、つかみと前奏が長い。
本格的に面白くなってくるのは下巻でジョアンナの結婚生活が明らかになってくる過程だ。哀しい前半生。
悲劇と悲劇のぶつかり合いになると思いきや、ジョアンナとエミルの新しい家族の話になってくる。若年性アルツハイマーのエミルと自閉症の息子を不慮の事故で亡くしたジョアンナ。
哀しみを舐め合うのではなく、お互いに理解しながら2人の仲を深めていく。村から村へ旅する2人。そしてどんどん深まるお互いへの理解と愛情。2人のラストクリスマスには涙が出てしまいました。(通勤電車の中で)予想通りエミルは亡くなって葬儀の場面で小説は終わりますが、思いもよらぬ形で新しい家族の話は続いていきます。
なんと、ハッピーエンドなんです。
読後の余韻が素晴らしい。
全然知らなかった作家さんだけど色々書いてるみたいだから別の本も読んでみたい。オススメです。
Posted by ブクログ
とても綺麗で、詩的で、それでいて若年性アルツハイマーの残酷さも描かれていて…
うちは病院で看取ったけれど、やっぱり母は1日でも長く家にいて欲しかったんだろうと思ったり、父はどう思いながら生きたのかと思ったり。読みながらでも現実はこんな綺麗に行くわけないと思ったり。
海外文学は値段も高いし、面白さがある程度担保されていないジャンルは手が出にくいが、単行本の時に出会えて良かった。
みんな救われたかはわからないけれど一歩進めそうな終わり方で救われた。
久しぶりに自分の中で「良かったわ」って感情が更新されました。
語彙力がないからうまく表現出来ないけど「満点」です。
Posted by ブクログ
オールタイムベスト級。この本に出会えてよかったとまで言える傑作でした。何が凄いって、面白すぎて上下2日間で読み終わってしまったこと。本当に集中した本でしかやらないぶっ通し読破だったので、自分が本当に好きな内容だったんだろうなと思います。
数々の名言集は、自分の人生の中でもふとした時に思い出せたら嬉しいな〜
Posted by ブクログ
本の中には度々瞑想やマインドフルネスをしてみる場面が度々あったが、私もこの本を読んでいると深く息ができるような、瞑想状態にあるような不思議な感覚を味わうことができた。
恐らく風景の描写が本当に綺麗で目に浮かぶようで、心を穏やかにすることができたのだと思う。
すごくすごく美しくて、悲劇的で、でも泣きながら笑顔になるような作品だった。
1番好きなシーンは、エミルが恐らく最後に落ち着きを取り戻して、微笑みながらジョアンヌの結婚指輪をいつまでもくるくる回すシーン。
なんだか愛を感じてしまって、このシーンを思い出すと泣いてしまう。
Posted by ブクログ
ティッシュ一箱いりませんでした
だけど、ポケットティッシュぐらいは使ったかもしれません
本作は決して悲しみの涙だけの作品ではありません
悲しみを上回る温かさや優しさをあたえてくれる作品だと思います
なので、ティッシュも一箱ではなくポケットティッシュでいけたのかもしれません
上巻から始まったエミルとジョアンヌの「最後の旅」
最初はぎこちなかったふたりだったが、旅を続けていくうちに互いに心を開いていくようになる
自分自身を見つめ直し、さまざまな出会いとともに心の安らぎを取り戻していくふたりだが、非情にもエミルの病気は進行していく
また、ジョアンヌの悲しい過去も明らかになる
そんな中、物語は「生きることの意味」「生の素晴らしさ」を伝えようとしてくる
「死」から「生」へ、「過去の悲しみ」や「未来への不安」から「今この瞬間の幸せ」へと
そして、物語はクライマックスへと向かっていく
(ここからはポケットティッシュが必要だろう)
余命2年と宣告されていたエミルは楽園から旅立つ
エミルにはエドモン・ジャベス(フランスの詩人)が残したこの言葉を贈ろう
『真の旅立ちの前にはどんな言葉もいらない。』と
そして、ジョアンヌはエミルが残したプレゼントと共に人生という偉大な旅を続けるであろう
もうこれ以上は書かない!
あとはティッシュ片手に本書を読んでください。゚(゚´Д`゚)゚。
箱ティッシュかポケットティッシュかはあなた次第です!
