【感想・ネタバレ】色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年のレビュー

大学時代、一方的に親友4人に絶縁を宣言された多崎つくる。過去を乗り越えるため、36歳になった彼は絶縁の理由を求め元親友たちを訪ねます。次々と明かされる絶縁の真相と深まる謎。衝撃の結末に読み返さずにはいられない作品です。
恥かしながら村上春樹作品をきちんと読んだのはこの作品が初めてでした、好き嫌いが分かれると聞いていましたが、面白さのあまり止まることなく一気に最後まで読み切りました。
私がこの作品をおススメしたいポイントは、解釈が無限に存在するというところです。私は読み終えたとき興奮が冷めやまず、勧めてくれた友人に連絡しそのあと2人で結末について長らく議論を交わしました(笑)
読めばその回数だけ新しい発見があるはずです。あなたもぜひ新しい解釈を見つけてみては^^

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Posted by ブクログ 2024年03月22日

主人公・多崎つくるは高校時代に四人の親友(アカ・アオ・シロ・クロ)と多くの時間を共にしていたが、大学二年のときに理由もなく突如グループから追放されてしまう。つくるは大変なショックを受け、一時は自殺を考えるほどの失意に暮れていた。あれから16年。あるとき現在の彼女にその過去を打ち明ける。彼女から今のつ...続きを読むくるには、当時の喪失感や孤独感を未だに抱えていると指摘される。過去を乗り越えるため、つくるは真相を知るべく、巡礼に出向く。

———

村上春樹の作品で一番好きな1Q84と同じぐらい好きかも、と思えるような美しい作品だった。本作は420ページ一冊だけという他の村上春樹作品に比べると短い部類ではあるが、これが非常にちょうど良いボリューム感だった。また、過去の親友のもとへ一人一人訪ねて真相を聞き出すところが、さながらミステリー小説かのようなワクワク感があって面白かった。あとは、作中でフィンランドの舞台が登場したことで、もともとあった漠然とした行ってみたい欲が更に高まった。ヘルシンキ、ハメーンリンナ、自然豊かで楽しそう〜!一度は訪れてみたい!!
それと、つくるが作中でやっていた、カティサークというお酒を小さなグラスで飲みながらの読書もしてみたい(影響されやすい)

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Posted by ブクログ 2024年03月01日

【残った伏線】
シロを襲った悪霊
灰原?かなぜ去ったのか
緑川?の手提げ袋や、特定の色の人に死を引き渡すこと
サラがつくるを最後に選ぶか

【感想】
設定が凄く好きでスラスラ読めた。
緑川の「特定の色」が、シロを殺した?と勝手に考えながら読み進んだが、意外と関係無かった。
シロが「5人の関係維持に耐...続きを読むえれなく、つくるをレイプ犯に」がすんなり理解できなかった。
つくるの自己評価低すぎ。

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Posted by ブクログ 2024年02月28日

読書が嫌いだった頃の話。

大学受験で缶詰で勉強中。
とある先生が息抜きに読書でもいかが〜。
こちらの本は読みやすいけど、深いよ。と、
呑気なことを言ってた、

そんなこと知るか、と思って適当に流していた。


第一志望の駅弁大学に合格した。
何もない田舎町。
時間はあるけど、お金はない。
体力はあ...続きを読むるけど、お金はない。
ふと高校の先生が言ってた言葉を思い出す

読書なんて、、、
と思いつつ手に取ったこちらの本。

読者の心情を考慮しつつ、一度通読。
分からん。
なぜ、大学時代のつくるは辛い思いをしてまで、旧友を避けるようにしたのか。
なぜ、センシティブな夢の内容まで鮮明に綴るのか。
なぜ、女の人が自然とつくるに寄ってくるのか笑
受験で高得点を取るために拵えられた頭では理解できなかった。
しかし、何かが心にわだかまりを残す。
読み手を突き放すようなわだかまりではなく、どちらかというと、受け入れるようなわだかまりに近い。

もう一度、さらに時間をかけて通読。
もう一度、、、
読み進めるたびに謎が理解できる部分もあり、新たな謎が生まれる。

しかし、温かいお風呂に浸かっているような感覚になるのはなぜだろうか。

この感覚に浸っていたい、その願いが僕をハルキストへと変えていった。

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Posted by ブクログ 2023年12月25日

個性が無い人なんていないんだよ。

色が約1677万色あるように、
誰でも自分らしい色というものを持っていて
自分には個性がない特徴がないと思い込んでいたとしても、今あなたの周りにいるお友達は皆
“あなたらしさ”に
つまりあなたの色に惹かれているんだよ。

