あらすじ
NHKドラマ化原作、火星と地球をめぐる壮大なヒューマンドラマ
地球外知的生命の探求のために人生をかけて火星にやってきた生物学者のリキ・カワナベは、とある重大な発見をする。いっぽう火星生まれの少女、リリ-E1102は、地球へに観光を夢みて遠心型人工重力施設に通っていた。様々な人の想いが交錯する人間ドラマ。
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<poka>
火星モノが大好きなので。「火星ダーク・バラード」、「火星人先史」、「火星の人」。
<だいこんまる>
「スピラミン」なんか探すより、じゃがいもを作りませんか。
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ストーリーだけでも十分におもしろいのですが、登場人物がみんな淡白で冷静でちょっとユーモアがあって、いろいろ大変なことが起きるのに物語が淡々と進んでいくところがよかったです。
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これまで圧倒的に「読んでから見る派」だった私には珍しく、昨冬NHKのドラマを見てから読んだ本書。いや〜なるほどなるほど!そう来ましたか!「見てから読む」もなかなか良い。キャスティングも映像美も、それからストーリーも原作の雰囲気を損なわずとても良かった!読みながらどんどんイメージが膨らむ、好みのタイプの作家さん。『地図と拳』に続いて2冊目。
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小川哲、気がつけばこれ入れて5作品も読んでいた。本作は近未来SFで、ドラマありきで描かれた小説らしい。また、「アメリカ独立戦争をテーマして現代以降でやるなら」ってことも考えた作品であることもテレビで言ってはった。
なるほど、SFの体(と言っても相当キチンと練り込まれた世界観)を成した人間ドラマだったなぁと。時間差を気にしないコミュニケーションが当たり前となる前の遠距離コミュニケーションは、まさに「間の抜けた」ものだったんだろうと思う。例えそれが数分であっても、数か月であってもである。その抜けた間で、社会や人間はどういう風に動いていくのかがとても面白い。
ハワードとハインラインリスペクトなタイトルもいいなぁ、少々残念だったのは、少ないページに政治劇、人間ドラマ、SF的考察がゴチャっと詰めこまれていて少々せわしなかったことかな。倍量のページ数があっても良かったかも。
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小川哲の新書を読む前に予習のために拝読
火星を舞台にしたスペースSF小説
というと一大スペクタクルを想像するけれど
地に足のついたリアリティのある内容だった
(映画オデッセイにかなり近い印象)
地球から火星に向かうのに6ヶ月
一度の通信に10分
「光は遅い」という言葉が印象的で
実際光の遅さを体感している気持ちになれる小説だった
登場人物がみんな自分の責任に一生懸命で魅了的
カワナベの「だからなんだ」というセリフがいい
火星という壮大なスケールを前にすると
どんなことでも「だからなんだ」で掃き捨てられてしまうな
新発見して言ってみたいわ
誘拐されて退屈をまぎらわす為に腹筋をする下りが笑える
現実でやったら誘拐犯も驚きのあまり解放してくれそう
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テレビドラマを観て(すごく良かった)、わからないことが色々あった(特に火星の女王って何?)ので読んでみる事に。
ドラマの原作として書かれたものだけれど、ストーリーは違うところが多かった。
ドラマよりこちらの方が科学的に納得できる内容だと思う。また火星と地球の通信ラグが分断を生み、それを埋めることが問題解決の一番の方法という結論は理想的すぎるけど、いろんな意味で考えさせられる。
登場人物の内面が伝わりにくいので読みにくいけど、読んでよかったです。
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火星のコロニーに暮らす盲目の少女リリ-E1102は、厳しい試験にようやく合格し、母が待つ地球へ旅立とうとする直前に何者かに誘拐される。
火星で地球外生物の証拠を探索する生物学者リキ・カワナベは、3種の結晶構造を持つ物質スピラメンの構造間の変異が、距離に関係なくグループ内で同期することを発見する。
