あらすじ
俺の人生に、俺たちの音楽に、
罪はなかったのか――。
かつて夢を追いかけていた、すべての大人たちへ贈る青春小説。
失踪した孤高の天才ギタリスト
×
彼に憧れるスランプ中のシンガーソングライター
音楽活動に行き詰まった立石梨紅は、
数年前に業界から消えた人気ロックバンドのギタリスト・伊丹孔善の楽曲と出会う。
彼にアドバイスをもらおうとするも、消息は不明。
自身の手で探そうと決意するが……。
天才ギタリストは、一体どこに消えたのかーー。
感情タグBEST3
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好き
誉田哲也さんは青春小説の名手でもあるのだ!
本を読むスピードの話をします
基本的なベースというか、本を読むスピードというのは個々人によって色々あると思う
早いとか遅いとかあると思う
それに加えて、スピードが増す、いつもより早く読める小説ってのがあると思う
わいに関して言うとそれは3つのパターンに分けられる
①単純に文字数が少ない
比喩表現が少ないとか会話文が多いとかだね
今野敏さんの小説なんかがそう
読みやすい、分かりやすいなんて表現をしたりする
②めちゃくそに面白い
とにかく先が知りたい、ワクワクが勝ちすぎて止まらない
最近だとホロヴィッツや今村翔吾さんなんかあっという間に読み終わった
いや読み終わってしまった
まさに寝食を忘れてってやつ
③とにかく相性がいい
理由は分からん
なんかいい感じ、気付いたら読み終わってる
そうこれがわいにとっては誉田哲也さんなのだ
古女房みたいな
黙っていても熱いお茶が出てくるみたいな(実生活で出て来たことないけど!熱いお茶が好きなのは知ってるはずだけど!)
たまにあれっ?ってな作品はあるけど、今作は非常にすらすら読めた
なんか2行先、3行先が見えてるみたいな読み心地
それって驚きがないストーリーってことなんじゃないの?って言われるかもしれない
けど言いたい
これは言っておきたい
驚きのないストーリーのなにがダメなの?
半年後とかにストーリーに驚きがないので★2とか書いてたらごめん
それはごめん
ごめんて
Posted by ブクログ
誉田哲也さんというと私の中で中学生の頃に読んだストロベリーナイトのイメージが強くあります。
しかし本作はまったくちがう。
「人気ロックバンドの元ギタリストはいったいどこに消えたのか」、ここだけ読んで初めはミステリーだと思っていました。
しかし音楽と向き合い続ける梨紅が、自らの成長のために、元ギタリストの伊丹を探しはじめる。伊丹に会って、自分は何がしっくり来ていないのかを知ろうとしたからだ。そうして徐々に明かされる伊丹の過去。
伊丹に会うために山形まで車を飛ばし、通い続ける梨紅。
わたしは純愛だと思いました。
確かにはじめは伊丹の才能を求めて行ったはず、しかし世捨て人のように暮らす今の伊丹が梨紅に与えられるものはなかった。けれど梨紅は何も求めず、また来てもいいですかと尋ねている。すぐにその言葉が出てくるのは、相手を想う心があるからではないか?そんな梨紅だからこそ、伊丹も前を向くことを考え始めたのではないかなとおもいました。伊丹との楽曲ができたのは結果論で、梨紅が伊丹に無理強いせず寄り添うことを選んだから、そう思います。
わたしにとってとてもどストライクな作品でした。
Posted by ブクログ
久しぶりに◯学がテーマに流れる作品。
構成も「ちびまる子ちゃん」みたいでおもしろかった。
(ん?わかりづらい⁇)
だとしたら是非ご一読をされて、確かめることをお勧めします。
Posted by ブクログ
音楽をめぐる大人たちの青春小説。音楽から逃げた孤高の天才ギタリスト孔善と彼に憧れを追うシンガーソングライター梨紅。彼を立ち直させ自らも殻を破る主人公の純粋さが位ごとに描かれる。理屈抜きに引き込まれる一冊。
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待ってた~!誉田哲也さん~!
もう贔屓目絶対入ってるけどおもしろかった!
完璧を求めすぎてダメになってしまった天才ギタリストと、モデル・女優業をこなしながらも音楽活動が一番好きなシンガーソングライターの女の子の話。
2人がだんだん心を赦していくところとか、リクちゃんが、コウゼンのために、涙を流すところか、尊すぎて好きだった。誉田哲也さんには珍しい純愛系?
