ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 珈琲と煙草

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    著者の生い立ちや職業からして、かなり稀有な作家である。その著者のエッセイ的な本だからかなり広く深く時には暗く重たい章が並ぶ。ハードボイルド的な面もあるし、法とは?と現代における簡単に答えが出ないテーマに触れているものもある。
    仕事柄、成功者と呼べる人から転落した人、狂気と呼べる人など、人間のキツい部分に多く接しているだろう日常からのこれらのエッセイは貴重な一面を記していると思う。

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    2026年09月16日
  • 歴史ゴーストバスターズ(4) 歴女失格!? お泊まり会で大波乱の夏休み!

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    夏休みの巻!!
    宣言する和子ちゃんがすっごくかっこよかったです!!!
    和子ちゃんのご両親キャラ濃い、、!

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    2026年09月16日
  • ヴィクトリアン・ホテル

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    ネタバレ

    個人的にやっぱりこういうどんでん返しの小説、好きです!

    なんか怪しいなーと思いながら読み進めていましたが、最後の最後に「おや、時系列っぽいぞ…」ってなった段階で「そういうことかー!騙されたー!」ってなりました笑

    ただ「どんでん返しをするためだけの小説」も読んだことあるんですが、これは違いました。
    各所に名言もありましたし、考えさせられる部分もあり、好みでした!

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    2026年09月16日
  • 夜が暗いとはかぎらない

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    ネタバレ

    閉店が決まっているあかつきマーケット近くに住む人々の物語の数々。
    人々は知らず知らずのうちに関わり合っていて、同じ人が別の物語にも登場してくる。
    話によって人の印象は違い、人は様々な面を持っているのだ、と改めて気付かされる。
    以前、寺地はるなさんの『川のほとりに立つ者は』を読んだ時に″普通″とは何か、を考えさせられたが、この物語でも普通は、普通は、と言われてきた女性の話がある。
    悪気のない何気ない言葉に苦しめられる人もいる。
    自分も含め、人をこうだ、という型にはめることはできない。
    人はみな違って、人のことは想像はできても全てをわかることはできない。
    そんなふうな考えを頭のどこかに置いていると、人との関係がうまくいくのかな、と思った。
    心に刺さる物語だった。

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    2026年09月16日
  • 生きとし生ける音【電子特典付き】

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    コンビ芸人男性ブランコの平井まさあきさんの短編小説集です。
    オノマトペを扱った13話で成り立っています。
    「わしゃわしゃ」「しょきしょき」「ドゲゲダスボボーン」などの不思議なオノマトペが出てきて、読者をひきつけてほっこりさせてくれました。
    タイトルは「生きとし生ける音」。
    独自の死生観もあらわれます。
    とても感動的な作品でした。

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    2026年09月16日
  • 青天

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    話題作ということもあって、読んでみた。アメフトは、ルールも全くわからないが、楽しめた。青春ものなんだけれど、運動出来ない自分でも熱いものが伝わってきた。卒業のときのカミュのシーシュポスの神話の話のところでは、主人公といっしょに泣いてしまった。結果が伴わなければ、やらないのかと自分にも問いかけてしまう。映画化などしてほしいな。

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    2026年09月16日
  • NO.6[ナンバーシックス]再会#2

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    ネタバレ

    No.6が倒れてから2年、紫苑を委員長とする再建委員会により、徐々に平穏な世の中になってきている。
    特に西ブロックは明日があるかどうかの生活から人並みの生活ができるようになってきた。
    落ち着いたきたからこそ、ほんの小さなことで不満が出てくるようになった。
    人間とは愚かなものだ。
    不穏のタネを撒く人が現れ、人々がまた飲み込まれていく。
    今現在の世界もこのようなものだ。
    火藍とネズミが話す場面は読み応えがあった。
    火藍、ネズミそれぞれの心の葛藤が細かく描かれている。
    紫苑がNo.6から解き放たれ、ネズミと共に人生を歩んでいくことを願って、続きを読み進めよう。

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    2026年09月16日
  • あいつも誰かに殺される

