あらすじ
最後の日に。最愛の人と。
致命的な心の傷を、人はいかにのりこえうるか?
ささやくような美しい声で、答えてくれる物語。
(川上弘美 / 作家)
旅をするとき、人は同時に、命を見つめているのではないか。
(西加奈子 / 作家)
この“旅”の体験と記憶は、いつまでも失われない。
自分もいつかは“最高の旅”を誰かとしてみたい。
人生に終わりはないのだ。
(小島秀夫 / ゲームクリエイター)
どこまでも続く青い空と海。エミルとジョアンヌは、南フランスの陽光きらめく中を旅していた。猫のポックとの出会い、海辺での穏やかな日々、ジョアンヌのマインドフルネスの教え。時にぎこちなく、時に深く心を通わせながら、2人と1匹は静かに時を紡ぐ。しかし、旅は穏やかなだけではない。進行する病と薄れゆく記憶はエミルをゆっくりと蝕んでゆく。残されたわずかな時間の中、互いの存在を支えに進むキャンピングカーは最期の目的地へ。失うことの痛みと、それでも生きることの輝きを描く、愛と再生の旅路。
爽やかな筆致で描く、命と愛、生きる喜びについての感動大長編後編。
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Posted by ブクログ
「赤い水玉の白いワンピース」で星5。
これは、恋愛小説じゃなかった。
終盤は涙。
エミルは死んでしまうのだから、泣く覚悟はしていたけれど、思っていたのとは少し違う結末だった。
上巻では、ジョアンヌが謎めいていて、期待感が膨らむ。先を読み進めたい衝動にかられ、星5。
下巻では、次第にジョアンヌの物語が明らかになっていく。種明かしをされてしまうと、もしかしたらイマイチだったかも...なんて、がっかりしかけた。
アルツハイマーの解像度が気になったり、ジョアンヌの積極的な感じにちょっと引いてしまったり。
それなのに、最後まで読んで、やっぱり星5。
いい小説だった。
母親の愛に目を向けてくれて、ありがとう。
Posted by ブクログ
絶対に家族の元に帰してはいけないと約束したけど、だんだんと記憶が昔に戻っていくエミル。ママやマルジョと呼ばれたり家に帰りたいと言われ続けて最後家族に電話するまでジョアンヌよく頑張った。もちろんエミルも!!
家族を失い続けたジョアンヌの辛さや日に日に周りのことがわからなくなっていくエミルを見ていると、日々幸せなことばかりじゃないけどもっと小さな幸せに気付いていかなくちゃいけないことを気付かされた。読んでいく度に過去の記憶や病気の不条理さに辛く悲しい気持ちになっていくけど、それと同時に美しい景色や人の優しさや今ある幸せに温かい気持ちになれる小説だった。
強いていうなら、エミルの実家に部屋作ってくれてたのはよかったからそこには妊娠してないただ最後の旅を一緒にしたジョアンヌとして行ってほしかったなと思った。
Posted by ブクログ
下巻はあっという間で一気読み。
読んでいる間はエミルとジョアンヌとフランスを旅したような気持ちになって、自分にとっても素敵な時間を過ごせました。
始まりはエミルの最後の旅という目的だったけど、ジョアンヌにとってもジョセフとの約束を果たすという目的があったとわかって納得できた。
そこからはもうあっという間で最終盤にエミルとの約束を果たす過程で、ジョアンヌは改めてトムとも別れを告げられたのかなと解釈。そのおかげでエミルの両親に場を提供することもできたんだな。エピローグの妊娠諸々はおまけっちゃおまけだけど美しかったし、こうやって命は続いていくと親になってしみじみ感じた。
リメンバーミーで死者は記憶の中で生き続けるとあったけど、エミルもジョセフもトムもジョアンヌが覚えていたり、語り継ぐ限り生き続けるし、自分も身の回りの人のことは覚えたりたまに話したりしたいなと思った。何より大切な人には自分からアクションして会話しなきゃな。。
個人的にはジョセフがかっこいい父ちゃんすぎてダントツで好きなキャラでした。映画化するならジョセフを1番かっこよく映してくださいネ!!!!
