あらすじ
11月初め。フョードル殺害犯として逮捕されたミーチャのまわりで、さまざまな人々が動きだす。アリョーシャと少年たちは病気の友だちを見舞い、イワンはスメルジャコフと会って事件の「真相」を究明しようとする。そして裁判で下された驚愕の判決。ロシアの民衆の真意とは何か!【光文社古典新訳文庫】
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Posted by ブクログ
主要人物の内面にスポットライトを当てつつ、同時に「父殺し」が一つの家庭内の不幸な出来事に留まらず、法曹界の闘いやロシアの行く末などの観点も巻き込んでいき、テーマの深さと広さを感じた。
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自らを社会主義者と言う少年コーリャの登場からイワンとスメルジャコフとの会話、そして裁判で下された驚愕の判決で終わる4巻→
4巻の最終章である「誤審」の読み応えはすごい。検事補イッポリートの魂の論告もすごいけど、それを見事にひっくり返す他国から呼ばれた弁護士フェチュコーヴィチの弁論がまだ鮮やか。この場面だけ映像で見たいぐらい面白かった。
そこからの判決!!!うおおおおってなった。面白いよドストエフスキー
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ようやく最後の4巻目を終えた。
少年たちの章から始まり、ラストの誤審の章まで。
ジェットコースターみたいな激しい展開。
この物語の主人公はカラマーゾフの兄弟の三男、信心深く、誰もが愛したくなる清らかな心の持ち主、アレクセイ。
だとすると、ラストはやっぱり神の存在とは??
人の心のなかには、神と悪魔が同時に住むものだということ。出目やその後の環境や、取り入れてきたものによって人は作られる。簡単に白とか黒とか言えないのが人間。
この本ではいつもそれを意識させられた。
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圧巻。さすがに面白すぎる。イワンの悪夢、裁判の一連の応酬、、本当にここまで読んできてよかったとそう思わせてくれる面白さ。
フェチュコーヴィチの父親論、大変痺れました。
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第4巻はコーリャ少年のキャラクターがよい。しかしコーリャ登場も唐突。これは確実に第2の小説につながる。鉄道や爆薬のエピソードは何気なく読んでしまったが、将来ロシア皇帝を暗殺することを暗示しているという解説はなるほど。
裁判は最後に何かどんでん返しがあるかと思ったがあっけなかった。
全体を通して似たような構造の別の話が折り重なっていて重層的という表現がぴったりの小説。第1の小説だけでもいろんな読み方ができる。この懐の深さは確かに世界最高レベル。それでもストーリーはやや中途半端かも。より重要な第2の小説があると言われるとなおさら。
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ミステリーの行方にドキドキしてるってのに、最初はコーリャとかいう自称社会主義者の14歳の少年とアリョーシャとのなんだかこれいる?っていうエピソードから始まります。が、これがとても良いのです。アリョーシャの修道院を出ても変わらぬ態度を堪能出来ましたから。
そしてイワンとスメちゃんのやりとり。これこそ真実でしょ?でも、イワンも悲しいかなもう1人の自分という悪魔に苦しめられてる…
そういうのぜーんぶ持って第12編の『誤審』へ。ここはまるでオリエント急行の殺人の後半のように事件の真相が暴かれていくかとおもいきや、ミーチャの態度がおもろすぎて…自滅しかねませんよ!
さらに検事と敏腕弁護士との腕の見せどころみたいにもなっていて、思わずうなってしてしまいます。
そして判決をくだすのはなんと、「お百姓たち」。。
お、おまいらに何がわかるんだい!!
