あらすじ
NHKドラマ化原作、火星と地球をめぐる壮大なヒューマンドラマ
地球外知的生命の探求のために人生をかけて火星にやってきた生物学者のリキ・カワナベは、とある重大な発見をする。いっぽう火星生まれの少女、リリ-E1102は、地球へに観光を夢みて遠心型人工重力施設に通っていた。様々な人の想いが交錯する人間ドラマ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
人類が火星に進出し、そして撤退が検討されているような未来のお話。生物学者リキ・カワナベが未知の生物?を発見をきっかけに、地球への旅行を夢見る盲目の少女リリ-E1102とその周りの人々が織りなす人物模様。
SF小説と言うよりは特殊環境の事件ものだと思いました。無難に面白かったです。気になった点と言えば、設定にISDAという組織がて出てくるがどんな規模なのか、どういった目的なのかがよく分からないのでちょっともったいない。
あと事件が起きるわけだが舞台に対して小ぶりなのでスケールが小さく見える。こんなもん?となりました。
印書的なのは光の速度の扱い。宇宙を舞台にすると『光』は遅いんですね。この話の根底にあるのは時間差のあるコミュニケーションによるすれ違い、かな?
Posted by ブクログ
人類が、地球から火星へ、そして宇宙へでていったらどうなる? 既知と架空の組み合せ、SFです。そのなかでも、架空物質の「スピラミン」がよかったです。小説の評価として?ですが、これだけで星☆5! (イカ臭い、スペルミンじゃないよ) とってもおもしろかったです。
そして思うのは、人類の宇宙進出って、いろいろと大変だなということです。
事実として火星の重力は地球の約1/3(0.38倍)しかありません。(以下 地球が基準です)
最近、ジムで両手にダンベルもって歩くのが気に入っているわたしからしたら、負荷すくな!とおもいます。
低負荷なので、火星の定番は大ジャ~ンプです。なにしろ体重60kgのひとは火星だと約23kgです。
だから、火星で地球と同じ60kgを感じるには100kgのバーベルかつがにゃなりません! 動物?で例えるなら、牡鹿とか熊をかついで歩くことなんです!
足はそれでよいでしょう。では、腕や首はどうなる? もう、常に100kgの負荷がかかる「地球人養成ギブス」しかありません! 火星じゃ、自重トレーニング、ぜんぜんダメです! 地球由来の火星人はど根性なのです。
この本は100年先の未来の火星でのおはなしですが、今現在の地球にグッと近づけた感じで、さらっと読めてしまいます。
しかし、本当に火星のひとたちのことを思って読むなら、地球人も100kgのバーベルかついで読むべきなんです! 火星のひとたちは、それができないと地球に来れないんですよ。
でも安心して! 作者の小川哲(おがわ・さとし)先生は、100kgのバーベルをかついでも読めるようにと、読みやすく書かれています。( たぶん (笑) )
わたしは年齢制限でかつげませんが、本当にかつぐ方は安全第一でおねがいします。(コンプライアンス?)
人類火星進出計画の難しさは、重力だけじゃありません。太陽系の中で、地球の次が火星だけど、とっても遠いんです。
AIに聞いたら、地球との位置関係でちがうそうですが、電波(光)でも片道3分から22分くらいかかるんだと。火星と地球の距離だと、メールを送ったら、返事を待ってる間、家に帰って昼寝できるくらいなので、何事も進みません。孤独感すごいです。
人類が火星に行って、変わることもあるけど、変わらないこともあります。例えば「政治」、どこいってもついてきます。本書では、「火星と地球」にまとめて、シンプルにえがかれています。
地球や月については、ほぼ書かれていません。それがかえって気になります。
そして、タイトルにある「女王」についてです。
この「女王」は、わたしは読んだことないけど、ロバート・A・ハインライン著『月は無慈悲な夜の女王』、を意識したものじゃないでしょうか。
ただし、本書『火星の女王』は「Queen」ですけど、ハインラインさんのほうの原題は「Mistress」ですけどね。
宇宙進出のファーストステップは月なので、いつか読んでみたいです。( ( ゚д゚)ハッ! もしかして、小川さん、これをいわせたかったのか?)
