あらすじ
電気とオタクの街――秋葉原。その交番に勤める権田は、筋金入りのオタク警官。対してコンビを組む長身イケメン警官・向谷は頭はからっぽだが、類い稀なコミュニケーション能力の持ち主。ひいては美脚の「足だけの幽霊」を連れてきてしまった。2人は「足子」さんと呼び、彼女の死の理由を探し始める。フィギア盗難、抱きつき魔、迷子、メイド喫茶のいさかい……ご当地ならではの「謎」に凸凹警官が挑む、新境地人情ミステリ!
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めっちゃ笑った。
でも最後の方はじんわり、なんとも切なくなった。
けども!
いつメン!て感じにまとまって、このまま続いて行くといいなぁって思う。
成仏できないのは霊的には良くないんだろうけど!笑
権田の見た目に反したキレキレ頭脳と、向田のイケメンに反するおとぼけに、きっちり期待通りにツッコミ入れてくれるきほちゃんがすき!
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西條奈加の連作ミステリ作品『秋葉原先留交番ゆうれい付き』を読みました。
西條奈加の作品は、昨年7月に読んだ『はむ・はたる』以来… 時代小説じゃない作品は初めて読みますね。
-----story-------------
著者新境地の人情ミステリ!
電気とオタクの街――秋葉原。
その交番に勤める権田は、筋金入りのオタク警官。
対してコンビを組む長身イケメン警官・向谷は頭はからっぽだが、類い稀なコミュニケーション能力の持ち主。
ひいては美脚の「足だけの幽霊」を連れてきてしまった。
2人は「足子」さんと呼び、彼女の死の理由を探し始める。
フィギア盗難、抱きつき魔、迷子、メイド喫茶のいさかい……ご当地ならではの「謎」に凸凹警官が挑む、新境地人情ミステリ!
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2015年(平成27年)10月に刊行され、2018年(平成30年)4月に文庫化された作品… ファンタジー+コメディタッチの人情ミステリでしたね、、、
軽めの作品を読みたくて本書を選択しましたが、軽めのタッチの中に奥深いテーマが織り込んであったし、謎が解けることに伴い思わずホロッとさせられ胸を打つような展開もあり、ユーモアとシリアスのバランスが良く、しっかいと読み応えがある作品でした… 面白かったし、感動できました。
■オタクの仁義
■メイドたちのララバイ
■ラッキーゴースト
■金曜日のグリービー
■泣けない白雪姫
■解説 大矢博子
超イケメンで女性に優しい社交家だが、オツムの方がかなり残念、行く先々で女性と問題を起こしているボンクラ警官で社交性の高さがこうじて幽霊まで見える警官・向谷弦(むこうやゆづる)と、秋葉原・先留交番に勤務し、東大出身で頭は抜群に切れるが、毒舌で聡明オタク気質の警官・権田利夫… そして、向谷が勤務していた奥多摩の稲香(いねか)村駐在所から連れてきた、自分が誰にどのように殺されたのかわからず、会話さえできない、足だけが見える幽霊・渡井季穂(わたらいきほ)、、、
イケメンボンクラ警官とブサメンオタク警官、そして足だけの幽霊という奇妙なトリオは、秋葉原のディープな住人たちが巻き起こす地域に根ざした小さな事件を解決しつつ、季穂を殺害した犯人を追うことに… オタクの聖地で奇妙なトリオが犯人捜し!コミカルなのに胸を打つ物語。
ユーモア全開で素っ頓狂な物語と思いきや、ミステリ的な展開も愉しめるし、現代の家庭環境や趣味嗜好に関する問題点も扱われており、なかなかの読み応え… フィギュア誘拐事件、メイドカフェ従業員への抱き着き魔事件、行方不明の子どもの捜索等、一話ずつ物語が進むごとに愉しさに痛みや苦しみが混じりこむ展開が秀逸、、、
