あらすじ
「忘れようとしていた痛みが「ここ!」と叫んでいる」
――――作家・町田そのこ(「解説」より)
大ヒット作家・木爾チレンの「伝説の衝撃作」、ついに文庫化!
希望と絶望、羨望と嫉妬……
愛憎渦巻く、狂気の物語。
若くして小説家デビューを果たし、その美貌と才能で一躍人気作家となった東山冴理。
しかし冴理は人気絶頂のさなか、突然、筆を断った。
一体なぜ――。
やがて30年の時が経ち、冴理のもとへ、ひとりの女性編集者が執筆依頼に訪れる。
すると冴理は語り始める。
心の闇に葬った、戦慄のその過去を……。
これは才能を信じて生きた女性作家ふたりの光と影、あるいは愛憎の極致。
魂が震える傑作!
著者渾身の「文庫版あとがき」、作家・町田そのこ氏による「解説」も特別収録!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
空港で暇つぶしに買った本。読み始め10分で当たりだぁ!とのめり込み、飛行機の中とフェリーの中で読破しました。嫉妬が生む悲劇が悲しいはずなのに何とも言えない心地よい時間。不思議な小説でした。
面白かったです!おすすめします!
Posted by ブクログ
語り手が変われば見る世界が変わる。と最後に綴られてて、本当にそうだな。と感じた。同じ話なのにこんなにも違うのか。と感じた。二人の主人公の視点をそれぞれ読んで胸が痛くなった。神に愛されてた。とっても素晴らしい作品でした。
Posted by ブクログ
やっぱり木爾チレン先生は嫉妬心を描くのが上手すぎる。以前"みんな蛍を殺したかった"を読んだときにも同じようなことを思ったような気がします。
冴理は天音を心底憎んでしまうほど小説を愛していたけど、天音は小説を愛していたというより冴理の書いた小説を愛していたのではないかと考えてしまって、そう思うと切なくて苦しくなります。
もっと違う出会い方があればと思うのと同時に、これが冴理と天音にとって1番良い物語だったのだろうとも思えますね。
帯に書かれていた町田そのこ先生の言葉が全てを代弁してくれているような気がします。心が叫んで苦しいよー。
Posted by ブクログ
半端じゃない傑作
主人公の壮絶な人生を擬似体験した気分
特に冴理には深く感情移入した
ものすごく胸が痛くて、同じ状況なら自分も死を選択するだろうと思う
でも死にたいくらい惨めな時間があったから冴理は大作を書いたし、どんな気持ちで過ごした夜も無駄ではなかったのだと本当に思った
総じて良い人生だったようにみえる
天音が冴理の小説を読んだ時に「暗闇にいるのは、毒を持っているのは、痛みを知っているのは、自分だけではないと安堵した」と言っていたが、私もこの小説を読んでいて天音と同じ気持ちだった
読むペース遅い私が2日で読んだ!
Posted by ブクログ
星5じゃ足りないくらいの傑作!
天音のように先輩に憧れて同じ物を使ったり技術を真似たりしたこともあるし、沙理のようにむかつく!死ねよ!って思ったこともある。
その両極端を光と影で書かれてて最高でした!これは何度も読み返すと思います。
天音の最後はとても美しいなと思って読みながら涙流しちゃいました。
Posted by ブクログ
2025年最後の1冊にしようと、内容を知らず手に取った。
そこに描かれていたのは、希望と絶望、羨望と嫉妬。前半では胸が締めつけられ、後半では胸が熱くなる。
思っていた以上にヘビーな内容だったものの、読み終えたあとには、この作品で一年を締めくくれてよかったと感じた。
Posted by ブクログ
久しぶりに一日で読み終えてしまったくらい、この世界にどっぷりと浸かっていました。ページを捲る手が本当に止まらなくて、読み終わったあとは泣いていた。文章の一つ一つがとても綺麗で、その心理描写に引き込まれて何度も読み返したいと思いました。
自分にとって神の存在である冴理に対して歪な愛を抱き、その邪魔をする全てを排除した天音。冴理サイドを読んでいる時に天音の気持ちはなんとなく想像ついたけれど、そこまでか…!と。最後の最後までドキドキが止まらなかった。
Posted by ブクログ
初読みの作家さん
若くして才能ある二人の女性作家
一人は相手の才能に嫉妬を、もう一人は相手の才能も存在そのものも尊敬し崇めるほど。
二人の描く作品も、闇と光と真逆。
相手の存在の認識の仕方も、作風も真逆なのに、それぞれの心の根底には同じ種類の闇や痛みが溢れていた。
お互いが素直に言葉を伝えることができていたら。もっと違う関係が気づけたのではないだろうか。
そして、心を身を削って言葉を紡ぎ物語にする作家の仕事に業を感じた。
読みながら伝わってくる痛みやヒリヒリ感、それぞれの思いと真実に目が離せなかった。
Posted by ブクログ
とても読みやすかったです。
普段本を読まない私でも1日で読み終わりました!!
