ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • ライオンのおやつ

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    自分の最期を瀬戸内のホスピスで受け入れる
    若い独身女性目線で描かれた作品。

    体の自由さと反比例して
    精神的な豊かさが増していく姿から
    雫と自分と置き換えて「死」を考えると
    今を丁寧に生きよう、
    お金や名声、周りからの評価よりも
    近くにいる人を少しでも笑顔にしよう、
    と思いが出てきた。

    「マドンナ」を始めチャーミングな登場人物の
    おかげで暗くなく温かい気持ちにさせてくれる。

    小説だからこそ描ける世界観だろうな。

    私が死ぬ間際、食べたいおやつは何だろう

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    2026年09月16日
  • その日のまえに

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    時間軸が同じ様々な家庭でそれぞれ「その日」に向き合う短編集。
    1つ1つ考えさせられるお話だったけれど、特に「ヒア・カムズ・ザ・サン」にとても感情移入してしまい、最初の数ページは電車で読んでいたけど泣きそうになってしまって結局閉じることに…

    今過ごしている日常や元気で身近に居てくれる周りの人たち。全部当たり前じゃないんだなと改めて考えさせられました。
    この本を勧めてくれた人が居るのですが、その人は若くして大切な家族を亡くしていて……当時はどんな気持ちで、そしてどんな気持ちでこの本を読んだのかなと考えると更に胸がぎゅっとなりました。

    家族、友達、自分、環境をもっともっと大切にして、後悔を全く残さない!というのは難しいけれど、それでもできるだけ後悔のない選択をして
    生きていきたい。

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    2026年09月16日
  • 変な地図

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    変な家が面白く、次にこちらの地図を読みました。何重にも張り巡らされた謎があり続きが早く読みたいと思える作品でした。栗原さんの人物像がわかるので変な家シリーズの中でも先に読んでもいいかもしれません。別のシリーズも読んでみたいです。

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    2026年09月16日
  • アリス殺し

    匿名

    購入済み

    面白かった

    アリスの世界観が大好きなのでとても面白かった!ページ数は少なめで読みやすいです。どんでん返しが2転3転あるのも最高でした!

    #ドキドキハラハラ #感動する #スカッとする

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    2026年09月16日
  • われはロボット〔決定版〕

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    これがあのロボット三原則の元ネタか~昔の海外SFって文体が硬くて読みづらそう。それに当時の科学レベルで想像しうる話のはずだから、ガッカリしたりするかもな。
    と思いつつ読んだ。すごく面白かった!!
    するする読める文体だったし、科学というより私は哲学、論理(倫理ではなく)の話として楽しんだ。
    ロボット三原則こねくり回した話もっと読みたい。

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    2026年09月16日
  • 月の立つ林で

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     月にまつわるちょっとした話でつながる、現状に少しツキがない人たちを描く連作短編集。5章からなる。

          * * * * *

     確かに、不調なときは眩い太陽よりも控えめで清浄な月に惹かれるというのはよくわかります。
     だから、月に関するトリビアを各章のポイントに据えた構成は、とてもすばらしいと思いました。( もう敬服するばかりです。)

     ポッドキャストの「ツキない話」という月に関するコンテンツが、そのポイントになっていました。ストーリーの2本の柱が、このコンテンツから作られているからです。
    (「ツキのない」人たちを惹きつける「ツキない」話。こんな言葉遊びめいた符号もいいですね。)

     柱の1つめは、各章の主人公たちについての物語です。
     うまくいかない状況にあり、そこからなかなか抜け出せない。そんな現状に苦しみつつも、何とかしたいと模索する5人の主人公たち。
     彼らが「ツキない話」の呟きを聴き、それを咀嚼するうちに自ら出口を見つけていく、そんな展開がとても心地よいと感じました。

     そして2つめが、「タケトリ・オキナ」と「かぐや姫」の関係とその正体。
     エンディングまでに正体が明かされることも神城父子と深く関わりがあることも予想はしていたけれど、期待以上のストーリーが用意されていてグッと感動してしまいます。

     幻想的な月を扱いながらもファンタジーというよりヒューマンドラマとしての色が濃い作品でした。

     青山美智子さんの多彩さが実感できてうれしかった。他の作品も早く読みたいと思いました。

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    2026年09月16日
  • 増補 普通の人びと ──ホロコーストと第101警察予備大隊