肯定されず否定され続ける哀しみが伝わってくる物語でした… 幽霊視点での語りや突っ込みも印象的でしたねー 良かった! ぜひ、シリーズ化してほしいなぁ。
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幽霊となって目覚めた主人公と凸凹コンビの警察官の繰り広げる、秋葉原ドタバタ事件簿な一冊でした。
主人公はある日山の中で目覚めた、何故か足しかない女性の幽霊。その山の近くの交番に勤めていたイケメンだけどポンコツのお巡りさんは、足だけになった幽霊が見えているらしく、謹慎処分で秋葉原に異動になった彼と一緒に幽霊の彼女も秋葉原に行くことに。辿り着いたのは秋葉原先留交番。ほとんど駐在所のようなそこで、トドのような身体に鋭い洞察力を備えた先輩警官とポンコツだけれど幽霊の見えるイケメン警官、足だけでしゃべることのできない幽霊の二人と一体は、主人公の事件について追いかけていくことに。日々起こる秋葉原ならではの事件から日常的な事案まで、様々な事柄の中に少しずつヒントを見つけていって、ようやくたどり着いたのは意外な結末だった。
読み終わって感じるのは、とても読ませる力のあるお話だったということです。私はこの著者の作品は初読なのですが、小難しくなりすぎず、かといって簡単に話の結末を明かしもしない、匙加減の絶妙なストーリー構成がとても私好みでした。登場人物もよく立っていて、読み進めるのがとても楽しかったです。
主人公が足しか見えない幽霊で、折角幽霊が見えるイケメン警官は壊滅的なまでにおつむがポンコツで、幽霊は見えないけれど察しのいいトド先輩頼りになりながら事件の真相解明に向かって少しずつ進んでいくお話は、寄り道のようで寄り道ではない話をいくつも挟みながら最終章で衝撃の事実を落としてきました。油断をしていたのでうっかり通勤途中で泣きそうになってしまい、大変でした。
まだまだ続く凸凹警官コンビ+足だけの幽霊という奇妙な関係がどのようになっていくのか、想像する楽しみのある終わり方で、余韻まで楽しめました。
秋葉原まで行くことがあったら、このお話を思い出してしまいそうです。
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秋葉原の交番に現れた足だけの幽霊。便宜上足子さんと呼び交番に持ち込まれる事件を解決しながら足子さんの事件を追う。
典型的なモラハラ父親で家族みんなが逃げ出して、残された父親はその後どうなったのかな。
お母さんが逃げ込んだのが新興宗教と出てきて嫌な想像をしたけど本当に人に寄り添ういい人たちでよかった。
「神のために人がいる」宗教ではなく「人のために神がいる」宗教だった。
足子さんはこのまま交番に居続けていくのかな?
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警官2人とゆうれい1人(?)のミステリー。
警官2名の凸凹感が素晴らしい。
こち亀の両津と中川ってわけでもないが、コンビとして、非常に完成されている。
そこに、3人目として、ゆうれいのツッコミが刺さりまくるという形。
舞台は秋葉原。
実在する名称も多く、馴染みやすい。
扱うテーマもそれらしく、フィギュアやメイドさんなど。
連作形式で1話あたりはコンパクトで読みやすい。
話が進むに連れて、徐々に色々な社会風刺もうたわれていく。
そのため、単なる娯楽小説ではない印象も受けた。
結末も一捻りされており、なるほど関心。
続けられそうな終わり方がされているので、是非とも続編を読みたい一作。
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西條奈加さんは時代小説の人と思いきや、現代物も良作をお書きになる。
ゆうれい付きなのでちょっとだけホラーっぽいかな。とはいえそんなに怖くはない。
