あらすじ
第46回小説推理新人賞受賞作。俺が稲荷神となって、はや三百年。「誉人」として選ばれた人間の願いを叶えるため、日々神社で人々の願いに耳を傾けている。俺は人智を超えた神の力を使えるが、人間の心の機微がさっぱりわからない。今回やってきた誉人の女は、病におかされ余命わずかにもかかわらず、「どうか私が殺されますように」と願った。遠からず命が失われるのに、一体何のために、誰に殺されたいのか――?
落ちこぼれの神様の少年が解き明かす、人間の不思議と宿命。読後、温かな幸福感に包まれる神様ミステリー!
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Posted by ブクログ
神社が好きなので手に取ったけど、思った以上に面白くて一気に読み終えた。誉人の願いを100叶えなきゃいけないのにまだ7つとは…やる気がない稲荷神。誉人の願いが、私が殺されますように~など物騒だけど読むと心がじんわりとする内容で大好きになった。イナリの過去も悲しいものだったけど人の願いを叶えるうちに人を知り、好きなものを増やしていくイナリが愛おしくなる。限られた人生のなかで、ままならない運命を、なんとかしようともがきながら生きる人間が素晴らしいものに思えてくる。みんなが誰かのために願う姿が誉人。続編出るかな。
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面白かった。
神様が謎解きをする設定が斬新だなと思った。
自分も好きなものを数えようと思った。
かっぱえびせんをお供えするのは難しいそうだから、明日買って食べようかな。
神社に行く時に、このお話を思い出すと思う。
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願いを叶える稲荷神と願う人間たちの物語。
人の心が未だ分からぬ神様が、願いを叶えようとする過程で少しずつ人間を理解していく。
神様と言っても、何でも思うようにできる力があるわけではなく、力はかなり限定的である。
その縛りが読む者にワクワクを与えてくれます。
それぞれの思いを乗せて参拝に来る人間と、それらの願いを限られた力でどうにか叶えようとする稲荷神。
人間の曖昧であったり釈然としない願い、その真意に辿り着くまでも大変感動的でした。
まだまだ願いを叶えたい人間は多いことでしょう。
続編を熱望します!
Posted by ブクログ
稲荷神は落ちこぼれである。人間の中から選ばれた「誉人」の願いを叶える役目を持つ稲荷神の達成件数は、神になってから三百年経った今でもたったの五人。人々の願いは難解で、神様には人の考えが全く分からない。そんな稲荷神は人に寄り添い、人の温かみに触れていき———
すごく良かった。
稲荷神視点で進んでいく物語であるからこそ、彼が感じる人間に対する思いがひしひしと伝わってくる。神様であるからこそ、自己犠牲、友愛、家族愛、嫉妬等の人の気持ちが理解できない。しかし、彼もまた人と触れ合う事で、少しづつ然れど確実に人の気持ちに寄り添うことが出来るようになっていく。そんな神様の感情を追体験できるからこそ、こちらも心温まる。
Posted by ブクログ
フォローしている方のレビューを読んで借りる
おすすめポイントも書いてくれているのですごく助かります。
神さまなのに人に学びながら成長していく話に自分も学ぶところが多い。不幸を考えるより何が幸せを感じるかを数えた方がいいという話には自分も幸せだけを考えていきたいなぁと思う。
Posted by ブクログ
『誉人』の願いを叶える為に奮闘する稲荷神。最初は、願われた言葉をそのまま叶えればいいと思っていたが、次第にその願いの本当の想いを知り、人間の心に寄り添っていく。神様に願う願い事には、自分自身の為の願いが大体だけど、誰かの幸せの為に真剣に願う想いは、ちゃんと叶えようとしてくれるんだなぁと思った。最後の『お前たちが神に願うなら、神を信じるなら、俺たちはいつもここにいる』という言葉に胸をうたれた。暖かい気持ちになれた。
Posted by ブクログ
超好きなタイプの作品でした。
メディアワークス文庫の『神様の御用人』シリーズが好きなひとは、本作も好きなのでは…!