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    個人的にSNSの闇を描く小説はあまり好きではないが、下村氏のドラスティックなプロットと、後半(356頁あたりから)の虹ヶ屋と風間のぶつかり合い、そしてエピローグにはSNSの本質が凝縮されていて、とてもとても面白く参考になった。流石の文章力と説得力だ。ミステリーとしても上質だが、SNSと人間心理の闇が見事に表現されており、傑作といえる。

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    2026年09月16日
  • 新装版 殺戮にいたる病

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    正直叙述トリックの類はあまり得意な方ではないのだけれど本作のトリックはすごく好きだった!上手すぎる。ミスリードに引っかからないようにと気を張って読み進めていたのにまさかこう来るとは。最後の1ページでひっくり返されて何度もページを遡って読んでしまった。
    描写は中々に残酷で詳細すぎる。女性を殺害するシーンばかりなので自分の身に起きたらとゾワゾワしたけれど、これがまた良いスパイスになっていたようにも感じられる。面白いけど人には勧めずらいかもしれないなあーー、グロ耐性はついたかも、しれない。

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    2026年09月16日
  • ある編集者の主観

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    やはり、強く生きる女性が好きだなと改めて感じた。
    自分を正しく愛せなければ他者を愛することはできない。ご自愛力。この言葉を忘れないようにしたい。
    強く、柔らかく。

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    2026年09月16日
  • プロジェクト・ヘイル・メアリー 上

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    ネタバレ

    上下巻を読んでの感想。映画の評判の良さを知って、映画観たさに読み始めた。文系出身の私には難しい単語が多く、スマホ片手に調べながら読んだので結構時間がかかったけどとても面白かった。でも調べても全然イメージできない描写が多々あって、途中からは要点だけ分かればオッケーということにして読み進めた。間違いなくフィクションで突拍子もない話なのに、宇宙船の描写とか宇宙空間の描写とか、本当に見て体験してきたかのような書き方で、すごく引き込まれた。それだけに、文章からはっきりイメージできない自分の理解力の無さが悔しかった。突拍子もない設定が全て理論的に説明されていて、著者はとんでもなく頭がいい人なんだろうなぁと、一体どんなふうにしてこの物語を書いたのか想像が付かなすぎてもう脳内宇宙みたいな感じになった。感想が頭悪すぎて絶望する。とにかく面白かった。ロッキーかわいいなぁ。宇宙人って本当にいる気がしてきた。頑張って読んだので、きっと映画を観たら今よりもっと理解できるはず!相対性理論の簡単な本も買ってきたので、読んでみようと思う。

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    2026年09月16日
  • 猫を処方いたします。3

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    出てくる猫がどれも愛おしく、とてもとても癒される。リアルに飼っている猫と色々重なって、にやりとしたり、ホロリとしたり。何にもしない、語らないシャム猫に背中を押してもらう最初の話は、悲しくもなんともないのに自然と涙が。猫って本当に不思議な力があるよなあ。中京こころの病院の真相や怪しい隣人について判明する。が、続きはある。ニケ先生と処方される猫たちの活躍は終わって欲しくない。猫飼いにとっては不朽の名作。みんな読んだ方がいい。大好き度❤️❤️❤️❤️

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    2026年09月16日
  • シュレディンガーの密室

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    密室を開けるか否か、扉を開くまで結果は観測されない、お話(?)。

    土砂崩れで孤立した研究所、硫化水素が漏れ、閉じ込められてしまったドナーの少女と付き添いの妹さん。命を取るか、移植のための腎臓を取るか、決断が迫られる中で、殺人事件が起こる。

    犯人は誰か?目的は何か?研究とのつながりは?。
    謎が解けていく中で真相も観測されていくのだが、その先にさらなる真相が待ち受け、最後の扉が開かれたとき、衝撃のどんでん返しが観測されるのでした。

    やられたぁぁ、となりました。

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    2026年09月16日
  • 「タ」は夜明けの空を飛んだ

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    無茶苦茶おもしろかった!!!プロジェクトXみたい。
    ドラマ化しないかなぁ。
    坂の上の雲も真っ青なくらい面白い。日露戦争が財政的に綱渡りなのは知ってたけど、技術的にもかなり頑張ったんだなと思う。