わたしの感想は「人間ドラマ」に至ることなく、いたらない内容になってしまい、申し訳ないです。
本書をほめる気まんまんで書きはじめたのですが、火星人の気持になって100kgのバーベルをかついで読めとか、なんだかズレまくりの有難迷惑な感想になってしまいましたね。
Posted by ブクログ
近未来、火星の開発が進み、移住者が増えていたが、投資対象としての価値がなくなり、地球帰還計画が発表される。そんな時、学者がある物質の同時構造変化を発見、地球外生物として報道発表されることとなる。そして、そのことが地球と火星との関係性を揺るがす事件につながってゆく。。。
登場人物ごとの視点で進んでゆくストーリーで、説得力のある科学的描写(実際の理論は知らないけど)、ウィットのある会話、癖のあるキャラクター、その割に重くなりすぎない感じがいいですね。NHKでドラマやってたみたいだけど、映像化向けです。
「だからなんだ」とか、「光が遅すぎる」のフレーズ最高でしたね。
Posted by ブクログ
NHKのドラマ「火星の女王」を観て面白かったので、原作も読んでみた。ドラマと違っているところもあったが、ドラマとはまた違う展開が面白かった。
各章に登場人物の名前がついているので、誰の視点で書かれているのかがわかりやすくで話の内容がすーっと入りやすかった。
人類が火星に移住して40年後の西暦2125年の火星と地球が物語の舞台。後100年くらい経ったら、火星とまではいかなくでも月への移住計画が進んでいるかもしれないなぁと思いながら読み進めた。
大気のない火星で生きて行く人たちの姿も興味深く描かれている。例えば、
火星に住む人は、タグと呼ばれる小型のチップを埋め込まれてISDAに管理されているが、反発してタグを入れなかったタグレスと呼ばれる人たちもいて、いろいろな面で冷遇されている。
登場人物も個性的でおもしろい。例えば、
生物学者リキ・カワナベ。生物学者の多くは地球外知的生命はいないと考えている中で明確に「いる」と信じている。地球外知的生命を探すために火星にやってきた。「だからなんだ。なんだというのだ」と心の中でつぶやくことが多い。また、マディソンと話すと「それはそうだが」と口にしてしまうことが多い。
盲目の少女リリ。火星生まれの大学生。前ISDA火星支部長タマキの娘。知らない人の名前を勝手につけることで、彼らの存在を忘れないようにしている。地球がどんな場所で、どんな人たちが住んでいるのか知りたいと思って地球に観光に行くことを夢見ている。
白石アオト。ISDA種子島支部の職員。火星での研修の時にリリと知り合う。地球帰還計画の受け入れ担当。リリ誘拐事件では火星支部との連絡係を担当。
マル。火星自治警察の女性捜査員。リリ誘拐事件の捜査を担当。睡眠不足の時が多く、名前を覚えるのが苦手。
ルーク・マディソン。ホエール社のCEOでコロニー13の代表。リキ・カワナベが発見したスピラミンを地球外知的生命体として公表。本心では何を考えているかわからない、一癖も二癖もある男。
といったように、個性的で魅力ある人物が多い。
また、何らかの理由で命を狙う宇宙人の勢力がいて、宇宙人スナイパーが自分のことを狙って隕石を放っていると主張するISDAの職員で宇宙人研究会の金崎の存在もおもしろい。
リキ・カワナベが発見したスピラミンという物質もおもしろい。同じグループのスピラミンは遠く離れた位置にいても、十のマイナス二十一乗秒の速さで同時に結晶構造を変化させるという特徴をもっている。つまり光速を超えた情報の伝達の可能性があるということにビックリ!