ゴリラ系オタクの権田さんと、イケメンで武術ができるけど脳みそが残念な向谷さんが、足だけの幽霊の通称足子さんがどうして足子さんになってしまったのか?を解き明かすミステリーが軸になった作品。
機能不全家族だったり、秋葉原のメイドカフェだってり、それなりに時事的な問題を含ませつつ、さすが西條さんという人情もの。
続きもありそうな雰囲気だけど、本当に続きはあるのだろうか。あるなら読みたい。
Posted by ブクログ
題名に交番と出てきたので警察官が主人公かと思いきや、足だけの幽霊となった「足子さん」視点で話が始まる。
イケメンで女性に優しくだらしなく、頭脳には期待できない向谷と、見た目中身ともにオタクの典型で、口が悪く頭は切れる権田の警察官コンビと出会い、なくした記憶を探し始める。
様々な事件に出会いながら、真相に近づいていく三人。最初はコミカルだが、足子さんに起こった出来事が明らかになっていくにつれ、彼女のつらく苦しい過去が見えてくる。
足子さんになってしまっているため、どうやってもハッピーエンドとはいかないが、それでも思っていたような後味の悪い結末にはならず、登場した人たちが前を向いて生きていけるといいなと思う終わり方だった。
そして、続編もあるかもと思える余韻を残しており、シリーズ化するといいなと少し期待している。
Posted by ブクログ
途中までは、「この軽さでずっといくのかなぁ」と挫折しかけましたが、足子さんの死の真相に関わるあたりから、一気に引き込まれました。足子さんは成仏していないようなので、続を期待。西條さんは、時代小説も本書も、ただの人情モノで済まない作品の書き手ですね。
Posted by ブクログ
Audibleにて。
なんか軽いの聴きたいなーって時にぴったりだった。というより、思ってた以上に面白かった。
足だけの幽霊の足子さんと、どうにかして足子さんと意志疎通を図り、犯人を探そうとしてくれる秋葉原のお巡りさんや、オタク達、メイドさん等コメディ要素満載なんだけど、後半は同じ話だっけと思う位切ないお話もあり、飽きずに楽しめた。
Posted by ブクログ
幽霊と一緒に事件を解決!
秋葉原にある交番に勤める警官
オタクでトドのような見た目の権田
イケメン長身なのに中身がバカな向谷
元メイドカフェ店員で脚だけしかない足子さん
この3人がいろんな事件に挑みます!
設定やパッケージだけだとアニメ感溢れる感じですが、意外と中身はしっかりしてる
ユーモアなシーンもあってキャラクターもおもしろいので飽きずに一気に読めます
ギャンブラーで距離のつめ方が下手くそな子供に優しいお父さんの話はウルッとした
Posted by ブクログ
いきなり足だけの幽霊が現れる。
事情が飲み込めていない私は霊能力のあるイケメン警官向谷が殺害された女性の霊(見えるのは足だけ)をサポートして秋葉原先留交番までやってきたのだと理解するのに前のページを読み直したりしてしばらく時間がかかった。
そしてそこにいる出世嫌いで秋葉原好きのオタクでダサい、けれど東大卒の切れ者警官権田は交番(実は駐在所)の自宅部分にはアイドルの写真やポスター、フィギュアで埋め尽くされている。
こうなるとこの作は品軽妙でコミカルなお楽しみな内容なんだなと思っても仕方ない。
けれども実はなかなかどうして、家庭、家族の中にある現代的な根深い問題を扱っていた。
そして作品の中に流れるのは
「そこに自分がいると、他者に認識してもらう。自分のいる場所があること。それは何より大事なことだ」
本作品に一貫して流れているのがこの考えなのかもしれない。
家庭に居場所を失った季穂は秋葉原に逃げるようにしてやってきて不幸にして殺害されたが彼女は霊感のある警官向谷とキテレツな霊界通信装置を介して権田にも自分の存在を認めてもらえることになった。
私はラッキーな幽霊!
