【感想・ネタバレ】色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年のレビュー

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大学時代、一方的に親友4人に絶縁を宣言された多崎つくる。過去を乗り越えるため、36歳になった彼は絶縁の理由を求め元親友たちを訪ねます。次々と明かされる絶縁の真相と深まる謎。衝撃の結末に読み返さずにはいられない作品です。
恥かしながら村上春樹作品をきちんと読んだのはこの作品が初めてでした、好き嫌いが分かれると聞いていましたが、面白さのあまり止まることなく一気に最後まで読み切りました。
私がこの作品をおススメしたいポイントは、解釈が無限に存在するというところです。私は読み終えたとき興奮が冷めやまず、勧めてくれた友人に連絡しそのあと2人で結末について長らく議論を交わしました(笑)
読めばその回数だけ新しい発見があるはずです。あなたもぜひ新しい解釈を見つけてみては^^

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ユーザーレビュー

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Posted by ブクログ 2022年06月03日

人の心と人の心は調和だけで結びついているのではない。それはむしろ傷と傷によって深く結びついているのだ。痛みと痛みによって、脆さと脆さによって繋がっているのだ。悲痛な叫びを含まない静けさはなく、血を地面に流さない赦しはなく、痛切な喪失を通り抜けない受容はない。それが真の調和の根底にあるものなのだ。

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Posted by ブクログ 2022年05月27日

久しぶりの村上春樹。
はじめは硬派だなと思っていたけど、だんだん1Q84を思い出す展開になってきてあー!懐かし!ってなった。
この程よいエロさがウケるんだろうなあ。あと文体が気だるくておしゃれな雰囲気なのも。とにかく旧友にばったり会った感じで嬉しかった。
どうやら海辺のカフカも読んでいないので、騎士...続きを読む団長殺しも含めるとこれから文庫本6冊も楽しめる!!めっちゃ嬉しい!

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Posted by ブクログ 2022年05月07日

消化に時間がかかりそうです

人の謎、指の謎、情景の謎、
どんどん読み進めたくなるのに消化が追いつきません

思わず人と話したくなる
余韻を楽しめるのが私にとっての村上春樹作品です

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Posted by ブクログ 2022年04月07日

つくるくんは考えすぎる人だと感じた。特に最後の方で沙羅にもう少しで会えるというのに電話をかけているシーンは、あまりのもどかしさに声を上げてしまった。でも人間はやはり彼くらい考えているものだと、今は思う。人が考えていることを詳しく細かく書くと、彼のような思考の文章になるのだ。私は自分の考えを整理し、詳...続きを読むしく表現出来ないから、つくるくんが考えすぎな人間で、実際にはこんな人間いないと感じた理由だ。私の思考も村上先生に書き出してもらったら、こんな風になるのかなぁ。
つくるがクロに会いにフィンランドに行くシーンは良かった。外国に行きたくなった。
話の構成が分かりやすくて、ぐんぐん読み進んだ。村上先生の文章は読みやすくて、安心感がある。それはやはり生きる名小説家だからだと思う。

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Posted by ブクログ 2022年03月25日

約30年ぶりに読んだ村上春樹の小説。
「走ることについて語るときに僕の語ること」と「職業柄としての小説家」を読んだ後、久方ぶりに戻ってきた。
夢中になって村上作品に読み耽っていたあの頃から歳月を経て、心身も環境も大きく変わったにもかかわらず、頭の中で巡る思想や思考は20歳の頃と変わらない感覚が甦った...続きを読む。自分が成長していないのか、自分の根底にあるものは変わらないのか、それとも村上春樹の文学が一貫しているということなのか。
いずれにしても、遠からず次の作品を読もうと思う。

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Posted by ブクログ 2022年02月17日

なんとなくだけど、普段の村上春樹よりもストレートな孤独とかネガティブさの表現な気がして、終始あーわかるーと思いながら読みました。
わかってるけど、自分の目からしか見えない世界だから、本物とか真実とかそういうことを考えててもしょうがないなぁ。悲しいのも傷つくのも、楽しいも幸せも、みん...続きを読むな自分が作ることなんだと改めて思わされます。
私の感情はそんなこと考える暇もなく、瞬間湯沸かし器みたいに変化するけど。

