小説・文芸の高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
映画化がきっかけで読み始めましたが、私は最後まで犯人が予想できず、物語に完全に振り回されました。
特に印象に残ったのは、波多野祥子さんです。完璧な優等生として振る舞いながらも、その裏で就活というプレッシャーの中でギリギリまで戦っている姿に、同じ働く女性として切ない共感を覚えました。
就活という、誰かを蹴落とさなければならない特殊な環境だからこそ、一人ひとりの人間性が剥き出しになっていて、単なるミステリー以上に、人の本質とは何か。を深く考えさせられました。登場人物たちの隠された嘘が暴かれていく過程には、終始ハラハラさせられっぱなしの読み応えのある一冊でした。 -
Posted by ブクログ
人の感情や嘘が、剥き出しの神経にふれる生き方というのはとても疲弊しそう。。
消耗する心を理解し合える相手が少ないとしたら、ずばぬけた才というのはけっこう扱いにくいかもしれない。
小さい頃、あれだけ先生に「嘘はついちゃだめ」「人の痛みをわかるように」って言われてたのに、鈍感さと嘘があるから幸せということもあるって、そんな大人のパラドクス知りませんよ!と言いたいけど、なぜか自然に会得してしまってる……。
あと、普通に勉強になって面白かった。
香道のこととか伽羅とか乳香とか、地中のこととか。
龍脳という香りのでき方が神秘的で、この本の中にでてくる香り知識としては1番好き!
-
Posted by ブクログ
ネタバレ犯罪を決行しようか悩む犯罪者予備軍が相談するNPO法人が舞台。そこの1号室にいる名前もわからない相談員が殺人に手を染めようとする彼らの計画を論理的な思考ですべて否定していくという物語。
石持先生らしい論理×倒叙モノという碓井優佳シリーズにも通じる形式でありながらその計画を事前に否定して犯罪を抑止するという形式にはとても驚かされました。しかしそこで彼らは計画を補正されたと考え次々に実行に移していってしまう。
そこに待ち受けるのは将来の栄光かそれとも破滅への入り口か...まるで新しい切り口の笑うセールスマンのようで楽しませてもらいました。相談員が間違いなくレギュラーキャラクターではあるものの喪黒ポ -