小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ他の小説と並走しながらで前半の記憶が薄い。
後半メインの感想
でも後半でポロポロ涙出てきたので、もう一度読み直したい。
「たいせつなことは、目では見えない」
今目前の大事なものややりたいこと、形あるものだけじゃなくて
大事な人を大事にしたり、もうさわれないもの会えないもの、どんなものでも絆を自覚したまま生きていけば一生あたたかい気持ちで過ごせる。
「傷つくくらいなら、はじめから信じない。別れがあるならはじめから近づかない。」
をモットーにしていた自分が、
「裏切られても他の人や物に心を預けたい」
と思えた、自分にとって本当に大切な物語だった。
散々そういう物語を読んでも完全に腑に落ちるとまではいかなかったのに、なんでこんなにも自然に入ってきたんだろう。
最後は別れたままで救世主は現れなかったからかな。
王子様がとても可愛かった。
あとがきを読んで追記
王子様は作者の子供の頃の姿だったんだ…!
あの頃ならわかっていたことを、子供の姿で今の自分に言い聞かせていたのか。
ではどうして作者はたいせつなことに気づけたんだろう。
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Posted by ブクログ
著者作品の人気ランキングでよく上位に見かける本作は読む前から期待値が高かった。高すぎて、期待したほどではなかったが、それでも犯人のキャラクターが魅力的で、最後の最後まで読ませてくれた。むしろ、その先をアフターストーリーとして読みたいくらい。
続編で出てくることがあるのか調べたが、この事件がきっかけで湯川が警察に以前ほど協力的ではなくなったとして引きずりはするが、犯人が再登場することはないという。残念…。
確かに献身だった。
特に最後の切り札を出したところは、急にどうしたと思いつつも面白かったし、最後まで悪人であろうとする演技は泣けてきた。
やはり天才と天才の戦いは面白い。
とにかく、犯人のその後が読みたすぎる…もっと見せてくれ… -
Posted by ブクログ
一言で言ってしまうと、めちゃくちゃ面白くてページを繰る手が本当に止まらなかった!
本書をカテゴライズするならば、サイコミステリーやサイコホラーになるのだろうか。登場人物が比較的少なく、外国小説特有の名前が覚えられないストレスを全く感じない。翻訳も読みやすく、非常に取っ付きやすい小説だと感じた。
展開が二転三転し、頭の中で謎がぐるぐると巡る感覚は、本当に楽しい読書体験だった。結末についても、まるでダークヒーローが誕生したかのような、不穏さを感じつつもワクワクを禁じ得ない終わり方で非常に好みだった。
アメリカで大ヒットしてシリーズ化されているとのことなので、ぜひ続編も読みたいと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレメキシコの麻薬密売人のバルミロ・カサソラは、ジャカルタで日本人の臓器ブローカーと出会う。二人は、新たな臓器ビジネスを実現させるために日本へ。壮大な臓器ビジネス、麻薬密売…世界中で工作する運命に翻弄される人々の背後には、アステカの神の陰がちらつく。第165回直木賞受賞作。
異国情緒半端ない。
湿気てむしむしした空気、かと思えば砂丘の焼け付くような太陽、スラムはちょっと陰っていて麻薬中毒者が座り込んでいたり…文章の端々にメキシコの風が揺蕩っていて、気分はアナザースカイ…にしてはちょっと治安悪すぎか。ラテンアメリカな雰囲気が新鮮で、たくさん本を読んできたのにまだ触れたことのない世界があるなあと感心しきり。
「バタフライエフェクト」という言葉を強烈に思い出した。
蝶の羽ばたきが遠くの竜巻を起こすかというあの有名なやつ。メキシコで起きた麻薬カルテルの抗争が、ジャカルタでバルミロと末永を出会わせ、バルミロとコシモを出会わせた。彼らを引き合わせるきっかけとなる教えは、カサソラ兄妹の祖母・リベルタから齎され…みたいに長い長いドミノがパタパタと倒れていく。その最初の一押しを思い返すと日本から一万キロも離れたメキシコにある。スケールのでっかさに大の字で倒れちゃいそう。でっかい。