…ここまでが4巻でした。
カラマーゾフの兄弟は未完の小説と言われていますし、5巻はエピローグということですが、いったいどこまで書かれているんだろうとドキドキしています。
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父殺しの謎が明らかにされてゆく第4巻。カテリーナの本心、イワンとスメルジャコフの3度の対決、圧倒的な法廷シーン。長さを感じさせない700ページ。続きが気になり、そのまま5巻に突入。
読んで良かったと思う絶対的傑作です
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「カラマーゾフの兄弟4」
「カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻」
※4.5の感想です
これで、亀山郁夫訳のカラマーゾフの兄弟全巻を読み終えた。
長くて苦しくて楽しくて、、今まで読んだどの本にも無い読後感だった。
それはこれが、未完の大作であるからということも大きいのかと思う。
ドストエフスキーは、このエピローグまでを第一の小説とし、その13年後を描く第二の小説を念頭に置いて書いていたが、亡くなってしまったから。
にもかかわらず、この完結性の高さという、他に比べようがない(少なくとも自分が読んだ中では。)「人類の奇跡のような」作品。←訳者、亀山郁夫氏の言葉
まずは、第4巻から。
第4巻は、第10編「少年たち」という話から始まるのだけど、これが個人的に素晴らしく良くて、ドストエフスキーの、反抗的でありながらも、少年のもつ純真さや繊細さ、故の暴力性を台詞回しや出来事によって描き切る才に驚愕した。特に、後々まで重要になるコーリャという少年の描写が本当に良くて、、どことなく、スティーブン・ミルハウザーの「エドウィン・マルハウス」の世界観を思い出させた。(これも傑作中の傑作)
イワンの内面が徐々に浮かび上がる中盤、スメルジャコフとの対話のシーンは不穏で不気味、グロテスクで、なんだか自分自身の内面を暴かれているようでどきどきした。
その流れからのミーチャの裁判。
世の中の残酷な事件や、戦争、虐待。
「父殺し」という作中での直接的表現にそれらをあてはめてみると、更に先ほどのイワンの内面描写が他人事ではなく思えて今度はゾッとするのである。
そしてそれらを見つめる「わたし」の俯瞰的目線、それによって台詞の意味が補完される。
5巻にある訳者による解題での「ポリフォニー(多声)性」という手法の巧みさ!読み手により如何様にも読めるという面白味に加えて、最大の主題「神はあるのか」についてもまた、登場人物の言動や行動や、それに伴う結果のそれぞれの違いによって複雑に絡み合って、決して白か黒かでは分つことができない。
その「複雑さ」がリアルで惹きつけられる要因のひとつなのかもしれない。
またしても「二項対立の脱構築」的思考だなと、、
第5巻エピローグは、僅か63ページ。
これで本編自体は完結する。
最後のアリョーシャのスピーチを読んだとき、本当に自然に、ハラハラ涙が出て、心が動くということは多分これのことなんだなと実感した。
これまで積み上げてきた長い物語世界の、一つの側面であり大きな主題でもある、先述した「神はあるか」についての、人間としての最適解というか、本当は全ての人間がこうありたいと願っていると「思いたい」と思える、素晴らしいものだった。
143年前のロシア古典文学が、今もずっと読み継がれている理由が身に染みてよくわかった。
訳者違いで、また何度も読みたい。
素晴らしい読書体験だった。
Posted by ブクログ
可愛いペレズヴォンからスタートし、ドアに指を挟んで怪我をするリーザ、悪魔と会話するイワン兄さん『ホザナ!』
アッという間に読み進んでしまいました。
続きが気になるけど、もう読めないのが悔しいです。
もっとキリスト教を知りたくなる本になりました。
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ミーチャの運命はどうなってしまうのだろう?
弁護人が定義している神秘主義でなく、神の教えをちゃんと実践するべきらしいけど、難しい。
コーリャ「秩序のために神は必要」アリョーシャ「みんなと同じ」は2巻目を読んだ時に持った感想。
「みんなと同じでも同じ人間になっちゃいけない」神の教えを実践することともに、難しい。
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凄まじいカタルシス。物理的にはいちばん分厚いけれど、体感時間はいちばん短いと思う。散りばめられた細かいサイドストーリーが思わぬところでつながり、異様な説得力を伴って胸に迫る。この物語に賑やかしのモブなんていないことがよくわかる。
Posted by ブクログ
父親=ロシア=フョードル、と恐らくたとえが置き換えられており、かつ、フョードルは「父親ではない」として、ロシアの国としての態度を批判している構図。そもそもこの父親は生物学上の父親ではあるが、父親たる行動はとれていないため、その子供には権利と自由が生まれる、としている。
その偽父親を国民の8割を占める「農民」としてのスメルジャコフ(偽父親の私生児)が、自身の境遇を呪って殺し(状況を誘導してその状況を作り出し)、その罪をロシア貴族階級に負わせようとし、それらを農民たちが支持し(誤審し、または分かっていても罪を着せ)、目論見は成功してしまう。農奴解放がなされ平等化が進むように見えるが、内面的な階級分断は続く、という予言?
