【感想・ネタバレ】カラマーゾフの兄弟〈1〉のレビュー

あらすじ

父親フョードル・カラマーゾフは、圧倒的に粗野で精力的、好色きわまりない男だ。ミーチャ、イワン、アリョーシャの3人兄弟が家に戻り、その父親とともに妖艶な美人をめぐって繰り広げる葛藤。アリョーシャは、慈愛あふれるゾシマ長老に救いを求めるが……。【光文社古典新訳文庫】

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実在の人物なんじゃないかというディテールのこまかさで綴られるキャラクターの愛憎劇。父親一人と子供たちはどこへ向かうのか。長大な物語の一端を見た。これからその深奥へと歩みを進めていきたい。

神の存在。宗教。様々な議論が交わされる。ドストエフスキーの論展開は説得力があり、ロシアの知識人などは、議論で援用するために、その論法を学ぼうと、本書を読むのだとか。物語の楽しさ、実用性。まさに教養となる一冊だ。

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2025年10月04日

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フョードルの下衆さは筋金入りだが、その発言には共感できる部分もある。誰もが抱いているが表には出さない汚さを惜しまずにさらけ出す象徴的存在がフョードルという人物なのかなと感じた。

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2025年08月22日

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ドストエフスキーに興味を持ったからには いつか読んでみなければなるまいと思っていた超大作。 頑張って 読んでみました。
超 難解で暗黒の世界。ミステリーの最高峰とか言われてるようですけれども そういうジャンル じゃないんじゃないでしょうか
もう存在が、 人間の存在そのものというかドストエフスキーの思考 そのものというかが難解すぎてその存在がミステリーでございます。
非常に視点が いろいろ変わって様々な文化政治 人々の生活 思想も巻き込みながら 展開していく物語の力 強さ というのはやはり 素晴らしいのですが やっぱり行動の原理がわかんないですっていうのは相変わらずの ドストエフスキー節でございます。複雑な構造が同時進行で様々に組み変わっていくようすは、鬼滅の刃の無限城みたい?
登場人物たちのいう理屈はそれぞれ理解しがたくぶっ飛んでいるのですが、それぞれに強い情熱を持って我が道をつきすすんでおり、突き進み過ぎて互いになんにも理解しあえない。それでも
それぞれの感情が非常にあらわでみずみずしいため沼に引き込まれたまま戻れないうちに4巻までたどりつきます。
未完の大作でここまで読むのもしんどかったですが、その後のアレクセイの話も、あるなら読んでみたかった。
アレクセイのその後が本編のはじまりで、それまでのことはプロローグに過ぎないというようなことが冒頭にあったので、ドストエフスキーのアタマの中には何があったのかと気になる。
ロシアのことが理解できてないのか作者の世界がわかんないのかわかんないけど でもそれでも超絶な吸引力があるというのはすごいなとそこに尽きるかと思います
個人的にはゾシマ長老さん あたりのところが非常に 心を打つというかこう 衝撃を受けたところです 1巻だけの登録ですが 全巻読んでの感想です
理解できないのに心だけは惹かれる衝撃度に、滅多にない5評価。好きかと聞かれたら分かんないとしか言いようがないし、お勧めかと聞かれたら、しんどいですよ、としか伝えようがない。
学生時代のような集中力が続かない 年齢になってもここまでの難解でボリュームのある大作を 現代人に読ませ 切る その力というのはやはり 凄まじいものがあるなと思います

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2025年08月03日

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読みやすいと言われる光文社版を。やはり少し難しい笑
でも読ませる勢いがある気がします。
その時難しくても、解説サイトとかを後で見たりすると理解が深まって楽しめると思います。

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2025年06月01日

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最高に面白い小説と紹介されていたので読んでみた。難解なので面白いとはちょっと違うが、世界最高レベルの小説ということはよくわかった。それをわからせてくれたのが第5巻にある訳者の亀山郁夫という人による全体解説。正直解説無しでは本書の良さはわからなかったかも。全部で5巻と長いが、各巻末にあるこれまた訳者による「読書ガイド」という解説もわかりやすく、置いてけぼりにならず伴走されている感じで最後まで読めた。一般に文庫本の巻末解説はしょーもないのが多いが、出版社は反省して本書のような優れた解説を付けるようにして頂きたい。値段が高くなってもいいから。とにかくカラマーゾフの兄弟は読んでよかった。そして光文社文庫で読んでよかった。
 