あなたがその友達を必要としているように、あ...続きを読むなたも必要とされているのです。

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Posted by ブクログ 2023年11月24日

そのような普通でない資質を持ち合わせることが、本人にとって何を意味するのか、灰田青年には実感として理解できなかった。それが持ち主にとって至福なのか、重荷なのか。恩寵なのか、呪いなのか。あるいはそれら全てを同時に包含したものなのか。
君は自分の気持ちを正直に口にしているだけだ。言い訳とは違う。

初の...続きを読む村上春樹。欧米的な言い回しや例えの表現、哲学的な節はファンになる人が多いという印象。今風の夏目漱石や太宰治という感じ。これが初めてなので作品全てに通じているかはわからないが、もう一作は読んでみたい作家だと思った。

昔の友人関係、今の恋人、自分の存在意義、と色々な話題が混ざって進んでいき、どうなるのかハラハラしながら読んだが、残りのページ数からこういう結末になることが透けて見えてしまった。元々そういうミステリー的なことは狙っていない感じがしたが、今の恋人関係は白黒つけて欲しかった。言わない美しさがあるんだろうけど。

こんな淡白な主人公なのに、性的描写が散りばめられているのにも戸惑い。何回押し付けられた乳房のこと言うねん。

30半ばの同級生の、存在意義を見いだせない問題は、たとえ結婚して子どもがいても、考えようによっては共感を得られると思う。主人公は所属官はなくとも、ある程度望んだ職種に就き、ライフワークにもなる趣味があり、不安定ながら恋人もいて、何より経済的に安定している。人それぞれに、何が欲しくて生きているかを考えさせられる。


話は個人的にはもやもやするところもあったけど、文体は好みで時間を割いて読もうと思えた。

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Posted by ブクログ 2023年11月13日

つくるが節々で、どうしようもなく沙羅を求めてしまって、電話をしたり会う約束をとりつけたりしてしまっているところに痛いくらい共感した。そして沙羅があなたは高校の時の友達にあうべきだと言ってくれたのはそれがわかっていたからだと思った。受け止めてくれているのだと思った。村上春樹の小説に出てくる主人公は女性...続きを読むに対してオープンな弱さを持っていることが多いが、それは幸福なことだと思う。自分と重ね合わせてつくづくそう思う。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年11月11日

ちょっと設定を戦隊モノにしすぎな感はあるけども、自分を他人と比較して色のない、空虚な人間に感じて苦しむことは誰しもあるはず。
空っぽなりにどこまでも素敵な入れ物になればいい。

と思ったけどつくるくん、社長パパがくれた恵比寿のマンション住みイケメンの時点で普通に腹立つ。自分にとって何が心地よいか自覚...続きを読むできているところも。
地獄は等身大に人それぞれなのだけども。

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購入済み

匿名 2019年11月27日

 リストのピアノ曲「巡礼の年」。IQ84の「シンフォ二エッタ」と同様に小説を通して常に流れている象徴的な曲である。ピアノ演奏をネットからダウンロードして聴いた。リストはあまり聞いたことがなかったけど、その特徴的な旋律に感銘を受けた。
 村上春樹は多崎つくるを通して何を表現しようとしたのか?彼は村上...続きを読む春樹の長編小説の主人公の性格を踏襲している。
 主人公は三人の高校時代の元友人を訪ねるが、クロの場面が最も印象深く描かれている。

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Posted by ブクログ 2024年04月15日

【だって夜の冷たい海を一人で泳ぎ切れたんだから】

高校生の頃に読んだ時は意味が分からず途中で読むのをやめてしまった。20代後半になって改めて読むと、まったく同感ということばかりになっていた。

人の人生と自分の人生が離れていく感覚を、私は5〜10年かけてゆっくり感覚的に体験したけれど、
多崎つくる...続きを読むは強制的に離されたことで人生の中のある一点として経験が残ってしまう。大人になってからその問題と向き合うので、感覚的なことが言語化されているところが読み応えがあった。

