あらすじ
NHKドラマ化原作、火星と地球をめぐる壮大なヒューマンドラマ
地球外知的生命の探求のために人生をかけて火星にやってきた生物学者のリキ・カワナベは、とある重大な発見をする。いっぽう火星生まれの少女、リリ-E1102は、地球へに観光を夢みて遠心型人工重力施設に通っていた。様々な人の想いが交錯する人間ドラマ。
感情タグBEST3
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遥か未来、人類は火星に移住することが可能で
あり、その火星が生まれ故郷になっている人々
も多数存在していた、という設定です。
地球上においてさえも文化や思想の違いで、
イデオロギーの対立は発生します。
ましてや、火星という距離は、光の速さで通信網
を構築したとしても5分の時差が発生してしまう。
その時間のズレが対立は深まるばかりです。
案の定、ある「武器」を手に入れた火星陣営は地球
からの独立を仄めかします。
果たして惑星間戦争は起きてしまうのか。
人間とういうのは、いつになってもどこに行って
も同じことをやってしまうのだなあ、とありえない
設定だからこそ、そんな人間の愚かさが際立つ
一冊です。
Posted by ブクログ
『火星の女王』は、もともとドラマ化を前提に書かれた作品だと作者インタビューで知り、物語の構成や展開のテンポに納得がいった。
私はNetflixでドラマ版を先に視聴してから原作を読んだため、登場人物やテクノロジーの名称に戸惑うことなく、スムーズに物語の世界に入り込むことができた。映像のイメージがすでに頭にあったことで、むしろ細かな描写や心理描写に集中できたように思う。
火星で生活することの過酷さや制約がリアルに描かれており、その中で生きる人々の人間味が強く印象に残った。また、地球と火星という物理的に大きく隔たれた距離というのが絶妙で、それを逆手に取った作戦には、独特の緊張感とワクワク感があり、読んでいて引き込まれた。
Posted by ブクログ
人類が火星に進出し、そして撤退が検討されているような未来のお話。生物学者リキ・カワナベが未知の生物?を発見をきっかけに、地球への旅行を夢見る盲目の少女リリ-E1102とその周りの人々が織りなす人物模様。
SF小説と言うよりは特殊環境の事件ものだと思いました。無難に面白かったです。気になった点と言えば、設定にISDAという組織がて出てくるがどんな規模なのか、どういった目的なのかがよく分からないのでちょっともったいない。
あと事件が起きるわけだが舞台に対して小ぶりなのでスケールが小さく見える。こんなもん?となりました。
印書的なのは光の速度の扱い。宇宙を舞台にすると『光』は遅いんですね。この話の根底にあるのは時間差のあるコミュニケーションによるすれ違い、かな?
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火星に人類が移住して40年、世代交代が進むも、経済性などにより人類の火星移住計画を推進してきた国際組織ISDA自ら撤退を進めようとしている近未来。
・ISDAの種子島支部長の娘、リリ(火星生まれ、過去のテロ事件により失明、21歳)
・地球で地球外生命体の研究での捏造を疑われ、放逐された研究者リキ・カワナベ
・ISDA職員で過去に火星に研修に来ていたことがあり、祖父はカワナベの大学時代の教官だった白石アオト
・火星の自治警察の一員、
4人の視点から、火星で発見された光よりも早く同時に様態を変える物質スペラミンをめぐる火星独立派と地球のISDAとの綱引きや、リリの誘拐事件、13年前の事件、カワナベの過去などが少しずつ見えてくる仕掛けとなっている。
光の速さで通信しても一往復に15分かかり、相互不信に陥っていく火星と地球にはリアリティがあった。
身体に埋め込まれた電子タグを抜いた「タグレス」の貧困や切り捨て、資源による支配、やたらカネを持った起業家のマディソン(イーロンマスク?)など、現代と実はあまり変わらないと感じた。
スペラミンを兵器用途ではなく通信手段として使う結末は希望を感じさせた。
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きちんと理解する必要はないが科学的記述やカタカナ語が多用されて、読みづらさは否めず、物語世界に入るのに少し時間がかかった。
宇宙を舞台にしたスケールの大きさ。人類の思考の傾向や課題。ユーモア。意外性。
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火星でとある物質の構造変化を見つけた学者のリキ・カワナベ。なんてことない物質の「今後どう生かされるのかもわからない」発見だったのだが、地球との力関係を大きく変えると目を付けられて・・・
いや面白かったです。ジャンル的にはSFなのだろうか。でもわかりにくい設定とか用語なんかもそんなになく、普段読み慣れていない自分でもすんなりと楽しめました。
以前に同じ作者さんの本読んで結構話が重めだったので身構えたり、残りページがだいぶ少なくなってきたのに話がまだ盛り上がってるところで大丈夫なのか?と心配したりもしましたが、今回は(最終的には)なんともさわやかにきれいに終わりました。よかったよかった。
Posted by ブクログ