第1巻は布石的な説明なので退屈だし、まだ全体像がつかめないので細かい設定も全然頭に入ってこない。後で解説を読んで巧妙な設定が満載だったとわかるが。

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2024年05月28日

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40年ぶりの再挑戦。面白く読めているのは自分の成長と思いたい。父親フョードルの異常な道化ぶりが魅力的。教会対国会の優位論争は難解。登場人物付きのしおりは挫折ポイントを乗り越える強力な武器。次巻も楽しみ

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2023年09月02日

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※感想は最終巻(5巻)でまとめてアップします。

【読もうと思った理由】
各界著名人の方が絶賛しており、そこまで賞賛の声が多数あるのであれば、読みたい欲が当然のごとく、沸々と湧き上がってくる。

以下に一部ですが「カラマーゾフの兄弟」(ドストエフスキーの人物に対する評価も含む)に対して、著名人の絶賛の声を転記します。

世の中には二種類の人間がいる。『カラマーゾフの兄弟』を読破したことのある人と、読破したことのない人だ。(村上春樹)

ドストエフスキーは、どんな思想家が与えてくれるものよりも多くのものを私に与えてくれる。ガウスより多くのものを与えてくれる。(アインシュタイン)

僕などドストエフスキーとはケタが違うけど、作家として一番好き。(黒澤明)

僕がドストエフスキイに一番感心したのは「カラマーゾフの兄弟」ね、最高のものだと思った。 アリョーシャなんていう人間を創作するところ……。アリョーシャは人間の最高だよ。涙を流したよ。ほんとうの涙というものはあそこにしかないよ。(坂口安吾)

『カラマーゾフの兄弟』や『悪霊』のような根源的な観念をまるで核の分裂のように吐きだせる人物を今の私の力倆ではとても、創作できるとは思えない。小説技術的にも何とすごい作家だと思った。その時はいつか、自分もドストエーフスキイのような小説を書くべしと思った。しかし、思えばそれは、こわいもの知らずであった。以来二十年、私ができたのは、結局、私の理想的人物を描いた作品に『白痴』からヒントをえた『おバカさん』という題名を与えたぐらいであった。
(遠藤周作)

【ドストエフスキーって?】
フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
[1821-1881]ロシア帝政末期の作家。60年の生涯のうちに、以下のような巨大な作品群を残した。『貧しき人々』『死の家の記録』『虐げられた人々』『地下室の手記』『罪と罰』『賭博者』『白痴』『悪霊』『永遠の夫』『未成年』そして『カラマーゾフの兄弟』。キリストを理想としながら、神か革命かの根元的な問いに引き裂かれ、ついに生命そのものへの信仰に至る。日本を含む世界文学に、空前絶後の影響を与えた。

【あらすじ】
父親フョードル・カラマーゾフは、圧倒的に粗野で精力的、好色極まりない男だ。ミーチャ、イワン、アリョーシャの3人兄弟が家に戻り、その父親とともに妖艶な美人をめぐって繰り広げる葛藤。アリョーシャは、慈愛あふれるゾシマ長老に救いを求めるが…。

【事前の予習不足を感じた部分】
本書巻末解説で、ドストエフスキーは晩年ロシア正教会に傾斜していたとあり、実際に第2編の「場違いな会合」で、教会と国家のどちらが優位とされるべきかをめぐり、かなりのページ数を割いて熱く議論される場面があった。ここは正直自分の知識不足がかなり露呈し、議論の核心部分の理解度が甚だ乏しいと言わざるを得ない。正直、「あぁ、もっと深掘りして予習しておくべきだった」と、めちゃくちゃ後悔した部分だ。
これから「カラマーゾフの兄弟」を読もうかなという方がもしいらっしゃれば、ロシア正教会の正統派ではなく異端派、かつ異端派の中でも、「鞭身派」と「去勢派」については、結構深掘りして予習し、本編に臨まれることを声を大にしてお伝えしたい。