神さまが主人公となる小説は多く存在しているけれど、まだ子供の神さまという設定は見た記憶がなく、神さまも大変だとにこにこ見守るように読んでしまいました。
誉人の願いはどれも難解。なんでそんな願いをしたのだろうか。神さまといったらそんな理由もお見通しなのかと思っていました。
けれどもイナリはその理由を考える。まだ彼がやわ神だからなのでしょうか。
作品を通してすごくほっこりするハートフルストーリーではありますが、誉人の願いの理由を知るとどれだけ切実な願いだったのかを知ることになります。彼らは自分の願いが叶ったとしると、さすが神さま…と思うことでしょう。
100人の誉人な願いを叶えるというのは、おとなの神様になるために信仰心を集めるということにも繋がるのでしょうか。また、禊し者という言葉だけ出てくる。イナリも禊し者に近い環境だったのだはと思うが、今後禊し者は出てくるのだろうか。
Posted by ブクログ
この本に出会えてよかった。
素敵な言葉との出会いがたくさんあった。
誉人の本当の願いは何か、隠された想いを見つけていく。そして、それとともに成長していく神様。人間は、感情に素直になれず、考えすぎてしまうし、とても面倒くさい。だが、人と関わり、想いを持って繋いで生きていくことがどれほど尊いことか。
苦しいことばかりだし、綺麗事をいえる世界ではない。自暴自棄になる時もある。それでも、自分の気持ちだけは少しでも、強く持っていたい。欠けているものではなくて、好きなものを数えながら、自分の願いに向かって生きていきたい。
Posted by ブクログ
人間ってわからない。だから、愛おしい。
神頼み、運も実力のうちなどと言うけれど、そこには人の強い思いがあるのだろう。
神様が人を理解していく過程が心温まるお話し。
Posted by ブクログ
天界に戻るために100人の誉人の願いをかなえる、稲荷神のお話。とても読みやすく、人間ってめんどくさいけど、情が厚い生き物だなと思った。
サヨコの好きなものを数えるのはいかに幸せか気づけること、というのがとても心に残った。
イナリの
想いが強ければ、きっとそれは形になる
だから神を信じるのと同じくらい、自分を信じて進んでいけ。
も心に置いておきたい言葉。
神社があったら、神様が荒魂にならないよう、お願いをしようとも思った。
ほんわかする、心温まるお話だった。
Posted by ブクログ
「それが積み重なって、人生の幸せになるんだから。」
「たまにはね、好きなものを数えてみなさいな。いかに自分が幸せか気付くから」人生が残り少ないサヨコの言葉
「好きなものを好きだと言える」幸せ
「いつから人間は、自分の能力に上限をもうけはじめるんだろうな」努力しても無理だという乃亜にむけてイナリが呟いた言葉
「人間なんて、みんな何かしら欠けている。」「だが欠けているものばかり追いかけていったい何になる。持っているものに目を向けなければ先に進むことは難しい」後ろ向きな私に響いたイナリの言葉。
『なぜいつも人間は悩むのか。
どうして神に願うのか。』
『それは彼らが、人生を真剣に生きているからだ。』
イナリが最後に感じたこと
『人は死ぬ。
しかし、想いは死なぬ。
人から人につなぎ続ける限り、それは形を変えて生き続ける』
稲荷神として生きるイナリが、願いを叶える人間と関わる中で、生きることや大切な人への想いについて深く考える
自分だけでなく、大切な人を想っての願い
願いの中、深く深く本当の願いを見つけるべく奮闘するイナリ
とても素敵なお話でした
人生頑張れるよって思えました
稲荷神も弁財天さんも
Posted by ブクログ
4編からなる、稲荷神様の成長物語。
登場人物は繋がっている。
ある日、稲荷神様たちやわ神さまは、天界を
統べる大神様(親分?)から呼ばれ、選ばれた
人間の「誉人(ほまれびと)」の願いを叶え、
その行く末を報告すること命じられる。
百人の誉人の願いを叶えた暁には天界に戻れると
いうのだが、300年の間に稲荷神様が願いを
叶えた誉人は、たったの5人‥誉人の願いを
叶えられなければ、神としての資格を剥奪
されてしまう。さあ、どうする?