Posted by ブクログ
最高に良い物語でした。
アルツハイマーって本当に恐ろしい病気だし、自分がもしエミルだったら、、とかジョアンナだったら、、または家族だったら、、と思うと、読みながらつらい気持ちになった。
でもそんな中でも冷静に、暮らしを積み上げて、そして、最後まで付き合ったジョアンナは本当にすごいし、過去のシーンも本当に切なくて辛くて。
なんでそんなに悲しい経験ばかりしなきゃいけないんだ、、とも思ったけど、エミルとの生活の中にも、彼女の中で救いがあったり、幸せがあったり、最後のお姉ちゃんとのシーンで嬉しいサプライズがあって、本当に読者である自分も救われた。
確信はしてたけど、やっぱり号泣してしまった。
悲しいけど、切ないけど、温かい、とてもステキな物語だった。
本屋大賞とったのも大納得。
帯を書いてる方々も著名な人ばかりで、でもそれも納得。
あとは、瞑想、やってみたいなと思った!
Posted by ブクログ
若年生アルツハイマーの青年と心に傷を負った女性のキャンピングカーの旅。2人は家族から離れることを望んだが、その旅の中で他者に助けられ、壮大な自然を感じて自分たちの傷を癒していく。それに比例して病気の進行はすすみ、最後子を亡くした母としてエミルの母親に連絡して家族が看取る。
途中の病気の進行で幼児退行してしまったり心臓の病気だったり、最後にエミルが亡くなってしまうことが最初からわかっているからこそ今まで築いた2人の関係性がエミルの中から失われていくのがとても辛い。最後にエミルのお母さんに電話したジョアンナの決意が素晴らしかった。エミルとジョアンナに最後言葉はいらなかったんだね。徐々に明かされて行くジョアンナの過去、ブルートムって息子だったんかと驚き、素晴らしいお父様や夫のレオンの意気地がないことよ。
お父さんが死んだ後もジョアンナに合図を送るとか、ノートを通じてジョアンナが1人にならないようにするエミルだったり、やっぱり人って独りでは生きていけないんだな、ジョアンナ愛されてるな。
途中で2人が性的交合をしたのは解釈違いだなぁって思っていたけど最後の妊娠でそうだよエミルはローラと結婚して幸せになりたかったよなって腑に落ちた。家族としてどんどんつながりをもちエミルもその中でジョアンナのそばにトムといてあげてるって考えたいね。
Posted by ブクログ
ちょっと昔、「インドに行って自分探しをしてくる」みたいな言説が流行った時期があって
それに対して「いやいや、インドで見つかる自分ってなんだよ(笑)」というカウンターまでがひとまとめだったのだけど。
よくよく考えてみると、インドという何もかも今までの常識が通じない場所に自分がどう対応するか……の部分がいわゆる「自分探し」なのだなぁ、という考えがふと思い起こされた。
この旅は、同情されたくないというエミルの逃避的な行動から始まっている。
旅の中では予測できないこと、自分からは出てこなかった発想、見ようと思わなかった景色、そんな様々な出来事が起きていく。
エミルもジョアンヌも人生に傷を抱えていたけれど、旅の中で新しい価値観に触れそれを昇華する。
まぁ確かに、あてのない旅は放浪と呼ばれ、帰る場所があるからこそ旅と呼ばれるのですね。最後の最後にエミルは家族のもとに帰ったのだと……。
人生はただの記憶の積み重ねではなく、青が持つ深さのように無限の意味を持っているという希望にあふれた物語でした。
つかジョアンヌがヒロインとして完璧すぎてな。エミルはなぜあんなにローラを引きずっていたのか……。
Posted by ブクログ
前編を読み終えた時点ではエミルの人生についての物語になると思っていたが、親子愛についての物語だった。
ジョアンヌがトムにしてあげられなかったことを、エミルの最期にエミルの両親にさせてあげることができた。
それはこの旅で2人が過去を乗り越えて、愛し合ったことによって得た気付きであり、ジョアンヌからの最高のプレゼントだったと思う。
そして、ジョアンヌには時間と新しい命が残されている。トムやエミルと再会するその日まで、ジョアンヌとその子が自分らしく生きていってくれることを願っている。
Posted by ブクログ
良い終わりだった
ジョアンヌを見守ってくれる、側にいてくれる人間が居てくれてよかった
翻訳本はあまり読まないのですが、読みやすい文章で気楽に読めた