ドストエフスキー文学の特徴として、自分の訴えたいことを登場人物を通して、これでもかという程、熱く、深掘りして訴えてくる。
なので読み手としてのこちらも、相応の準備をして望まないと、「よく分かんなくて、つまらない」と感じてしまう可能性が高まってしまう。

世界文学の最高傑作と喧伝される本作は、少しの予習をしてから本編に臨むのが、遠回りのようで、結局は最も近道だと経験上、肌で感じた。

まだ1/5しか読んでいないが、このままいくと過去読んだ小説の中で、最高傑作となる可能性が出てきたので、あと4冊楽しみでしかない。

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2023年04月24日

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長い長い物語の序章。ドタバタコメディ的な魅力があるため、世間で言われてるほど読みづらくはない。

「東大生〇〇が選んだ〜」だの「世界最高峰の〜」といったレッテルが手に取るまでの敷居を上げてしまうが、感触は「銀魂」みたいなもんだ。気軽に挑め。

序盤だけあって人物紹介やドストおじさんの語が多くてダルいセクションもあるが、物語を最後まで読んだ上で戻ってくると、この巻の濃さ、面白さに驚く。

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2022年07月30日

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30ページまで読んで、私はルーズリーフとペンを手にとった。
登場人物の名前、経歴、性格と関係性。こうして私の手元には今、相関図とも呼べない歪なメモが出来上がったわけだが、控えめに言ってなかなか気分がいい。少なくとも私にとって、それだけの労力に見合う価値を得ることができたのである。即ち面白いのだ。とても。

純粋に彼らがどう関わるのか気になり、その面白さでページをめくるのを止められない…こんなありきたりな言葉で書いて上手く伝わるだろうか?
次刊も楽しみだ。

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2025年11月14日

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この種の小説は全てを理解しながら読もうとすると、途中で挫折していつまでも読み終えることができない。本線、幹の部分を外さずに読めばよい。

原卓也訳の新潮社版のほうが意外と読みやすいかもしれない。

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2025年11月11日

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はじめてのロシア文学
慣れるまで時間がかかったがなんとか読めた
ストーリー云々より やっと読めた!とゆう感慨のが大きかったのですぐに再読してみたがやはり大きな感動はなかった
色んなテーマが複雑に絡み合って書いてあるがちょっと自分には縁が遠いテーマが多かった
ロシアのテンションがあまり受け付けなかった
名前がややこしい…

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2025年09月12日

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モームの「世界の十大小説」に選ばれているカラマーゾフ家の物語。冒頭に著者の前書きがあり、それがべらぼうに面白い。
主人公はカラマーゾフ家の三男アリョーシャ……なんだけど、どのキャラも濃くて……濃い笑

一巻ではカラマーゾフ三兄弟の出自から始まり、アリョーシャが身を寄せている修道院での宗教の話から、おそらく話の核になりそうなスメルジャコフの出自とグルーシェニカの登場シーンまで。

ドストエフスキーといえばのキャラの濃さがすごい笑。一緒に暮らすのは嫌だけど、話に聞く分には興味深い人が

たくさん出てくる。
カラマーゾフ家もだし、女性陣もすごい。なんかもう、すごい。
フョードルも、酒飲みのおっさんかと思いきや意外と教養があったりして、そのチグハグさが面白い。

亀山郁夫氏の翻訳は読みやすい。私は物語が楽しめたらいい派なので、今風に翻訳してくれるのほんとにありがたい。

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2025年07月22日

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★★★★ 何度も読みたい

ロシア文学というかドフトエフスキー特有の、回りくどくキャラクターが入り乱れる作品。読み途中で数日置くと、誰だかわからなくなってくる。
主な登場人物は、おそらく主人公のアレクセイ(アリョーシャ)、その父のフョードル、そして長兄ドミートリー(ミーチャ)、次兄イワン。カッコ書きで示したのは愛称だが、この作品でも『罪と罰』など他の作品と同様、何の前置きもなく突然愛称が登場する。