惑星間宇宙開発機関ISDAの火星からの地球帰還計画、リリの誘拐事件、スピラミンの盗難事件、ファスター・ザン・ライト作戦、火星独立運動と次々に展開して行くので最後まで楽しく読み進めることができた。
Posted by ブクログ
3/4くらいまでは説明が多めで我慢が必要だったが、終盤で全ての伏線が回収されてスッキリできました。
月並みになってしまうが、最後、応援団長、副団長がくだした決断が、火星と地球の通信のラグ(10分くらい)によるコミュニケーション不足による分断を武力で解決するのではなく、新しいテクノロジーを火星と地球、双方で研究し、ラグのない対話から、共存を目指していく。
テクノロジーを武力に利用するのではなく、前向きな平和に使っていくべきだという、今の分断した世界にも通じるメッセージになっていたのもよかった。
最後、地球に訪問した際に、仲の悪いバンドが大金をつまれて、一夜限りの再結成をして演奏するシーンが良かった。お互い過去にさまざまな諍いがあり、嫌いあっているのに、演奏はぴったり一致する。全てが分かり合えなくても、音楽や芸術など,文化的な繋がりがあれば、共存はできるという希望のメッセージに感じた。
Posted by ブクログ
さすが小川哲。色んな文章がちゃんと描ける彼の真骨頂はSFだと感じる。光が遅すぎる、というパンチラインに物語性を持たせて世界を構築するその筆力。素晴らしかった。のだが、やはりもっと死ぬほど長編を読みたい。そもそもコンセプチュアルな作品なので、そういうものではないのだが
Posted by ブクログ
一方通行の通信でも10分かかる火星と地球でも対話のために兵器にも使える新物質をそちらに使うことにしたのに一瞬で会話できる地球の人たちが分断とかしてる場合じゃないよねっていう話だったのかな
Posted by ブクログ
NHKのドラマを先に見ていたので、登場人物は把握できた。お陰であたまの中でイメージできたのでわかりやすく読めた。ストーリーはちょっと違っていて驚く。
Posted by ブクログ
火星に進出を果たした未来において、火星で見つかった謎の物質を中心に地球と火星の政治的対立を描いた小説。
LINE謎解きやNHKドラマとタイアップした作品。事前に他のメディアで本作の背景知識を持っている場合は非常に読みやすく、他のメディアで出てきていた登場人物が動き、話している様子を見ることが出来て面白いと思う。
丁寧な背景説明と状況描写は良かったが、ストーリーの展開は新規性があるとは思わなかった。淡々と物事が進行していく感じ。
Posted by ブクログ
もし、火星に住めるようになったら‥そこで未知な物質を発見したら‥こんな感じなのかな?というお話。
地球と火星が通信する時間に10分かかる。「光は遅すぎる」は心に残ったかな。思ったことなかったから。
小川智さんの小説を推す人が多いから、他も読んでみたい!
Posted by ブクログ
火星は特別な感情を呼び起こす惑星ですね。色々な物語の舞台になってる。これもそのひとつ。またひとつ火星の特別な物語を知りました。生きてるうちにこんな未来はないかもですが、いつか火星にも人類が…。もしくは生命体が…と思わせる。
Posted by ブクログ
う~ん、難解でした。そういえば『地図と拳』も…難解でした。
でももしかしたら、あと100年後の世界かもしれないけれど‥‥
やった読み終えました。
Posted by ブクログ
光が遅すぎる。。。
地球と火星間ともなると光は遅すぎるのね。やっぱり人間は「面と向かって」話さないと理解しあうのは難しいのかしら。
ゆる言語の水野さんが会話のターンテイキングは0.2秒と言っていたから片道5分もかかる通信はそりゃ遅いよね。誤解も生まれるわ。人間はどこに行っても争いは避けられないものなのね。
Posted by ブクログ
感覚脳の私では絶対に考えもしないことを知れて、考えることが楽しかった。
エントロピーとか。
舞台である火星とか。
「無人島に一つだけ科学理論を持っていけるとしたら、何を持っていきますか?」
小川さんの頭の中ってどうなってるのだろう。
私は現在の問題を別の物語に落とし込んでいる小説が好き。
物語だからできる理想や解決。
考えさせる小説が好き。
ちょっと物足りなく感じたから、倍の長さだったらもっと良かった気がする。