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Posted by ブクログ 2024年04月07日

高校生の時、運命に導かれるようにして出会った5人。綺麗な五角形のように完璧な調和を創っていた5人から突然つくるは追い出されることになる。絶望の底に長い間いたつくるは、とある年上の女性と出会うことで昔の過去と向き合うことを決意する。過去と向き合う事で新たな真実、それぞれの秘めていた思いなどが明らかにさ...続きを読むれていく。凄惨な現実、もう戻れない過去、それぞれの今などが明らかにされていく中で悲しみと後悔を感じながらも絶望の底から這い出していくという物語。
主人公が誠実な人物の作品はとても軽快に読み進めることが出来る気がする。小説の人物ほど自分について理解して、他人に対して思考したい。たった一度の人生だもの。

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Posted by ブクログ 2023年11月03日

・エロティック。情熱的。村上さんはいい意味で変態だと改めて思った。自分も感性鈍らせたくない&感情を表す語彙力増やしたい。
・ミステリーかと思ってたけどむしろ日常の話だった。

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Posted by ブクログ 2023年10月23日

自分の過去と向き合うことを選んだ多崎つくる。
色を冠する名前を持つかつての友に会いに行きながら真実を見つける姿は、まさに巡礼である。

文字と音楽が混ざり合うような感覚がとても心地よく、流れるように読み進めることができた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年10月15日

もっともっと観念的な話かと思っていたらストーリーも面白くてあっという間に読めた。独特の言葉遣いがクセになる。

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Posted by ブクログ 2023年10月01日

有名な著者だから村上春樹くらいは読んでおこうと思って手に取った。

ノルウェイの森は5回ほど挫折している。

しつこい性描写、比喩、自分に酔ってる主人公と昭和の男女の雰囲気が合わなくて読むのをやめた。

Audibleなら最後まで読めるかも、と思い聞き始めた

読者が置いてきぼりにされる部分もあった...続きを読むけど、所々の表現が素晴らしく眼の前に情景がありありと浮かんだ。

なんだかノルウェイの森に似ている 
村上春樹の作品で根暗みたいな主人公と、凛とした女性、しつこい性描写はあるあるのようだ。

結論もなく、伏線回収もない
煙のように何も残らない作品

だからこそ、みんなの感想を読むのが面白い
この世界観に酔えるハルキストが羨ましいなと思った

自分から行動しないと生きた心地がしないんだな
やっと沙羅に思いを伝えることで色のある人生になる

ただ過ぎていくものを見ているだけでは、色彩がない人生だ

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Posted by ブクログ 2023年09月26日

ミステリアスな出来事が多くて最後まで引き込まれるんだけど、内容的にはつくるくんの心の成長の話なのかな。
ただ最後はハッピーエンドだと良いのだけど…沙羅ちゃんの真相はどうなのかとても気になる。
灰田が何故忽然と消えたのかも謎だし、シロが誰に絞殺されたのかも謎のまま。
まだ村上春樹の作品2つ目なのでよく...続きを読むわからないんだけど、村上ワールドってこういう感じなのかな…それともたまたま?
つくるだけの心の成長としてはとても納得できて私は好きなタイプの話なのだけど、とにかく謎のままの部分が多過ぎて消化不良な感じもあるかなぁ〜

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Posted by ブクログ 2023年09月11日

辛い過去を忘れるだけでは、前に進めたことにならないのか 自分の「巡礼」は終わってないのかもしれない


「人の心は夜の鳥なのだ。それは静かに何かを待ち受け、時が来れば一直線にそちらに向けて飛んでいく。」

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Posted by ブクログ 2023年09月05日

必要な苦しみは正しく味わわなければいけない。それが人生にとっては必要なこと。主人公の現実での葛藤とフィクションとか絶妙に入り混じり、余韻を残す。思春期に覚える妙な意識をイキイキと書いた作品。美しい。

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Posted by ブクログ 2023年08月13日

何十年ぶりかの村上作品。
それだけにある意味、新鮮だった。

人間の描写が繊細かつ奥深い。
友達の喪失や自己嫌悪に生きる気力すらなくす主人公が、関わる人との縁もあり向き合う姿が美しいと思った。
何年か後に、再読したいと思う。

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Posted by ブクログ 2023年08月01日

初めて読んだ村上春樹作品。

冒頭3ページで知らない言葉がたくさん出てきて、読書初心者の私としては挫折の匂いがぷんぷんしたが、筆者の言語能力の高さや情景描写のうまさから本を読んでいて得られる情報は文字だけなのに、映像として脳内で再生できてしまい、次のページを巡る手が止まりませんでした。