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購入済み

(匿名) 2019年11月27日

 リストのピアノ曲「巡礼の年」。IQ84の「シンフォ二エッタ」と同様に小説を通して常に流れている象徴的な曲である。ピアノ演奏をネットからダウンロードして聴いた。リストはあまり聞いたことがなかったけど、その特徴的な旋律に感銘を受けた。
 村上春樹は多崎つくるを通して何を表現しようとしたのか?彼は村上...続きを読む春樹の長編小説の主人公の性格を踏襲している。
 主人公は三人の高校時代の元友人を訪ねるが、クロの場面が最も印象深く描かれている。

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Posted by ブクログ 2022年08月08日

初めましての村上春樹。
意外と読みやすかった。
なぜハルキストという言葉が生まれるほどの魅力を感じるのか、自分にはまだよく分からない。
ハルキストの方には申し訳ない。

過去の傷って何年経っても尾を引くよね。
正直いってその原因は本当に気の毒なんだけど、だからといって許される理由にはならないと思う。...続きを読む

彼が幸せであることを願う。

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Posted by ブクログ 2022年06月16日

共同体から弾き出される恐怖や孤独感を、乗り越えたというよりは封じ込めるようにして、少年が大人になった。
その経験から16年後、彼らを巡ることで、蓋をして閉じ込めたトラウマが、大切な彼の一部となっていく。心が蘇っていくような過程で、コントロールできないほどの激しい感情を持つことができたのは、過去を乗り...続きを読む越えたからこそだと思った。
物語も面白かったが、登場人物たちの個性に引き込まれるようにして読んだ。

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Posted by ブクログ 2022年06月11日

R4.6.4~6.11

(感想)
久しぶりに村上春樹さんを読みました。
読みやすかった。
昔の著者の物語に比べるとストーリーにつじつまがあっている気がしましたがどうでしょうか。記憶違いでしょうか。
以前のファンタジーなものも好きだったのでそういったものもまた見てみたいです。

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Posted by ブクログ 2022年06月06日

揶揄されることも多いハルキストですが、僕はこんなにも薄い、氷のような、膜のような複雑な心理描写が出来るのはこの人だけではないかと思っています。描けるものの種類と、その形という点で今作も含めて圧倒的なオリジナリティ。迷い込んだまま居心地がいいので棲みついてしまう。

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Posted by ブクログ 2022年05月23日

境界を越えて戻ってこない越境者たち。
日常からめくれのぞいている闇。
理由を知りたく境界の際まで潜ってみるが、
その根源的な理由はわからず
残された者に深い傷を残してゆく。

欲望という「実存感」を持つ「非存在」とどのように向き合うか。
自己が傷つきながらも、それと向き合和なければ、
他者を傷つけ続...続きを読むけるだろう。
(ついつい、現代の流れで、そのような「非実在性」を無いことにするのはとっても危険である。)

残されたものは、根源的な謎や無意味の中で、
「ささやかで大切なもの」を見出し、
調和(完全さ)ではなくむしろ傷(不完全さ)が
人の心を結びつけることに気づく。
そして不確定で不恰好な現実、俗世を歩いていく。

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Posted by ブクログ 2022年05月01日

自分自身は自分のことをなにもない、無個性だって思っていても他人からしたら魅力の塊だったりするんだよな
全てから拒絶されても生き抜くことができたつくるは強い
クロとの再会のシーンが好き
フィンランドの広大な自然の中でのんびり陶芸しながら生きるのいいなあ
人と関わることは痛みをもたらすものだけどそれを乗...続きを読むり越えて成長していくんだと思った