ミーチェは恐らく「新生ロシアの人民(またはあるべきロシアの人民)」の象徴として描かれており、それらは神秘主義のようなもので覆われてもおり、誤解され、追放されてしまう。内在する良心が「神」として言及されているようにも見え、スメルジャコフの自殺もこの良心の呵責(イワンの影響での無神論者の否定?)が原因と推察した。
それらを見抜いているアリョーシャは、第三者視点として「神」のような位置づけで描かれているようにも見え、一方で「新たな父=あるべきロシア」として、「子供たち」と対比されているようにも見える。
イワンは旧ロシアから新ロシアの移行過程での歪や痛み、移行そのものの象徴であり、苦しみながらも、精神を病みながらも「真実」に辿り着くことを表現している?今後の人民の姿の予言的表現?
その他大量の属性は消化できていない。裁判が終わった際にほっとした男性陣、無罪を確信する女性陣、その中での貴賤の違い。当時の性別観が分かっていないため、意図をくみ取れない。など大量の積み残しはあるので、上記の解釈も網羅的ではない。
描かれていない後半パートでは、ロシアの行く末を悲観的に見ているとした場合、シベリア送りの新生ロシア人民に救いもなく、新ロシアとしてのアリョーシャが子どもたちなどに殺されるような構図なのだろうか。
前半パートでは、実は貴族階級だったが生まれの違いにより身分が低くなってしまったスメルジャコフによる、偽父親の殺しであり、農奴解放された農民自身が自分で自分を罰してしまうような形になっているように見えるが、ドストエフスキー自身がロシア人民に何を言いたかったのか?皮肉にもこうなってしまっている、ということなのか、農民自身が変わらないといけないというメッセージなのか。
小説内部に盛り込まれている当時の世相を表す大量の情報の引用など、書く内容の壮大さとともにそれを表現する技法も壮大であり、全てがすべてに意味を持たせているところが、良い意味でのいくつもの解釈をもたらし作品の深さと幅を持たせている。
年表に載せ当時の世相をくみ取る傑作でもあるうえ(詳細な心理描写と全体構造の提示ということで、国家を網羅的に”表現”したと感じる。網羅的に文章化することはほぼ不可能だが、それを”表現”にしてしまうことで小説という単位に落とし込めた)、ドストエフスキーという機構を通じた将来的な予測、研究の対象や錨として参照されることに耐えうる大著だとこの4部を通じて思い知らされた。
Posted by ブクログ
ゾシマ長老とフョードルという、二人の「父」を同時に失ったアレクセイ。また、「運命と闘い、自分を救う」ために奔走するドミートリーは、ついに念願のグルーシェニカの愛を手にしたものの、「父殺し」の容疑で逮捕され、早くも別りの運命にさらされようとしていた。そして、カラマーゾフ家との紐帯ばかりか、カテリーナとの愛も断ち切ろうと決意してモスクワに発ったイワンと、同じ日の午後にとつじょ癇癪の「発作」を起こし、今は離れで眠るスメルジャコフとの関係は、いよいよ謎を深めるばかりだった。
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すごく面白いミステリだった。明瞭な真実が晒されることはないから、正確にはミステリじゃないかもしれないけど、意外な結末だった。第二部が書かれなかったのが残念でならない……
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しんどすぎたけど、達成感がすごい。ちなみに5巻のエピローグも読んだ。
再生される映像がモノクロだった。
宗教、哲学、近代思想、サスペンス、恋愛、家族愛、兄弟愛、友情など一つのジャンルに絞れない。
不朽の名作を読むことができて嬉しい。いい経験になった。
暇な大学生は良い春休みの幕開けをした!