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    特にナチズムに対して傾倒していない平均的な人々がユダヤ人を「ストレスなく」殺害するためには、以下の要素が必要。

    ・殺害に対する直接的な関与度が低い(被害者と会話しなくていい、十分な距離がある、流れ作業、個人的な知り合いではない、など)
    ・政治的な裏付けが上司から綿密に提供されており、自分の行動に関係なくその人々が殺されると思うことができる
    ・任務に参加した者が酒以外の文化的生活に触れ、心労を癒すことができる体制が組織から提供されている
    ・孤立化の脅威がある(撃たないことで周りに迷惑をかけてしまう)
    ・脅迫の推定(断ったら上司から嫌われたり、処分されたりするだろうという予想)がされており、断る選択肢が与えられていない
    ・殺害の対象が生活から隔離されており、我々・奴ら的思考が定着している

    日本人なら多分ほとんどの人がリアリティを持って共感することができるはず。この環境において孤立することを恐れずに殺害を断る、しかも耳障りの良い言い訳ではなく、「これは間違っているからやるべきではない」と豪語できる人は一握りしかいない。戦後80年経った今も、日本人はこの環境で反抗できる精神を獲得していない。

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    2026年09月16日
  • 首木の民

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    警察が経済の勉強する。

    事件は発生するんだけどそれを端緒に財務省の闇が見えていくっていう。

    取調するつもりが経済の勉強する。
    事件そのものは完全におまけ。
    財務省のことを学べる。
    それが面白い。
    取調室のシーンやクワさんが論破、というか圧巻していくところが特に面白い。


    参考資料に高橋洋一さんや森永さんとか。

    財務省は緊縮財政、なぜ?
    なぜ積極財政をとことん嫌う?
    財政法4条も憲法同様にGHQが作っている。
    国債で戦費を調達できないように。
    法律は変えられるが変えない。利用している。
    全ては権力のため。天下りのため。



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    2026年09月16日
  • Aではない君と

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    すごい本だった。
    ノンストップで読み続けてもうすぐ朝の3時半です。


    なぜ翼は誰にも事件のことを話さないのか。
    真実はどうだったのか。
    話せない事情があるのか。

    とにかく疑問だらけで、
    一瞬も読む手が止まらなかった。


    親子の愛情。
    子供はそれほどまでに親の愛情を求めているのか。
    当たり前と言えば当たり前のことだけれど、私たち大人はそんな簡単で大切なことをしばしば忘れてしまうのではないだろうか。


    今すぐ息子を抱きしめたいです。
    朝になったら必ず彼を抱きしめて、変わることも揺らぐこともない愛を彼に伝えたいです。

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    2026年09月16日
  • わたし、定時で帰ります。(新潮文庫)

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    定時で帰る結衣に大共感。仕事と私生活のバランスって大切。でも途中、絶対に変わらないと思っていた結衣の仕事の向き合い方やマインドがこんなにも変わって(背景にあった晃太郎のこともあって)もうこんなに頑張ってて読んでて苦しくなったけど、「会社のために自分があるんじゃない、自分のために会社があるんです。」って言葉に救われた。

    今の部署はできなかったことや優先順位が低くて後回しにしてたことは後の勤務の人が全然やるよー!と言ってくれる。前の部署は優先順位がクッソ低い細かいことでも何でやってないの?って言われて泣きながら残業してたことを思い出した。まだ帰れないの?って待っててなんて言ってない同期に言われて、こうなった理由も知らないくせに顔見るだけでイライラするから黙って帰ってくれない?って思ったことも。(かなりな乱文失礼しました汗)今はそんなストレスないしみんな優しくて助け合い精神に溢れてて、本当に働く場所でこんなに変わるんだなぁってしみじみ。でもこの人やる気が本当にあるのか?って思ってモヤモヤしちゃうことも。だから登場人物ほとんどみんなに共感できました。結衣も思っているように人を変えるのは難しい。だから環境を変えたり向き合い方を変えたりして、自分が変わっていくしかないのかな。(でも福永さんはめちゃくちゃ嫌でした!)