ハッとさせられる言葉が何個かあった
題名がすごく綺麗で素敵
村上春樹の本をしっかり読むのはこれが初めてだったけど思ったより読みやすかった、もっと読んでみたい

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Posted by ブクログ 2022年04月04日

色を持たない…色彩の話をしているのか、漢字の話をしているのか、すでに無意識の中に入り込んできている。
夢の中に誘い込もうとしているのか、私たちの夢の中に入り込もうとしているのか。
最終的な結論はいつも人間は理解不能だなーということで、自分についても人間についても、全てを知りえることは不可能だな、とい...続きを読むうこと。意識の限界を突きつけてくる。
そんな夢の世界とか、想像の世界、無意識がどれだけ意識して生きているつもりの現実の世界に影響を与えているのか。
それほど読み込んでいるわけではないけれど、そんな感じがやっぱりする。

多崎つくるというパレット上で、自分の劣等感と、人間不信と、それでも自分を肯定したい思いと、信頼し合える誰かとつながりたいという願いとかなんかいろんなものが混ぜ合わされて、なんかその混沌自体をいったん認めることができたような感じ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年03月17日

村上春樹の作品を読んだのは三作目で、分かったような気でいて分からないところも多かった。
しかし読みはじめると、止まらなかった。

奥底にしまいこんでいた過去と向き合う中で、現在の彼らや自分自身と向き合っていく。そんなつくるの姿を自分と重ね、何度も苦しくなった。
つくるを羨ましく思った。色彩のない、空...続きを読むっぽな人間だなんていっさい感じなかった。確かに心の奥のほうで流れ続ける血はあっても、それが今のつくるを生み出すすべてではない。死んだように生きてきたかもしれない。でも、しっかりと生きてきていた。好きなことを仕事にし、目指していた自分の道を進んできた。それがとても羨ましかった。
過去と向き合ったことで、今度は良い意味で生まれ変わったつくるの人生がここから再び始まるんだろうな。アオもアカもエリも今までと同じようにしっかりと生き続け、去ってしまった灰田も、何かに殺されたユズもまたどこかで生き続けているんだろうな。
そして、最後まで掴みどころのなかった沙羅。「好きだ、君がほしい」と言われて、拒むことも「その言葉が欲しかったのよ」と受け入れることもない。彼女はどんなものを抱えて生きてきたんだろう。とても気になった。

痛みを痛みと感じることが大切なんだな。私も少しずつ、向き合っていきたい。冷えきった芯を溶かしていきたい。
私は、私の背中を押してくれる人をずっと待っているのかもしれない。沙羅が過去の傷と向き合うことを勧め、エリが現在のつくるが沙羅と向き合うことを勧めてくれたように。壊れそうな私に気づいて、道を示してくれる人をずっと求めて今も私は生きている。

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Posted by ブクログ 2022年03月19日

自分のライフステージ的に1番必要としている時に読んだのだと思うが、この本の中の言葉は自分にとって、大きな気づきや救い、学びに溢れており、自分の人生の大きな助けとなった。

たとえば、

限定された目的は人生を簡潔にする

歴史を隠すことはできても、変えることは出来ない

などといった言葉たち。自分が...続きを読む前に進み出すための後押しとなるような言葉に出会うことができ、自分はとてもラッキーであったと思う。

覆い隠して無かったことにしてしまいたかった過去に改めて向き合い、真実と対峙することにより、新たな人生を自らの手で切り開き、進んでいく。死に近づき、ほぼ同化するまでにギリギリの状態にまでいき、そこからの再生、生まれ変わり。思春期の状態と絡めてなんだか一つ一つのエピソードや言葉が、前回読んだ時にくらべて深く心に染みた。改めて、本とは、読む時期、自分の状態も大きく影響するのだなと理解出来た本でもある。

また新たな宝物に出逢えた気分

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年03月09日

色彩のある名前やそれらの人々を巡に訪ねて行くという構成だけを考えればなんともチープな進行だろうと思ったがこれはこれで冒険的で分かりやすくていいと思う。

最もしっくりくる部分はどれだけ調和が取れていたグループだとしてもそれが永遠ではないことを説いているところだ。やはり友人というのは「絶対」ではない...続きを読むと深く思う。
じゃあ家族とか肉親なら絶対的な存在かというとそれもまた微妙な気がするが…