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カラマーゾフ兄弟のそれぞれの動きが明らかにされて、読みやすかったです。事実とは別に法定ではさまざまな憶測のもとにミーチャを裁こうとしているやりとりが興味深いです。ミステリーとしての面白さが味わえます。
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名作を読もうシリーズ。とっつきやすさから光文社の新訳文庫で。駆け足で進んできてこれにて本編終了。小難しいと思っていたけど、新訳の為か案外読みやすく最後まで楽しく読めた。続編の構想があったとかなかったとか。これがドストエフスキー生涯最後の作品。
Posted by ブクログ
法廷劇だ。こういう小説だったのか、とびっくりする。父フョードルを殺したのは誰か。前巻までの流れで読者は一応の犯人がわかっている。でも、流れはドーミトリィ=ミーチャの有罪に向かう。それが、弁論の展開で大きく揺さぶられ、そういう方向にいくかぁと思ったら、さらにひっくり返る。このあたりの展開は、確かに1巻よりあとは一気呵成、といわれるのもなるほどと思う。
これを書いている段階で、光文社版の最終巻は読み終えているんだけどさ。さらにエピローグが一冊あるのかぁ、と読み終えて、ちょっと先にいくのを躊躇した。それくらい、嘆息する終わりだったんだけどね。実際のところ、最終巻はほとんど解説で、エピローグは普通に短かった。
文学作品としては高峰に位置づく本作だと思うけどさ。面白さはマニアックではなく、俺みたいに万人に通じるものだと思う。読み進めればね。
Posted by ブクログ
ここまで読んできた内容が全て回収されて行く爽快さと、二転三転する展開のジレンマで、読む楽しさを味わえる4冊目だった。
余りにも細かく、記憶の片隅にあった、今までの事柄も引っ張り出され、証言され、論告される。読み返したくなった。
Posted by ブクログ
ロシアがウクライナ侵攻しているタイミングです。特に最後の章が面白かった。当時の宗教や社会制度に対する著者自身の葛藤を代弁している作品とも言われますが、現在のロシア政権やその問題と重なって見えてくるところがありました。
Posted by ブクログ
第4巻は、かなり文学的な、じっくり読める内容。それにしても、よくずっーと高揚した物語が続くものだ。だが、アリューシャの影が薄い。12歳?のコーリャだってほとんど大人と変わらないぐらい心を顕にしてるのに。後半のイワンも凄い。でも、賢く理性的だったはずのイワンもミーチャと凄く似てきた。カラマゾフ家ののろわれているのか。
すべてが繊細すぎ、すぐ傷つく。そして、この物語の背景に神キリストが居る。この世界を支配している。それが我々には分からない理由の大半を占めるのかもしれない。
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4巻の冒頭「少年たち」。1巻冒頭の「著者より」や亀山先生の100分de名著での解説が無かったら、またドストエフスキーの悪い癖で、主題に関係ない道草かと思ってしまう処。
チョッと小生意気な少年、コーリャの登場と不幸な少年イリューシャの死期。彼らとアリョーシャのやり取りが次の物語の開始となる。
次兄、イワンの物語。
長兄ミーチャは乱暴者で、欠点だらけの人間だが、情熱的だし、嘘つきではない。末っ子のアリョーシャは誰からも好かれる好青年で、信仰に厚い。
イワンは無神論で、頭は良いのかも知れないが、なんか醒めてる人間。イワンとカテリーナの恋愛感情はピンと来ないな。イワンがスメルジャコフと対峙し、事件の全容を明らかにするのが第11篇のポイントかも知れないが、その後のイワンの見る幻との対話に面白さがあった。
学生時代のゼミの前に朝まで勉強し、少ない時間だが少しでも眠ろうとしたんだが、熱を持ったフラフラした頭のなかで、僕と友人がゴチャゴチャ対話し始める。
