ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 迷路館の殺人〈新装改訂版〉

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    物語の舞台はその名の通り、「迷路」のような構造を持つ館。この不思議な建築の中で、小説家たちが集められ、次々と起きる殺人事件。読者は、探偵・鹿谷門実と共に犯人を追うことになります。

    しかしこの作品の最大の特徴は、「犯人当て」だけでは終わらない二重三重の構造にあります。特に終盤で明かされる**メタ的な仕掛け(=この物語そのものの成り立ち)**は、まさに“館シリーズ”の中でも異彩を放つ存在。読者が当然だと思っていた視点や構造を根底からひっくり返す展開に、驚かされる人も多いはずです。

    また、館の構造そのものが「迷路」として読者の思考をかく乱し、物理的にも心理的にも“迷い込ませる”演出が効いています

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    2025年12月23日
  • ルビンの壺が割れた(新潮文庫)

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    わずか100ページ足らずの短さにもかかわらず、読後に大きな衝撃と余韻を残す心理サスペンスです。全編がFacebookのメッセージ画面という形式で綴られ、会話のような軽さの裏に、人間の本性や記憶、正義とは何かという深いテーマが潜んでいます。

    物語は、かつての同級生である男女が、数十年ぶりにSNSで再会するところから始まります。何気ない会話から次第に過去の事件に触れていき、やがて、読者が「これは誰の視点で、何が真実なのか?」と混乱し始める構成が巧妙です。タイトルにもなっている「ルビンの壺」は、見方によって壺にも顔にも見える図形であり、本作全体の構造そのものを象徴しています。つまり、読者が信じてい

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    2025年12月23日
  • 百年の時効

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    ネタバレ

    今年のベスト作品はこれなのでは?と思わせるほど、重厚さのある作品だった。

    満州時代から続く九重たちの思いを引き継ぐ者たち。最初に一家殺人事件を担当した刑事二人の思いを引き継ぐ者たち。これらが幾重にも絡み合い時効を迎えぬ事件の真相を紐解いていく。

    残酷なシーンでは、わずかな仄暗さでさえも目の前で起きた描写かと感じるほどの恐怖が何度も襲う。

    この感想を打つ指が震えるほど余韻が残っていた。

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    2025年12月23日
  • ハウスメイド

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    このミスで気になって読んだのだが、想像とは異なりホラーすぎる。
    読み進めるたびにゾクゾクしていた。
    展開に関しては序盤から仄めかされていたため、考察はしやすかったが、真相は斜め上を行っていた。
    これに続編があることに、さらに主人公が一緒だということに驚愕した。
    ミリー心臓強すぎひんか?

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    2025年12月23日
  • 信仰

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    ネタバレ

    この本を通して感じたのは、村田沙耶香という作家に対する印象が変わったということだった。これまで『殺人出産』のイメージが強く、独特で強固な世界観ゆえに、ついていけない、あるいは怖いと感じる作家という印象を持っていた。しかし本書に収められた短編やエッセイは、理解しきれない部分を多く含みながらも、その「わからなさ」自体が面白さとして成立しており、むしろ強く惹かれる読書体験だった。

    特に印象に残ったのは、「信仰」や「生存」といった短編である。これらの作品では、現代の日本社会が抱える歪みや息苦しさが、極端な形にまで凝縮され、もしそれを突き詰めていったら、こんなことも起こり得るのかもしれない、という世界

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    2025年12月23日
  • 准教授・高槻彰良の推察6 鏡がうつす影

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    第6弾!

    黄泉比良坂から、何とか脱出して来た二人やけど、その時の記憶を失くした高槻准教授!
    基本は、心霊現象を追って、真実を確かめて、ネタばらしするんやけど、たま〜に、混じる真実がええ感じ。
    前回のは当たりで、命の危険もあったけど、唯一のほんまもんの八百比丘尼に助けられ…

    ようやく、体調もまだ、マシになって、試合再開!

    調査したのは、以下の3つ。

    「オバケ屋敷(遊園地)」

    オバケ屋敷にホンモノが!
    オバケ屋敷にもしっかりとしたプロデューサーがいるんやな。まぁ、半分、趣味みたいやけど、高槻准教授と趣向が同じで、仲良くなったから、再登場ある?