Posted by ブクログ
ヘイルメアリーやら火星の人やら火星ワードにつられまくって。既に火星の暮らしの話でドラえもんを読んでいる気分でワクワクしました。行ったり来たりと言っても距離は変わらないんだよなー。
Posted by ブクログ
「対立してしまったことの1番の原因は、面と向かって話をすることができないからなのではないか」
技術が進んで火星に人が住むようになっても、人の心の基本は変わらないのだろうなと思った。
実世界でアルテミス計画が始動する今、この作品を読めて良かった。
Posted by ブクログ
娯楽SF小説。残り1/3くらいで、何で女王なんだというのがわかった。エントロピーの話が出てきて嬉しかった。このままだと、宇宙に知的生命体がいたとしても、遭遇てきない。地球の知的生命体が絶滅危機にあるから。
Posted by ブクログ
思ってたストーリーと違かったから期待してたよりは…って感じだった。スピラミンがもっとどうにかなるのかと思ってたけどそんな簡単に研究が進むわけもなく…。スピラミンが何か可能性を秘めた物質であるまま物語は終わり地球と火星を繋ぐ希望として締め括ったのがとてもよかったと思う。何十年後何百年後に火星と地球が行き来きすることがこの現実世界にあったとして、それはそれできっとまた何か大きな分裂を生んだりするんだろうか。作中では火星人という言葉を使うのはタブーとされていて、あくまでも火星に行っている地球人である、ということらしいけど住んでる場所が人を作って、でもそれが人々を分断することになるのは危険だよな〜って思った。火星と地球が対立することなく終わってよかった。SFにしては軽めで読みやすかった。録画してあるドラマの方も見てみます♪
Posted by ブクログ
昨年末(2025年12月)にNHK総合で放送されたドラマ視聴済。ドラマ原作ってなってるけど、脚本は並行して書かれたようで、小川さんの基本構想を元にそれぞれ作られた作品で、原作ではない。私にはドラマの方が面白かった
Posted by ブクログ
火星と地球。
宇宙に進出して、火星に移住する未来がそこまで来ていたら、ワクワクしますね。
物理的、時間的、価値観‥いろんな意味で離れた距離は遠いけど、その距離を超えて相手の立場にも立って問題と向き合うことは、今の世界や社会にも必要なことなんだろうなぁ‥
Posted by ブクログ
プロットが混み合っていて、それでいてスマート、なんだけど、結局なに?って印象。NHKでドラマ化され期待していましたが、自分的にはちょっと合わないこも。技巧的すぎるというか。次作に期待です。
Posted by ブクログ
人類は本当にもう火星移住していると勘違いしそうなくらい詳細だった。酸素や水を確保する仕組みや住居など、とても現実味があった。
地球に行くために地球の重量に対応できるようにする訓練、渡航するにあたっての重さの重要性、放射性物質を排出しない機体への乗り換えなど、超文系の私でもすんなり納得できた。
地球と火星はこのまま最悪の局面を迎えるのか、悲惨な結末となってしまうのかと思っていたが、思いがけずスピラミンが平和的利用という形にまとまって良かった。
個人的には、白石アオトのパートが好きだった。
Posted by ブクログ
・設定が面白く、よくできたSF
・火星移住計画が、利益が出なくなったので、撤退を計画。居住民との軋轢が起こる。
・火星で生まれた盲目の主人公リリ。
・異星間で、同期する物質スピラミンの発見。光より早い通信手段の可能性あり。
Posted by ブクログ
地球と火星の「距離」を上手く使って、壁、分断をテーマに物語が構成されている。火星開拓にあたっての具体的な運用方法、例えば地球との間の航行が重量によって運賃が変わるので人間は減量が必要とかとてもリアルで、この作者の本はそういう視点でも読んでてお得感がある(それが余計と思う人もいるだろうが)。
ストーリー自体は題名ほどドラマチックではなく、地に足ついた感じで、そもそも「なんで女王ってなるの?」と感じなくもなかったが、それぞれ火星と地球のキャラクター達も魅力的で、ハードSFでもなくページ数的にも適度なので、SF苦手な方にもまずは気軽に読んでもらえそう。あ、この後、録画してるドラマも観ようと思います。