沙羅は?灰...続きを読む田は?灰田の父は?沙羅の別の男は?と気になるポイントも多々あるが、人間は誰しもが孤独で、誰しもが何かに依存している、単独では色を出すことはできないけれど、人との繋がりを通して色彩をつくることができるんだと考えさせられる作品でした。

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Posted by ブクログ 2023年07月23日

多崎つくるの感情に共鳴してしまい
装丁のような色が混ざり合う世界にしばらく彷徨う日々でした

他の作品が読めない状態になり それが苦しくもあるのだけど
言葉にすると消えてしまうような感情に浸ることが次第と心地よくなり…
素晴らしい作品に出会うことができ
揺蕩うような余韻に浸る事ができたことに感謝しま...続きを読むした



名前に色彩を持たない多崎つくるくん…
自分自身の事をいつも個性がなく
色のない面白みに欠けた者だと遜っていたけれど

私には高校時代に完璧に調和のとれた4人の
親友(心友)と出会った多崎つくるくんを
とても羨ましく そして眩しく映りました



リストの『ル・マル・デュ・ペイ』の音楽を聴きながら
多崎つくるが過去に追った深い傷をなぞり
40歳を目の前にする時期に
親友と再会(巡礼)していく旅を深く味わいました



“正しい言葉はいつも遅れてあとからやってくる”



人との調和は
実はお互いの脆さや痛みという傷によって
深く結びついていくのかもしれない…

そして正しい言葉は遅れてやってくるけれど
それは少なからず 探し続けている者だけに
訪れるものだと思う…

それならば
私は重い荷物を背負ってでも
自分を探し続ける人生でありたいな…




やっとこの想いを言葉にする事ができたことで
次の作品の世界に気持ちよく入っていけそうです!!

こんなに時間がかかるとは
_____ やれやれ…(笑)

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Posted by ブクログ 2023年08月30日

共同体から弾き出される恐怖や孤独感を、乗り越えたというよりは封じ込めるようにして、少年が大人になった。その経験から16年後、彼らを巡ることで、蓋をして閉じ込めたトラウマが、大切な彼の一部となっていく。
心が蘇っていくような過程で、コントロールできないほどの激しい感情を持つことができたのは、過去を乗り...続きを読む越えたからこそだと思った。
物語も面白かったが、登場人物たちの個性に引き込まれるようにして読んだ。

印象的なだったフレーズ
どんなに穏やかにみえる人生にも、どこかで必ず大きな破綻の時期があるようです。狂うための期間と言ってもいいかもしれません。人間にはきっとそういう節目みたいなものが必要なのでしょう

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購入済み

引き込まれて

2018年01月10日

出だしから作者の世界観に引き込まれ、色々な事を解明する過程の主人公の思いに心を掴まれました。
出てくる登場人物は多くはないが、それぞれの立場での感情が見てるかのような錯覚に陥りました。

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Posted by ブクログ 2024年04月09日

ここで終わるの?って思った作品でした。
村上春樹さんの本はノルウェイの森を読んで好きになったのですがノルウェイの森もあとちょっと何かが足りないそんな風に読み終えたあとに考えた事を思い出しました。
でもそんな風に思わせて、後の話はもしかして読者に考えさせるそんな事を狙っているのでは?と2作日目にして思...続きを読むいました。
両方の作品も共通して何処か客観的で本能的に生きているそんな主人公が出てくる事、そして女性の考えが魅力的であり、主人公が影響を受けている事が共通しており、伝えたい事や読ませたい場所は女性が語っている事が多く感じる。その上でこの作品を思い返すとやはり沙羅の言動には何か引っ掛かる事が多くあり、もう一度この作品を読み返したいと思いました。

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Posted by ブクログ 2024年03月26日

主人公の苦悩がうねうねしてて正確に理解しづらいが、人の苦悩とはそういうものかもしれない。

今の僕には非常に難しい作品だったと思う。

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Posted by ブクログ 2024年02月24日

中盤までは面白く読み進めた。
ラストの伏線回収に期待してしまい
全部が含みのある迷宮入りで
スッキリ出来なかったのが残念。
それが村上春樹なのだと言われると
そうなのかもしれないけど
私は結末が明確な方が好きかな。