    「人面瘡」
    二十年ぶりに従兄弟から、連絡あ

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    2025年12月23日
  • マリリン・トールド・ミー

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    親の期待を背負って地方から東京の大学に進学したものの、コロナ禍で大学の2年間を棒に振り、それでもゼミでマリリンモンローのセックスシンボルとしてのイメージと本人の実際の行動から紐解いたフェミニストアイコンとしての人物像を紐解く研究をしていく。

    後半は主人公杏奈の研究内容と、現実の大学生活と行き来する形で書かれて、興味のある分野だったので、とても面白かった。

    特に印象に残った描写を記録のために2つ
    ▪️新木流星に強くつっこまれ、瀬戸杏奈は首をすくめて照れたように誤魔化し笑いをした。おかげで場の空気は、ほのぼのと和らいだものになった。
    それを見て松島瑛子(2人のゼミの先生)は、こんなことを思って

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    2025年12月23日
  • ありか

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    ネタバレ

    私自身、お母さんとは不仲で子供の頃から抱いていたモヤモヤみたいなものが美空と少し重なる部分があって この本を読むことによって少し楽になった。

    瀬尾まいこさんの本はやっぱり温かくて好き!

    子供の無邪気な所から、たまに発言する子供なのに大人みたいなしっかりした言葉までもが細かく描かれていて リアルだった。クスクス笑ってしまう場面も多くて、子供ってこんなに愛おしい生き物なんだと思えた。

    自分にも子供ができたらまた読み返したいそんな作品。ひかりちゃんが光をたくさんリュックに詰めようとするシーンがだいすき。

    "自分が幸せになるより、誰かを幸せにできるってすごいことだよ。"

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    2025年12月23日
  • 夜明けのすべて

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    それぞれ病気を抱える2人が、未来の自分が想像できなくなったり不安を感じていても、相手の病気を少しでも良い方向に向けたいというお互いの優しさが夜明けの様な少しの希望を生み出していく。自分も優しさをもっと誰かに向けて、それが相手を少しでも楽になる手段になったらいいなと思う。

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    2025年12月22日
  • エミリの小さな包丁

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    ネタバレ

    めっっっっちゃよかった号泣
    そこらの自己啓発本の何倍も響いた。情景の描かれ方がうま過ぎて映像が鮮明にイメージできた。エミリの人生の一部を体験したような気分。おじいちゃんの人柄、本当に素敵だった。人として大切なことを全てわかっている感じ。エミリの京香さんに対する感情、凄く同感できた。それにしてもさやの発言と地元民の噂話のところ、胸糞悪過ぎて見てられなかった笑
    おじいちゃんの3行の手紙で号泣

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    2025年12月22日
  • 虎口

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    ネタバレ

    ディック・フランシスの息子、フェリックス・フランシスの新競馬シリーズ。先にシッド・ハレーシリーズが刊行されたが、ノンシリーズのこちらから。

    リスク管理専門のハリィ・フォスターは、ある厩舎で起こった火事について調べるよう依頼される。当初は馬だけが犠牲になった火事だと思われていたが、中から死体が見つかり…

    父のディック・フランシス顔負けの作品。シリーズ引き継ぎなんて滅多に聞かないし、しかも競馬シリーズという親のライフワークかつ偉大なシリーズを、なんと滑らかに引き継いだのだろうと感心する。
    非常に重苦しい真相だが、ハリィのロマンス要素のおかげで全く暗くならない。好き嫌いは別れるだろうが、このロマ

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    2025年12月22日
  • 絶歌

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    おもろしろすぎて、小説かと思った。

    文章がうまい。
    事実を淡々と述べるだけではなく、
    それに付随して散りばめられる比喩や
    表現力が凄まじい。のめり込んでしまった。
    特に、死体を一時的に隠した場所でもある秘密基地、その美しさの描写には目が眩む。
    ありありと想像できてしまう。
    遠い昔それを見た、そんな錯覚すら覚える。

    ただ、所々に差し込まれる
    理解し難い彼の弟達への暴力や、
    事件前(小1)の隣の席の子への理不尽な暴力。
    何故か事件前に担任が
    彼の友達に彼と関わらないよう忠告している。
    彼は前提として正しくない、犯罪者である。
    その暴力性はどこで培われたのか、
    それが一貫して語られない。もどかし