さて、肝心の内容だが、金や女に汚い父フョードルと長兄ドミートリーの間で勃発した美女・グルーシェニカの争奪戦に、清廉な少年アレクセイがカラマーゾフの血の汚さに気付いていく、といった感じだと推測される。アレクセイは家族ではなく、教会で長老らとともに清楚に暮らしており、本人は他のカラマーゾフとは全く異なり、男女の関係が話題に出るだけで赤面するほどの初心だ。しかし物語中盤、長老が危篤となり、彼はこれまでの支えを失い、直接自身の出自や血筋と向き合うことになる。
正直聖職者や誠実な婚約者に対して嘲笑するような姿勢のフョードルやドミートリーに対して嫌悪感を覚える中、アレクセイの清純さが救いだった。
しかし何となくこの物語のテーマが、清純から欲望への破滅という成長なのかもしれないという気がしているので、不安。ただ最後まで読むと思う。

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2025年01月09日

Posted by ブクログ

ある意味ではこのまま終わってよかったなと思う
何をどこから言えばいいのかわかんないけど、ひとつ言えるとすればこの世のあらゆるテーゼが詰まった小説だった
あのころのロシアは全国的にキリスト教(ロシア正教)の力が強かったからこの小説が成り立つんだと思う

世界史や神学、哲学を学ぶ上で欠かせない一冊だなと思った
個人的にはイワンが好き
理性と良心の狭間で揺れ動きながら…
というのがグッとくる

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2025年01月02日

Posted by ブクログ

新訳だからか思ったより読みやすかった。アリョーシャが今時の男の子っぽく、フョードルが昭和の飲んだくれ親父のように思えた。
この先何が起こるのかワクワクする展開ですね

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2023年10月08日

Posted by ブクログ

亀山郁夫訳「カラマーゾフの兄弟」を長い間積ん読してきたが、遂に全5巻一気に読み終わった。
詳細を読み込むと到底一回読むだけでは理解できない膨大で難解な小説。とは言え、大まかなあらすじを追った読み方でも十分に楽しめる。完璧に読み込むととても骨が折れると思う。各巻の巻末に「読書ガイド」が付いていてあらすじをさらってくれるのと、最終巻5巻の、「ドストエフスキーの生涯」「解題」を読むと、より深く内容を理解できる。特に「解題」は良い。
各巻のしおりに主要登場人事物名が書かれているので便利である。登場人物の名前がよく置き換わるので、このしおりで確認しながら読むと読みやすい。
世界十大小説の一つとも世界最高の小説とも言われている。作家・村上春樹は「世の中には二種類の人間がいる。『カラマーゾフの兄弟』を読破したことのある人と、読破したことのない人だ」と言い、評論家・小林秀雄は「およそ続編というものが全く考えられぬほど完璧な作品」と言う。また「論理哲学論考」の著者ヴィトゲンシュタインはカラマーゾフの兄弟を50回読んだと言われている。

大まかなあらすじを述べる時、題名のカラマーゾフの三兄弟と父親が主要登場人物として挙げられる。まず初めに、三男アレクセイとゾシマ僧長のキリスト教的聖性とは何かということを感じながら、二人がいる修道院を舞台の中心にして話が進む。次に大審問官の場面。最後に三兄弟の父フョードル・カラマーゾフの殺害を巡るミステリー部分。大まかに言って山場はこの三つ。

ストーリーを肉付けしている哲学的・思想的な部分はわかりづらい部分が多く、難解である。知識不足や読解力不足だけではなく、わかりようもないからわからないという感じで先へ先へと読み進めるしかないという部分も多い。多分カラマーゾフの兄弟を途中で挫折してしまうのは、このわかりようもない記述をわかろうとしてしまうことによって止まってしまうことによって起こると思う。わからないところをどんどん読み進めると、後になってわかることもあるということに加えて、残念ながらわからないままのところもある、といった諦めをもって読み進めたいところである。そしてより深く読み解きたい場合は、読み込むしかないだろう。