最初は結構パッとしない感じだった。光の速さでも、火星と地球の間の通信が片道5分以上かかるという、光でも遅すぎるというキーワードが出てきて以降、それがちょっと自分の中で引っかかっていた。
物語の中では通信が往復で15分くらいかかるということを利用して、その間に電撃的に火星が地球側の拠点を制圧して火星の独立を実現するというエピソードが出てくるが、それ以外にも火星と地球でどうしても同期したコミュニケーションがしづらいことで意思疎通が図りづらいというような描写というか、そういう文脈が通底している。
そしてそこで最後に光の速さを超えた同期を実現するスピラミンという特殊な物質の活用方法としてコミュニケーションのためにそれを使って地球と火星のやり取りを円滑にしていこうという希望が描かれる形で物語が結ばれていく。
例えば仕事のコミュニケーションでもチャットで非同期でやりとりができるのは便利ではあるけれども、どうしても対面で顔を見ながらその瞬間瞬間のお互いの雰囲気を感じて話をするのとは全然違う。
情報のやりとりが時間と独立してできるという技術的な進歩を経ても、それでは伝えきれない、伝わりきらないものが人間同士の間にはあるということを地球と火星という絶妙な距離感の中で描いているのだなと思った。
作品に対する批判的というか、気になったこととしては、どことなくキャラクターの表情とかが見えづらい感じだったり、主人公の一人であるリリのファミリーネームのような記号が結局どういう意味を持つのかよくわからなかったり、同じくカワナベの年齢がイメージよりもだいぶ高いが振る舞いや一人称とイメージがちょっと合ってなかったり、それを逆にミスリードさせて最後にちょっとしたどんでん返しがあったりするのかと思っていたが、そういうのはなかったので、ちょっともう少しギミックがあっても面白いかなと思った。
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火星に移住した人々と地球にいる人々との関係を描く。
読んでいてまるで、「スペースノイドとアースノイドの軋轢みたい」と笑ってしまった。ここで展開される世界観では火星は資源的に自立することができず、定期的な地球からの物資支援を必要としている。そこに火星が自立するチャンスが来たのか、それとも? ってことで話は展開していく。
科学的な考証は緻密だ。あとは火星開発の経済的な理由をうまく設定できればねぇ。
Posted by ブクログ
3/4くらいまでは説明が多めで我慢が必要だったが、終盤で全ての伏線が回収されてスッキリできました。
月並みになってしまうが、最後、応援団長、副団長がくだした決断が、火星と地球の通信のラグ(10分くらい)によるコミュニケーション不足による分断を武力で解決するのではなく、新しいテクノロジーを火星と地球、双方で研究し、ラグのない対話から、共存を目指していく。
テクノロジーを武力に利用するのではなく、前向きな平和に使っていくべきだという、今の分断した世界にも通じるメッセージになっていたのもよかった。
最後、地球に訪問した際に、仲の悪いバンドが大金をつまれて、一夜限りの再結成をして演奏するシーンが良かった。お互い過去にさまざまな諍いがあり、嫌いあっているのに、演奏はぴったり一致する。全てが分かり合えなくても、音楽や芸術など,文化的な繋がりがあれば、共存はできるという希望のメッセージに感じた。
Posted by ブクログ
さすが小川哲。色んな文章がちゃんと描ける彼の真骨頂はSFだと感じる。光が遅すぎる、というパンチラインに物語性を持たせて世界を構築するその筆力。素晴らしかった。のだが、やはりもっと死ぬほど長編を読みたい。そもそもコンセプチュアルな作品なので、そういうものではないのだが
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一方通行の通信でも10分かかる火星と地球でも対話のために兵器にも使える新物質をそちらに使うことにしたのに一瞬で会話できる地球の人たちが分断とかしてる場合じゃないよねっていう話だったのかな
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NHKのドラマを先に見ていたので、登場人物は把握できた。お陰であたまの中でイメージできたのでわかりやすく読めた。ストーリーはちょっと違っていて驚く。
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火星に進出を果たした未来において、火星で見つかった謎の物質を中心に地球と火星の政治的対立を描いた小説。
LINE謎解きやNHKドラマとタイアップした作品。事前に他のメディアで本作の背景知識を持っている場合は非常に読みやすく、他のメディアで出てきていた登場人物が動き、話している様子を見ることが出来て面白いと思う。
丁寧な背景説明と状況描写は良かったが、ストーリーの展開は新規性があるとは思わなかった。淡々と物事が進行していく感じ。
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もし、火星に住めるようになったら‥そこで未知な物質を発見したら‥こんな感じなのかな?というお話。
地球と火星が通信する時間に10分かかる。「光は遅すぎる」は心に残ったかな。思ったことなかったから。
小川智さんの小説を推す人が多いから、他も読んでみたい!