内容自体は登場人物がひとつの演劇のように言いたいことを言ってフェードアウトしていくため大体のことが明かされないまま小説が終わった。
シロの死因や灰田のその後、沙羅の人間関係など気になる部分はたくさんあるがそれを全て仔細に描かれないところがこの作品、というか村上春樹らしさだと思う。こちら側に考える余地を与えるところがこの作品の良さだと思う。
だけど、6本の指関連のエピソードは個人的に全く刺さらなかったから何か教訓があるのなら教えてほしい…

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Posted by ブクログ 2022年03月07日

のらりくらりと上っ面だけ触れて、肝心なところには触れないかんじ。
外堀を埋めて、本質を浮かび上がらせるかんじ。

シロを殺した人は誰?灰田はどうなった?
緑川の話は一体なんだったの?
やけに協力的なサラの本当の目的は?

「色彩を持たない多崎つくる 犯人」で検索すると、なかなか面白い考察を見ることが...続きを読むできる

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Posted by ブクログ 2022年02月13日

『ノルウェイの森』を読み終わった時のような独特な読後感に再び浸りたくなり、購入。
ネット上で飛び交う考察に、かなり動揺している。

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Posted by ブクログ 2022年01月24日

蓋をした想いとか、向き合いきれなかった心の傷とか、繋ぎ止められなかった関係性とか、信じていたはずのこととか、そういうのがあってもいいんだと思えた。全てが時の流れに消えてしまうわけじゃない。でも、しかるべきタイミングで、それらをクリアにして前に進む勇気が持てたらいいなと思う。
そして、自分は被害者だと...続きを読む思っていたら実は加害者でもあったということは往往にしてある、そういうことは忘れずにいたい。

伏線がこれほど回収されないのは村上春樹特有な気がする笑、でも作者の描く生き生きとした人物たちが好き。
「生きている限り個性は誰にでもある。それが表から見えやすい人と、見えにくい人がいるだけだよ」(p. 358) 。自分以上に自分の色を認めてくれる人たちがいることは、どんなに幸福なことだろうと思う。

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Posted by ブクログ 2022年01月21日

3つくらいスッキリしてない気がする!
と思いつつ、それはそれでいいのかな

曖昧なまま終わったほうが美しい
とする人たちもいるんでしょうね

何となく再読した1冊でした

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年01月16日

村上春樹の作品を初めて読んだ。終盤のつくるとエリの再会のシーンがとてもよかった。好きなフレーズもたくさん見つかった。

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Posted by ブクログ 2022年05月12日

突然の仲間外れ。自分は被害者で傷つき忘れようとしていたが巡礼によって、決して嫌った訳じゃなくてそれぞれ葛藤、悩みがあった。本当に聞いてみないと分からないことだらけなんだろうな。
色、個性がない空っぽの人間だからこそ、みな入っていけるなどの文節ではそうかもしれないなと思った。多崎のこれからがどうなった...続きを読むのか気になる!
またこの物語は、思想や哲学を超越した世界観だなと感じた。

普段古本屋で本を買うがこの本は新品で買いました。新品のこの本が手元にあるのが嬉しいです。クロの感じがかっこいいと思いました。

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購入済み

引き込まれて

fuji3211 2018年01月10日

出だしから作者の世界観に引き込まれ、色々な事を解明する過程の主人公の思いに心を掴まれました。
出てくる登場人物は多くはないが、それぞれの立場での感情が見てるかのような錯覚に陥りました。

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Posted by ブクログ 2022年07月05日

自分は中二病にはリアル感を持てるのだけど、高二病や大二病は作り物って気がして一体感を持って読むことはできない。

村上さんの本は性的衝動を美しい文体でいろいろな形式(音楽作品をテーマにしたり。今回はリストの『巡礼の年』より「ル・マル・デュ・ペイ」)をもって大二病を完治していない大人を描くことが多いの...続きを読むで、読んで何かを感じることはあるけれど、やはり薄い布越しに「作品」を触ってみる…って感じでした。

「色彩を持たない」ことは不安かもしれないけれど悪いことではないし、むしろ色彩を苗字などで最初からつけられて生きることの方が楽ではあるけれど人生の選択肢が狭まるようでつまらないかもしれませんね。