Posted by ブクログ
今年読んで良かった本、間違いなく堂々1位です。
下巻で変わっていく、主人公エミルとジョアンヌの関係性。
旅先で出会う人々との交流。
少しずつ明らかになっていくジョアンヌの過去。
そして号泣した最終章とエピローグ。
全てが良かった。
私にはジョアンヌのような優しさや強さはないけど、妊娠出産育児で自分自身と重なるものがあり、
息子のトムが、私の自閉症息子と重なるものがあり、ジョアンヌと一緒に喜んだり、泣いたり、怒ったり、すごく感情移入してしまいました。
トムの髪の毛を勝手に切ったシーンはめちゃくちゃキレました。健常の子では何ともないことだけど、自閉症の子にとってはおおごとなんですよね。
ジョアンヌの父親は専門家でもないのに、自閉っ子の接し方の本質みたいなのを分かっていて、本当に賢い人だったんだろうなと思います。
ジョアンヌ、ラスト3ページでびっくりしたけど、最後の最後まで、よくエミルを支えたね、頑張ったねぇ…(泣)
どうか幸せになってほしい。もう、一人ぼっちじゃないはず。
Posted by ブクログ
読み応えがありそうなページ数なので、
数日に分けて…と思っていたら物語に引き込まれて一晩で読み終えてしまいました。
瑞々しい風景の描写、懸命に生きる人々の美しさや愛。旅先で出会うひとの暖かさ。
私の琴線に触れました。彼らの旅に自分も加わっているような、そんな錯覚を覚えます。
エミルの生きた軌跡を読んでほしい。
記憶を失っていくエミルのそばに居続けた
ジョアンヌのことを知ってほしい。
エミルは記憶を失っていきつつも、ジョアンヌに大きな力を与えた。それはジョアンヌの希望となり生きる糧となっただろう。願わくばジョアンヌが幸せに暮らしてほしい。読み終えてそう思いました。
Posted by ブクログ
お見事!!
上下巻800頁以上の大作。上巻は、現在と過去を行き来しつつの序盤の展開に、どうにも乗り切れないもどかしさがあったが、下巻に入ってからの加速度は他に類を見ないほどだったかも。
若年性アルツハイマー型認知症を患う主人公エミルが、人生最後の旅にでる。 旅のパートナーをネットで募り、一風変わった女性ジョアンヌが名乗りをあげる。
いわゆるロードノヴェルのスタイルで物語は展開し、ピレネー山脈沿いを北へ南へ、風光明媚だったり、歴史ある集落、海辺で暮らす、どことなく優雅で気ままな旅だが、エミルの病状の進行に伴い失われていく記憶と、寡黙で謎めいた女性ジョアンヌの過去が明らかになる様子が、丁寧に描かれている。
若年性認知症というものを、具体的に意識したことはなかったが、記憶が一瞬途切れるとか、昏倒するほか、過去が混在し、今の自分が失われていくことの恐怖が、実に巧く描かれていて感心する。
確かに、そんな患者に日常生活を送らせては危険が伴う。ましてや旅するなんて、と思ってしまうが、エミルを支えるジョアンヌが、実に逞しい。
上巻のころによく発せられた「大丈夫」や、「覚悟はできている」という彼女の気丈な言葉は、実は表面的なものではなく、彼女のこれまで過ごしてきた時間から産み出されてきているということが、物語が進むごとに明らかにされていく。
青、ブルートム、レオン、過去と未来、ジョゼフ、そして旅先で出会った人々、ポック、母と子の関係、そして命とは? 様々な伏線が、ことごとく意味を成す。
ややスピリチュアルな世界観に偏りがちではあるが、終盤は、そう来たか!? の連続で、久しぶりに滂沱、だった。
要所で引用される名言(ジョアンナが父の教えとしてエミルに語ることが多い)の数々も、最初はちょっと、とって付けな感じもしていたのだが、だんだんハマってくるようで、良かったかも、
『アルケミスト』は、読まないとな!!