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    2025年12月22日
  • 人間失格

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    解説まで読んで 太宰治を知ることができた気がする

    どうせ滅びるなら、こういう愚かしい男もいたのだということを書き遺しておきたい。
    それを読んで、救われた気持ちになる読者もいるかもしれない
    と、遺書のように小説を書き始めたことは知らなかったし、
    人間失格が3回にわけて連載されているその途中で太宰治が亡くなったこともここで初めて知った。

    すごく暗ーーい話、と教えられた気がする作品だったけれど、
    暗いというより、この人やばいなってちょっと笑えたし、それはつまり、太宰治が読者に感じてほしかったことなのでは?と思って面白く思えた。

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    2025年12月22日
  • プロジェクト・ヘイル・メアリー 下

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    ネタバレ

    上巻の後半から増えたメンバーとの掛け合いや、問題解決までの試行錯誤にとても心が踊りました。解決の糸口が見えたあとも、残りのページ数でどうまとめるのか最後までわくわくしながら夢中で読むことができました。

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    2025年12月22日
  • 最後の秘境 東京藝大―天才たちのカオスな日常―(新潮文庫)

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    何度も読み返すほど大好きな本です。
    言わずと知られた有名大学、東京藝大に通う学生たちに作者がインタビューをします。
    どのインタビューも内容が濃かったり一般大学とは異なる部分が多かったりでとても面白いです。
    作者の考察も交えながらテンポよく話が進むなかで東京藝大ではどんなことを学べるのか、どんな学生がいるのかなど大学の空気感が伝わってきます。
    この本を通じて芸術を愛する若者たちの青春をどうぞ覗いてみてください。

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    2025年12月22日
  • プロジェクト・ヘイル・メアリー 上

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    最高過ぎる。年末の楽しみだったのに、一瞬で読み終えてしまった。
    SFとして普通に面白いのに、それに圧倒的な読み易さと、散りばめられたユーモアセンスまで有り、そして、ロッキー!可愛過ぎるでしょ。
    映画化されるのも楽しみだけど、文体ならではの魅力がすごい詰まった作品。
    これから下巻突入しますが、「三体」超えマジであるかもしれない。。

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    2025年12月22日
  • バカと無知―人間、この不都合な生きもの―(新潮新書)

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    タブーをタブー視せずに語ってくる点、信用して読めました。
    学者も企業も世の中の綺麗な部分しか表現しないから、
    生々しい現実が存在しないかのように生きてる人も多いです。

    意外とバカが多い、という最初の方のパートが直感とは真逆で一番びっくりしたところで、
    そういう人が多くても回る仕組みが必要なのと、
    自分もバカの一員である可能性を常に忘れない事が必要ですねー。

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    2025年12月22日
  • デスチェアの殺人 下

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    シリーズの中でも一番胸糞悪い事件で、胸糞展開好きには堪らない作品でした
    三作目のキュレーターの殺人と読後感は似ている
    話の構成上、ポーは生き残ることが分かるのでスリルは感じつつも大丈夫なんだろうという妙な安心感があった

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    2025年12月22日
  • パンダより恋が苦手な私たち2

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    ネタバレ

    仕事も評価され、片思いの大学教員・椎堂と動物園デートにこぎつけた一葉。告白のチャンスと意気込んでたが、恋愛感情を持たないで話せるのが楽と先回りされてしまう。

    イケメン故に恋愛感情を持たれるのが苦手な椎堂への恋心を封印し、仕事に邁進する一葉の次の仕事はWEB担当。今度はPV数を稼ぐべく、恋愛相談を七子沢動物園とコラボする事になり…

    何だかんだ言いつつ、一葉の事が気になる椎堂との関係にやきもきしましたが、仕事での方向性を見極めて一直線に進む一葉が頼もしかったです。

    まさか付き合う事になるまで発展するとは思ってなかったので、嬉しい誤算でした。

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    2025年12月22日
  • 入居条件:隣に住んでる友人と必ず仲良くしてください

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    すごく面白い!怖い!これはなんだか新しいジャンルでは?!と一人こーふんしながら読みました。そしてこの本をきっかけにカクヨムというメディアを知りました。

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    2025年12月22日