    また仕事頑張ろうって思える最高のお仕事小説でした。
    仕事を頑張りながら周りの人と助け合って、私生活も充実させて人生楽しまないとですね!
    私も、定時で帰ります!、

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    2026年09月16日
  • クラインの壷

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    ネタバレ

    岡嶋二人さんの作品は初めて。(井上夢人さんは読んだが)
    なんとなく面白そうかな、ぐらいの軽い気持ちで手に取ったら期待以上だった。

    バーチャルリアリティを題材としているが、ミステリ寄りの作品だからかSFは苦手な私でもどっぷり世界観に浸れて楽しめた。
    いつの間にか現実と仮想世界との境目が曖昧になり、それに気付いたときの不安と恐怖、落ち着かない感じがすごく怖いのに、でも真実を知りたくて物語に一気に引き込まれた。
    最後、えっ結局どっちなの…というオチまで含めて完璧。
    ミステリだとすっきり解決してほしい派だが、この本はこの終わり方がめちゃくちゃしっくりきた。

    タイトルの「クラインの壺」も初めて聞いたが、この物語を表す一語としてはぴったり。

    1989年の作品というのにも驚いた。
    この時代ってバーチャルリアリティとか流行ってたのかな?
    かなり未来を先取りしていると思うのだが、なんか妙にリアルさもあるというか、40年近くも前の作品とは思えなかった。

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    2026年09月16日
  • 新世界より(上)

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    面白すぎるんだよなぁ。

    上・中・下あるとのことで、買ったはいいもののずっと二の足を踏んでおりましたが、なぜ今まで読まなかったかと後悔するくらい面白くて、ハラハラさせられました。
    「知らなくてもそこまでストーリー進行には影響しない、でも言われてみればなんでだろう?気になる!!!」といった疑問を沢山残していくスタイルで謎を解明するためにストレス無く夢中で読み進めることができました。

    平和の中に不穏な静けさがある世界観がとても好みです。これは唯一無二だなぁ。

    早く中も届いてくれ~

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    2026年09月16日
  • ミサイルマン

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    ハズレなしの短編集でした。平山夢明の他作と比べてエグさグロさは控えめ、人にもすすめやすいかも!?

    まじでどれも名作だけど、特に気に入ったのは「けだもの」と「それでもお前は俺のハニー」です。前者はきれいにまとまっていて純粋に物語としての完成度が高い、後者は文体が疾走してるというか踊っているというか、とにかくこんな純愛他では読めねえよ!て感じが超よかった。

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    2026年09月16日
  • 殺し屋の営業術

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    極上のエンターテイメント。Audibleで聞いたがとても1人で読んでくれているとは思えない臨場感。外崎友亮さん、プロの仕事すぎる。
    そして、営業マンなら間違いなく刺さる、そして自分もこのテクニックは習得したいと感じるポイントが多々ある一冊。できる営業マンは裏社会に行ってもここまで道を切り拓けるのかという諦めのなさ、胆力の強さ、盤面を支配するための先読みの深さと布石の多さ。一手一手に明確な理由がある。強い。
    「私、ノルマを達成できなかったことが今まで一度もないんですよ」。かっこよすぎ。

    聞き終わってすぐにまた読み返したい(聞き返したい)と思った極上のエンターテイメント兼営業術バイブル。
    いつか映像化されるのも楽しみ。絶対に見たい。

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    2026年09月16日
  • クロイツェル・ソナタ 悪魔

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    性の欲望の恐ろしさが生々しく伝わってきて、トルストイの小説を初めて「怖い」と感じた。
    それと同時に、純潔でありつづけたリーザを美しいと思ったし、悲しませないでほしかったな。

    『アンナ・カレーニナ』と同じように、実際にあった事件を題材にしているということに驚いた。
    解説を読んで、『悪魔』はトルストイの私小説的要素も含んだ作品だと知り、一瞬トルストイに嫌悪感を抱いたけれどそれはもし自分の近くにいる人だったらという気持ちからで、作家としてのトルストイはやはり私にとっての神だと思っている。

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    2026年09月16日
  • 猫を処方いたします。4

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    時間空いちゃったけど4巻読み終わった…!
    毎回最後でしんみりするけど良かった…
    愛する心を持たせてしまったら、人を好きになった猫は…ってところで胸が苦しくなった…