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2023年10月08日

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243ページ、第三編までは「何でこの人達は下らないことでこんなに熱くなって、こんなに醜悪なんだ?」しか頭に浮かばず、面白さを感じないまま苦行のように読んでいた。そのまま止めたって良かったけれど、その「何で」の先が知りたい気持ちになる、させる絶妙な会話運びと、冷ややかにも思えるほどの作者、ドストエフスキーの傍観者的語り口の妙な心地良さがあってちびちびと読み進めた。

第三編「女好きな男ども」から、個人的には一気に物語が転がっていく感覚に突入し、以降するすると読み終えた。
特にスメルジャコフの登場が良かったなー。あの語り口、、「神」という存在、存在自体の曖昧さ、この時代この国ロシアにおいてのその存在のあまりの重さ。
「民衆のなかにはかなりの数の瞑想者がいる。」
「思えばスメルジャコフもまた、おそらくはそういう瞑想者のひとりであり、(中略)おそらくはむさぼるようにして自分の印象を溜めこんでいたに違いない。」

印象を溜め込む瞑想者、というかなり独特な言い回しが気になる。
と思っていたら訳者による巻末の読書ガイドに、「読者のみなさんにとくに注意していただきたい」人物としてスメルジャコフが挙げられ、「この人物を描くドストエフスキーの筆使いには、ぜひとも細心の注意を」とあるではないか!


ドミートリーの、フリードリヒ・フォン・シラーの詩の朗読場面も鬼気迫るものがあって素晴らしかった。

生き生きとした人物描写は、生き生きを通り越して生々しく迫ってくる。先に進めるのが楽しみ。

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2023年07月28日

Posted by ブクログ

ひとまず1巻目。
橋田壽賀子ドラマもかわいく思えてくる、長ゼリフのオンパレード。
その一つひとつが激しくて、蒸気機関車がかわるがわる頭の中を走り抜けていくような読み心地。
グルーシェニカの悪女っぷりがすごいな。
カテリーナさん(なんか、「さん」つけたくなる)がかわいそうじゃないか……。
アリョーシャのこれからにハラハラしつつ、2巻に進みまーす。

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2022年10月04日

Posted by ブクログ

ロシアの文豪ドストエフスキーの最高傑作といわれる長編小説。モームの世界の十大小説にも数えられる超名作。

キャラ立ちが濃すぎるカラマーゾフ一家の面々に、金と女と信仰がからんでドロドロな世界観が出来上がっている。難しいイメージの本作だが、興味深い人間関係やリアルさのある各人物の心情に入り込みやすいため、意外にも第一部はすらすら読めた。グダグダな昼ドラ的展開が面白くもあり複雑でもあるなか、主人公アレクセイの清涼感には癒やされる。

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2022年09月05日

Posted by ブクログ

10代後半に挫折した本作に、40を前にして挑む。感想は最終巻で。各巻では印象に残ったフレーズを。

"もしも目の前で、うむを言わさぬ事実として奇跡が起きたなら、現実主義者はそれを認めるより、むしろ自分の感覚に疑いを抱くだろう。かりにその事実を認めるにせよ、それは自然の法則内での事実であり、自分にはその事実がただ未知のものにすぎなかったと考える。"

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2025年10月06日

Posted by ブクログ

登場人物が、皆個性的で面白く読めます。大長編なので最後まで読めるか心配でしたが、そういう心配は無用でした。アリョーシャがこれからどんなことに巻き込まれていくのか、興味深いです。

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2025年01月06日

Posted by ブクログ

I found it difficult to comprehend a scene where each character discusses religion. There were a lot of words I was unfamiliar with.
But, I'm looking forward to seeing future developments.