周囲からエネルギーを吸収し、自律的に変異するスピラメンは地球外で初めて発見された生命体ともいえ、その発見の報は地球と火星両方に小さくない衝撃を与える。
当初計画した自給自足ができず、地球からの物資に依存する火星住民らは、地球人に見下され、抑圧される状況に不満を溜め、スピラメンの発見をきっかけに独立運動を起こす。
火星での利権を独占するホエール社のCEOルーク・マディソンの行動も混乱に拍車をかける。
リリの母タキマの命を受け地球側で事態の収拾に当たるリリの友人白石アオトや、火星でリリを捜索するマルとミト。
さまざまな人々の事情や思惑を呑み込み、事態は進展していく。
「光が遅すぎる」ために片道300秒かかる地球・火星間の通信。
マルに開放され、マディソンから「火星の女王」に祀り上げられたリリは、往復10分の通信の間隙を縫って地球からの駐留部隊を制圧する。
盲目ながら肝の据わったリリをはじめ、日常に追われながらもどこか達観した、または開き直った登場人物たちに、本編には全編を通して乾いたユーモアが漂う。
人々のドタバタ劇を中心に書かれた本書は、ハードSF的でありながらむしろ読みやすい。
スピラメンの遠隔同期の性質は、巨視的な量子もつれを連想させ、本書のテーマ「faster than light」を具現化する。
NHKドラマの原作だが、重苦しかったドラマよりも本書の方が好もしい。
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火星と地球の対立、そしてその中で交錯していく人間関係を読んでいると、どこか『ガンダム』を思い起こさせるものがありました。
現在も宇宙開発が進められていることを考えると、本書で描かれている世界は単なる遠い未来の物語ではなく、いつか私たちが直面するかもしれない未来の姿なのではないかと感じました。
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およそ今から100年後の時代を描いたお話。
人類は地球だけでなく火星にも住み文明を築いていた。
地球外知的生命の探究のため、
人生をかけて火星にやってきた生物学者のリキ・カワナベは
スピラミンという物質の結晶構造の変化を発見する。
一方、火星生まれの学生リリ-E1102は、
地球に観光に行くことを夢見て遠心型人工重力施設に通っていた。
地球で種子島在住の白石アオトは、ISDA職員として働きながら
リリとの約束を思い出していた。
カワナベの発見が世界を揺るがすとき、リリの身にも危機が迫る。
地球と火星、遠く離れた二つの星を巡って人々の心が交錯していく物語。
案外評価がそこまで高くないということにまず驚いた。
非常にエンタメとしても成立しているし、面白い作品だった。
ただ、カワナベが発見したスピラミンという物質に隠された性質。
この辺が最後までよくわからないということと、
物理・天文学的用語や設定が数多く出てくるので
その辺でわりと最初は置いて行かれる感は確かにあった。
頭の中で画として思い浮かべるのに苦労するので、
文字情報だけ追っててもどこかイメージが掴みにくいというのはある。
とは言え、キチンと事件が起き、ワチャワチャしていく感は嫌いじゃない。
むしろ個人的に好きな部類の展開が続いていき、最後まで飽きさせない。
地球と火星という気が遠くなるほど離れた二つの星に住む人達の啀み合いが、
ある種、この物語の下敷きとなって進んで行くのだが
この対立構造って我々の身近な存在に当てはめても成立するし、
決して想像のできない問題では無いはずだ。誤解はいつだって距離が生む。
終わり方も個人的には好みな締めくくり方。
小川作品にしてはクセの少ない読みやすいストーリーだった。
何よりSF作品として想像の産物だけで練り固められているのではなく、
非常にロジカルに、そしてあり得そうな未来がこの物語には詰まっている。
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光は遅すぎる。世界で一番速いはずの光に対するこの評価。この言は以前にも聞いたことがあり印象に残っていたが、今回、物語の中でより実感させてくれたように思う。人々の活動領域が外へ外へと宇宙に広がって行くのは良いとしても、宇宙は広すぎ、移動や通信にこんなに時間がかかっては分断を生んでしまうのも無理はないと感じられた。現実では未踏の地である火星。そこへ向かうのは人類の夢だしワクワクすることのようにも思えるが、本作のように火星で生活することが根付いて、地球依存から脱却出来ない状態が現実として横たわってしまうと、火星もただの僻地なんだなと妙に色褪せて見えてしまった。