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Posted by ブクログ 2024年01月04日

本屋で色彩検定の本を買うつもりが見当たらず、
色彩繋がりでこの本を購入。

主人公の多崎つくるが突然、親友4人から絶縁を申し込まれたという話。

読み進めていくと、親友の一人であるシロが殺害されていたとわかり犯人等、さらに謎が生まれた。
なにが起こったのかどんどん知りたくなった。

しかし、謎は回収...続きを読むされることなく終わった。
過去の出来事や恋人との未来の結末がはっきり書かれていないので、とても気になる終わり方となった。もやもやが残った。

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Posted by ブクログ 2023年12月29日

村上春樹氏の作品を久し振りに読んだのですが、何とも感受性が強いというか、自己陶酔的というか、とにかく自分には共感できない雰囲気でした。高校生の時に発売直後のノルウェイの森を読んだ時のような瑞々しさを感じなかったのは、自分が歳をとったからだろうか。

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Posted by ブクログ 2023年11月10日

村上作品の中では一番イマイチだったかな。
つくるが身勝手過ぎて冷める。
夜明け前に電話。折り返しかかってきても出ない。とかね。
可能性に満ち溢れた過ぎ去った青春を、自分と重ね偲ぶにはいい作品でしたが。

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Posted by ブクログ 2023年11月01日

初、村上春樹さん。
独特の世界観だと思った。
特につくると灰田の会話、高次元すぎて難しかった。
フィンランドでエリと再開するシーンが特に好き。
フィンランドの自然が目に浮かんだ。
つくるの16年のモヤモヤが濾過されていって、良かったと思った。

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Posted by ブクログ 2023年09月28日

独特の世界観ですね。
読んでいるとストーリーに魂をもっていかれる感じがします。
現実と空想の狭間というか、フィクションとノンフィクションの間とでもいうのか。
言葉にすることが難しい世界観がありました。

以下本の抜粋になりますが、まさにそんな感じです。
”どんな言語で説明するのもむずかしすぎるという...続きを読むものごとが、私たちの人生にはあります”(抜粋)

高校時代に5人グループに所属していた多崎つくるが、ある日他の4人から縁を切られる。その理由を探すべく、昔の仲間に会いに行く、というお話。
途中、ミステリっぽさも出てくるのですが、それはあくまでスパイス的な要素になっていて、それ自体はそんなに意味はないんですよね。
(多崎つくるが脱皮する要素に謎解きは必要ない)

何故つくるは4人から縁を切られたのか。
その理由がつくるの中で腹落ちした時、過去のしがらみから解放されていきます。
昔の仲間に会い、縁を切られた理由を知ることはつくるにとって失われた過去を取り戻すための行動だったのかもしれません。しかし、実際に仲間と会い、懐かしい日々は戻らないことを突き付けられます。この儀式があってこそ、つくるは次の一歩を踏み出すことができたのだと思いました。

うーーーむ。ふわっとした感想だなぁ。笑

「ノルウェイの森」の雰囲気に似ていると思たのは私だけでしょうか?メンタル疾患の女の子が出てくるからそう感じるのかなぁ。
しみじみ。

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Posted by ブクログ 2023年08月12日

Audibleで通勤途中や育児細切れ時間に耳読書。村上春樹は何作か読んでは挫折するものの、再起を狙い、分量が長すぎず短すぎずの本書を選択。

村上春樹らしいしつこい比喩、性的描写、根暗っぽい登場人物、そして回収されない結末。あらゆる面で期待通りである。多忙な日々に束の間の妄想、空想の旅をする目的にお...続きを読むいては、自分的に二重マル。向井理の語りが耳にも優しい。おそらく村上春樹のわりに入り込めやすいストーリーでもある。ただやっぱり村上春樹にのめり込むには、自分はあまりに凡人なのだろうと実感し、次回はしばらく間を置いてからにしようと思い至って本を閉じる。

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Posted by ブクログ 2023年04月22日

村上春樹の本を初めて読んだ。感情の描写が細かくて目の付け所と比喩が独特だった。

みんなが色で呼び合っていたときにつくるも名前に色がなくとも仮に色をつけてやってほしかった。彼は繊細やから。

色がない名前に加え、縁の下の力持ちのような性格、繊細さが、名前も「自身も」色がないと思い込むことを加速させて...続きを読むしまったんだろうな。

でも色に囚われていたのは彼だけかもしれないな。

つくるの名前に色が入っていたらまた人生が変わったのかなとも思った。

追記
つくるがいなくなって徐々にグループが解体していったように、つくるは「色をつくる」人だったのかな。つくるがいたからみんなの色があったのかな。

追記
つくる、物事の見方が色眼鏡すぎ?

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