あらすじ
時田翼32歳、農協勤務。九州の田舎町で、大酒呑みの父と二人で暮らしている。趣味は休日の菓子作りだが、父は「男のくせに」といつも不機嫌だ。そんな翼の日常が、真夜中の庭に現れた“ゆず泥棒”との出会いで動き出し……(「大人は泣かないと思っていた」)。恋愛や結婚、家族の「あるべき形」に傷つけられてきた大人たちが、もう一度、自分の足で歩き出す──色とりどりの涙が織りなす連作短編集。
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Posted by ブクログ
章ごとに主人公が変わる感じでめちゃ面白かった〜^ ^
それぞれの感情もかなりリアルで良かったし、
特に翼くんとか鉄腕の親の感じがリアルだったな(昭和の漢!って感じの)
それぞれの感情が丁寧に描かれてて、共感もできるし、色々考えさせられるし、個人的に翼くんみたいな男の子めっちゃタイプなのでちょっとキュンキュンもして良かった^ ^
絶対また読む!
Posted by ブクログ
好きな言葉が詰まった本だった
寺地はるなさんの登場人物の誰を肯定するでも、否定するでもなく、色々な生き方や考え方を描いていく感じに心がやわらかくなる
私も子どもの頃、大人は泣かないと思っていた
勿論曽祖母が亡くなった時にはみんなで泣いたし、母が実はこっそり泣いているところを目にしたこともある
だから、正確には声を出してワンワン泣くことはないと思っていた
だけど私が大人になった今は、大人の方がたくさんの経験をして色々な人の考え方や人生を知ってしまうからこそ、自分の人生を自分で進めなければいけないからこそ、考えることも、悩むことも沢山あるし、その分泣くに決まってるって思う
だけどそれでいいんだと思った
特に「あの子は花を摘まない」が、今の私の選択を後押ししてくれたし、肯定してもらった気がした
"昔のことにたいして罪悪感を抱えるんじゃなくて、そうしてまで選びとったものを大切にして生きてくれるほうがいい、そのほうがずっといい"
"なにもかもうまくいく場所などどこにもない。どの場所で咲くことを選んでも、良いことと悪いことの総量は同じなのかもしれない"
"摘まれた花は、摘まれない花よりはやく枯れる。だから翼は花を摘まない。でも、わたしは花を摘む。摘まれた花はだって、咲いた場所とは違うところに行ける。違う景色を見ることができる。たとえ命が短くても。"
Posted by ブクログ
九州の田舎という閉ざされた場所を舞台に、古い価値観に縛られた人々と、新しい価値観の中で生きていく人々を対比させながら、誰かのためではなく、自分で選び、自分の人生を生きることの尊さや、人生に正解はないこと、人は誰かのために生まれてきたわけではないこと、大切なのは自分で選び、自分の人生を生きることなどを、この作品は思い出させてくれる。「人は何のために生きるのか」を静かに問いかけてくる物語。
Posted by ブクログ
7編の連作短編は、どれも大きな事件が起こるわけではない。でも、どの登場人物からもそれぞれの心の揺らぎが伝わってきて、誰もが一生懸命いろんなことを考え、悩みながら生きているんだな、と実感させられる。
周囲の目とか、かくあるべきとされる固定観念とか、生きる中で自分を縛ろうとするものは沢山あるけれど、自分がどうしたいのかを見つめ、選び取って生きていくことを大事にしたい、ということを感じさせてくれる作品だった。
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて読みました。
本当に子供の頃は、大人は当たり前に
泣かないと思ってました。
でも、それは勘違いだなと思う
大人の方が感情的になってしまうことが
あると思う…
読んでみて改めて思いました。
登場人物みんなが豊かな人生を
歩めますように(*˘ᵕ˘*).。.:*☆
大好きな作家さんです
寺地はるなさんの小説が好きでこちらも購入しました。
全て繋がった物語ですが、短編集のような形になっておりサクサク読み進めることが出来ました。
たくさんの人の目線で書かれており、それぞれの人生や価値観を考えては泣き、を繰り返していたのでとても読み応えを感じました。
寺地はるなさんの暖かいお話が大好きです。
Posted by ブクログ
読みやすく、静かで暖かい読後感がよかった。九州の片田舎で生きる人々の悩み、もがきが切実に描かれている。登場人物全員、一見嫌な奴でも根は悪くないので憎めないのが良いところ。