本筋ではカワナベの存在が良かった。地球で夢破れて火星に移り、何十年と何かを探し続けるその様子は最早諦念の色が濃いのに、でも諦めきれずにあれこれ考え続ける姿には誰よりも人間味を覚える。だから何だと言いながら捨て置かない。とても好ましかった。
リリについてはマーティンが大統領として持ち上げたい理由には納得したが、民衆が女王と持ち上げて盛り上がっていた経緯はよく分からなかった。女王という強い言葉を選ぶには説得力が弱いかなと思う。ただいつでも勇気を持って立ち向かう姿は良かった。盲目なのに宇宙で船外活動をしようなんて試みにはとても驚かされた。
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物理的にも政治的にも経済的にも遠く隔たっている火星と地球。火星ではごくありふれた物質「スピラミン」の新たな性質が発見されたことを機に(?)、長年の燻りが勢いを増して……。
NHKのTVドラマ版(吉田玲子, 2025)から知った本作。「未知の物体」の代わりに「スピラミン」がキーアイテムで、マルは勤勉なISDA警察捜査官ではなく地球に帰りたがっている火星自治警察の非常勤捜査員で、キーパーソンであったタキマ・スズキやファン事務総長はほとんど登場せず……。両者の差異に少し驚いた。
ナショナリズムや異文化交流といったテーマはTVドラマ版と共通。また、小説版では“火星の女王”の意味に触れられている点が好ましい。
結末までとんとん進む展開は読みやすくもあり、物足りなくもあり。個人的には火星・地球間、地球住民/火星住民同士間、そして盲目のリリ-E1102と彼女以外の人々との間の物理的・精神的隔絶の描写はTVドラマ版のほうが好き。
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火星と地球との間の光の速度を超えられないタイムラグのあるやり取り。同じ地球人なのに、物理的な距離が離れていて、リアルタイムで会話を成立させることがかなわない。両者の間に少しずつ溝ができ、広がり、あわや戦争か、という深刻な状況に。これって、いま地球上で起きていることと変わらないよね。私たちはタイムラグなく顔を突き合わせて対話ができるはずなのに…。
以前見たテレビドラマは私としてはイマイチで、原作である本書もあんまり期待していなかったんだけど、本書はストーリーもドラマよりずっと分かりやすかったし、登場人物も変にキャラ立ちせず、いい感じに個性があってよかった。おもしろかったです。
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小川哲こんな宇宙SFも書けちゃうのか!作品の幅広さに改めて驚き。すごい人だなあ。
火星居住が進む近未来が舞台で、テクノロジーというよりは地球居住者と火星居住者の政治的な問題を主に扱っている小川哲らしい視点のSF。
地球と火星の間の通信には往復8分ほどの時差が生じてしまい、意思疎通が難しく、コミュニケーションの摩擦が生じてしまう。
SFは夢のある内容が多いけれど、本作は火星に夢を見て冒険するものの、現実問題としてはなかなか上手くいかず、摩擦が起き...という個人的に好みな展開のSFだった。技術が進んでいるとはいえ、策略が飛び交う外交、統制システムの不備、政治に不信感を覚え抵抗する市民など、共同体を構成する上での根本的な課題は変わらないもんだよなあと思った。
説得力があって、SFとして完成度が高いと感じた。
一方、展開がちょっと都合良すぎたところもあったのが気になった。あと、もう少しテクノロジーのところ広がってたら面白かっただろうなと、世界観はとっても良かったので、楽しめましたが。
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小川哲の小説は出版されるたび読むようにしている。
今回も小川哲の頭の良さが存分に溢れていて、私にはチンプンカンプンな言葉の羅列だらけだったが、いつものようにわからない部分はフワッとしながら読み進めると、案外あっさり読み終えることができた。
起承転結も良かったが、もっと掘り下げても良さそうな場所がチラホラあり、ストーリーは良いのに結末だけ今ひとつになっていて惜しい。
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さすが小川哲。好きなタイプのSPだ!「水星の魔女」を思い出すアイドル。意識してるよね? 女王様はミオリネとスレッタのダブルっぽい感じ。変な科学者枠のリキ・カワナベもかなり好き。『プロジェクト・ヘイル・メアリー』でSF気になったら次はこれを読もう!