こういうわけのわかったようなわからなかったような文体を書きたくなる。
それが村上春樹パワー。

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Posted by ブクログ 2022年05月30日

評価は難しい。
人間関係の設定は残酷で、辛い過去を精算出来るわけでもない。そんな中でのつくるの奥底の強さも描きたいのかな?と思うのだが、彼に影響を及ぼす女性たちの強さの方が際立つ。
静かで優しい言葉と文体、読み心地は良い。一方、1ページに何回も出てくる「〜のように」に、やや疲れてしまった。
いわゆる...続きを読む受賞作を、まだ読んでいないからなのか、村上作品に対する世評と自分の感覚の差に、戸惑う。

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Posted by ブクログ 2022年04月03日

村上氏の本は他にも読んだような気がしたが、初めてのようだ。アカデミー賞で話題になった作品も村上の作品とこの本を読んでから調べて知り、偶然に驚いたところ。ノーベル賞候補に毎年なっていることから読んでみたというところ。
この作品はタイトルが不思議で、読み進める内に理解してくる。自殺願望から始まり、持って...続きを読む行き場の無い絶望から始まる。そこを抜け出したと思ったら、また色に関係する友人ができる。夢のような体験があり、現実感のないままこの友人との別れが訪れる。これが疑問のままで終了。
10数年経過し新たな恋人の勧めで、過去にあった出来事の解明に乗り出す。色の付いた名前の友人達と絶縁となった理由を聞き回るが、肝心の証言者が死んでいて真相が不明。誰が殺したかも不明。新たな恋人の陰に見える男性の正体や、これから二人の将来も不明。何だか疑問が数多く残されてフラストレーションが溜まるのだが、このような意見は少数派のよう。哲学的な内容とフィンランドのような映像美が良いのだろうか?

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Posted by ブクログ 2022年03月29日

設定が奇妙です。「色彩を持たない多崎つくる君」というガールフレンドのセリフのちょっと気味が悪いです。

でも、テーマにしていることには引き込まれるものがあります。
多崎氏が失ったもの。それによって彼が抱えることになった痛み。真相を知っていく過程。そして回復。
フィンランドでの美しい光景を経て、比較的...続きを読むに美しいエンディングを迎えるように思います。(最後の最後は釈然としないものがありますが。)

それにしても、一度死の淵を覗き込んだ彼が、なんだかんだいい生活を送っているという点は、反感の対象になってもいいと思います。そこまで行ってしまったら、もっと辛く暗い道をずるずると送ることだって大いにあると思うんです。
何人もの女性と関係をもったり、気が利くけど気取ったカウンセラーみたいなガールフレンドがいたりなんてことは、まあちょっと珍しいケースですよ。

特定の職業を偏見に基づいて描写するような部分が散見されますが、その必要性についても、私にはどうも分かりかねました。

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Posted by ブクログ 2022年02月26日

恥ずかしながら、初めて村上春樹を読みました。以前気になって古本屋で買ってあった本を、なんとなく読んでみようと手にとって、あっという間に読み終えてしまいました。
初めて村上春樹の本を触れたけれど、翻訳者としての癖が強すぎる言い回しと、どんな文化圏で生きてきたらこんな会話するの、、という洗練されすぎてと...続きを読むっつきにくいやりとりに、最初は、というか最後まで慣れることがなかった。
なのに、なぜこんなにもするする読み進めてしまえたんだろう。少しミステリーチックなストーリー展開もさることながら、友情や愛や人生や死や生に関する普遍的な哲学が読み手の思索を引き込みます。
もう四十手前のつくるが自分の無色を想う様は、かつての大学時代の私のようです。私は死の深淵を覗いた事はありませんが。それらを想う心の痛みを感じなくなることは、何かを求める心の躍動を失うことは、物理的な身体がどのような状態であれ、それは即ち"死"なのだと思います。シロ(ユズ)がそう追い込まれていったように、自分を護るために心を殺さずにはいられない人もいる。自戒こめ、想像力を絶やさぬよう、この感覚を守っていきたい。
強い色彩も、その鮮やかさに振り回されるもので、無色はその色を取り込めるバランスが備わっていて、5人に無色が1人いたことは、それこそ完璧な調和の要だったのだろうと思います。そんな尊く美しい調和、経験してみたかったですね〜