    木村駿吉は教師をしていたが、内村鑑三の不敬事件の煽りを喰って免職になりアメリカに留学していた。日清戦争が開戦する。

    イタリアでグリエルモは電磁波の研究に夢中だ。電磁波でモールス信号を送れることにも気づく。この話をイギリスに持っていくことにした。後にノーベル賞を受賞する。

    海軍内に無線電信調査委員会が立ち上げられている。世界最先端の技術である。グリエルモマルコーニが世界で初めて実用できる無線機を作ったのだ。無線電信を海軍は開発することにした。外波中佐が責任者だ。木村駿吉が海軍大学校の教授になる。

    木村駿吉の父は木村摂津守。咸臨丸で太平洋横断し、勝海舟とも交流があり、その際には福沢諭吉を従者としていた元幕臣。顔は広い。

    駿吉は松代技師といろいろ相談する。全てが手作りだ。課題がすでに箇条書きされている。一つずつ潰していくしかない。駿吉は並行して受信機を作る。音響式と印字式のどちらが便利かやってみる。なにしろ無線の天覧を行う予定なので、プレッシャーは半端ない。海軍大演習があるのだ。

    そうこうしているうちに、無線機の扱える兵を作らねばと教育も始まる。仙台の高校で教えていた要領でやったら、みんな寝てしまった。だがロシア情勢が不安定なので急がざるを得ない。

    山本英輔中尉。授業がまるでわからない。

    駿吉はアメリカに調査に行く。がみんな、自分の専門分野ばかり滔々と語って得るものは少ない。

    イギリスへの表敬訪問に行く途中、無線をしっかり使うよう命令されている。改善要望をまとめていく。イギリス海軍の無線機まで見せてもらえた。

    駿吉は米国からの帰国で船が漂流し、おお急ぎでヨーロッパを回る。まだ周波数を測る手立てはどこにもないようだ。よい部品を見つける。

    横須賀に正式な無線の開発局が作られた。松代は逓信局に帰ってしまった。問題点をリスト化すると100を超えた。あれこれ無理難題も持ち込まれる。山本が大尉になって派遣されてきた。ロシア情勢が緊迫する中、駿吉は行き詰まっている。

    改良型無線機を扶桑という船に取り付けて実験開始。いよいよ人事も開戦を見据えたものになってくる。予算が通り、部品調達から始める。外波中佐と山本大尉が戦隊の方に行ってしまう。突貫工事で改良型を増産して各艦に取り付ける。

    日露戦争が始まる。たまたま通りがかったロシア商船を拿捕して連行などの連絡が素早くできてみな感心する。旅順海戦が始まった。制海権を制することはできなかった。

    駿吉は対馬に出張だ。まだ中傷の船に取り付けねばならないのだった。

    海門号はイギリスのタイムズ紙のチャーター号で、海戦の模様を海から無線で報道しようとしている。外波中佐はそこにマレーシア人のボーイに扮して乗り込んでいる。ロシア巡洋艦のバヤーンが検査にやってくる。尋問されたがやり過ごす。と、外波中佐はバヤーンが提督船であることに気がつく。その話を駿吉にしてやった。

    日本海軍はロシアと海戦をしたいが、旅順港の奥深くに籠ってしまい、陸からの砲弾で近づけない。そこで旅順港の入口にボロ船を沈めて出られないようにしようとしたがうまく行ってない。バルチック艦隊が来る前に旅順艦隊と勝負をつけなければならない。が、ロシア司令長官のマカロフ中将が戦死。

    ロシアの巡洋艦は太平洋側にまで出没し、輸送船や商船を襲う。駿吉はロシアの無線解読を頑張るがロシア語はわからない。ロシア語がわかる人はみなさん出陣している。しかし辞書がある!読めるわけなかった。せめて方角がわかれば…

    日本海軍はウラジオ艦隊が無線として孤立していることに気づく。三隻中一隻を沈める。戦闘は終わったが、敵兵の救助作業が始まる。山本大尉も報告書を作成して後続艦や軍司令部などへ打電しなければならない。

    海軍は日本海と黄海の制海権を得ているが、バルチック艦隊が出航していた。旅順が潰せていない。陸側から頑張って陸軍が攻めている。旅順が落ちた。残るはバルチック艦隊だ。

    外波中佐はエジプトだ。日本郵船の社員ということになっている。知りたい点は3つ。
    ・潜水艦を持っているか
    ・機雷敷設用の機材があるか
    ・無線通信能力
    しかし空振りに終わる。スエズではなく希望峰を回ったのである。外波は追加部隊を観察する。