生きるのって難しいし面倒くさいけど、先を案じて俯きすぎずに、目の前のことには真剣に生きていきたい。
Posted by ブクログ
それぞれの登場人物の視点で語ってあり、その切り替えも面白かったし、全体として暖かいいい話だった
九州の田舎の県に住む者として、分かる分かるということも多く、楽しんで読めた
Posted by ブクログ
九州のド田舎で暮らす人たちと、そこを去った人たちが織りなす、さまざまな涙の物語。
古い価値観と新しい価値観。みんなその狭間で戸惑ったり迷ったり、あるいは吹っ切れたり切り拓いたりしている。どの時代にも価値観の移り変わりはあっただろうが、最近はそのスピードが速くなっている気がする。
男は泣くな、女は黙ってろ…いまだにそんなこと本気で言う人がいるんですか?と笑いたくなるが、山あいにある田舎が舞台の本作ではよく登場する。
そんな時代遅れの人の考えには全く共感できないと感じる場面がたくさんあった。あったはずなのに、読んでいるうちに彼らと同じ感情に陥って、一緒に涙したくなるから寺地さんの作品は不思議だ。
自分も生まれた時代が違えば、古い考えを押し付けて、若者に冷ややかな目で見られ、誰からも相手にされなくなる、そっち側だったかもしれない。これからそうなる可能性もある。
だから古い価値観を持つ彼らを、冷笑することはできない、誰だって。小さい頃から何度も耳にして、息をするように口にしてきた言葉たちは一朝一夕では変えられない。変える気力も体力も、日に日になくなっていく。
多くの小説、特に寺地さんの作品は、そういう到底理解できないと思っていたような人の気持ちに共感してしまう瞬間がある。自分も彼、彼女の立場だったら…と。
これまで3作ほど読んだがどの作品にも、あぁ寺地さんは常々こういうことを考えているんだろうなと感じるような言葉がたくさん散りばめられている。いつもハッとさせられるのだけど、それが説教くさくなくスッと自分のなかに入ってきて、残り続ける。
遅ればせながら、いま私のなかで最もアツい作家さん。他の作品もまだまだ読みたい。
印象に残った言葉たち✍
・根は悪い人ではないと思うのだが、どこを切っても悪い部分しか出てこない「悪太郎飴」みたいな人格のほうがめずらしいと思うので、飯盛くんが根っから悪い人ではないことは私にとってはなんの加点にもならないのだった。
・男としての責任。長男としての責任。家長としての責任。たくさんの責任を重たい外套のように着こんでふうふう言いながら歩いていくおれの脇を、かろやかに通り過ぎていく者たち。過去という外套を、古い価値観という外套を、あっさり脱ぎ捨てていく者たち。
Posted by ブクログ
大切にしたい言葉がたくさんあって、一気読みしたが、結末がどうしても受け入れられない。そこやっぱりくっつくのね。最後の方はくっつくなと願いながら読んでいました。
Posted by ブクログ
寺地はるなさんは「水を縫う」に続いて2作目でした。不思議な力のあるお話だと感じました。
登場人物それぞれの人生が何処か力が抜けたような語り口で描かれていますが、ところどころですっと腹落ちして前向きになれるフレーズがあったり、分かってはいるんたけど中々言えないようなフレーズがあったり、自分もこんな考え方してしまうことってあるなと思ったり、不思議なお話でした。
相手の視点を考えつつも、自分らしさは持っていたい、そんな思いを持ちました。
Posted by ブクログ
良かった。
じれったいけど、当事者はそんなもんかも。
私から見たら、20代も30代も、同じくらい若いけどね。
この作家さんの作品の中では、上位な印象だった。
表現的には中学生でも問題はないけど、主人公の葛藤や心の揺れは理解できないかもね。
Posted by ブクログ
あとがきにも書かれていた通り、寺地はるなさんの視点がフェアであることがとても好み
女だから〜、男だから〜、というのは全く必要なくて、その人そのものをみて理解することが大切なんだと思う
Posted by ブクログ
寺地はるなさんの本を読むのは2冊目。
前回の「水を縫う」でも感じだけど、本作でも登場人物たちが誰も“善悪”で描かれていないことに感心した。
誰かの生き方を絶賛するでもなく、誰かの価値観を否定するでもなく、「その人はそう生きている」という事実として丁寧に描かれている。
最初は「嫌な人だな」と思う登場人物でも、読み進めるうちに「ああ、私の中にもこういう感情があるな」と気づかされる。