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年02月21日

村上春樹の小説を初めて読んだ。

なんだか難しい。
自分はこの小説を何%理解できているのだろうか…


主人公は多崎つくる。
つくるは高校時代、4人の親友を持ち、その5人は完璧なバランスをとっていた。
自分以外の4人はそれぞれ名前に色を持ち「アカ」「アオ」「クロ」「シロ」と言われていた。
色を持たな...続きを読むいのはつくるのみ。

大学を進学を機につくるだけ東京へ行き、その他の4人は生まれ育った名古屋に留まった。
それでもつくるは、休みがとれるたびに名古屋へ帰り、なるべく5人と会うようにしていた。

しかし、ある日を境につくるはその完璧なバランスをとっていたメンバーから追放されてしまった。
つくるに心当たりはない。

そしてそれから16年経った。
ガールフレンドから当時の真相を明らかにするように促され、止まっていたものが動き出した。

あらすじはこんなかんじ。


まず、題名の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
これはそのまま、名前に色がないつくるが、16年前の真相を明らかにするべく、当時の親友たちの元へ行く(巡礼)と解釈した。
巡礼の年はシロがよくピアノで弾いていた曲からきてる。

内容としては、結果的につくるはシロをレイプしておらず、それに関してはアオもアカもクロも同意見であった。
ただ、当時のシロには凄まじいものがあり、つくるとの関係を切るしか選択肢がなかったようである。

しかし、最後の方のつくるの考察では、シロは最初からつくるがレイプをしてきたとは思っていなかった。
ただこの完璧なグループはいつまで経ってもこうあるべきではないと、誰よりも早く悟ったシロは自分をレイプしてきた犯人をつくるにしたのであった。
つくるならこの逆境にも負けないと思って。

シロをレイプした犯人と絞殺をした犯人は分からずに終わった。

灰田の存在が明らかにされずに終わったが、どういう伏線だったのだろうか。
灰田の父親が出会ったピアニストの話とシロの関連は何があるんだろう。

シロは灰田の父が出会ったピアニストと同じスキルを持っており、みんなの色が見えていたのかもしれない。
みんなの色が見えた時、完璧にバランスのとれていると思っていた5人は、それぞれの名前とは違った色がついており、このまま一緒にいても破滅するだけなのだと悟ったのかもしれない。
そのスキルを保有している者は、寿命が分かるという話もあったように、シロは自分の寿命が分かっており、どんどん憔悴してしまったのだろうか。

つくるが度々見ていたシロとクロとの夢。
あれはつくるのことを想っているからこそなのではないのだろうか。
ゆえに2人はつくるを愛で、クロよりもシロの気持ちが強い分、つくるの射精を毎回受け止めたのはシロだったのかもしれない。
シロの憔悴の理由は、最愛のつくるを自らの手で切った後悔の念などからかもしれない。

大学2年生のときに一度だけ、灰田がつくるの射精を受け止めたが、その時はその2人をも超える気持ちが灰田にはあったのかもしれない。


自分の頭で全てを理解して、面白いと感じるには少々難しい作品だった。

皆さんの感想、意見、解説を見てみよう。

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Posted by ブクログ 2022年01月09日

駅を作っているつくるはまさに宮本武蔵の沢庵和尚が言った「帰る場所を作れ」という行為そのもので、彼は人生で大きな精神的苦痛を味わったが、それでも帰る場所を作る為の巡礼の旅に出る。というお話だった。

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Posted by ブクログ 2021年08月06日

初めて村上春樹さんの作品を読んだ。

大学生時代の多崎つくるが高校時代の親友たち4人から突然関係を切られ、35歳になってから真相を知っていく話。

世界観に入り込むまでに多少時間はかかったものの、文章が肉体的・詩的で癖になった。「色彩をもたない多崎つくるくん」って言いたくなる。

想像の余地を残して...続きを読むくれているのでその世界観に漂っていることができるのも良かった。

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