    呉のドッグで艦隊を補修する。もちろん無線もやられている。駿吉は指示を出す。まだ日本は2等巡洋艦も造船できない。バルチック艦隊の無線はドイツ製らしい。今度は国内の離島の望楼に無線機を張り巡らす仕事が待っている。ドイツ製というのは外波大佐(昇進した)の報告で間違いない。アンテナなら今から改良できないだろうか。今は立石兵曹長が手伝ってくれている。やるべきことはやった。バルチック艦隊はマラッカ海峡まで来ている。

    タ。一字暗号。バルチック艦隊を見ゆ。橋立とある。しかしこれは結果的に誤報。バルチック艦隊とすれ違った宮城丸は宮古島に入って報告したが、宮古島には電信局がない。石垣島まで110キロを丸太をくり抜いた小舟で垣花善という若者が漕いで渡る。同じ頃、「敵艦隊らしき煙見ゆ」のネを東シナ海から発せられた。近づいてきて、タを連打する。位置は203、信濃丸の符号はYK。厳島を中継して日本海軍に知らされる。無線が連合艦隊の全艦に行き渡ったのは2-3ヶ月前だった。信濃丸などその際たるものだ。ギリギリ間に合ったのだ。敵艦隊の位置や様子は絶えず送られてくる。

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    2026年09月16日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    人間の心の中にある毒は、波によって浮き沈みする。海の中に入ってしまえば、その毒は広い海の中に溶け込み、ひどく小さなものに見える。しかし、波によって浜辺へと押し返されたとき、その毒は逃げ場を失い、はっきりと姿を現す。

    作中の人間は、それぞれ異なる「波」を持っているように思えた。何度も波に押し返され、そのたびに自分の中の毒と向き合う者もいれば、波がほとんどなく、常に心の中が毒に侵されているような者もいる。また、たった一度の大きな波によって、心の中に毒が生まれたりする者もいる。

    そして、その人間たちの心にある毒をさらに濃くしていたのが、作品の時代背景だったのではないかと思う。戦争という大きな「毒」の中で生きることで、人間は自分自身の中にある毒にも気づかないまま、それを吐き出してしまう。

    さまざまな人間が、それぞれの「波」と、時代という「毒」の中で生きながら、最後には自分の心の中にある毒を吐き出していく。その姿を描いた作品なのではないかと思った。

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    2026年09月16日
  • 教場

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    警察になるにはそれ相応の覚悟と度胸がなければならないとわかった。職務質問一つをとっても警察1人1人が苦労をし、工夫していることがあるとわかった

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    2026年09月16日
  • 女王さまの休日 マカン・マラン ボヤージュ

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    大好きなマカン・マランシリーズの番外編。
    「さよならの夜食カフェ」でもうシャールさんに会うことないんだと思ってたから、番外編でもまたシャールさんに会えて、本当に嬉しい。

    番外編の舞台は台湾。
    シャールさんが滞在中のところに妹分?のジャダとマカン・マランの常連でライターのさくらが2泊3日で訪れる。
    台湾のお料理が何でも美味しいことは、言わずもがな。
    でも、文章にしても美味しさが伝わってくるのは、さすが。
    台湾に行ったことのない私でも、お料理の美味しさだけでなく、物語の中に出て来る情景も目に浮かぶようで、とても情緒的な4編だった。
    もちろん、今は友好国である台湾も日本には嫌な記憶もあるし、そういう面に出ない歴史もきちんと伝えてくれるのが、誠実なシャールさんに反映される作者さんの人柄を感じる。
    シャールさんと同年代の自分には、エピローグでシャールさんと常連で同級生の柳田との会話がさらに心に刺さった。

    私たち、これからはゆっくり下山を楽しめばいいんじゃないかしら

    そして

    一番つまらないのは、なになにしなければ、なになにでなければって、幸せを限定してしまうことだと思うわ
    実際にはそんなこと全然ない。幸せって、そんなせせこましいものではないのよ。もっとおおらかで、深いの。だからほんの少しでも充分なのよ