小児臓器売買計画の破綻があっけなかった。
よくできたシステムだったのに、内部の裏切りで一気に駄目になっちゃうとは…。バルミロの物語から段々コシモの物語になっていったことで、物語の神性、善性が高まって、バルミロがはじき出されたような感覚。リベルタからの教えでテスカトリポカに憧憬の念を抱いたバルミロと、テスカトリポカに融合していくように見えたコシモ。観念的で上手く表現することが難しいが、バルミロの失墜は何か大きな意志の元に…と考えると何となく納得してしまうところであった。
感想書くのが難しい作品。
そのものが出てこないのに、終始テスカトリポカに見つめられているような居心地の悪さを感じた。物語の最後に、リベルタがカサソラ四兄妹に講義するシーンが綴られるが、私は余韻を破壊されたような気がしたので、文中に入れて欲しかったと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ喪ったひと、モノ、時間にまつわる、心が温かくなる短編集。
ふとした瞬間に泣かされる場面がやってくるので、娘の矯正待ち、エレベーター、出張移動中のバスなど、衆人環視の場で読んではたちまち1人泣き出す不審者と化し、後悔すること数知れず。
町田そのこさんの作品は『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』以来。
『チョコレートグラミー』を読んだときは、出だしの一文でスッと物語に引き込む著者の手腕に魅了されたけれど、今作で感じたのは、ふとした瞬間の切り取り方がとても上手だということ。
なんというか、その場面、その瞬間の「解像度」がすごく高い。
特に私が感動したのは、絶賛不倫中の既婚男性上司に頼まれて、彼の奥さんのために渋皮煮を煮る独身女性の心情を描いた「くろい穴」。
彼への気持ちが急激に冷めた瞬間を、彼が買ってきたたい焼きの袋を捨てたときの「音」で表現していたのが、とてもとても新鮮だった。
「翌日、玄関の靴箱の上でたいやきの袋が冷たくなっているのに気が付く。すっかり忘れていた私はそれをゴミ箱に落とした。くだらない音がした。」
そんな男捨てちまえって、今すぐに(倒置法)と憤りながら読んでいた私の溜飲を、こんなにも爽快な「音」で下げてくれるのかと感激しましたとさ。
そして「くろい穴」は、ここで終わらない。
その後に待っている、ちょっと驚く展開も含めて好きな一篇。
でも結局、全部好き。
たぶんこれからも、定期的に処方箋みたいな感じで読み返すと思う。 -
Posted by ブクログ
著者は(暮らしの手帳)の編集長で
本上まなみさんのご主人です。
滋賀県で一人暮らしをされていた
老母がガンになり、介護施設や
制度を利用しながら(実家で最後を
迎えたいと言う母の意向に沿って)
付き添い介護をされました。
段々と身体能力が弱っていく
実母との会話、自分の思いを
文章にして母へ、切なくて
悲しけれど著者を中心とした親族
兄弟、近隣の方が皆温かい。
木漏れ日のようにじんわりと
心に響きました。
優しい息子に良くしてもらって
お母様も幸せでした。
心の在り方、育て方、息子は
息子の人生があると長きにわたり
一人暮らしをされていた。
学びがたくさんありました。
最後は泣いてしまいました。 -
Posted by ブクログ
ラウリ・クースクとまったくの同世代のため否応なしに感じ入ってしまった。
日本とは大分背景が異なるソ連で、そこで生活する人々の不安定さを初めて知った。当時我々日本人にとってソ連崩壊はほんとに遠い国のお伽噺だったが、ラウリ・クースクにとってはリアルだったのだなと思うと急に歴史が現実味を持った気がした。
彼らは、昨日の善行が今日の悪行となるような目まぐるしい社会の中で多感な青春時代を送らざるをえなかった。
そんな中で育まれた友情がまた複雑で儚い。
どうにもやりきれない感情、数少ない苦しい選択肢を乗り越えて現代に繋がるところは、読んでいて心があたたかくなった。時間が経つのは残酷なようで、全てを包みこんでくれるようなそんな側面もあるのだと感じた。
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