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感想
2100年頃の話。火星に住む人と地球側の対立が書かれている。
やはり無理矢理別の惑星に住むと元々の環境が違うので地球からの保護が必要なのも分かるし、それなりに見返りがないと難しいよね。
登場人物が多いのとSFなのでちょっと読みにくかった。
あらすじ
ISDAは地球の組織で40年前に火星移住計画を大々的にに進めたが、採掘できるはずのレアメタルが思うようにいかず赤字が続くばかりだった。遂に火星を放棄して地球への帰還計画を進める。
リリは火星支部長の娘で地球行きの資格を得て、観光したいが、移住は望んでいなかった。リリは反ISDAの人に誘拐され、地球帰還計画を止めるという要求が伝えられる。その頃、スピラミンという地球外生物が発見されたと騒ぎになる。
その後、リリがマイクという同級生に誘拐されているところから救われて、火星の女王として祭り上げられる。マディソンは火星を独立させるように動き、リリに火星大統領に就任するよう要請する。地球との対立が深まる中、リリは火星の応援団長に就任し、カワナベと一緒にスピラミンの使い方の可能性を模索し、地球側と共同研究することで合意し、戦争は回避される。リリは今後も山積みの火星の問題解決に取り組むつもりだった。
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未来の火星を舞台に、「スピラミン」を巡る地球との対立を描いたSFサスペンス。スピラミンを巡る利権争いは現代のレアメタルに似ている。人間の業や社会構造の縮図として非常に考えさせられる。
地球と火星間の通信「タイムラグ」がもたらす絶望的なもどかしさの描写。ほんの数秒の遅延にすらストレスを感じる現代の感覚からすると、この圧倒的な距離によるコミュニケーションの壁は非常にリアルだった。カワナベが放つ「だからなんだ」という無骨なセリフには、理不尽な状況やしがらみを蹴散らすような痛快さがあり、強く心に残った。
Posted by ブクログ
SFはnot for meだー! と自覚した話。
それとも作者が合わないのかなー、「君のクイズ」もそこまで響かなかったもんなー。
とはいえまぁうん、話としては面白いのではなかろうか。
謎というか事件発生まで読むのが少し苦痛だった。じっくり読むよりサラッと読んだ方が進むので、サラッと読んだが、取り立てて問題はなく話は理解できた。
「火星の女王」っていうから発見されたスピラミンが実は……みたいな話かと思ったら、まぁ近未来の地球と火星を舞台とした人間模様って感じかな。
戦争回避できたのは良かったね、現実でもちゃんとこうなれば良いだけど。
AJの本心をAJから聞けないのは残念だったし、マディソンは最後まで分からんままだったなー。
色んな科学理論とか物性とかもちゃんと説明されていて、よく調べましたねって感想を抱いたので、多分私の性質がSF向きじゃないんだと思う。
「光は遅すぎる」はテーマとして良かった。現代科学としては斬新なセリフで印象深く、物語の中でも重要な位置を占める。この一文はきっとこれからも覚えてるだろうな。
Posted by ブクログ
光は遅すぎる。コミュニケーション手法は多々あれど、地球を飛び出すほど科学が進めば他者と同じ瞬間を共有する「同時性」が阻害されるという着眼点は絶妙。祈りは光よりも速いのだ。
平衡に抗う負のエントロピーという生存の概念も面白かった。
Posted by ブクログ
地球と植民地である火星に住む人々。微妙な関係で成り立っていたそれぞれの生活が崩れていく様子が上手いこと描かれていました。スケールの大きさに驚かされました。
舞台設定やディテールの作り込みもお見事です。
Posted by ブクログ
う~ん、難解でした。そういえば『地図と拳』も…難解でした。
でももしかしたら、あと100年後の世界かもしれないけれど‥‥
やった読み終えました。
Posted by ブクログ
光が遅すぎる。。。
地球と火星間ともなると光は遅すぎるのね。やっぱり人間は「面と向かって」話さないと理解しあうのは難しいのかしら。
ゆる言語の水野さんが会話のターンテイキングは0.2秒と言っていたから片道5分もかかる通信はそりゃ遅いよね。誤解も生まれるわ。人間はどこに行っても争いは避けられないものなのね。
Posted by ブクログ
感覚脳の私では絶対に考えもしないことを知れて、考えることが楽しかった。
エントロピーとか。
舞台である火星とか。
「無人島に一つだけ科学理論を持っていけるとしたら、何を持っていきますか?」
小川さんの頭の中ってどうなってるのだろう。
私は現在の問題を別の物語に落とし込んでいる小説が好き。
物語だからできる理想や解決。
考えさせる小説が好き。
ちょっと物足りなく感じたから、倍の長さだったらもっと良かった気がする。
Posted by ブクログ
ヘイルメアリーやら火星の人やら火星ワードにつられまくって。既に火星の暮らしの話でドラえもんを読んでいる気分でワクワクしました。行ったり来たりと言っても距離は変わらないんだよなー。
Posted by ブクログ
「対立してしまったことの1番の原因は、面と向かって話をすることができないからなのではないか」
技術が進んで火星に人が住むようになっても、人の心の基本は変わらないのだろうなと思った。
実世界でアルテミス計画が始動する今、この作品を読めて良かった。