    この2つのシャールさんの言葉に、何かに怯えて、何かに焦ってる自分が救われた。
    今は同じ場所で立ち止まってるだけで、それこそ「なになにしなければ」状態だったから、この言葉が心を救ってくれたのだと思う。
    本編も良かったけど、エピローグで気づいたら、涙が溢れた。

    また、いつかシャールさんに会いたい…

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    2026年09月16日
  • 津軽百年食堂

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     時代を超えて人の想いが繋がる、恋と家族の物語です。

     青森県弘前市にあるとある食堂は、今年開業百年目。三代目の子である陽一は、弘前を離れ東京で一人暮らしていた。元々は実家の食堂を継ぐために外で修行をしていたが、修行先でのトラブルから、現在は特技のバルーンアートを活かしたピエロとして細々と仕事をしている。ある日、訪れたスタジオで出会った女性とひょんなことから意気投合し、お互いが弘前出身で、しかも同じ高校に通っていた先輩後輩だと知る。彼女は弘前のりんご農家の一人娘。少しずつ日々を積み重ねていくうちに、お互いの将来のことを考えていくようになるのだが。

     食堂の初代である曽祖父世代の恋の物語と、曾孫の陽一たちの物語が時々交錯するようにリンクしていくのが面白く、キャラクターも魅力的な恋の物語でした。久しぶりに恋愛物を読んだので、ときめきとかもどかしさとか、恋する二人のドキドキやもどかしさをどこか新鮮に味わうことができました。心に沁みる心理描写で、青森の美しい桜と心象風景が重なるのが素敵です。
     終章近くの、初代の開店祝いのシーン、とても素敵でした。よっちゃんの言葉にじんわりとして、涙腺が緩みました。こんな粋な贈り物、できるのも、もらえるのも素晴らしいことです。これからは次期四代目にも頑張ってもらわないと、ですね。
     大部分とても楽しかったのですが、どうしても気になってしまったのは、救急車を呼んだ時のコール対応と救急隊員さんの対応の場面でしょうか。あまりにも…いえ、もしかしたら作者の方は何かそういう嫌な思いをしたことがあるのかもしれませんね…。

     行ったことがなく、見たことがない弘前の景色ですが、とても鮮やかで美しい描写でした。いつか行ってみたい場所が増えてしまいました。
     近頃はなかなか春が短く、桜の開花も予想がつきにくいこの頃ですが、いつか春の弘前公園に行ってみたいものです。

     人と人の心のつながりと家族とのつながりを感じさせてくれる一冊でした。

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    2026年09月16日
  • 母校

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    市内にある複数の高校に届いた脅迫状。
    警察は捜査に乗り出すが、ただ一校だけは脅迫状は届いてないと言う…

    何故なのか?
    届いてないという長澤高等学校が母校である加賀美刑事は、直接学校へ行き校長に会うことに…。

    違和感が残る。
    見えないモヤモヤが何なのか。

    これまでの校長の経歴を辿ったり、学校内での事件・事故などを探っているうちに見えてきたものは…。


    西山玲子校長が、とんでもない人物だということがわかる。
    言いなりになる配下を使って邪魔な者を排除していく。
    学校の方針に従わない者がいるのが我慢ならないとは、これが上に立つ者なのかと怖気を感じた。

    校長がというよりも、それ以前に母であったということも驚きである。


    母校という言葉を使うことは滅多になく、悲しいかな、小・中・高と校長先生の記憶はない。



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    2026年09月16日
  • ひとり旅日和

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    “ひとり旅”というとどんなイメージだろうか?
    「楽しそう!」「寂しいかも」
    いろんなイメージがあるが、その一つのイメージとして捉えられるのではないかと思うのが本書。


    人見知り体質の主人公が『旅の恥は搔き捨て』マインドで、現地の人との交流をしていったり、失敗をしていくことで成長をしていく様子が楽しめる。

    と同時に、ひとり旅をしたことがないけれどチャレンジしてみたい!という人に向けたプチ知識も作中にちりばめられているため、読んでいてワクワクしてくる。


    個人的に、体質柄お酒は飲めないので、お酒と食事の描写は読んでいて憧れるし、羨ましい。

    また、目次が日本地図になっており、章が旅の地域を指しているので、ともに旅をした記録を見ているようで良き。


    総じていうなら
    旅に出たいー!!

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    2026年09月16日