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NHKドラマの原作。
最初の1ページは一瞬とっつきにくかったのですが、型番のDとMが違うだけだとわかると、それからすっと入っていくことができました。
火星を舞台にしたものといえば、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の『トータル・リコール』(めちゃくちゃ好きだった)と、アンディ・ウィアーの『火星の人』。火星の1日が1ソルだと知っているだけで気分は爆上がりです。しかも火星で生きて行くことの厳しさはこの2作品を知っていたのでイメージしやすかったです。
誘拐と盗難に誰が関わっているのか、SF要素にプラス推理小説要素もあり、お得感満載です。
冷静なリリと、胡散臭いマディソンがお気に入り。
人々がそれぞれの主義主張を通すために、どう解決するのか…今、世界的にギスギスしているので、平和的な解決をしようとするリリたちに心が和みました。
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2125年、人類の火星移住から40年
ISDA惑星間宇宙開発機構の地球帰還計画の中、生物学者リキ・カワナベは火星で未知の物質スピラミンの異変を発見する。
地球観光を夢見る
盲目の少女のリリ-E1102と、
ISDA職員の白石アオト、
そして火星自治警察のマル、
カワナベの発見を切っ掛けにして、
それぞれ交錯しながら火星と地球の未来が動きだす。
NHKでドラマ化されたのを観ていて割に良かったので本も読んでみたいと思った。
ドラマの方は、
火星の風景やそこに住む人々、思い、感情、欲望⋯良く描けてたような気がする。
先に映像で見てたので、そのイメージが頭の中に残ってたので、読む手助けとなったけど、原作はなんだか深堀りする感じがなくて、サラッとした感じで物足りない感じがした。
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火星人と地球人の対立を描いたSF?火星人と言っても宇宙人ではなくルーツは地球である。
結晶構造をナノ秒単位で同時に変化させるスピラミンという物質の発見から、ハードなSFに誘われるのかと期待したが、普遍的(地球的)な人間ドラマに落ち着いた。こんな大層な舞台を用意しているのに、惑星差別だの貧困格差だの独立運動だの、ちょっと自分の期待とは別のベクトルに進んでしまった。独立に関心を示さない科学者の「だからなんだ」はいい言葉だと思う。
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舞台は西暦2125年、人類が火星へ移住し始めてから約40年が経過した時代です。火星には13のコロニーが建設されていますが、当初期待されたレアメタル採掘の不振やコスト増大により「火星開発は採算が合わない」と判断されました。
国際機関「ISDA」は、火星に住む約10万人の住民を全員地球へ送り返す**「地球帰還計画」**を進めています。しかし、火星で生まれた「火星ネイティブ」世代や、地球へ戻りたくない人々にとっては身勝手な強制撤退であり、地球と火星の間には強い政治的・感情的な格差と分断が生まれています。
また、地球と火星の距離(通信に片道数分〜20分前後のタイムラグが生じる)という物理的制約が、お互いの意思疎通や対話をより困難にしています。
スピラミンの変異発見
生物学者のカワナベは、火星で採掘された新物質「スピラミン」が、離れた場所にある結晶同士で同時に異常な構造変化を起こす現象を発見する。これが地球外生命体の兆候なのか、新たな物理現象なのか、世界に波紋を広げる。
リリの誘拐
地球行きの宇宙船に乗る直前、リリが火星独立派・反ISDAの勢力によって誘拐されてしまう。
「火星の女王」として祭り上げられるリリ
実業家のマディソンは、カワナベの発見したスピラミンを「地球外生命体の発見(および新権益)」として大々的に公表・アピールし、火星の自立を宣言しようと計画します。 さらに、ISDA幹部(地球側)の娘であり、火星生まれで無欲な盲目の少女リリを誘拐劇の渦中から擁立し、**「火星の女王」**という政治的シンボル・象徴に祭り上げます。マディソンらは「地球に従属しない火星の自治」を盾に地球と対峙します。
「通信タイムラグ」をめぐる攻防
地球側(ISDA)は火星の暴走や独立運動を抑え込もうと試みますが、ここで最大の障害となるのが**「地球と火星の距離(光速の限界)」**です。 地球からの指示や交渉には常に何分もの遅延(タイムラグ)が生じるため、現場の火星側が先手を打ち、リアルタイムでの即座な武力鎮圧や介入を不可能にさせます。武力衝突の危機が高まる中、登場人物たちは「光は遅すぎる(=コミュニケーションが追いつかないことによる不信感)」という現実と直面します。
派手なスペースオペラ的な全面戦争や超常的なドタバタ劇に発展するわけではありません。
リリの対応
政治的意図によって「火星の女王」として利用されたリリですが、彼女自身は権力欲や欲心を一切持たず、極めて冷静かつ聡明に己の状況と周囲の思惑を把握しています。彼女の純粋でフラットな姿勢が、暴走しがちな周囲の熱狂を冷ましていきます。
事態の収束とスピラミンの未来
スピラミンの構造変化は、即座に兵器化されたり社会を一変させたりするような魔法の道具ではなく、「解明までにこれから何十年もかかる壮大な研究課題」として扱われることになります。
火星と地球の新たな関係
火星の完全な断絶・独立や、地球による全面屈服といった極端な結末には至りません。絶望的な物理的距離とタイムラグを抱えながらも、双方が「対話を諦めない手続きや交渉」を続けていくことで、緩やかに・時間をかけて新しい関係性を模索していくという、現実的かつ希望を含んだ余韻を残して物語は幕を閉じます。
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小川哲氏の小説は好きなのだが、時として私の範疇から離れた物語に出会うと戸惑ってしまう。
本作のスピラミン発見と火星移住問題とリリの誘拐が、読み進めてもなかなか互いの関係を読み解けなかった。
当方の知見の稚拙さのためなのか⭐️は3つとなってしまった。
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他部署の先輩に借りたもの。
人間ドラマがメインで科学描写は少なめな、ソフトSFに属する類の物語かな?