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2024年12月24日

Posted by ブクログ

いずれは読みたいと思いつつ、挫折し続けてようやく最初の巻を読み終えた。このシリーズ、一巻を読むのに半年かかり、残りは一気呵成に読んでしまう、なんて話を聞いたことがあるけど、そうなるんだろうか。啖呵切ったり、独特なセリフ回しもあったりするんだけど、そういうの、読み上げ読書で読むと入りやすくて、いいなと思うところもあった。ドストエフスキー自身、この本を口述筆記で書き上げたという話も聞くから、そういう相性もあるのかもしれない。

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2024年08月31日

Posted by ブクログ

先が長い…。読みにくいというわけではなかったけど、きちんと理解できているのか不安です。名前を覚えるのが大変。
ドラマを少し見たことがあるので、そちらの記憶に助けてもらいながら読み進めました。

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2024年05月23日

Posted by ブクログ

昔の文学なので読むのは大変。内容も登場人物の背景などもあり面白いか面白くないかでいえば面白くないかも...
かなり脳内で保管しながら読むも、登場人物の関係図をなるべくネタバレを見ないように確認してしまった。(こう書いてくれれいいのに!とモヤモヤしながら読んでました笑)
果たして、最後まで辿り着くことはできるか。

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2024年05月18日

Posted by ブクログ

ロシア文学は暗いイメージがあり手を出せずにいたのですが、読んでビックリ!!
激しい言い合いが多くドラマを観てるような気分で読み進めました。
カタカナの人名を覚えるのが苦手なので、名前入りの栞が手放せないです。。

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2023年06月01日

Posted by ブクログ

どうか軽蔑しないでくださいね。
なにかひどくバカなことをしてあなたを怒らせても、どうか許してくださいね。
こうしてわたしの秘密はあなたに握られてしまったのです。わたしの評判は、もしかしたら永久に地に落ちてしまったのかもしれません。
わたし、今日はきっと泣いてしまうでしょう。
さようなら、次の恐ろしい出会いまで。

ただ、ぜったいに、ぜったいに、ぜったいに来てくださいね。

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2023年05月16日

Posted by ブクログ

ティーンズのコーナーにあり、気になり調べたら、村上春樹さん曰く、人類は2通りに分かれるらしい。カラマーゾフの兄弟を読んだ者と読まない者。
それは、、読んだ側にいきたい!そして最近は、少し洋書ブームが自分の中できてるので、読んでみた。
結果、他の方がレビューされてる通り、難しい!先に、巻末の読書のための前知識や、別でロシアの宗教の歴史について読んではみたのだけど。
怒濤のセリフ量。登場人物たちが自分の考えをとにかく話す。本当に思いつくままに語るので、本心はどこか?何を言いたいのかが、ぼんやり読んでいるとわからなくなる。そして、これがロシア人なのか、みんな気性が激しい。いろいろな事が起きるため、どんどん読み進めてしまうが、全体として何が起こったのかというと、何もそんなには進んでいないような。でも、主要人物の人となりは分かったかなあという、一冊目。とりあえず、続きを読んでいこうと思う。

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2023年03月12日

Posted by ブクログ

第2編の修道院での会合が理解しにくく、なかなかページが進まず挫折しそうになりました。
ちょっと私には難しかったです。
しかし第3編からはカラマーゾフ4人のそれぞれの個性が出て面白い展開になったので読むペースが上がりました。
久々に手こずって読むのに時間がかかったので2巻目はスラスラ読めるといいなっ!

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2022年10月25日

Posted by ブクログ

いつかは読もうと思っていた「カラマーゾフの兄弟」。NHKの「100分de名著」放映も見た。再放送も見て、流石に潮時と思い、読み始める。

亀山先生の解説のお蔭で、プロローグの「著者より」に書かれているように、書かれなかった第2の小説の構想があったこと、三男アリョーシャが主人公だということを頭に入れる

出鱈目な父親フョードル、直情型で破滅型の長男ドミトリー、ニヒルな無神論者イワン、修道院で長老ゾシマに仕えるアリューシャ。

三人の息子について全く放任だった父親、フョードル。長男ドミトリーと二男イワン、三男アリューシャは育ての親も違う。だから、この四人の濃厚な関係が納得しがたい。小説も面白さとは関係のない感想だが。

ドフトエフスキーの長編は、肝心の主人公より余分なエピソードに沢山のページが割かれたり、構成に首を捻ることがあったが、本作はあまりそういうことは無さそうだ。第1部はたった1日の出来事なのに、次々に濃密な出来事が起こる。
確かに面白い本だ。じっくり読んでいこう。

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2021年11月28日

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