眷属の狐たちにお尻を叩かれながら動き出す。
誉人の願いを叶えるために、生き物に姿を変えたり、夢に入り込んでその人を操ったりする力は使えるが、直接本人に聞くことは禁じられている。
口は悪いが面倒見の良い弁天様に助けられながら、人間の言葉や行動から本心を読み取り、誉人の本当の願いに懸命に向き合おうとする稲荷神様が
なんだか可愛い。
江戸の頃に創建された稲荷神様の神社。
稲荷神様は元々は江戸時代、父親に捨てられ、
寒さとひもじさで亡くなった人間の子どもだ。
子どもの心を持ったままの神さまが、人の様々な
想いに触れながら成長していく。
神様の成長物語って、今まで無かったジャンルかもしれない。
かっぱえびせんが好きな稲荷神様、
今度、稲荷神社にお参りする時に、かっぱえびせんを持って行ってお供えしてみようかな。
Posted by ブクログ
こんな神様なら信じてみてもいいかもと思わせられる。そんな温かいお話。
『好きなものを数えてみなさいな。いかに自分が幸せか気付くから』
幸せって何だ?答えのない疑問に腑に落ちた気がした。
そうか、幸せって好きなものがあることか、と。
日々好きなものを見つけて、数えて、コツコツと幸せを積み上げていきたいな、と感じた。
『人は死ぬ。しかし、想いは死なぬ。』
『人の想いというものは時に神の力さえ超えていく。』
強い想いが、意思が、覚悟が、願いを遂げさせるんだろう。
人間は面倒だと言いながら。
人間の気持ちは分からないと言いながら。
時に励まし、寄り添い、教えられ、奮闘するイナリ。
天界に戻る為に必要な誉人の願いを成就される御役目。
目標達成百人まであと、九十二人。
また奮闘するイナリが見たい。続編があれば嬉しい。
Posted by ブクログ
人間って、本当に面倒臭くて不思議な生きものだ。それでもなんだかんだお節介をしてしまう神様にも人間味を感じてほっこりした。
サヨコから教わった「好きなものを数える」をイナリが実践してるのがなんだか嬉しくて、“友達“なんだなぁって感じた。誉人の願い、まだまだありそうだし、続きもあったらいいな。
Posted by ブクログ
人間嫌いな稲荷神は自身にとっての『誉人』の願いを叶えるべく、今風のイケメン(笑)のイナリと姿を変え人間を知ることで、変化していく様も丁寧に書かれ、また神様が謎解きをするという着眼点が楽しい!
作中に『好きなものを数えるといい』と、言われ好きなものを見つけてゆくさまは、人間のようで
ほっこり、します。
最後、神と人の在り方の考えは納得してしまう解答です。
Posted by ブクログ
人の機微の分からない稲荷神さまが出会う人々の願いを叶えようとする中で紡がれる物語。
人の機微って正直難しすぎて、神様じゃなくて人にもわからないものですよ……なんて思いながら、短編連作であることで変化する稲荷神さまを見守れて、また最初に出てきた人との再会もじんわり染みてきます。
好きなものを数えよう。
イナリさんが冒頭のお話で出会った誉人から伝えられたこのシンプルだけどなかなか奥深い教え。
自分もこの言葉を大切にしたいなと思います。
Posted by ブクログ
落ちこぼれの神様、稲荷神が人間の願い叶えるためにイヤイヤながらも頑張る物語 #お稲荷さまの謎解き帖
■あらすじ
何百年と日々神社で人間の願いを聞いている稲荷神。一人前の神になるためには「誉人」として選ばれた人間の願いを叶える必要がある。しかし稲荷神は人間の感情がいまひとつ理解できない… 人間の願いを成就させることができるだろうか?