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    2026年09月16日
  • 夜のピクニック

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    大人になりたてだった文庫刊行時に「高校生の話か」と手が伸びなかった本作。
    まだ記憶に新しいからこそ「子どもっぽいもの」として距離を置きたくなったり、少し冷めた目線で見てしまってた。
    自分が大人になろうと背伸びしている最中だからこそ、少し下の世代を軽視してしまってたのだと思う。

    40歳手前になった今、本屋大賞受賞作品全制覇への一環として、秋が舞台の本作のページをようやく開いた。
    結果、「今」読むことができて良かったと心から思える、最高の読書体験になった。

    主人公の1人の融に、友達の忍が読書を例にして「タイミングを逃すな」と説教するシーンは、読書好きとして深く共感したけれど、読み終えた今ならわかる。
    そんなの読まない言い訳にならないほどに良い。
    読むのに遅すぎることなんて、絶対にない。

    タイミングを逃して後悔すること、逃してしまったこともすっかり忘れて後悔すらできないこともある。
    そんな経験をしてきた大人の今だからこそ、響くものもあった。

    主人公2人の和解というメインストーリーだが、周辺人物とのエピソードも絶妙。
    お互いを大事に思い合う友人たちの視点や関わりがあるからこそ、2人の輪郭がより立体的になり、変化していく様が深く腑に落ちる。

    夜の空気感、道中の景色、そして足の疲労。
    五感に訴えかける丁寧な描写が、語られる内容と見事にシンクロし、まるで自分も一緒に80キロを歩いているかのような感覚に陥った。

    そうして拗らせていた複雑な感情を、夜を徹して歩き、自身と相手と対話することで、シンプルで素直なものに変えていく。
    あの夜明けとともに訪れる解放感と爽快感は、まさにこの作品にしか出せない青春の輝き。

    悲しいからでもなく感動したからでもなく、胸がいっぱいになって泣けるという経験を、この作品で初めて知った。
    大人の今だからこそ出会えてよかった、間違いなく最高の青春小説。

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    2026年09月16日
  • 成瀬は信じた道をいく(新潮文庫)

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    成天に続く2作目、成信。変わらず軽やかで微笑ましくて有難い。
    成天の導入では主人公のように描かれていたみゆきがほとんど登場せずとも一冊成り立つ、成瀬や周りの人達の人となりが伝わってくる描写が好きです。宮島未奈さん、素敵な作家さん!

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    2026年09月16日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

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    なぜかは忘れたけれど「禽獣」を読みたくて買った。川端康成は大抵表題作より併録作の方が好み。
    表題作「伊豆の踊り子」もあまりにも有名なのに初読。

    「伊豆の踊り子」
    淡い恋の青春小説とするにはあまりにもその心情は多層的で複雑だ。
    恋情があり、自己憐憫があり、階級的な見下しがあり、拒絶への過敏さがあり、それでも思いがけず受容されたという感覚があり、自己陶酔、承認欲求、その全部を主人公自身が言語化できずに終わる、という感じでしょうか。未整理で過敏な自意識の若者が踊り子を鏡にして自分を見つめているという構造で、触れると壊れる砂糖細工のような繊細さです。その組み立ては芸術的で、組み上げられた細工品が音もなく崩れるようなラストが美しい。


    「禽獣」
    たまらなく良かった。
    女を見つめ、犬を飼い、鳥を選び、死なせ、ある一羽だけを大切にする。その具体だけで、人間の愛、支配、選別、美意識、残酷さ、孤独まで描いてしまう。
    動物の飼育やその死に対するぞんざいさ、菊戴を無条件に大切にする不合理さ、千花子への説明できない執着や自己嫌悪と虚無を通して、人間という矛盾した存在の不安定感を描き出している。
    たったこれだけの文量でここまでできるものなのか。

    川端康成は風景を書いてるよりこうした嫌なものを書いている方が冴えている気がします。
    川端康成らしい、渇望しながらも傍観する視線を堪能できる短編。

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    2026年09月16日
  • 怪物の祈り

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    薬丸作品の中で最も難しい
    希望を与えることが復讐となること
    怪物とは、、
    赦しとは、、


    子供がいない今、想像することしかできないが
    私は保坂と同じ行動ができるのだろうか

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    2026年09月16日