現世で辛い人生を送った女性の幸せの一つの形だった。
p116
「〜コンビニに吸い込まれる、ふたりの後をおった。」
エッ?このカンマ要りますか。
p131
「すみませんでした、DAICHIさん。ケロ、バッタ、ごめんな。」
コレ誰の発言?
p160
「いまの季帆にお帰りと行ってくれる世界でただひとつの場所だった。」
自分の居場所がある事、自分の存在を認めてもらえる事の喜び。
少し前の文章で若い父親が季穂の存在に気がついたのかと勘違いしたが、その時も自分をわかってくれる人がいる、と一瞬嬉しかったはずだ。
p197〜
霊となった輝の父親も思っている。
「そこに自分がいると、他者に認識してもらう。それは何より大事なことだ」
本作品に一貫して流れているのがこの考えなのかもしれない。
p205〜だがそれは、強者の言い分だ。
Posted by ブクログ
奈加さんのこういう感じの作品、もっと読みたいんですよね。コメディタッチの軽い感じかと思えば、しっかり社会問題など大事なことを絡めてて、入りやすい。だから、ゴメスの続きをお願いします!!
Posted by ブクログ
私、この作者さん好きだなぁ、きっと。他には千年鬼しか読んだことないけど。他の作品も読んでみよう。文章だからなおさらだろうけど、序盤からすでに、メガネトド権田がかっこよく感じられる。輝くんのお話でうるうる。ラストはポロポロ涙が出た。
Posted by ブクログ
記憶に新しい、2008年秋葉原無差別殺傷事件。過去30年、通り魔殺人事件としては最悪の事件。
時に、強者が弱者に振るう「常識」は恐ろしい武器になる。
何気ない一言が、誰かを酷く傷付けているかもしれない。
目頭が熱くなる一冊でした。
Posted by ブクログ
オタクの仁義/メイドたちのララバイ/ラッキーゴースト/金曜日のグルービー/泣けない白雪姫
秋葉原の交番勤務の2人の警官。頭は良いが顔はちょっとのオタクと頭も気持ちもかる〜いイケメンのコンビ。イケメンが拾ってきたのは足だけの幽霊!!
どうやって意思疎通を図るのか??
楽しくてしんみりしてちょっぴり辛くて。この3人のドタバタぶりにまた会いたいな。
Posted by ブクログ
秋葉原は学生時代から20代の頃何度か訪れていて(実は東京都民だったこともあるのです)、土地勘もあるのでタイトルから楽しめそうだなと思って手にとりました!
思ったより深いテーマでもあって、面白かったです。続編ないのかな〜〜?
Posted by ブクログ
秋葉原で日々発生する事件を町の駐在さん?と爽やか役立たずイケメンお巡りさん+謎の足(脚、なんだろうと思う)幽霊がしっかり誠実に解決して行く連作。
最後に謎も明らかになり思いも昇華して目出度く成仏か、と思ったらその後も幽霊さんは駐在所に常駐する雰囲気で、何となく続編ありそうな感じでした。
役立たずイケメンの存在が許されてしまうのが秋葉原なのね。
Posted by ブクログ
あまり好きじゃない内容かな、と思ったのにどんどん読んでしまう、読まされてしまう、ような引力があった。
オタクと呼ばれる人たちの抱える痛みや、DVから逃れ隠れるように生きる人たちが直面する困難に気付かされる。
Posted by ブクログ
西條さんらしくないオタク要素に満ちた作品だと思っていたら、解説に実は彼女がアニメオタクだと書いてあってビックリした。
オタクものは自分が知らない世界に触れることができるので、実は読んでいて結構楽しいことに最近気がついています。
Posted by ブクログ
西條作品ということで期待を膨らまして読み始めたが,少々膨らまし過ぎたかも。登場人物たちも面白いしミステリも中々だけどどうも感情移入しにくい。
あらすじ(背表紙より)
電気とオタクの街―秋葉原。その交番に勤める権田は、筋金入りのオタク警官。対してコンビを組む長身イケメン警官・向谷は頭はからっぽだが、類い稀なコミュニケーション能力の持ち主。ひいては美脚の「足だけの幽霊」を連れてきてしまった。2人は「足子さん」と呼び、彼女の死の理由を探し始める。フィギュア盗難、抱きつき魔、迷子、メイド喫茶のいさかい…ご当地ならではの「謎」に凸凹警官が挑む、新境地人情ミステリ!