■きっと読みたくなるレビュー
ほのぼの神様物語、この作品はアニメ化して欲しいですね。絶対見るよ!
ストーリーは、落ちこぼれの神様の卵である稲荷神が、人間の願い叶えるために嫌々ながらも頑張るという筋立て。神様なんだけど決して全知全能ではなく、ちょっと人を誘導できたり、変身できたりするだけ。
しかも人の願いを叶える成績がよくない稲荷神は、大神様から目をつけられてる。このままでは人間界に叩き落されるのです、これはヤバイ… という状況。設定が秀逸ですよね~ 読み口もライトでどなたでも親しみやすく、全四話の連作短編だから気軽に楽しめますよ。
まず本作の強みは登場キャラクターですよね。神様のお稲荷さん、弁財天や、眷属(かみのつかい)である狐や白蛇たちが魅力たっぷり。
人間たちの願いについて議論するシーンなんか最高! 人の気持ちも知らずに、わちゃわちゃと好き勝手いってます。でもリアルに神様がいたら、人間のことなんてこんな感じで扱ってそうですよね~。特に狐、お前はヒドイ。
イチ推しなのは弁財天、七福神の中で唯一の女性。仕事ができるバリキャリウーマンをイメージしちゃう。上司は頼りがいがあるほうがいいけど、神様も頼りがいがあるほうがいいね。
そして本作のメイン読みどころは、稲荷神が成長していくところなんです。全知全能であるはずの神様が成長していく?! ってのが、おもろいすよね~。そのくらい人間って生き物は複雑なんでしょう。
それはタイトルを見るだけでも分かります。どんな願いやねんって感じですよねー!
第1話:神様、どうか私が殺されますように
第2話:神様、どうか幽霊に会えますように
第3話:神様、どうかあの子が選ばれませんように
第4話:神様、どうかあの人を騙せますように
おすすめは第3話、ド直球なストーリー展開だけど、やたら胸が熱くなるのよ。こんなお話には弱いの…
本作連作短編ではあるものの、ちゃんと全四話としてストーリーがまとまってるところが素晴らしいかったなー。エモさも十分だし、細かな謎だったところや伏線も説明がされてるし、ミステリーとしてのバランスもいい。新人先生の作品とのこと、今後の作品も期待しちゃいます!
■ぜっさん推しポイント
隣の芝生は青いと言いますが、世の中には幸せそうな人ばかりに見えますよね。ネットでもTVでも目立っているのは成功者ばっかりで、つい妬んじゃいます。
そんな時は、まず今もってる自分の能力、経験、環境、家族、仲間に目を向けることが大切なんだと思った。
以下本書引用、神様からのありがたい御言葉です。
人間なんてみんな何かしら欠けている。欠けているからこそ神社に願い事をしに行く。しかし欠けているものばかり追っかけて何になるのか? まず持っているものに目を向けなければ、先に進むのは難しいのだ。
Posted by ブクログ
懸命に生きる人間とその願いを叶えようとするちょっと抜けた神様。助けた人間に影響されて神様も少しづつ変わっていく。
各話毎にテーマもわかりやすいし登場人物も多くなく、終わりもすっきり。
読みやすい本でした。
Posted by ブクログ
神社仏閣に願いを叶えていただけるようにお詣りする。この本の神の言葉のように、「願いとは欲でもあるのだろ。だが、それだけ人生を懸命に生きている証でもある。俺たちが願いを叶えるのは、幸せになる決意を持った人間だけなのだ。」日々この世を懸命に生きて行きたい。
Posted by ブクログ
人外による人間への考察という点で「死神の精度」に近いものを感じるが、より謎解きに寄せている感。せっかく長いこと神様をやっているのだから、現代に限らずもっと時代を動かしてくれてもいい気がする。
Posted by ブクログ
SL 2026.3.17-2026.3.19
主人公の稲荷神が誉人の、一見奇抜な願いを叶えるまでを、その真意を謎解きながら描く。
軽めで楽しいミステリながら、ひとと人の厄介なつながりをちゃんと描き出している。やさしいミステリ。