Posted by ブクログ
スランプ中のシンガーソングライター立石梨紅は失踪した天才ギタリスト伊丹孔善の音楽に自分の音楽に足りないものを見い出して、彼に会うべく奔走する。
やがて梨紅は孔善に会うことができるのだが。
音楽用語が多くて、分からないところも結構あったのだが、梨紅と孔善が徐々に心を通わせていく様子に好感を覚えた。音楽から離れていった孔善が昔在籍していたイノセンスのメンバーと出会うところにはジーンと来てしまった。
梨紅と孔善の関係は単なる恋愛関係ではなく、もっと奥の深いものだと思わされた。
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表紙絵は誰が、どこで?と思いながら読み進めると良い。いろいろうまくいきすぎる点は否めないが応援したくなる二人。ギターがよくわからなくても伝わってくる凄さがあった。
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あまり売れていないシンガーソングライター
モデルもやるし女優も
それでも作曲作詞それもギターを
奏でるのが一番
レコードを創るのになかなかしっくり
こなくて
数年前に人気ロックバンドの天才ギタリストの楽曲に魅了され
山形の田舎で保護犬と暮らす彼を
見つけ
ギターを全く触れなくなっていた
彼に自分の楽曲を聞いてもらって
音楽へのヒントをもらう
サードアルバムが売り出され
彼の昔のバンド仲間や田舎の大家
田舎のバーの店主などが絡んで
人間いろんな人がいるし楽しいと
思わせてくれる
爽やかな作品
Posted by ブクログ
音楽制作に苦しんでいた、モデルもこなす女性が
SNSで1人のミュージシャンを目にして、会ってみたいというところから話は始まる。
そのミュージシャンの意外な状況から、話は急展開。
何だかほのぼのしていて、読んでて心が和んだ。
Posted by ブクログ
好きな作家さんなので、評価高いです。
久しぶりに平和な誉田哲也さんの作品でした。
ただ、主人公の才能ある行動力がある女性というのが誉田哲也さんらしいですが、誉田哲也さんの作品で何回も見たことあるようなキャラクターだと思ってしまいました。
姫川シリーズや、武士道シリーズなど、。
もちろん面白かったのですが、
今後出版される本で傑作というのは出ないのかなと思いました。
もう1人の主人公の男のミュージシャンが作者の投影なのかなーと思ってしまい、もう出し尽くしたのかなと勝手に考えてしまいました。
大変失礼なことだと思いますが、私が思った感想です。
Posted by ブクログ
誉田哲也には珍しい音楽物、そこにはエロもグロもなかった、時々書くこともある青春物のようだがやっつけ仕事感はの逃れがたかった、恩田陸や中山七里の音楽物のように全く音が聞こえてこなかった、ちょっとがっかりな作品だった。
Posted by ブクログ
誉田哲也さん、こんな作品も書くんだというのが第一印象
自分が音楽好きで、こっち系はけっこう知ってるので、すらすら読めた
自分の好きなギタリストの名前も出てきたり、YAMAHAのかわいいアンプは、家にもあるよ!と思ったり
自分は、聴き手として毎日音楽にふれているので、クリエイティブな仕事ができる人を心底尊敬(もちろん小説家も!)
若い梨紅ちゃんの情熱が眩しい
ルキさんは梨紅ちゃんに出会って良かった
アーティストが進化する時ってこんな風な出会いがあったりするんだろうかと思いつつ、今日も好きな音楽聴いてます
Posted by ブクログ
失踪した孤高のギタリスト
彼に憧れるスランプ中のシンガーソングライター
トーンは武士道シックスティーン色あり
大人の青春小説なんだろうけど、なんか焦点決まんない感じで3
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ハードボイルドなイメージの誉田さんはこんなのも書けるのか! 人気バンド「イノセンス」のギタリストで突然失踪した孔善を、自分の音楽に迷える梨紅が”発見”して”再生”させる話なのだが、一度は音楽の道を目指した誉田さん自身が投影されているかのよう。クラプトンのForever Manなんかも出てきて、そっち系の人には楽しく読めること間違いなし。
Posted by ブクログ
「夢」とか「理想」とか、口に出しづらい世の中になってませんか? 夢を追いかける、理想を追求する、なんて、自分を追い詰めるだけ。現状で満足しましょう、的な。
本書の主人公は、音楽活動に行き詰まったシンガーソングライターの梨紅。動画で観たギタリスト孔善の演奏に惹かれるが、彼は7年前から行方不明になっているという。自身の創作のヒントを得るため、孔善の行方を探し始める。
理想を追求し、妥協を許せずに動けなくなってしまった孔善。対して梨紅は、自分にとって”しっくりくる”音楽を、どん欲に追い求める。全く違うふたりなのに、どちらの言葉にも、「ああ、わかる」と思う。どちらが正しいとかではなくて、何かを成したい私たちはいつも、そのふたつの間を揺れ動いているんだと思う。
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暗い井戸の底から、月も星もない夜空を、ずっと一人で見上げてたんだ。朝なんて来ないって、本当は知っているのに。
だから、逃げた。塞がった壁をよじ登って、乗り越えて飛び下りて、真っ暗闇を走って逃げたんだ。
それからだよ。
誰かが、追ってくるんだ。ひたひた、ひたひたって、同じペースの足音で、俺を追い駆けてくる。
怖くてさ、何度も振り返るんだ。
わかってんだよ、追ってくるのが誰かなんて。
俺だよ。 (p.236 「第4章」より)
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「でもそういう傷って、自分が演奏してきた歴史でもあるし、特に、ガツンッて一回、大きく傷つけちゃうと、なんかそこで、まいっか、って⋯⋯もういいかって、思っちゃったり、しませんか。今まで、ちょっと付いた指紋まで綺麗に拭き取ってたのに、なんか急に、こいつ、ボロボロになるまで弾き倒してやろう、みたいな⋯⋯なんか急に、吹っ切れちゃうことって、あるじゃないですか。ありませんか、そういうこと」(p.346「第5章」より)