Posted by ブクログ
長い!けど、その長さは必要だと思わされる一冊。上下巻読んで感想を書きます。上下巻で800ページほどありますので、読書好き、小説好きの方におすすめです。
すごく簡単に概要を説明すると、傷ついた二人が強い勇気をもって、フランスを旅して、美しい自然や様々な人と出会うことで自分を見つめ直し、再出発する小説です。
上巻は元カノのローラとのあれこれが未練がましく記載されている印象で、テンポはあまりよくないと感じる部分もありますのでちょっと忍耐が必要です。
下巻になると主人公のエミルとジョアンヌの関係性がどんどん変わってきて、上巻より動きがあります。
ただ、ジョアンヌの過去、エミルの病状など、ヘビーな内容で読者も苦しい部分もあります。キーワードは青だなと思わされる話は下巻で出てきます。
エピローグでは、「いい人たちでよかった」と読後感はよいので安心して読み進められます。
■装丁がよい
全部読んで、表紙を見ると「あぁ!」と思うかも。なんで切手風なのだろうか。と思うのがヒントです。わたしは特に鳥の消印の日付が「あぁ!」ポイントでした。
■景色がよい
フランスの地図が上下巻ともに載っています。わたしは縁がないので、ピンと来ませんでしたが、わかる方はただ、描写を読む以上に楽しめるかと思います。訳者あとがきにも、景色の美しさについて記述があります。描写だけ読んでも清々しさやキラキラ自然が輝くような素晴らしい場所であろうことが想像できます。
■ジョアンヌの忍耐力
振り返ると3人の大切な人を短期間で見送ったジョアンヌ。心が崩れても崩れても、見送った人たちからの合図をキャッチして、また再出発した姿が印象的でした。この先は、彼女が思うような旅ができてほしいと思わされました。
Posted by ブクログ
若年性アルツハイマーと診断され2年の余命宣告をされた青年エミルが、何もかも捨てネットで知り合った女性ジョアンヌと最後の旅に出る。行く先々で人と触れ合いジョアンヌとも心を通わせられるようになり、全て捨てたのに、再び多くの絆を抱えたがために病に怯える。でもそれらが全て優しさ、思いやりに昇華し、読み終わった後は心が揺さぶられ、とても暖かいものに包まれた気持ちになった。エミルはジョアンヌを癒し、ジョアンヌはエミルを癒した。そしてジョアンヌはエミルの家族を癒しエミルの家族はジョアンヌを癒した。率直に相手を思いやる気持ちが繋がっていき、暖かい世界に包まれたんだと思う。
Posted by ブクログ
SL 2025.11.27-2025.11.29
アルツハイマーという病気の残酷な現実が辛くもあるけど、最後の瞬間にジョアンヌがエミル本人だけでなくエミルのお母さんのことを思いやる場面がとても印象的。
Posted by ブクログ
800ページ以上ある長編で、結末が分かっているけれど、下巻に入りエミルの症状が悪化していき辛い部分もあるけれど、2人の関係性が変わっていく様や美しい風景描写、旅先の人の温かさにより、難なく読み終えることができた。パウロ・コエーリョの「アルケミスト」を読んでみようと思います。
Posted by ブクログ
「読後感」という言葉があるように、物語を読み終えた後には様々な感情が渦を巻く。爽やかさ、悲しみ、怒りなど、感情的な余韻が残ることが多いが、本作品を読み終えた私は、何より「小説っていいな」という気持ちになった。
エミルとジョアンヌの旅は下巻に入っても止まることなく続いていく。新しい土地、新たな出会いを重ねる中で、私も彼らと同じように新鮮な気持ちと高揚感を味わった。しかしそれと同時に、エミルのブラックアウトの回数も増えていく。当初は混乱し、パニックを起こしていた彼も、次第にその現象を受け入れ始める。その姿がとても寂しく、切なく映った。
彼の目で見た風景、肌で感じた温度、ジョアンヌや旅先で出会った人々との思い出は、ジョアンヌと読者の記憶として確かに残っているのに、当事者であるエミルの中からは消えてしまう。その現実が痛ましく、やるせない。そんな中、最期の記憶として彼のそばに居続けたのが家族だったことに、深い愛の存在を感じた。