前半の憎みが後半でどんどん晴らされて、気づいてって叫びたくなるような感覚で、気づいたら泣いてました。
なんだか不思議な感じでした ⊹˚.
最後のヨルシカ、とてもびっくりしました。
Twitterでなんか良さそうって思って買って読んだのに、ヨルシカを聴いていたとか、青森とか、私と共通点さまさまで嬉しかったです。笑
八月、某、月明かりと、強盗と花束と、ノーチラスと…⟡.·
Posted by ブクログ
ひとつの物語がふたつの視点で語られていて綺麗な終わり方をしていて面白かった。だけどそれ以上にこちらまで焼かれてるのかと錯覚するほど心情描写が凄すぎる。自分より優れた相手への劣等感とか文字を書くことの苦悩が直接心臓に彫り込まれるように伝わってくる。この作品への感情を十二分に文字に起こせないのが本当に悔しい。
Posted by ブクログ
どっ直球な本でした。
本好きにはたまらない一冊だと思いました。
こういうタイプの本で手元に残しておきたいと思う本は久しぶりでした。
読み終わった後も熱を持っていて、魂が揺さぶられる感覚があります。
読めたことが幸せでした。
Posted by ブクログ
思っていたよりもずっと楽しく、夢中で読みました。
言動について、発した側の思いと受け取った側の印象がこんなにも異なるのだと悲しくなりました。私も気をつけなくてはいけないと自戒の念を持ちました。
木爾チレンさんの名字が読めず検索したところ、木爾チレンさんとご主人がこちらの作品について対談している動画があり拝見しました。そちらの動画とこの作品とで、今まで漠然と持っていた作家という職業への印象がガラリと変わりました。気づかせていただき、ありがとうございます。これからも大切に作品に接していきたいです。
サリエリ、気が付きませんでした笑
Posted by ブクログ
一人の作家とその作品を愛した女性のストーリーです。作家が作品を生み出す大変さを垣間見ることができました。
初めて読んだ作家さんだったのですが、とても好きになりました。ほかの作品も読んでみたいです。
Posted by ブクログ
なにもかも知らないことは強い。なにもかもを知っているより、ずっとずっと強い。
夢があれば、いつだって、どんな状況だって、抜け出せるから。
もしかしたら人は、愛を受け取ってから、誰かを愛し始めるのかもしれない。
才能にはね、果てがあるのよ。その果てに辿りついたときからが、勝負なの。
私はいままで、何にしがみついていたんだろう。なんて狭く暗い世界で生きていたんだろう。
闇の中にこそ本物の、救いの光がある。
希望と絶望はセットです。
いちばんは、自分自身から愛されたかった。
物語を読む意味はふたつ。希望の物語を読み、陽だまりの中にいるように、心があたたかくなること。そして、絶望の物語を読み、その渦中にいるのか、自分だけではないことに救われること。
暗闇にいるのは、毒を持っているのは、痛みを知っているのは、自分だけではないのだ。
Posted by ブクログ
作家の光と影を描く木爾チレン氏の本書は、創作の背後に潜む痛みと矛盾を、平易でありながら情感豊かな文体で描き出した作品である。
若くして才能を認められた女性作家・冴理と天音は、貧困や病を抱えながら筆一本で道を切り開き、互いを敬意と羨望の入り混じった眼差しで見つめ合う。しかし「書ける/書けない」「期待される/応えられない」という葛藤は次第に嫉妬と焦燥を生み、二人の道筋を大きく分かつことになる。視点が切り替わるたびに明暗が交錯し、才能への羨望が狂気へと変わる過程は、凄惨さと同時に奇妙な美しさを帯びて胸に迫る。
文庫版あとがきと町田そのこ氏による解説も、創作の業と救済というテーマを立体的に照らし出している。創作にまつわる人の弱さと誇りを、娯楽性を保ちながら見つめた本書は、作家という存在に関心をもつ読者に広く勧めたい一冊であり、読後に静かな余韻が残る。
Posted by ブクログ
一気読み。冴里だけの視点からは見えてこなかった天音の行動の意図が気になって仕方なく、読む手が止まらなかった。前半は冴里から見た天音を見てきていたからかあまり得意ではない人だったけれど、後半になるにつれて天音側の想いも描写され異常なまでの愛を感じた。すごかった。描写も読みやすいもので、人に勧めやすいかもしれない。