一人称視点が章ごとに切り替わって進む構成が面白かったけど、その分特定の人物に感情移入することがなく第三者視点的な距離感で読んでいたと思う。
ハードSFブーム中なので個人的にはもっと研究や実験をしてほしかったかな。
伏線回収が自然で終盤が面白くて一気読みした。
良い読後感だった。
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小川哲さんってこういうSFぽい話も書くんだという新鮮さがある作品。
未知の物質スピラミンを巡る話、かと思いきや割と違う。登場人物や専門用語が多いので情景が想像しにくい。ただ、読みやすい文体なのは素晴らしい。
読んだ後に爽快感がないと思ったけど、これはスピラミンを実際に利用しているシーンがないからだと気づく。
距離を無視して互いに同期する性質を利用して戦争に使えるという解説は何度か出るが、実際には使われない。
エピローグではスピラミンを使ってコミュニケーションを行う方法が出るが、実際に同時通信をするシーンはない。むしろ対面でのコミュニケーションが最高というオチだし。
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人類が火星へ進出した未来を描く物語。
こういうSF設定が大好き。
どんな状況でもユーモアを忘れない主人公に好感が持てた。
物語は比較的淡々と進んでいく。
面白かったんだけど、読み終わると何かあっさりしているように感じる。
登場人物にあまり人間臭さを感じなかったので、読後に強く残る人物もいなかった。
他の小川作品と比べて全体的にクセがない。
私はどうやら、小川さんの描く「クセの強い変な人間」が好きらしい。
一つのことに異様な熱量を注いでいたり、捻くれていたり、すごく面倒くさかったり。
今回はそういう気になる人が見つからず、全体的にサラッとしていた感じ。
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かなり読みやすいSFだった。初めて読み切れたSFかも。火星の最新機器やシステムは、私の脳内で今実存する技術とかデバイスで置き換えて考えられる程度の概念のものだったから、わからないことだらけということはなく、むしろわからないことはなかったと思う。
でも骨のある本というわけではなかったし、終わり方がかなりスムーズだったなと思う。
地球と火星間の遠さ及び時差がコミュニケーション問題を引き起こして、両惑星間の対立に至ってしまうという設定は面白い目の付け所だった。
この人の他の本も読んでみたい。
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火星生まれの少女リリが、火星の女王と呼ばれるようになるお話。
地球が火星を支援していたけど、思ったより利益が出なかったので撤退すると決まった。
そんな時、火星であるものが発見された事により火星にはまだ旨味がある!かも?→独立します!
出来んの?この残りページで!?がなんとかなってました。
地球で光の速さというと最速の単位だけど、これが地球ー火星間になるとめっちゃ遅い。それほど遠い。なるほど〜
ドラマ見たかったけど気付いた時には終わってました…アマプラで見るしかない…
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感想
2100年頃の話。火星に住む人と地球側の対立が書かれている。
やはり無理矢理別の惑星に住むと元々の環境が違うので地球からの保護が必要なのも分かるし、それなりに見返りがないと難しいよね。
登場人物が多いのとSFなのでちょっと読みにくかった。
あらすじ
ISDAは地球の組織で40年前に火星移住計画を大々的にに進めたが、採掘できるはずのレアメタルが思うようにいかず赤字が続くばかりだった。遂に火星を放棄して地球への帰還計画を進める。
リリは火星支部長の娘で地球行きの資格を得て、観光したいが、移住は望んでいなかった。リリは反ISDAの人に誘拐され、地球帰還計画を止めるという要求が伝えられる。その頃、スピラミンという地球外生物が発見されたと騒ぎになる。
その後、リリがマイクという同級生に誘拐されているところから救われて、火星の女王として祭り上げられる。マディソンは火星を独立させるように動き、リリに火星大統領に就任するよう要請する。地球との対立が深まる中、リリは火星の応援団長に就任し、カワナベと一緒にスピラミンの使い方の可能性を模索し、地球側と共同研究することで合意し、戦争は回避される。リリは今後も山積みの火星の問題解決に取り組むつもりだった。