「だから、オマエのリポートは論拠が怪しいんだよ」「いや、十分な証明を展開しているよ」。会話の上のレベルで「オレもオマエもオレの頭の中なんだから、ゴチャゴチャ言うな。」そのうち、更に一段その上のレベルのオレが「煩い。早く寝ろ」と叱る間もなく、自分と友人の対話がまた始まる。
イワンの見る亡霊。「大審問官」でキリストとの対話(?)があり、此処では悪魔との対話がなされる。ちょっとショボいけど、悪魔と酒を酌み交わしたら面白いかなと考えた。キリストよりは面白いんじゃないかな。
イワンの精神病の発病。罪の意識が引き起こしたということか。
最終の12編「誤審」。面白いけれど、長過ぎ。グル―シェニカがさほど美人じゃないと記述があり、驚く。小悪魔的なグラマーな美女だと思っていたのに。
カテリーナの論述は、やはり復讐なんだろうな。あるいは、錯乱状態で自白するイワンを助けようとしたのかな。
ミーチャは度々裁判官に窘められるが、まあミーチャらしいんだろうな。イワンはもっと兄貴を助けることが出来たんだろうに。まともな精神ではなかったからということなんだが、少々興を削がれた印象だった。
Posted by ブクログ
二巻同様、次男イワンに翻弄されます。
主となるのは長男ミーチャの振る舞いに対する真偽。
これまでの登場人物が一堂に会し意見をぶつけるさまは予想できるところもあり、そうなの!?と読む手が止まる時もしばしば。
裁判シーンは形式上過去が整理されるのでスポーツのようにわかりやすくなります。
とはいえ、それでも頭を悩ませるのがこの本の特徴です。
カテリーナはなぜその振る舞いを?
スメルジャコフって、脇役だと思っていたのに!
イッポリート、後からの登場にしてはよくしゃべる、、、などなど。
現場にいるミーチャの気分と重なっていると思うほど混乱します。
極めつきはイワンです。
初めての読書の中で、彼の発言が最も興味深く、わかりません。
誰よりも自分の思考を自覚しているからてしょうか?
『あれ』の存在で、さらに理解が難しくなりました。
最終五巻では彼らの真相に近づけるのか、がんばってみます。
Posted by ブクログ
複雑で発散したような展開のようで、最後はしっかりとまとめてきたって感じ。読み応えあり。解説者が「計算し尽くされた作品」というのが理解できたような気がします。
「人間は悪いことを憎むとか、みんな言ってるけど、心のなかじゃ、みんな悪いことが好きなのよ」p203
「ひょっとしたら見あげた心の持ち主だったかもしれないのに、酒と女遊びがたたって、スウェーデン人みたいに破滅してしもうた」p214
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カラマーゾフの兄弟 (4) (光文社古典新訳文庫 (KAト1-4))
(和書)2009年06月23日 20:42
2007 光文社 ドストエフスキー, 亀山 郁夫
イワンとスメルジュコフの関係がとても面白かった。
洞察力と関係妄想の繋がりなどが秀逸に結晶化されて作品になってるように感じる。
イワンは発狂しているのかしていないのか分からないが、その精神的現象がとても良く描かれている。
エピローグは短いからこの本でほぼ終わりらしい。
Posted by ブクログ
裁判シーンも凄かったけど、イワンとスメルジャコフのやり取りが一番気持ちがしんどいながらも一番のめりこんで読めた。
私は三兄弟の中ではイワンが性格的に近い部分があるからかイワンのシーンは読んでて引きずり込まれそうになったところも多かった。
(2022/05/09に再読。感想は再読記録のほうに。)
Posted by ブクログ
山は越えた。
細部は多分よくわかってない部分も多いが、父の死(殺害)に対する三兄弟それぞれのスタンスがわかる。法廷で検察側が展開した三兄弟のスタンスで持ってロシアという国全体を語ろうとする話法は圧巻だったし、ドストエフスキーがやろうとしていたことがここにきてようやく私にも見えてきたかも。あとはやたら人が発狂するけど、何となく地政学的な要因も大きそうな気がするなど。