Posted by ブクログ
とても憎んでいた相手は、異常なほどに私を愛していた。勘違いに気付いた時の喪失感…。人の想いって言葉にしないとほんとに伝わらないんだなぁって感じた作品でした。気づいたら一気読みしていました。
Posted by ブクログ
私は文章を書くのが好きだ。
特に本を読んだ後や
何かを感じたあとに言葉にすることが好きだ。
すぐに忘れてしまう感情を
言葉にしておくことで
忘れない感情にできると思っている。
この小説を読んで
文庫版のあと書きまで読んで
作家さんの魂を感じた。
そしておこがましいけれど
シンパシーも。
実は私も最初
中学生でも読みやすそうな
『2人1組になってください』から
入った。
正直、中高生が好きそうという感想を持った。
でも
中高生が読む=誰でも読めるって
それってすごいことなんだって
新しい価値観をいただいた。
こちらを読んで
読みやすくて
感情移入しやすくて
一気読みした。
小説好きな私なのに
書き手まで
作家さんの苦しさまで
想像するって
今までなかったことが
申し訳なくなった。
読みやすいのに
緻密に作られていて
分かりやすいのに
その裏の魂も見えて
それって
誰でもできることではないなと感じた。
文庫のあとがき
すごく良かったです。
町田さんの後書にも
愛を感じました。
全てひっくるめて
とても素敵な一冊でした。
応援したい作家さんが
また1人増えました。
Posted by ブクログ
この本を書くのに、作家としての勇気と覚悟がどれだけいったことか
尊敬します
ずっと胸が苦しく、心が痛みました
それでもぐいぐいひきつけられて、一気読みでした
題名に心打たれます。救いにです
Posted by ブクログ
冴理と天音、2人の小説家のすれ違い。
展開は想像がついたけれど、
それでも最後まで読ませる文章や展開の美しさと
著者の思いの強さが感じられました。
冴理の身に起こったこと全てにきちんと
理由があって、きちんと伏線を回収してくれるところも丁寧で、安心感のある作品だなぁと思いました。
すごく面白かった!!と興奮するお話ではないけど、
いろんな人におすすめできるいい本だな〜と思います。
Posted by ブクログ
読みやすく、すらすらと読めた!物語はふたりの作家視点で進む。前半は冴理、後半は天音。
文章がここまでカラフルなこと、知らなかった。私も小説に出会うまで小説は白い紙に黒い文字がひたすら並んでいるだけだと思っていた。だけど私にとって読書は文字を追うというより映像が文章化されたものを読み込んでいるようなものだ。書くのが好きなはずなのに、読むのか好きなはすなのに書けない読めない。それってすごく辛い。こんな痛みをここまでわかりやすく書いたものを私は初めて読んだ。私はやっぱりチレン先生好きだな。
何者かになりたくて、自分にしか生み出せないものが生み出したい。そういう気持ちはずっとあって、だけど立ち止まってしまう。それはアイディアが浮かばなかったり自身がなくなったりと様々。だけど私は小説を完成させられる人をすごく尊敬してしまう。私にはできないことだから。だけど私も、消費することしかできないけどいっぱい物語を読み込んでいけたらいいなと思う。
Posted by ブクログ
大好きな町田そのこさんが解説してらっしゃった本なので手に取ってみました。
読み進めるうちに「もしかして、、」と感じた部分が最後にバチバチと繋がっていき、快感にも似た感動を覚えました。
嫉妬、憎しみ、愛情。人間らしさ溢れる作品で、語り手の感情が乗り移ってきたかのように胸がキリキリと痛みました。
作家という仕事の偉大さを実感しました。素晴らしい作品をありがとう、と全ての作家さんに伝えたい。
他にも木爾さんの作品を読んでみたいと思いました。素晴らしかったです。
Posted by ブクログ
光と闇と、作家の業のようなものが描かれた作品。冴理の小説と同じように、才能に嫉妬するという、痛みから生まれた作品なんだと思った。
するすると読みやすいのに、読後にいろいろな感情を湧き立てる、そんなお話でした。とってもよかった。
文庫版あとがきも必読。私はあとがきで泣いてしまいそうになりました。
オマージュされた『アマデウス』は大好きな映画のひとつなのだけど、このお話のサリエリには希望が残されたのが救い。