そして、そんな自分の中の不器用で複雑な部分までやさしく掬い上げて、「それも人間らしさだよ」と受け止めてくれるような温かさがある。
「違いがあるまま、そこにいる」ことの尊さを感じさせてくれる物語だった。
Posted by ブクログ
物語に大きな起伏がなくて、ほっこりする話だけれど、主人公の父親が病気になった時とか、所々にグサっと刺さるような場面がありました。
主人公の男性が穏やかで優しくて、若いけれど達観しているようなところがあって、好感が持てます。
田舎の閉塞感、男尊女卑など重苦しい空気がある中で、親友の鉄腕の単純な明るさと、ヒロインのレモンちゃんの身軽な可愛らしさが、救いでした。
Posted by ブクログ
ど田舎を舞台とした人々の連続短編集。
主人公の翼から始まり、お隣さん、親友、母親、同僚…とさまざまな人の視点から描かれている。
最初はヒューマン系特有の感動させようとしてる雰囲気が微妙かもと思っていたが、登場人物の性格を読者側が理解するにつれて楽しめる仕様。
読後に「うわー、この章が良かったな」っていうのはぶっちゃけ無いんだけど、でも読んだことを後悔するような作品では無い。
おそらく、田舎特有の噂が一瞬で巡る閉鎖的なところとか、亭主関白的な前時代的なものの考えとかに妙な納得感があって読み進めてしまうのだと思う。
Posted by ブクログ
自分の身近な人が思い浮かぶようで、登場人物たちに親しみやすさがあり話が入ってきやすかったです。鉄腕のお父さんは、他者視点だとこういう面倒くさいひといるよなあと思ってしまいましたが、本人視点だと仕方ないというかなるほどなあと思わされてよかったです。
Posted by ブクログ
ひとり1話形式で、主人公の翼、レモン、鉄也、母の広海、同僚の原田、鉄也父、と来て最後に再び翼。そこまでのたうちまわる翼はちょっと変わり者だか、よい人で誰もが「絶賛」する「今時」の男のようだ。が、父の入院を機にちょっと怪しくなる。父は死期が近く回復する事は無さそうだ、そんな状況で仕事にも影響し、元カノが登場して自分の嫌なところを自覚させられる。挙句、レモンにも…そんな彼を救ったのは親友の鉄也だった。スマートなままの翼はちょっと「出来杉くん」過ぎたので最後に「拗らせくん」なところを見せた翼は良かった。
Posted by ブクログ
自分 「川のほとりに立つ者は」が面白くて他の作品もと手に取りました。人間の一筋縄ではいかない難しさや優しさを表現しているなってこの作品でも思いました。
自分らしく自分の人生を生きることは難しいと思います。誰かの影響を受け誰かに頼り生きているのが人生のように思います。
「大人は泣かないと思っていた」は短編集ですが、つながったお話です。最後のお話「君のために生まれてきたわけじゃない」、父への思い、母への思い、元カノへの思い、親友への思い、恋人への思い、色々な思いがあふれていて、そうやって生きている人間の美しさや強さなんかが感じられました。良い作品でした。ありがとうございました。
Posted by ブクログ
田舎の青年の日常の物語だけれども、その周りの人々に語り手が変わっていくことで奥深いものを感じる。人はみんなそれぞれに物語があるんだなーとつくづく思う。時田翼という青年、お菓子作りをしたり少し女っぽいところがあるけれど結構好きなタイプ。高校生で母親に出ていかれてからは大酒飲みの父親と2人暮らし。そんな家庭環境も彼の性格に影響はあるのだろう。少年の時から鉄腕という友人がいたことは彼にとって救いだったに違いない。彼の未来が幸せであることを願うばかりだ。
Posted by ブクログ
あったかい短編小説。共感できる言葉、励まされる言葉が出てきてホッとする作品だった。みんなそれぞれの立場、それぞれの環境で色々悩みがあるよね。でも先を見過ぎで、今を蔑ろにしないようにしたいなと思った。
Posted by ブクログ
やっぱ若い子好きじゃん笑
うちもすれてない頃の自分のが好き。
親友の彼女が親友の家の祭の宴にお呼ばれする話が好き。そこであ、これ九州の話か。。。ってなった。
日本どこでもそんなもんだと思ってたけど、関東に住んで中年になった今だに九州ってさ亭主関白文化なんでしょ〜wって言われることがたまにある。まぁそうかもせんけど、こちらの生活してても、結婚してなくても割と感じるけどな。
Posted by ブクログ
1話完結の短編集かと思ってたら、珠数繋ぎの短編集。ひょろっとした翼君や、九州男子のお父さんなど周りに同じような人が多いので妙に親近感の湧いたお話でした。