下巻で最も印象に残った場面は、エミルがジョアンヌに「なぜ指輪を二つはめているのか」と問いかける場面。彼女の探るような、誰も傷つけないやりとりと、彼の純粋な言葉が切なくも愛おしい。この場面を最後に、彼の中から「ジョアンヌ」という人物の記憶が消えていく。彼女のそれを受け入れる覚悟と、彼に対する深い愛情が、あの短いやりとりに凝縮されていたように思う。
二人は一旦別々の道を歩むことになる。けれど、エミルにはトムが、ジョアンヌには生まれてくる子どもと旅の中で出会った人々が寄り添っている。だから、きっと寂しくはないだろう。
二人が見た景色、紡いだ思い出は、私たち読者の記憶の中に蓄積されていく。それによって、私自身も彼らの旅の同行者になれたような気がした。
Posted by ブクログ
ベタなプロットではあるが、邦画によくある「お涙頂戴モノ」とは一線を画す物語に最後まで魅了され続けた。
最後、ジョアンヌはエミルと心中するつもりで山に入ったはず(違うかな…?)だが、その心中の変遷が描かれていない。
レオンとその両親は究極のヒールであるが、…
Posted by ブクログ
今年の読書体験ベスト1は「両京十五日」かと思っていたが、違った。この本が暫定1位になった。なんと美しく、愛おしい物語だろう。圧倒された。
エミルは26歳。若年生アルツハイマーにかかり、余命2年を宣告されてしまう。
残りの人生を医療機器に繋がれ、家族の負担になって過ごしたくないと考えたエミルは、家族にも告げずキャンピングカーで旅に出て、1年で60年分の経験をしようと決心する。
ただ、自分の身体のことを考え、同行者が必要だと思い、ネット掲示板に「最後の旅」の同行者を求める投稿をする。誰からも反応はないだろうと思っていたところ、ジョアンヌという29歳の女性からそれに応じる旨返事が来る。
エミルが半信半疑で待ち合わせ場所に向かうと、そこで待っていたのは大きな帽子を被り、くるぶしまである黒いロングワンピースを着て、大きなリュックを背負った、表情が乏しく口数の少ない小柄な女性だった。
ぎごちない会話を交わしながら旅を始めた2人が向かったのはピレネー山脈だった・・・。
人生の終わりに向かうエミルと、人生を先に進めようとしているジョアンヌの物語が、美しいピレネー山脈の風景を背景に進んでいく。スマホもネットもない世界での2人の生活は、心のデトックス。
Googleマップで2人が訪れた地をひとつずつ検索し、ストリートビューや写真で彼らが見たと思われる風景を辿りながら読み進めた。そうせずにいられなかった。読んでいて、2人にこの時間をいつまでも過ごさせてやりたいとさえ思った。
少しずつ消えながら人生に別れを告げるつもりだったエミルだったが、ジョアンヌと旅を続けるうちに再び毎日が輝き始める。だがそれが生への執着を甦らせ、逆にエミルを苦しめることになってしまう。
やがて2人は気づく。過去は忘却の彼方へと去り、未来も残されていないエミルにとって、心の平安を得るには「今」を生きるしかないことに。でも、これって結局のところあらゆる人間に当てはまることではないだろうか?
人生と死を正面から見つめる物語。
ラストには暖かい涙が流れた。
Posted by ブクログ
上下通して大自然を最後の旅、とするのは良いなあ、という描写が続く。自然の描写はとにかく引き込まれる。
ただ主人公ならず一緒に旅する女性もまあ身勝手。心配する人はどこ吹く風で旅に逃げる。最後感動はしたものの終始その点が気になった。
Posted by ブクログ
上巻に比べたら
さくさく読めた
世界の人々は
あらゆる場面で、ぴったんこな名言を
ポッケから出すみたいに簡単に口にできるのか
名言なんて1つも捻り出せんのだが
ダメ人間なんだろうかと己を顧みる
アルケミスト、読んだことあるけど
フーン…としか思わなかったな…
感受性、だいぶ足りてないのかな…
それはともかく
上巻では男主役の元カノがヤな奴で
下巻は女主役の元旦那がヤな奴だった
どっちの主役にも
はよ目を覚ませや!って言いたい
それもともかく
男主役目線だけで進んでた上巻から
女主役目線が突然割り込んできて
また男主役目線に戻ったり
最初から両方あれば気にならないけど
…
…
いや今気づいたけど
なるほど、女主役目線の増え方は
男主役の記憶がなくなるのに
反比例してんのか
な?
全然違うかも
特別な感想を抱かなかったけど
とても読みやすい邦訳だったし
時間はかかったけど飽きなかった
星はフツーの3つ