Posted by ブクログ
なるほど。
人の気持ちを推し量るのは難しい。
わかっていたら、もっと幸せだったのかな。
ひとつ、わからないところがあるので再読しないと。
Posted by ブクログ
『みんな蛍を殺したかった』からのファン。本作もまた、人の心がもつ光と影の二面性を容赦なく照らし出す物語だった。照らす光が強いので、影も濃く、はっきりと感じられる。
モーツァルトとサリエリ、光と影の対比のような形で、冴理と天音の二人の主観で同じ物語をなぞる。対比は単純な善悪ではなく、立場や環境によって容易に反転してしまう。その“虚ろさ”を描く筆致は、やはり著者ならではの鋭さ。
闇の環境にいる冴理が光に嫉妬する視点、そして光の環境にいる天音の内側で静かに闇が浸食していく儚さ。そのどちらにも偏らない描写に胸が締めつけられる思いだった。
それにしても、二人は本当に分かり合うことができなかったのか――。初対面でもう少し言葉を交わしていれば、共著の重版を受けた時、天音がもう少し言葉に冷静であれば。そう思わずにはいられない。
お互いへの思いを素直に伝えられない距離感こそ“同じ作家同士だから”と著者が語っており、なるほどと腑に落ちた。
また、“若者向け”と評されることを気にしていたとの著者のコメントがあったが、著者と同世代の私にとっても、この物語は十分に響いた。
若者を描く物語が若い読者だけのものとは限らない。かつて誰しも若者だったのだから。
老若男女問わず楽しめる、繊細で残酷な一冊だと思う。
Posted by ブクログ
作家東山冴理、そして彼女に憧れて同じく作家になった白川天音の物語。
冴理のパートを読んでいる時は、ひたすら天音の言動が鼻についていましたが、天音のパートを読んでいくと、ちょっとしたボタンの掛け違いで、二人の人生がこんな結末になってしまったことを知り、苦しく切なくなりました。
でもそんな二人の間に茉莉がいてくれたことは大きかった。
Posted by ブクログ
読みやすく、おもしろかった。
伏線回収?答え合わせ?の理由や設定に少し無理矢理感というか、違和感というか…
こじつけ感が否めない部分もあった。
そしてサリに人を惹きつける魅了があるように感じなかった。
Posted by ブクログ
冒頭からいきなり「後奏」と書かれていて、これはどういうことだ?と思って読み始めたが、とにかく読みやすく、それでいて心が締め付けられる話だった。
冴理と天音、陰と陽のコントラストが描かれているが、どちらも光と陰を持っていて、でもお互いの光の部分しか見えないことから妬みや羨ましい気持ちが生まれ、互いに捻れた構図となってしまう。
2人の出会い方が違えば、きっと違う結末になっていたと思う。
人生において人は誰しも誰かを羨ましいと思い、胸に秘めている想いがあると思う。それをどんな人だって抱えていて、それでも折り合いをつけながら、自分で探りながら生きている。人のもやもやっとする部分が確信的に描かれている作品でした。
Posted by ブクログ
女性作家ふたりの嫉心、葛藤、齟齬、
そして乖離。
もう少し理解し合えたなら、神はふたりとも愛してくれたのかもしれないのに。
ストーリーはもとより、登場する数々の小説群に、著者・木爾チレンさんの強い思い入れを感じました。
実はストーリーの展開自体は、あゝ、そう来るだろうな、と予測しながら読んでいました。
けれど、章立てのタイトルの分数の意味に気づいた時ですね。ご自身のその時々の想いや、人生のフェーズを振り返りながら書かれたものなのかなと思いました。
とてもパーソナルな熱量の込められた作品ではないでしょうか。
作者自身のあとがきにある、“若者向け”という言葉への葛藤も拝読し、切ない気持ちになりました。
私もチレンさんの作品の一つに若い女子にオススメと記したことがある様に記憶しますが、
それが「若い方にしか刺さらない」という意味では決してなく、今読んでいる若い方たちが、作家さんと共に年齢を重ねていくといった意味合いです。
私自身、若い頃に読んだ作品を齢を重ねて読み返したり、好きな作家さんと同じだけ歳を重ねてきいます。若者向けという言葉にご本人さんが揺らぐ必要はないのではって思います。
で、なんで⭐︎3なのかってところですが
ちょっと展開が私には想定内だったのです。